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地球の地下世界には特殊な環境に生きる生物たちが独自の生態系を作り上げていた。

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(著) (編集)

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image credit:xtreme Life Isyensya, Belgium
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 地球の生命には無数の形があり、我々が見たこともない未知のものも存在する。

 新たなる生物との出会いを求めて、4世界52ヶ国から集まった1000人以上の科学者が在籍する、『深層炭素観測所(Deep Carbon Observatory/DCO)』では、10年もの間、地球の地下深くまで掘り進めて行った。

 やはりそこには、多数の生物がいた。

 地下世界で独自の生態系を築き上げていたのだ。

 DCOは「地下生物圏(deep biosphere)」に構築された奇妙な生態系のマップ化を試み、謎だらけの地下世界の生物たちの正体を探ろうとしている。

地下のガラパゴスは生物の宝庫だった

 地球の地下深くは、素人には暗く閉ざされただけの何もないような場所に思える。しかしDCOの研究によれば、その過酷な環境ですら、生命の繁栄を邪魔することはできなかったという。

 「地下のガラパゴス」と称される我々の足元に広がるそこは、膨大な量の生命が存在しており、炭素に換算すると170億~250億トンにもなるという。

暗く、エネルギーを得るには厳しい状況においてすら、地中の生態系は独自の進化を遂げ、数百万年にもわたり続いてきた。

地下の生命についての知見を深めれば、惑星の居住可能性について新しい洞察を得られるはずだ。地球で生命が誕生した理由や火星などのほかの惑星の地下に生命が存在する可能性などについても理解が進むだろう。

(海洋研究開発機構 稲垣史生氏)

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水素で生き残る細菌の一種、Candidatus Desulforudis audaxviator。南アフリカ・ヨハネスブルグ近くの鉱山の地下2.8キロメートルで発見された。

image credit:Greg Wanger, California Institute of Technology, USA, and Gordon Southam University of Queensland, Australia

海の2倍にも広がる地下生物圏

 実際、地下に潜む微生物の研究によって、生命が繁栄できる条件についていっそうの理解が深まっている。

 これまでDCOの研究者は、海底を何キロも掘り進み、鉱山から微生物のサンプルを採取し、世界各地で穴を開けてはデータを収集してきた。

 それによれば、地下生物圏はおよそ23億立方キロメートルに広がっているという。

 これは海の体積のほぼ2倍の広さで、ここに地球上の微生物と単細胞生物のおよそ7割が潜んでいる。

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微生物の生体膜の中の線形動物(Poikilolaimus sp.)。南アフリカ、コパナン金山の地下1.4キロで発見された

image credit:Extreme Life Isyensya、Belgium

121度の高温や地下10キロの高圧に耐える生物

 世界でもっとも熱い場所や深い場所に生きる生命も地下生物圏を住処とする生き物だ。

 たとえば、生物の生育温度の最高記録保持者である古細菌のStrain 121(学名 Geogemma barossii)は、海底の熱水噴出孔で生きている。

 実験によれば、121度と水の沸点を大きく上回る温度の中でも増殖することができる。

 もっとも深い場所で生きる生物は、大陸の地下5キロ、海底の地下10.5キロで生きている。

 地下の400メートルの圧力は、同じ水深の水圧よりも400倍も大きい。だが、その生物はこの凄まじい圧力の中で生きることができる。

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メタンを生産するMethanobacteriumの種。日本海沿岸の太平洋層の2km下にある埋設炭層から採取された。

image credit:Hiroyuki Imachi Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (JAMSTEC)

他の惑星にも過酷な環境で生きている生命体の可能性も

 地球上に存在する生命の活動できる限界を知ることは、ほかの惑星にいるかもしれない生命を探索するさいの新しい基準を設けることにつながる。

 地球の地下という暗黒の世界に未発見の生物が無数に存在するのなら、これまでの生物多様性に関する研究は、文字通り上っ面をなでた程度のものだったということだ。

References:eurekalert / phys/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 30件

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  1. 地下水伝いに底へ底へと拡散していったのか、土壌や泥中にいたのが数百万年分の堆積物にも屈さずに命を繋いできたのか…

    • +3
  2. こりゃ地球型惑星に生物いるかもって考える気持ちわかるわ

    • +11
  3. 過酷な環境って、酸素を使わない生物から見たら地上は猛毒の世界
    人間だって少し酸素濃度が変化したら生きていけない

    • +9
  4. ジュール・ベルヌが考えた地下世界で栄える独自の生態系もあながち間違いではなかったんだな。

    • +3
  5. 何億年も後、地表の水や大気が無くなってもこの生物達は存在するだろう。生命の究極の目標、生き続けると言う点から見れば彼らの方が成功者なんだろうな。

    • +12
    1. ※6
      地球が太陽に飲み込まれて星が蒸発する運命の時が来るまで生き続けるだろうね。

      彼らには巨大隕石も核戦争も温暖化や氷河期も関係ないのだから。

      • +4
  6. スクワームみたいのが上がって来たら嫌だ

    • 評価
  7. 最近地下の話多いな
    情報を小出しにして慣れさせようってか

    で、地底文明発表と

    • +3
  8. 一回生物さえ誕生してしまえば過酷なところでも問題ないんだっけ。

    • 評価
    1. ※11
      なので「もし」パンスペルミア説…彗星の核などに宿った生物が生命の起源だとしたらこの宇宙で一定の環境下でなら生物で蔓延して居る可能性も少なくはない。
      「生命」と言うだけならそれは有り触れた存在なのかも知れない。

      • +1
  9. 地表が破壊されるたびにこういうのが地下からモコモコ出てきて生態系を作り直すのかな。

    • +5
  10. こういう記事を読むと、自分の悩みや世界で起きてる事なんて取るに足らないものなんだなぁ、と思う。

    • +1
  11. 4世界52ヶ国とは・・・異世界人と既に協力体制にあるなんて

    • 評価
    1. ※14
      ※24
      そこにツッコミ入れてる人がほとんどいないのに驚きだよ!

      • +1
  12. 埋設炭層ってことは昔の地表の生態系の痕跡なのかな
    その痕跡を食べて生きてるんだろうけど何億年もかけても尽きないもんなんだね

    • 評価
  13. うん。だからいしいひさいちの地底人が居るんだよ。

    • +1
  14. 過酷っていうのは地上の生物の基準であってこれらにとっては普通なんだろう。むしろこの生き物たちにとっては地上のがよほど過酷というか、生きていけないんじゃないか。

    • +7
  15. 石油の元は古代生物か無機物かって論争が昔からあったけど、最近はこの手の地底で暮らすメタン生成する生物が今も現在進行形で作ってるんじゃないかって説も有力になってきてるらしいね。

    • +1
  16. 人類を含めた陸上動物の生活圏なんてのは、地表の3割程度の陸地の中のうちで、そこそこ都合が良い環境の土地の上下数メートルの範囲で、その大部分が収まっているからなぁ。
    もしかして宇宙人とかは地下生物圏の方を重要視しているのかもしれん。

    • +5
  17. 地殻津波が地球を二周したらどーなるかな

    • 評価
  18. 4世界52か国って、地下界、地上界・・・みたいなこと?

    • 評価
  19. そんな大量の生命は、一体何をエネルギー源にして生きているの?

    • 評価
    1. ※26
      温泉だね、海の水量の二倍の地熱湯が染みてるよ
      地面の水たまりの周囲の土が湿っているのと同じ理由だね
      それにしてもガラパゴスの地下のガラパゴスはすごそうだなー

      • 評価
  20. 隕石衝突で宇宙に飛散してるんじゃない?

    • 評価
  21. 圧力は岩石の密度を考慮したら、4~5倍ぐらいじゃね?

    • 評価
  22. グラボイズみたいな巨大生物でもいたら話題になりそう
    微小な生物でも専門家にとっては非常に興味深いものだろうけど、一般人からしたらインパクトに欠けるかな

    • +1

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