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人間の平熱が年々低下している。その理由は定かでない(米研究)

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(著) (編集)

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人間の平熱が下がっている/iStock
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 19世紀中頃、ドイツの医師カール・ヴンダーリッヒは2万5000人の患者の体温を測った末に、人間の平熱を明らかにした。

 当時、炎症を起こした部位はほかの部分よりも熱くなること、ならびに人間の平均体温は36.9度であるというフランスの医師による研究があった。

 ヴンダーリッヒはこれが本当なのか確かめるべく、30センチもある長い温度計を使って、無数の患者の体温を計測し、人間の平熱は37度であると突き止めた。1868年のことだ。

 そして今、人間の平熱は年を追うごとに下がってきているという。

人間の平熱に関する研究

 人間の平熱についてはその後も研究が進められ、現在では1日の内でも変化することが知られている。朝にはやや低く、もっとも体温が高くなるのは午後6時頃だ。また男女でも平熱に差があることが分かっている。

 そして最近の研究によれば、奇妙なことにその平熱が年々下がっているのだという。

 2017年の研究では、イギリス人3万5000人を対象とした25万回分の計測結果から、口内の平均温度が36.6度であることが判明。

 さらに2020年7月の研究では、アメリカ人の平熱が1860年代以降、10年で0.02度ずつ低下していることが突き止められている。

世界的にみられる平熱の低下

 『Science Advances』(10月28日付)に掲載された最新の研究では、ボリビアの先住民「チマネ族」の平熱が2002年以降、年0.05度と急激に低下していると報告している。

 ボリビア・アマゾンで暮らすチマネ族は、1日1万6000歩を歩く生活のためか、世界でもっとも健康な心臓を持つと評価された人たちだ。

 今回の研究では、2002年から2018年にかけて、5500人のチマネ族の体温を計1万8000回にわたって計測。さらに、気温・感染症・体重など、体温に影響を与える要因を考慮して測定値を調整したうえで分析が行われた。

 すると彼らの現在の平熱は36.5度であることが判明、わずか20年のうちに、アメリカ人が2世紀かけて経験したのと同じ体温の低下が起きていたのだ。

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iStock

なぜ平熱が下がっているのか?

 その明確な理由はまだ明らかとなっていない。

 だが、アメリカ・カリフォルニア大学サンタバーバラ校のマイケル・ガーベン教授は、「現代的な医療と、昔に比べて軽い感染症が長引かなくなったからかもしれません」とThe Currentで説明している。

 つまりは抗生物質や抗炎症剤などによる治療を受けられるようになったことで、以前に比べれば感染症にかかりにくくなり、かかったとしても治りが早くなったことが関係しているというのだ。

 だが、原因はそれだけではなさそうだ。

 「ここ20年で健康状態は良くなっていますが、ボリビアの田舎では相変わらず感染症が蔓延しています。感染症の減少だけでは、体温が低下した理由を説明できません」と同教授は言う。

 もう1つの可能性としては、夏場の冷房や冬場の暖房が普及したおかげで、かつてに比べて、人体が楽に体温調節できるようになっているからとも考えられるという。

 チマネ族の場合、そうした高度な冷暖房システムを利用しているわけではないが、それでも衣服や毛布といった体を温める製品を入手しやすくはなっている。

 平熱が低下している原因はまだはっきり解明されたわけではない。

 しかし本当に医療や生活環境の改善が原因であるなら、平均寿命と同じように、平熱もまた人口全体の健康状態を示す指標として活用できるかもしれないとのことだ。

 平熱が下がったと聞くとつい嫌な予感がしてしまうが、今のところ悪い兆候とは考えられていないようなので、とりあえず一安心だ。

References:iflscience/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 62件

コメントを書く

    1. >>1
      ドイツ、イギリス、アメリカ、ボリビアと記事には書かれているが、どの人種だと言いたいの?

      • +8
      1. ※5
        >今回の研究では、2002年から2018年にかけて、5500人のチマネ族の体温を計1万8000回にわたって計測。さらに、気温・感染症・体重など、体温に影響を与える要因を考慮して測定値を調整したうえで分析が行われた

        • -10
    2. ※1
      そもそも「アメリカ人」って人種じゃなくて、国籍ですけどね……

      • +11
    3. >>1
      この夏、東京都にいるとどんどん下がり、34.2度まで下がった。でも本州の端っこの森の中に行くと24時間以内に36.6度になるの。
      都内にいると血液が血管の中で暴れるようなというか、全身にピリピリとした痛みが走り、どんどん体温が低下した。
      この数日、ようやく治ったとこだけど。

      同じ症状で横浜と東北を行き来するサラリーマンが横浜にいると35度台前半で、東北に来ると36.5度になると言っていた。

      電磁波とか、見えない物の影響なんじゃないのかなー

      • 評価
    4. >>1
      俺は昔36.5度あったけど今は36.2度が平熱だわ

      • 評価
  1. 平熱が低い人、確かにいるよね。増えてるかどうかは知らないけど。
    私は平熱が36.6度で普通だと思ったら、自分より若い人達に「高いですね」と言われて意外だと思ったことがあるから、もしかしたら増えているのかも。
    母は若い頃から35度前半で、「私からすると、ほぼ死体という体温だな」と思ったものでした。
    いずれにしても、大人で平熱が低い人は免疫力が低いのかしょちゅう風邪を引いてて、逆に私と同じ36.5度ぐらいの人は風邪を引きにくい感じがする(あくまでも自分の周りにいる人だけの印象です) 

    • +18
    1. >>2
      死体って言い方は失礼だと思うけどね
      それで悩んでる人もいるんだし、言い回しは気をつけたほうがいいと思うよ

      • +1
      1. ※44
        まあ、思った相手が実母だったから冗談半分ででした。すみません。

        • +4
    1. >>3
      便利な環境になった人々の体温が下がっているというなら何となく納得出来るものの、そうした環境にない先住民の方々も平熱が下がっているから「何だろう?」ってなってのよ

      • +6
      1. ※18
        定期的に健康調査されるような状況で文明化が進まないわけないでしょ
        ググるとこんな記述も出てくるね
        「チマネ族がモーター付カヌーや加工食品と出会って以来、コレステロールのレベルが上昇している」

        • +4
  2. 汗かくのが下手な人も増えてるし外気対応出来る人が減ってる気はする
    何か有って空調保てなくなったら一気に人口減るのでは

    • +4
    1. >>4
      体温コントロールがうまくいかなくても、いきなり死んだりはしないと思うのよ
      まあ、影響を受けて変な病気が流行ったり等々、弱体化する兆しとして捉えることはできるかも

      • +2
  3. シャワー後や寝起きに4℃切るの当たり前だよな?

    • -3
  4. 今世紀末の予言だけど
    超能力を備えたミュータント種が
    現在の人類にとってかわるの。

    • -1
    1. ※12
      単純に言ってしまえばそうだね。
      冷暖房普及、医療の充実、寄生虫飼ってるような人もほぼいないし、深部体温が適正範囲であればエネルギー使って高くする必要がない。
      とはいえあくまでそれは予想の範疇で、解明するのは難しい。

      • +8
  5. 意識高い都会の現代人のフリしてたけど36.5度です。
    低温化は人間だけなの?
    他の動物も変化してたら生物が気温に適応したとかないのかな。

    • +5
  6. 体温が高くて汗も出にくいから困る37.2~5度
    なにが困るかと言うと夏の消費体力がおそらく常人の倍以上あるから
    これはたぶん理解されないまま、終わると思う。根性♪
    体温が低くなる利点はなんだろうな、熱帯気候ではたしかにそちらのほうが良いと思う

    • +5
    1. ※15
      体温が低くてメリットがあることは、食べ物が少なくて済む(≒必要エネルギーが少ない)でしょうね。
      本文の最後に「平熱が下がったと聞くとつい嫌な予感がしてしまう」とありますが、免疫システムが相対的に弱まることが予想されるので、病気のリスクが上がると想像します。

      ま、体温が高いのは褐色脂肪細胞が多くて代謝が大きく、結果太りにくいと予想されるので、食料の問題がない前提で、現代の価値観では良いとされるスタイルを保ちやすいでしょうね。

      • +2
      1. ※56
        最大のメリットは寿命なんだよ
        体温は生命の炎
        筋肉を震わせるには燃料だけでなく、当然素材であるタンパクも要る
        タンパクが代謝に負荷を掛け短命にしてしまう
        ネコを見てると良く判る

        • +1
  7. やっぱ冷暖房の整備は大きいと思うよ
    後は地球温暖化とかも関係してるかも

    • +4
  8. 自分は結構筋肉質でがっしりした体格だけれど(なぜか自律神経失調症で)、平熱は36度1分程度。
    特に風邪を引きやすいということもありません。
    まあ、個人差はあるのでしょうね。

    全世界的規模で、地域のむらなく、大規模な統計を取らなければ(難しいでしょうが)、結論的なことは言えないでしょうね。

    • +6
  9. 都市部だけなら医療とか栄養状態とかで説明できるかも知れないけど、ジャングル奥地の人も同じというのは不思議ですね。人類全体に何かが起こっているというべきか

    • +1
  10. ガイア理論では地球を1つの生命体として考えたときに、温暖化の反作用として温度を下げる働きをするように生物の体温が下がる、とかなんとか。

    • +1
  11. 自分は夕方でも35度ちょっと。36度越えなんて滅多にない。
    きっとLivig Dead。

    • +5
  12. そう言えば最近の人老けてないよね
    別に日焼け止めとかアンチエイリアシング
    してるわけでもない人でもさ
    30~40代の人が20代に見える
    自分もだけど白髪一つないんだよね

    進化してるのかね
    ひょっとして
    うちら150~200歳まで
    生きるんじゃないかね

    人間の遺伝子って
    異常に変異スピードが
    速いんだよね
    他の動物に比べて

    • -10
  13. このままどんどん下がれば将来的には体から氷が出せるようになるかも

    • +2
    1. ※24
      このままではわずか15万5千年ほどで、体温が絶対零度になってしまうぞ!

      • +1
  14. 平均寿命の増大と同じような意味を持つなら、人間の寿命と平熱の相関をとった統計はないんだろうか。負の相関が出てるのかな?。

    平熱も年齢によって変わる人もいるだろうから難しいのかもしれないけど、何か傾向が掴めると面白いと思う。人で難しいなら取り敢えずラットやマウスなどでも良いかもしれないけどね

    • 評価
  15. コロナのせいで不特定多数の小中高校生の体温を毎日チェックする事になって半年が過ぎたけど、この記事は俺が感じていたことそのままだ。

    みんなすごく体温が低い。35度台の子を見たときは最初ショックだった。

    • +11
    1. ※29
      「35℃台~」と言う人を見ていて思うのが、
      体温計の挿し方が悪い人が結構いる。
      正しくは、「斜め下から」脇の凹みに軽くクッと刺し上げるように
      皮下の血管が通っている所へ先端部を近づけなきゃいけないのに、
      服の襟元から浅く入れるせいか、「斜め上から」下へ向けて挟むだけとか、「水平」ぐらいで腋窩には当たってない人が相当割合いる。

      あと、電子体温計って、誤差±0.1℃とか謳っていても
      水銀計で15分くらいかけて完全に平衡温になるまで待った場合
      に比べ、やっぱりブレがそこそこあるように思う。
      特に、冷ための先端で表皮が冷えたのを 浅い挿入で測ってる時。

      ま、学術的な研究では、担当者がきちんと測ってるんだろうけど。

      • +10
    2. >>29

      診療所で勤務してて患者さんごとに毎回体温チェックして記録してるけど確かに35℃台は若い子に多い。他に35℃台だと高齢者かな。あとやせてる人は低めの印象

      • +5
  16. 筋量が減ってるからでしょ
    特に足腰というかケツの筋肉
    ボディビルダーなんかは平熱が37度くらいだとか
    冷え性の人も増えまくってるんじゃないの

    • +11
  17. 子供は体温が高く年寄りは低いから、単純に年寄りが増えただけじゃない

    • +4
  18. 体内でタンパク質が機能するには一定の温度範囲になければならないからね。
    数十万年後の人類が絶対零度を突破して宇宙の法則が乱れるようなことはないので安心してほしい。

    • +2
  19. 平均睡眠時間じゃないかなと個人的に推測してる
    薬飲んでるから検温して記録取ってるけど寝不足だと明らかにその日一日体温低めのままよ

    • +5
  20. アンモニア溶解熱が不足してるせいやろ
    その辺の落ち葉とかに納豆とか混ぜ込んで水かけて放置してみ、しばらくすると分解が進んでアンモニアが生成されてそれと水が反応してめっちゃ高温になるから

    それと同じことが人間の体内でも起きてるんよ。それが体温の底上げにつながってる
    ただまあ、アンモニアなんてぶっちゃけ毒だからな。それを生成する食品とかは本能的に忌避されて、都市部とかで普通の食生活してたら基本摂らなくなる

    アマゾンの原住民の体温が下がってるのも、都市部から何か食品が入ってきて
    そういうアンモニア溶解熱が発生する食品を食べる機会が減ってるからでは?まああくまで仮説やけどな

    • +2
  21. 30cmもある長い体温計ってなんだ!? やめろ、入らないぞ!?

    • +10
    1. ※39
      落ち着け!全部入れるな!
      30cmあるのは単に目盛りを長くして小数点以下を見やすくしてるだけだw

      • +24
  22. 35度台ってヤバいなぁ…とか思ってたんだけど、結構いるみたいだから、これからは、「健康です」って、言っとく。

    • +3
  23. 時々朝35.3°の時があった。
    どうりで朝起きれないなって思った。
    そうか。運動不足が関わってんのね。

    • +2
  24. 若い頃は高温も嬉しかったけど最近は憩室炎(持病)やらコロナやらで低い方が安心するようになってしまったよ…

    • +3
  25. 環境ホルモンとかの要因も絡んでいたりしてね

    • +1
  26. 仕事前にコロナ検温してるけど、元々低体温な上に朝だから平均34.7位。一人づつグラフ化してるんだけど、34.4の日、支店長が店に来て「大丈夫?フラフラしたりしない?!」店内最低記録毎日更新してたらしい。

    • +3
  27. 「冷えは万病のもと」って言うけど、手足が冷えてつらいのとは別に、平熱が低いのも入るのかなあ。。。

    • +2
    1. ※48
      「低体温の子のほうがちょっとした事で風邪ひきやすい」っていう経験則はある。

      ただし低体温の子は総じて寝不足か痩せ気味(またはその両方)なので、
      寝不足・痩せ気味だから風邪ひきやすい・低体温なのか
      低体温だから寝不足・食欲不振で痩せ気味&風邪ひきやすくなるのかはわからない。

      • +2
  28. 根本的に運動量が年々減ってるんだから基礎代謝に伴い平熱体温の低下も当然なのでは?
    アスリートと一般人比較すると平均で0.5度くらい違うよ

    • +4
  29. 仕事で3日連続コロナ対策で毎日早朝に非接触型を使用した検温があったけど
    毎日36度とかで正直驚きました。
    ホテルに戻ってフロントでの検温も36.5とか・・・

    冷え性ではないんですけどね~

    • -1
  30. 運動不足という単純な答え
    朝に町内を一周走ったら体はポカポカだけど
    ストーブのスイッチを入れるのが現代人

    • +2
  31. 非接触式で測った体温が統計に含まれてるとか…

    • +1
  32. 子供の頃は平熱37度超えてたが、現在の私の平熱は35.2度位、ジムで運動直後に体温測っても35.7度だった。去年インフルエンザに罹って倒れて入院した時も最高で36.8度だったし、37度超える事はまずないだろうな。

    • 評価
  33. 温暖化の影響で体温が高いと暑すぎるから適応したとか?

    • +1
  34. 昭和末期生まれだけど子どもの時から常に体温が一定で、普通の体調の日は何時に計っても大体36.2℃だった。いわゆる平熱が0.1℃の狂いもなかった。
    ところが難病を発症して免疫抑制剤の一種を使い始めたら平熱が下がって、人生で初めて平熱が35℃台の半ば位になって体温が定まらなくなった。
    体温が高い方が良いとかじゃなくて、免疫が正しく働いていると体温が安定するんだなと実感したよ。

    • 評価

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