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もう採血で痛い思いをしなくていい。病院に行かなくて済む。爪を撮影して貧血状態を調べるスマホアプリが開発される

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(著) (編集)

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 貧血の診断には血液検査が行われるのが通例だ。その採血法は注射針で腕などの静脈から2~3mℓの血液をとり、その中の赤血球の数とヘモグロビンの量を調べる。

 この採血法はうまく血管が見つからなかったり、慣れてない看護師に施術されると結構痛い。

 そこで、自身も採血で痛い思いをしたという科学者が、血液を抜かずともできる新しい貧血の検査法を考案した。

 スマホで爪の写真を撮影し、これをアプリで解析して血中のヘモグロビン濃度を推定するのだ。これならもう痛い思いをしなくて済むし、採血の為に病院に行かなくて済む。

The Perfect Patient

爪の色を解析して血中のヘモグロビン濃度を推定

 貧血は世界で20億人の人に生じている血液の症状で、放置しておくと疲労・蒼白・心臓への負担といったことにつながる。

 その一般的な診断方法は、まず注射で採血し、その血液を解析して全血球計算を行う——つまり痛いし、わざわざ病院に行かなくてはならない。

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 新開発のアプリは、爪の根元の色とヘモグロビン濃度に関連があることを利用した。その色をアルゴリズムによって解析し、ヘモグロビン濃度を推定するのである。

 特に調整しないままでも、スマホで撮影した画像データ1枚からデシリットルあたり2.4グラムの精度でヘモグロビン濃度を計測できる。しかも最大97パーセントの正確さだ。

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 また個人のデータを入力して調整すれば、デシリットルあたり0.92グラムという、医療用診断機器に匹敵する精度を得ることもできる。

 ちなみに正常なヘモグロビン濃度は男性ならデシリットルあたり13.5~17.5グラム、女性なら12.0~15.5グラムだそうだ。

 爪の根元にはメラニンが含まれていないので、肌の色にかかわらずアプリを利用できる点でも優れている。

 アプリはメタデータを利用して背景の輝度に応じて調整されるために、どんなスマホでも対応可能だという。

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自身のつらい経験が研究の動機に

 この研究のリーダーであるアメリカ・エモリー大学のロブ・マンニーノ(Rob Mannino)氏は、サラセミアという地中海沿岸に多い遺伝子異常性の貧血に悩まされていた。

 「私の病気を治療するには毎月輸血しなければならないのですが、医師はとにかく血液検査をしようとするので、その度に病院に行かねばならなくてうんざりしていました。今ではヘモグロビン濃度の傾向から輸血が必要になるタイミングを推定するだけで大丈夫なので、痛い思いもしなくて済みます。」(マンニーノ氏)

 この研究は彼だからこと成し得たものだろう。

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 マンニーノ氏は輸血を受ける前後に自分の爪の写真を撮り、その結果に応じて細かくアプリの調整を詰めていった。つまり研究者としても、最初の被験者としてもぴったりの人物だったのだ。

 このアプリがあれば、病状をモニタリングし、治療や輸血のタイミングを計るなど、慢性的な貧血を抱える人の健康管理がずっと楽になる。

 輸血が早すぎたり、遅すぎたりした場合の副作用を軽減することにもつながるだろう。

誰でも使える手軽さがウリ。2019年春リリース予定

 アプリは誰でも手軽に使うことできる。妊娠中や月経不順の女性、アスリートのような人たちでもOKだ。とても簡単なので途上国でも便利だろう。

 ただし現時点では最終的な診断用ではなく、あくまでスクリーニング用途にしか使えない。診断用の機器には厳格な精度基準が定められているためだ。

 それでもいずれそうした基準を満たし、現行の貧血診断機器に替われるアプリを開発できるだろうとマンニーノ氏らは考えている。

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 マンニーノ氏らは、現在医師と協力してさらにデータを収集し、アプリの精度を高めるべく研究を進めている。

 なおアプリは2019年春にリリースを予定しているそうだ。

 この研究論文は『Nature Communications』に掲載された。

References:No Bleeding Required: Anemia Detection Via Smartphone/ written by hiroching / edited by parumo

本記事は、海外の情報を基に、日本の読者向けにわかりやすく編集しています。

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この記事へのコメント 32件

コメントを書く

  1. 去年と一昨年入院した時そーいや爪の酸素量か何か計る奴で指先を挟んでたな
    これと点滴の管、尿道のカテーテル、心電図の管、血圧のコードや諸々何やかやで5,6本管まみれになってたのが鬱陶しかった

  2. 注射器の廃棄とかも減らせるから、ものすごい発明だと思う。
    第二のジョブズって言われる女性も確か注射器使わずに血を取る技術を発見してたような。

    1. >>3
      エリザベスホームズはもう詐欺師扱いされてるよ
      実態が伴ってなかった

  3. 採血痛いからこれ見て泣いた。ありがとう。万歳!万歳!!🙌

  4. 便利だし少しでも看護師さんの仕事減るのも良い。画期的!
    ただ、個人的には…血を抜かれるの見るのが好きな自分には悲報。どす黒い血流れてるなーって眺めるのが楽しくて笑ってる変人ですんません。

    1. ※6
      献血80回くらい行ってるのに未だに刺す所は見たくない
      採血中もタオルかけてもらって視界からブロックする
      度胸を少し分けてほしいよw

    2. >>6
      自分も採血が好き
      健康な頃は献血するのが趣味だった
      血液がスイーっと出て行くのを見るのが
      楽しかった
      でも注射は嫌い
      針が刺さるのは平気だけど
      液体とは言え異物が入って来る感触が
      気持ち悪い

      1. ※18
        「抜くのはいいけど入れるのは嫌」分かるw

        一般に、必要な成分だけ抜いてまた戻す成分献血の方が
        全血よりも体への負担が少ないと云われるけど、
        自分の場合はどうにも成分献血とは相性が悪かった。

        今まで3回だけ成分献血したことがあるけど、
        うち1回は戻す液の注入がかなり痛かったのを我慢し
        1回は痛みは無かったけど入ってくる感触に違和感があり
        残りの1回は少し戻し始めたところで激痛が走って耐えられず
        抜きっきりの全血献血扱いに変更してもらった。

        1. >>22
          成分献血
          血の赤い成分が体内に返される時
          腕がズーンと重くなって
          なんか寒気がするので
          ちょっと気持ち悪いなぁ~
          いっぺん外に出たらもう異物だから
          入って来るの違和感あるなぁ~
          って思った

    3. ※6
      自分の血が流れてるのを見ると、
      あぁ生きてるって感じがして
      私も好きです。
      ですので他の方も書かれてますが
      献血大好きです。

  5. でも採血は他にもわかることが多いからなあ
    こういう病気のみなら便利かもしれないけどね

  6. 画期的とは思うが…。

    採血って貧血だけのものでないし、貧血にも原因色々あるし。貧血以外の身体の状態もアセスメントするんだけどね。

    これだけやって病院で採血せずに、えらい病気になったら誰が責任取るの?

    1. ※8
      現状は精密検査ではなくスクリーニングだって書いてあるじゃん
      もちろん誰も責任とらないよ

      「悪いことがおきたらどうするんだ」論はこういう画期的な発明を萎縮させるので黙っていてほしいね。人類の発展を阻害する。

  7. 最大97パーセントの正確さにワロタ
    こういう書き方で騙される人って今時いるんだな

    最小1パーセント、平均5%だろ
    色なんて撮影環境で全くあてにはならないことぐらいすぐわかるだろうに

    1. ※10
      おそらく……かなり想像入れてるけど、キャリブレーションが必要なハズですね。
      つまり、正常時とか血色素量がこれくらいのときという撮影をして、そこからの推定をするんじゃないかなぁ。
      それと、オートホワイトバランスとか、その辺の色調整の仕組みが必要だと思いますから、いきなりこれだけでわかるわけじゃないでしょうね。
      少なくとも一回は採血して測定してからアプリを使うことになると思われます。

  8. 夢みたいな話だ
    でもカメラの画素は勿論照明環境とかに
    左右されそうで

  9. 診察の時に担当医が患者の爪のところの血色を見て貧血ぎみかどうかを見ることはあるよ
    別に目新しい診察方法じゃない

    1. ※12 うん。だがそれを医者に行かずにスマホで診断できるっていうのがこの研究の意義なんだけどな。

  10. 動物にも適用出来たらいいのに
    でも採血でしか分からない事はまだ多くあるんだろうな

  11. こういうセルフチェックの範囲が広がると、病院の混雑緩和にも繋がりそう。
    IoTが進むとトイレが健康チェック機能を持つようになって、病院での検査の必要がぐっと減るという予測を見たこともあるし、医師の労働環境改善にもなっていくんじゃないだろうか。

  12. この人みたいに遺伝子異常の貧血で毎月輸血が必要とか、そういう場合は別だけど、慢性的な軽度の貧血って体が貧血状態に慣れるんだよね。だから気付いてない隠れ貧血みたいな人も多いと思う。

    そういう人たちが、これでチェックすると”やべー貧血じゃん”ってなって病院通い始めちゃったり。。。病は気からみたいな感じで、数値として知っちゃうと、それまで自覚がなかったのに急にだるさを感じたり。。。

    個人的には、この記事の人のように短い間隔で検査が必要な病気の人が活用するには凄く便利なアプリだと思うけど、普段あまり病院に縁のない人にはちょっとどうかなぁという感じ。
    子供の頃からの、ごく一般的な、治療の必要のない、いわゆる鉄欠乏性貧血持ちとしての意見。

    1. ※21
      貧血ってのは体が常に酸素不足になってる状態で、「治療が必要な」病気だよ
      むしろ普段縁のない人が貧血に気づいて病院に行くことで、原因疾患(ガンや胃潰瘍、婦人科疾患etc)の早期発見・治療に繋がったり、※24のように無自覚に我慢してた症状から解放されるならその方が良い

  13. >爪の根元にはメラニンが含まれていないので、
    >肌の色にかかわらずアプリを利用できる点でも優れている。

    黄疸や、ミカン食べすぎの柑皮症で黄色かったり
    爪水虫、アトピーや力仕事での衝撃による角質増殖症
    内出血、ホクロ等がある場合は、どうなんだろう?

  14. 貧血を放置しててもいいことはまったくないよ。

    長い期間鉄欠乏症貧血の状態が続いていると体が慣れて自覚症状をあまり感じなくなるけど、気がついてないところで鉄分が不足してると様々なとこに影響でるからね。
    肌や粘膜のターンオーバーが乱れ、綺麗な髪の毛が生えてこなくなったり抜け毛も増える。シミもでき易くなる。
    頭痛腰痛肩コリも貧血が原因の場合もあるし。

    思春期の頃からかれこれ30年ほど続く貧血が重度にまで悪化したから鉄剤飲んだら、すごく体が楽になって元気になった。もっと早く治療しとけばよかったと後悔したよ。

    治療しても半年程でまた貧血になるから、このアプリがあれば病院に行くタイミングが判断しやすくなって助かる。早くリリースしてほしいな。

  15. 鉄剤飲んで安定してる時でも下まぶた裏が白いのですぐ「採血だー!!」て言われるから先生も参考にしてくれるなら使いたい。診察と処方箋だけのつもりで検査費用追加されると懐が地味に痛い。慢性疾患あるから行かないわけにもいかんし。

  16. 皮膚科の2時間近く待たされて診察2分で薬を処方されるだけみたいなのもこういう方法でなくなればいいのにな

  17. 寒い時とかあったかい時とか疲れてる時とか爪の色が違ってもわかるんかな?

  18. 私は貧血のためにヘモグロビン値が逆に高くなるタイプの貧血だけどこれ使えるのかな?
    採血が苦手で失神したりする事があるから有難いのはもちろん、なにより、
    貧血の薬は副作用も多く血液の値をチェックしながら服用するのでその負担が減らせるのはとても良いと思う

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