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毎週ゴミの日になると、ゴミ収集員の男性が88歳のおばあさんと手をつなぎながら、ゴミ箱をおばあさんの自宅まで一緒に戻しに来る。最後に2人はやさしくハグをかわし、男性は笑顔で仕事へと戻っていく。とても心温まる光景がおばあさんの自宅玄関に設置された防犯カメラにとらえられていた。
アメリカではひどい事件もたくさんあるが、基本的には困っている人を助けるという文化が根付いている。助けられた人はまた別の誰かが困っている時に助けようとする。思いやりの輪は決して失われていない。
大きなゴミ箱を運んでいる高齢者を助けてあげようとする人はたくさんいるだろう。でも彼はおばあさんと手をつなぎ、導くようにして運んでいたのだ。
それにはこんな事情があった。
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きっかけは玄関先で転倒したおばあさんを助けたこと
今年1月、ミズーリ州カンザスシティのインディペンデンスに住むオパール・ズッカさん(88歳)は、ゴミの日にゴミ箱を自宅玄関先から車道へ引っ張り出した後、再び自宅まで戻そうとした際に転倒し、酷い怪我を負った。その時、ズッカさんを助け起こし、救急車が到着するまで一緒にいてくれたのが、ゴミ収集員になって4年経つビリー・シェルビーさん(50歳)だった。
シェルビーさんは、自分の祖母のような年齢のズッカさんが、寒い中ひとりで救急車を待つのは心もとないだろうと思い、仕事を中断してまでズッカさんのそばでずっと励ましていた。
そしてそれ以降、毎週ゴミの日になるとシェルビーさんは、ズッカさんが転倒しないように、おばあさんの手を引きながら、ゴミ箱を戻すのを手伝うようになったのだ。
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仲良く手を繋いで歩く2人の姿が防犯カメラに
シェルビーさんは、毎週ゴミ出しに来たズッカさんと手を繋いで、ズッカさんの自宅前までゆっくりと歩いてゴミ箱を戻す。ズッカさんが怪我をした直後からずっと繰り返し続けて来た。ズッカさんは、親切なシェルビーさんが週1で姿を見せるのを楽しみにするようになった。またシェルビーさんもズッカさんとたわいない言葉を交わすことを毎週楽しみにしていた。
次第に、友情を築くようになった2人の姿は、ある日の防犯カメラに捉えられており、その映像を見たズッカさんの娘コレット・キングストンさんはとても感動した。
映像の中では、ズッカさんの手を繋いだシェルビーさんが、いつものようにズッカさんのゴミ箱を玄関先に戻す姿が収められており、更にシェルビーさんはズッカさんのヘアスタイルを褒め、「自分もそろそろ美容院に行かなきゃ」とジョークを飛ばし笑っている。
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画面から2人の絆
何気ない会話だが、毎週必ず一緒にゴミ箱運びを続けてくれるシェルビーさんは、ズッカさんに笑顔も運んできてくれるようだ。2人は最後にハグをして、シェルビーさんは「今週も会えてよかったよ。またね」と言って手を振って仕事に戻る。
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わずかな時間ではあっても2人の間には優しい時が流れている。それに気付いたコレットさんは、フェイスブックでその映像をシェアし、次のように綴った。
アメリカでは、とても小さな親切かもしれませんが、この映像を見た時思わず涙ぐみました。
私たち家族にとっては高齢の母を気にかけてくれる人が身近にいるというだけで、大きな安堵を感じています。いつも本当にありがとう!
やさしさは連鎖する
コレットさんがシェアした映像は拡散し、地元メディアでも注目を浴びた。シェルビーさんは、テレビを母親と見ていた時に初めて自分が話題になっていることに気付き、驚いたという。
テレビで流れている映像をみて「なんかこれ、自分みたい」と母と話していて、よくよく見たら「これやっぱり自分じゃないか!」って声を上げてしまいました。その後、ズッカさんと共にメディアの取材に応えたシェルビーさんは、このように語った。
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もう二度と、彼女が倒れないようにと気を付けてあげなければと思い、家までゴミ箱を引いて戻る間、話をするようになったんです。その言葉通り、シェルビーさんの行いは嬉しい形で戻ってくることになった。
私は、誰かの笑顔を見るのが大好きなだけです。
誰かにやさしくすれば、その誰かがまた他の誰かにやさしくする。巡り巡ってそれは自分へと戻ってくる。そして笑顔は伝染すると私は信じています。
シェルビーさんが大ファンだというフットボールチームの元選手がこの一件を知り、シェルビーさんに間もなく行われるチームの試合のチケットをプレゼントしてくれたのだ。
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シェルビーさんのやさしさは、ズッカさんの家族だけでなく多くの人を幸せな気持ちにしたようで、多くのユーザーからその親切行為を称賛する声や、「心が温かくなった」という声が寄せられている。ネット上ではネガティブなニュースばかりが目立つので、ギスギスした世の中になっているように見えるが、実際には心あたたまる行いも同じくらいの頻度で起こっているのかもしれない。
暗い影があるのはそこに光が当たっているからだ。光の方に目を向けられることができるようになれば、光がおのずとあたたかい場所へと導いてくれることだろう。
References:CBS Newsなど / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
優しい世界はもう少し侵食を早めてくれてもいいんだぞ
2. 匿名処理班
そのとおりですわい
3. 匿名処理班
これは正しいな、正しい
4. 匿名処理班
こんな人と同じ時代に生きられてよかった
シェルビーさんは私の中で一番のインフルエンサーだ
5.
6. 匿名処理班
善い事して相手が喜んでくれると、その日は良い一日になる
人から親切にされた時も素直に喜んでお礼すると、その日は良い一日になる
困っている人の横を素通りしてモヤモヤな一日を過ごすぐらいなら良い一日にしよう
7. 匿名処理班
いい人だ…それに比べて自分は。はー…w
8. 匿名処理班
祖母は言い過ぎ
9. 匿名処理班
泣かせるなよ…
いや、泣かせてくれ
10. 匿名処理班
一緒にテレビを観ていたシェルビーさんのお母さんも、さぞ誇らしかったことでしょう。
日本でもこのニュースで笑顔が伝染たよ、シェルビーさん!
11. 匿名処理班
本当に良い人だなぁ
人とのふれあいで生活に張りが出るんだよな
見習いたい行動だ
12. 匿名処理班
引き受けて持って行ってあげるわけじゃなくて一緒に歩いてくれるのがいいよね。おしゃべりの時間になるし、年配の方はこういう日常の活動をしっかりすることで筋力維持にもつながるし。
そういや日本だとゴミ収集車に魅了される少年は多いが(トミカも人気)、アメリカでもそうなんだろうか...
13. 匿名処理班
※7
他人と比べんなよ!で、ため息つく必要なしだぜ。
自分らしく生きていこうぜ!
LIVE FOREVERな!な!!
14. 匿名処理班
※7
表立って何かするのが躊躇われるならデスストやってイイネもらおうぜw
15. 匿名処理班
映像にほっこりしてたけど、右下のスロープの間で動いているのなんだろう?リスかな?猫かな。
16. 匿名処理班
50年前だったら 手助けしたくても黒人が白人の手をつないでハグもできなかった 昔よりよくなったことから可能になった善行のひとつだ
17. 匿名処理班
>>16
だな。触るな汚らわしい!とか襲う気だろあっち行け!とかいう時代には無理なことだわ。本人は喜んでてもそれを見た家族が訴えるとかそんな時代ではなくてよかったな