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高いところがええねん。見ている方がハラハラするコウノトリの巣

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(著) (編集)

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JanneG / Pixabay
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 コウノトリは高いところに巣をつくる。人間の目からすると、なんだか危なっかしく、理想的なマイホームとはいえないように見える。

 だが、コウノトリにとってはこれが最善だったのだ。高所に巣を作ることで種を維持してきたのだ。

高いところに巣を作るコウノトリ

 とにかくコウノトリは高い所に巣を作る。基本的には湿原に面した大木の樹上に巣を作るのだが、採による営巣木の減少により、人間が生活を営む地域にも巣を作るようになった。

 日本では国の特別天然記念物に指定されており、コウノトリが営巣するために人工巣塔も設置されているが、そういったものがない場合、彼らは高い建物の屋根、煙突、電柱や交通標識の上など、とにかく高い場所を見つけては巣を作るのだ

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jacqueline macou / Pixabay

ヨーロッパ人とコウノトリのかかわり

 ヨーロッパ人の多くは、積極的にコウノトリに自分の家の屋根に巣を作らせている。これで繁殖力がダントツに増えるはずだが、高圧電流の危険性に悩まされているものも多い。

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stevanovicigor/iStock

 ハンガリーのコウノトリは子育て中、頻繁に巣を出入りして、せっせとヒナにエサをやる。ヒナは毎日自分の体重の60%ものエサを食べるので、早く往復してたくさんの魚やカエルを運ばないと追いつかないのだ。

 ポルトガルでは、高速道路の高架標識の上にコウノトリが巣をつくっている。まるで、彼らが歩哨の役目をかって出ているかのようだ。

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Husond/wikimedia

 しかし、デンマークではコウノトリはあまり歓迎されていない。デンマーク人は、コウノトリに自分の家に巣をつくられると、その家に住んでいる誰かが、その年の終わりまでに死ぬという迷信が伝わっており、これにより嫌っているのだ。

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Juan Jose Berho / Pixabay

 営巣する建物が高いほど、コウノトリが見る眺めもよりすばらしくなる。ヒナたちの次のエサも見つけやすくなる。だが、歴史的建物が、時計の上に巣を作ったコウノトリのエサの残骸やフンで汚れるはめになっている。ひとつの巣が長持ちすることを考えると、コウノトリの巣と建造物セットで地元の名物といっていいかもしれない。

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sharrocks/iStock

コウノトリの一夫一婦制はワンシーズンのみ

 コウノトリの夫婦は一生添い遂げる一夫一婦制を貫く、と多くが信じている。

 実はコウノトリはワンシーズンのみの一夫一婦制なのだ。次のシーズンに、同じ相手とつがいになるケースはあまりない。とはいえ、いったん夫婦になれば、その間は互いに誠実であることは確かだ。

 教会のてっぺんに営巣するのは正しい選択だろう。初期キリスト教では、コウノトリは白い結婚の象徴となり、重んじられた。だが、現在ではこの考えはすたれている。

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Mercedes Rancano Otero/iStock

コウノトリが電柱を選ぶ理由

 コウノトリはそこから飛び立ったり、着地する高くて見晴らしのいい場所を必要とする。なるべくエネルギーを節約して、舞い上がって滑空し、長い距離を移動して、家やエサを探す。

 電柱は、コウノトリたちにとって、巣をつくるのに格好な場所に見えるに違いない。いくつかの巣は慎重に適度な距離を保って、整然と並んでいる電柱もある。コウノトリは自分の仲間だけでなく、ほかの鳥と隣り合わせになっても、仲良くやっていくことが多い。

 電柱という場所をわざわざ選ぶことの重要な要素は、このエリアで安定した大量のエサをゲットできるかどうかということだ。

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colimachon/iStock

 コウノトリは、魚、両生類、昆虫、爬虫類などなんでも食べる。齧歯類やその他の小型哺乳類も例外ではない。だから、子供のためにかわいらしい子猫を飼ったら、コウノトリの目の届くところで遊ばせないようにしないといけない。

コウノトリと人間のかかわり

 巣の近くに住む住人が、コウノトリの鳴き声に悩まされる心配はない。コウノトリには、鳴管がないからだ。鳴管は鳥の発声器官だが、コウノトリはこれが発達していないので、鳴くことができない。だから、近くにいても煩わされる心配はないだろう。

 その代わり、くちばしをたたいてカタカタ音を出す、クラッタリングをする。おとなのコウノトリにとって、このクラッタリングはコミュニケーションや絆を強める意味があるため、しょっちゅうやっている。

Clattering.Oriental Stork.コウノトリのクラッタリング(くちばし音)

 コウノトリは、人間の親たちが自分たちの子どもに、子供はどうやってつくるのか、ということをすぐには教えないための手段として、長い間利用されてきた。

 「赤ちゃんはコウノトリが連れて来るのよ」という言葉は、とりあえず真実をごまかすために親がよく使う決まり文句だ。

 ヘブライ語では、コウノトリのことはハシドというが、これは信仰を厳格に遵守し、敬虔に神を畏れ敬う人のことを意味する。

 コウノトリは、高みから世界を見渡し、まめまめしく世話をする良き親の象徴となった。古代の文書には、コウノトリの親は動物界でもっとも愛情深いと記しているものある。

 たとえ、巣が火に包まれても、親は決してヒナを見捨てず、そばにいて共に死を選ぶという。この話は半分伝説だが、こうした伝説が多くの文化の中で、コウノトリを力強いシンボルにしている。

 聖書のレビ記の中でも、コウノトリは食してはいけない鳥としてはっきりと明記されている。

 以下の動画は森林火災中、高い所に巣を作っていたおかげで難を逃れたロシアのコウノトリの姿だ。

Stork’s nest amid fire spreading through woodlands in Russia

 ちなみに最近日本でもコウノトリが話題となった。北陸電力は5月10日、コウノトリが巣を作った電柱の配電系統の変更工事を行ったのだ。

 これは、コウノトリの感電を防止するための施策である。ヒナが誕生するまで暖かく見守る予定だという。

References:Avian Architecture – the Precarious Nests of the Stork | The Ark In Space/ written by konohazuku / edited by parumo

追記:(2019/5/ 27)本文を一部訂正して再送します。

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この記事へのコメント 17件

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  1. 日本のコウノトリは暖かく見守ってあげるのがあまりにも遅くなってしまったね

    • +6
  2. あれはたしか日本での話だと記憶してる。
    電柱にコウノトリが巣をつくらない様に、電柱の脇に
    似たような物を作って、電柱に巣を作らせない様にした
    って話をさ。

    • +3
    1. >>3
      その子は生き残るべきでは無かった
      ↑これが適者生存のルール
      地上に卵を産んで寄ってきた連中から守ってやれる程に強くはないだろうから
      この家族はベストを尽くす為に努力してると思う
      雨に濡れない場所に巣を作る鳥も多いけどそれに耐える事もコウノトリの引き継いだ強さなんだと思うよ
      耐えれないとちゃんと育たないけど
      今まで切り捨てられてた命の重みを無視して弱くても育つように手を貸すことで家畜のように自由を奪う事に近づく

      • -4
  3. >コウノトリの一夫多妻制はワンシーズンのみ

    人類も学ぶべき

    • -11
  4. 道理でデンマークの友人がヨッシーアイランドを嫌ったのか

    • 評価
  5. 不謹慎かもしれないが
    コウノトリは美味しいのだろうか?

    • +1
    1. >>8
      美味しいんじゃないかな
      戦時中には食料難とは言え食べ過ぎて激減したんだから

      • 評価
    2. ※8
      欧州ではコウノトリ(シュバシコウ)は保護対象ですが、一部の個体(ボスポラス海峡からエジプトを通り、一番長距離だと南アフリカまで行く、いわゆる東ルートのグループ)が通過・越冬する東アフリカ(タンザニア当たり)では人間の食料として狩猟の対象となっています。渡りのルートを調べるために発信機を取り付けられた個体が捕まえられ殺され、発信機が無造作に捨てられる、というケースも時折あります。

      • +3
    3. ※8
      魚を食べる鳥は生臭い味で食えたもんじゃないって聞いた。
      昔、鶴などは不老長寿として食されていたけど、やっぱり不味くて薬としての効果がなければ食われなかっただろうな

      • 評価
  6. >コウノトリの一夫多妻制はワンシーズンのみ

    下の本文の内容を読むに、この見出しは
    「コウノトリの一夫一婦制はワンシーズンのみ」の誤記か?

    • 評価
  7. 自分の行動範囲の中に鳥が営巣するとなんかうきうきほんわかするね。今の時期は軒先にツバメが営巣してくれてる。高いものを建てたらコウノトリが営巣してくれるだろうか。

    • +4
  8. >コウノトリの一夫多妻制はワンシーズンのみ
    この見出し、本文を見ると「一夫一妻制」の間違いではないかと思うんですが。

    余談ですが、繁殖期には雌雄一組でつがいをつくって基本的に浮気しない一方で、実は毎年つがいの相手が変わるのは、日本で夫婦円満の象徴とされるオシドリも同様です。
    雛が1年で巣立つ鳥にとって、子育てに協力することで生存率を上げつつ遺伝的多様性を確保する合理的な手段なんでしょうね。

    • +5
  9. >実はコウノトリはワンシーズンのみの一夫一婦制なのだ。次のシーズンに、同じ相手とつがいになるケースはあまりない。

    あまりない???????これほど事実に即さない記述もないですよ。
    当方、4年前からコウノトリ(シュバシコウ)の観察を続けています。
    コウノトリは「巣につく鳥」で、毎年同じ巣に戻ってくる習性があります。
    (たまーに巣を変える引っ越し組もいますが少数派です)
    去年と同じ巣に去年と同じペアが戻ってくれば、そのまま次の年も営巣します。巣につく鳥ゆえ、巣以外の場所では絶対に交尾しません。よその鳥が飛んで来ようものなら容赦なく追い出されるので、浮気もあり得ません。

    が、先に到着したほうはいつまでも去年の相手を待つわけではなく、相方の到着があまりに遅れると、繁殖に間に合わないリスクを避けるため、あきらめて別の個体とつがいになります。
    ところがここに去年のパートナーが帰ってくると、新しい相手とそれは激しいケンカとなり、大怪我、へたすると死に至るほどの闘いとなります。しかしそれはパートナーをめぐる争いでなく、「巣の取り合い」なので、ケンカの土俵は巣の上、まるで取っ組み合いの相撲のような様相となります。
    ケンカの当事者でないほうは、勝った相手=巣の主とペアになるだけです。
    まあ、ケンカに嫌気がさして、ペアごとその巣を捨てて別の巣に逃げちゃうこともありますけどね。

    とにかく、自分が観察している限り、コウノトリが去年と違う相手とつがいになる確率は、10%前後です。10組のペアがいたら、去年と違う相手とつがいになっているペアは1組ほどですよ。

    • +6
    1. ※13 13さん、すごい観察者ですね!
      「巣に着く」というのが自分には新しい情報でした。
      ウィキにも毎年結婚相手が変わるか否かは、書いてないですね。
      確かに関連記事に↓の記事が出ています。
      「毎年14,000kmの距離を飛んで会いに来る。飛べない彼女への愛を貫き16年。コウノトリカップルの純愛物語」

      • +1
    2. >>13
      気長な観察結果の報告ありがとう

      まさか狭い巣の上で喧嘩をしてるとは

      • +1

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