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遺族にとって愛する人を送り出す大切な葬儀において、葬儀会社スタッフたちが気を配らなければならない重要なことは、取り残された悲しみの中にいる遺族たちへできる限りの安らぎと癒しを与えることだ。イギリス北西部マージーサイド州には、その役目を完璧に果たしてくれる一匹の猫がいる。
パディーと呼ばれるジンジャーキャットは、自ら葬儀場に出向き、これまでに100件以上の葬儀に参加し、遺族の悲しみを癒してきた。
英国消費者協同組合により運営される葬儀会社の地域スタッフは、「パディーは特別な能力を持つ猫」と話している。
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Cat Comforts Mourners At Funerals
3年前から地元の葬儀場に姿を現し始めた猫
ジンジャーキャットのパディーは、今から8年前にマージーサイド州ウィラルにある農場で生まれた。その後パディーは、農場の近くのイーストハムという村に住む1組のカップル、クリスティン・ジョーンズさんとスチュアート・ハーグさんに引き取られた。

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4匹の猫を飼っているそのカップルは、パディーが子猫の頃から何か特別なものを持っているのではないかと思っていたという。そしてそれは、3年前に明らかになった。
3年前、パディーが行方不明になったのです。探していたところ、葬儀場にいたのです。彼は悲しんでいる参列者に寄り添っていました。
パディーは人間が大好きで、地域住民の間ではとてもよく知られた猫でした。
パディーは彼を必要としている人が誰かを察することができるようで、葬儀場では、慰めを必要としている人々を見抜いて、彼らを癒しているようでした。飼い主としても心温まる思いです。
葬儀に参加し、遺族を癒すパディー
パディーは悲しんでいる人を慰めることが、自らに与えられた使命であるかのように積極的に、葬儀場のある埋葬墓地「Mayfield Woodland Burial Site」に出向いていく。
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ここで葬儀を手配する英国消費者協同組合のコープ葬儀(Co-op Funeral care)の支配人キャロル・ペイトンさんによると、パディーはこれまでに100件以上の葬儀に参加したという。
パディーは、とても特別な猫です。第六感を持っているようで、悲しみに暮れている人の気配を感じ取り、儀式が行われる前にこの場所へ現れます。
パディーが姿を現すと、場の雰囲気が変わります。遺族がそのままパディーをいさせることを許可してくれた場合は、パディーは葬儀に参列します。
といっても、ただ見物するだけではありません。パディーは参加するためにやって来るのです。

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時に、パディーは最前列に座ったり棺を通路に導いたりすることもあります。また、埋葬地では、人生で最も辛い時を迎えている追悼者たちの傍に寄り添って、慰めと愛情、娯楽を提供してくれます。ペイトンさんは、パディーの第六感を裏付けるような、これまでに起こった不思議な出来事を語った。
葬儀は、それぞれがユニークで異なりますが、パディーがここに現れるタイミングはいつも完璧なんです。
ある葬儀の最中、パディーが窓の外に現れました。ちょうどその時、遺族が故人についての追悼スピーチをしていて、いかに故人が猫を愛していたかということを話していたところだったのです。
また、ある葬儀では、女性が亡くなったパートナーの葬儀を私たちと手配していた時、パディーが現れました。
悲しみに暮れていた女性は、その時私たちにずっとジンジャーキャットを飼いたかったことを打ち明けました。
でも、生前のパートナーはそれに反対していたので叶わなかったということですが、パディーがその女性の前に現れた時、彼女はまるで何かのお告げのように感じたそうです。

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近年では葬儀に参列する動物が増える傾向に
コープ葬儀の調査によると、動物愛好家が多いイギリスでは、近年ペットやその他の動物が現代の葬儀で果たす機会が増えつつあるようだ。墓地を訪問した時にパディーと出会った女性は、次のように話している。

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パディーには、特別な何かがあります。悲しみに沈む墓地への訪問者が、ふと笑顔になってしまうような気持にさせてくれます。パディーは、今日も追悼猫として葬儀場で遺族の心を癒していることだろう。
なお、パディーが職場とするこの墓地では、従来の伝統的な埋葬方法および火葬の代替として、再生紙や柳で作られた生分解性の棺を使用し、墓には墓石ではなく木や花で場所を記す環境に優しい「緑の埋葬」または「自然の埋葬」といった選択肢も提供されているということだ。
References:co-operativefuneralcare.co.ukなど / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
木や花で場所を記すって素敵だね。儚いかんじもするけど、消えてしまっても受け入れるということなのだろう。
2. 匿名処理班
以前もこのサイトで
動物病院に引き取られた猫が
手術や入院してるペットに寄り添って癒してるって記事あったけど
猫って苦しみや悲しみを察知する能力と寄り添う優しさがあるのかなあ
3. 匿名処理班
ネコって、普通に落ち込んでる人を見分けて側に寄りそう能力があると思う
ただ、それが発揮されるのは飼い主とその家族に限定されてるだけで、見知らぬ人にも寄り添うパディーさんみたいな子は確かに珍しいとは思う
4. 匿名処理班
どうも心の汚れた人間なので、元々モフられるのが好きな猫がここだとみんな優しいしご飯も貰えるから来てるのではとか思ってしまう
5. 匿名処理班
えがったな、これが黒猫さんとか中世暗黒時代とかなら縁起悪いとか言われてたかも
動物愛護は発展し手ほんとよかった
6. 匿名処理班
愛猫が旅立って1年近く
やっと道で見かける野良さんをほほえましく思えるようになってきたんだけど
ある日見かけた野良さんに「あら可愛い」と言ったら
金網の向こうからのっそり出てきてくれて
存分にスリスリしてきてくれたことがあった
そして30分ほどモフらせてくれた
もうちょっと前だったら、こんなに濃厚な接触は辛すぎて泣いてしまっただろう
猫は人の気持ちをかなり正確に読み取れるのかなぁ
7. 匿名処理班
イギリスにいた墓守猫「バーニー」を思い出すなぁ。
願わくばパディーが一日でも長く生きて一人でも多くの遺族の方々を慰めてくれますように。
8. 匿名処理班
エゲレスの猫っぽいなぁ
9. 匿名処理班
ネコ「100万回に一回くらい
こんな生き方も悪くないな」
10. 匿名処理班
※4
そうだとしてもパディーはモフられて嬉しいし、パディーをモフれた人たちは「特別な子」と触れ合って悲しくてどうしようもなかった心がちょっと解けるんだからWin-Winじゃないか
動物は言葉を持つ人間と比べて気配や感情を読む能力は高いだろうね
んで人間も「何も言わなくても理解してくれた」って思えるから嬉しく・・・というかほっこりできる
だから動物と触れ合うのはやめられない
11. 名無しよん
ひとつ間違えれば、あるいは時代が違えば、「葬儀を嗅ぎつけて墓地をうろつく化け猫」として扱われてた可能性大。
仮にパディーが真っ黒なネコだったら、どういう話の流れになっていただろうか。
12. 匿名処理班
たまたま他の要素が重なったのか、本当に特別な能力があるのか、それを検証するならどうすれば良いのか
という科学的アプローチは別として、動物の中には本当に人の心に同調するのが結構いると感じる
13. 匿名処理班
悲しそうにしている人間を見ると、癒してあげたくなるのさー
というネコなのだろうね。それで本当に人間の側が癒されていると…
やっぱ「特別な能力」だと思う
だって、言葉に頼らない心理治療が行える存在な訳だから
ネコであっても、素晴らしい!と言わざるを得ない
14. 匿名処理班
ジンジャーキャットってそういう種類がいるのかと思ったら
茶トラのことなのね
確かに茶トラの指が開いた手を
肉球がない方から見ると生姜っぽいや
15. 匿名処理班
※4
般若心経でも唱えたらどうだ?物事なんて見方次第でどうにでも受け取れるものなんだと、何百年も前の人たちが気付いてる。
ドイツのことわざだけど「笑って暮らすも一生、泣いて暮らすも一生」
16. 匿名処理班
※11
少なくともお前が独りニヤニヤしながら求めてるような下種い展開にはならないことは確かだ