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障害を抱え泳げなくなってしまった金魚が、仲間を得て再び泳げるようになるまでも物語(アメリカ)

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(著) (編集)

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 金魚の一種「オランダシシガシラ」としてのレモンの人生は、多くの仲間がひしめきあって

泳ぐペットショップの汚れた水槽の中で始まった。

 ある日、優しい人間が彼女を見つけ、家に連れて帰ることに決めた。家にある新しい水槽の中で、レモンは元気に大きく成長した。

 ところが、成長するにつれ彼女の病気が次々と発覚する。

 ついには泳ぐことができなくなってしまった。

 水槽の底に横たわっていたレモンだが、飼い主の愛情と獣医たちの尽力、そして病院で知り合った、同じ障害を抱えた金魚の友達のおかげで、再び泳ぐことができるようになったんだよ!

成長するにしたがって顔が変形

 彼女には、店で売られていた時にはわからなかった奇形があった。

 口の右側が完全に崩れてしまっていて、いびつな顎がいろいろな問題を引き起こしていた。飼い主はなんとかしようと、レモンを病院に連れて行った。

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顔が変形してしまったレモン image credit:Aquatic Veterinary Services

 レモンは、カリフォルニア州にあるアクアティック・水生生物病院で矯正手術を受けた。病院で4日間過ごし、やっと普通にエサが食べられようになり、初めてちゃんと口を閉じることができるようになった。

今度は泳げなくなりまた病院へ

 ところが数ヶ月後、レモンはもっと悲惨な状態で、また病院に逆戻りすることになった。泳げなくなってしまったのだ。

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image credit:Aquatic Veterinary Services

「口の手術はうまくいったけれど、レモンの浮力障害を解決するための経済的負担やストレスは飼い主にとってかなりの重荷でした」獣医のジェシー・サンダース医師は語った。

「彼らはレモンをわたしたちの病院に預けることに決め、浮力治療が行われることになったのです」

 見た目の良さを目的に改良されることが多い観賞用キンギョは、浮力障害になることが多いという。

 浮袋や内臓を空気でいっぱいにして、魚は浮力やバランスを決め、水面に浮かび上がったり、逆さになって浮いたり、水槽の底に沈むことができる。

 だが、こうした当たり前のことが、おかしな位置で体が横倒しになったままになってしまうレモンにとっては至難の業だった。

病院で友達に出会う

 だが、獣医のオフィスで、レモンは新しい水槽友だち、ラスティに出会った。彼もまた、やはり泳ぎに問題をかかえた観賞用キンギョだった。

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image credit:水槽で友達になったラスティ Aquatic Veterinary Services

 レモンはこれまで障害を抱えた同胞に会ったことはなかった。二匹はすぐに仲良くなったようだ。

「同じような動きしかできない二匹は、安心したのか、水槽の底で一緒にいるのが気に入ったみたいです」

レモンの小さな浮袋

 レモンのとても小さな浮袋はレントゲンでやっと確認できるくらいで、サンダース医師はレモンがなんとか普通に泳ぎ回って、快適にエサを食べられるよう、解決策を模索し始めた。だが、どんな方法にも難点がついてまわった。

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image credit:レモンの小さな浮袋がわかるレントゲン写真 Aquatic Veterinary Services

「自宅で治療できるキンギョ用の三角巾のようなものはたくさんあるのですが、それを使うと、脇腹をこすることになり、粘液の膜がすりへって感染症になりやすくなってしまうのです」

 サンダース医師が浮力の問題をなんとかしようとしていた2ヶ月間、レモンは脇腹を横にしたままの状態でいた。

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横たわるレモンを心配そうに見つめるラスティ image credit:Aquatic Veterinary Services

まずはラスティの施術。浮き輪を背負って泳げるように!

 まずはラスティが浮力をつける処置を受けることになった。

 「ラスティの背びれに小さな細長いビニール片を通して、それを胸びれの後ろでつなぎました。このビニールのストラップをどこに固定すれば泳ぎを妨げないか、何度も試行錯誤を繰り返しました。そして、最終的に小さなスタイロフォームの浮きをストラップにつないだのです」

 つまりラスティは、小さな浮きがわりのバックパックを背負ったのだ。

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浮き輪を背負ったラスティ image credit:Aquatic Veterinary Services

 数週間後、この処置が成功したことが明らかになった。「ラスティは自力で、水槽の底でまっすぐに体を起こすことができるようになったのです」

さあ、次はレモンの番

 胸びれがほとんどないレモンの場合は、同じ処置はさらに難題だったが、ラスティが比較的簡単に泳げるようになったので、この方法で試すことになった。

 サンダースはレモンの小さな背中に麻酔をかけ、2本の縫合糸で浮きを取りつけた。麻酔から目を覚ましたレモン。

 すると!

 レモンも泳げるようになったのだ。

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 「レモンたちは難なく泳ぐことができるようになったことにすぐに気づきました。とくに、長い間水槽の底にばかりいたレモンにとって、とてもワクワクするような瞬間だったに違いありません。今では、二匹とも幸せそうに泳ぎ回り、新たな泳ぎの限界に挑戦しようとしているようです」

Goldfish Buoyancy Surgery

 レモンはついに、ラスティと同じように、体をまっすぐにして泳ぐことができるようになった。二匹は並んで自由な泳ぎを楽しめるようになったのだ。

References:Aquatic Veterinary Services/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 49件

コメントを書く

  1. 金魚の外科手術なんて初めて知った。
    長生きしてね。

    • +88
  2. 一般的な獣医は知ってるし、大型水生生物専門の獣医もいるのはうすうす知ってたが、こんな小型の魚を診るお医者さんがいるって初めて知った。

    障害やストレス、お友達ができて元気がでる、なんて他の動物と変わらないね。
    なんだか嬉しそうに泳ぐ姿が素敵。

    ただ背中にぶっ刺したワイヤーや注射が痛そうだったけど大丈夫なのかな?

    • +44
    1. ※2
      一応魚類には痛点がない事になってる(人のエゴだけど)
      ワイヤーとうまく癒着すれば人が骨折したときに入れる固定金具のように痛みは感じない(と思いたい)
      正直気持ちはお魚になってみないとわからないけど、泳げないまま横たわって過ごすのであれば今の状態はかなり幸せなんじゃないかなぁ

      • +36
  3. そもそもこんな風に水生動物の病気やケガの治療に特化した病院があることが素晴らしいと思った。

    • +62
  4. 体にひも?を通して浮き輪をつけるって発想にびっくり
    そして軽視されやすい魚の命を大切にしてる飼い主にも獣医にも感動

    • +63
  5. それ言ったら金魚自体どうなの?ってなるのは分かっているけど、過度な品種改良は可哀想だ。

    • +14
  6. 獣医さんがインタビュー受けてる後ろの水槽0:40辺りに浮き輪を付けたレモンさんがピロピロピロと泳いでるのが映ってるんだけどなんか可愛くてめっちゃ和んだ(*´ω`*)

    • +23
  7. 3匹100円で買った魚ために水槽やら水草1万円以上買っちゃた
    魚って結構愛嬌あるよね救いたくなる気持ちわかる

    • +25
    1. ※8
      あるあるwうちも金魚すくいの金魚がきっかけで数万から始まって
      トータルで結構つぎ込む結果になってる

      ラスティって昔飼ってたこに似てる
      水生生物病院なんてあるんだ羨ましい
      病気や怪我になったら調べまくって自分でやるしかない
      転覆になったりすると大抵駄目だね
      日本でも浮き袋コルク等で自作してる人いるけど

      • +2
  8. 何匹か飼ったけど10年以上生きたのは尾びれが長くなる程度しか改良されてないコメットだったな
    途中、敷石が口にはまって取れなくなって必死にピンセットで取ってやったり…
    やはりどんな小さな生き物だって大事なペットだな…

    • +38
  9. 障碍は技術が解決する。眼鏡が無いと生活できない人は眼鏡の無い時代に生まれていたら障害者だっただろう。半身不随の人に神経の信号を増幅させる装置をつけたら動けるようになったというニュースも最近あった。障碍は技術が解決する。

    • +24
  10. 自分だったらお祭りで買ってきた金魚が奇形になったり障害を抱えたりしたら簡単に諦めてしまいそうだ。
    同じ生命なのにね。
    ちょっと考えさせられました。

    • +37
  11. アクアリストとしてドクターが親身になってくれたことに嬉しくなってしまった
    寿命が短いと軽く扱われてしまうのにね
    バックパックとはすごい事を考えるなぁ
    水位を下げても寝てしまってダメだったからこれがベストなのかな

    • +18
  12. 普通なら新しい金魚を飼うことを考えるのに、この飼い主は本当にペットを大切にしてるのが分かる。
    生き物飼いの鑑だと思う。

    • +46
  13. これ、かなりむずかしい手術だよね…?
    お医者さんすごいね…。
    そしてもちろん、金魚自身もがんばったね。
    魚にも友情や仲間意識があるんだねえ。

    • +26
  14. 猫が好き犬が好きってのと同じなんだね、金魚好き(魚好き?)さんも

    • +10
  15. 猫のスコティッシュもだけど、動物を苦しめる品種改良は無くなって欲しい。

    • +19
    1. ※16 そんな事ないよ。欧米には「虐待繁殖」という言葉がある。
      人はそれに対し、反対を表明することができるんだ。

      • +6
  16. 魚を病院に連れて行こうという発想がなかった…

    • +23
    1. ※18
      痛くさせない為じゃ無くて、手術中に動かなくさせる為じゃないかな。
      それにしても、泳げる様になった時の顔が、何か嬉しそうに見えてしまう。

      • +13
  17. バックパックをつけてもらって、自由に泳げるようになったと気づいた時のレモンちゃん心なしか嬉しそう。
    お友達と一緒に動き回れてよかったねえ。
    小さな魚も命のある存在、つい軽く考えてしまっていた自分に反省。
    そしてインタビューを受けるドクターのうしろでバックパック背負ってぴゅーーーっと泳ぐレモンちゃんかわいすぎ。

    • +21
  18. 先日ひょんなことから我が家に加わった2匹のメダカ
    魚を飼うのがすごく久しぶりだから、毎日状況に一喜一憂して過ごしてる
    あまりに小さくてすぐに別れが来そうで名前をつけるのを躊躇してるんだけど・・・
    やっぱりつけてあげようかな

    • +14
  19. 自分は釣り好きなんだけど、なんとなく考えさせられてしまうな

    • +7
  20. レモンちゃんはオランダ獅子頭じゃなくて、らんちゅうでしょう。
    我が家にもらんちゅうがいますが、お尻をフリフリおよぐ姿、かわいいですよね。

    • +11
  21. あーもー年取ると涙腺弱くてまいっちまうね
    レモンさんよかったなぁ

    • +11
  22. 明らかに一緒に泳いでるもんね
    良かったあ

    • +10
  23. 獣医さんってすげえ。これは感動するわ。

    • +15
  24. 金魚の転覆症状なら、水温を上げると何とかなる場合があるんだ。
    しかし、ここまで重症だとね。

    • +4
  25. やっぱり生き物である以上、お魚にも感情があるんだね

    • +9
  26. だいぶ前に金魚の便秘手術のニュースがあったのを思い出した

    • +4
  27. アメリカの金魚の病院とかガチでえげつない価格しそう

    • +1
  28. 退院するならラスティさんとはお別れなのかな?それはちょっとさみしいね。

    • +5
  29. 浮力を犠牲にした美的感覚ってなんなんだろう

    • +4
  30. 15年生きた金魚2匹がいた
    1匹はうろこにコブ?みたいな腫瘍ができてたけど
    それでもしばらく生きてた
    たまにご老体だからか横になっちゃったりして何度死んだと思ったか…けど可愛かったな

    • +8
  31. あぁホントに素晴らしい…
    魚食べれなくなるわ…

    • +3
  32. 自分にとって水生動物を飼うのはゼッタイむり。
    犬猫の方がぜんぜんラクだ。

    • +3
  33. 一度飼ってしまったら、たとえ病気や怪我で不格好になったり正しく動けなくなってしまったとしても、
    そんな姿もまた愛おしくてどうにかしてあげたいと思うもんだよね
    優しい飼い主さんと獣医さんに巡り会えてよかったなぁ

    • +7
  34. いい話なのに死にかけた金魚に人工呼吸して生き返らせる香港映画を思い出した

    • +1
  35. 金魚を病院に連れていく飼い主とそれを治そうとする獣医。
    生き物は値段じゃねぇな

    • +10
  36. 魚を施術することができる獣医の技術アピールがメインの記事だな
    日本でも横になったり逆さになって浮いてる金魚よくいるけど、高価な種類も多いから、こういう技術の需要はあると思う
    正常になれば10万円で売れるなら2万円くらいかけて手術することもあるだろう
    哺乳類より安全に安価にできてぼろい儲けのあがる獣医の新たなビジネス

    • -8
  37. いろんな事例も報告されてるのに、未だに魚には痛みや感情は全くない機械のような生き物というイメージが大きいのが解消されていくといいな
    観察してるとかなり個性豊かだよ魚も

    • +6
  38. 肉が食べられないからタンパク源を魚に依存しているけど、こういうのを見るともっと本当にありがたい申し訳ないと思いながら、暴食せずに大事につつましくお魚を戴かないとなあと思わされた。

    • +3
  39. 生まれつき奇形のらんちゅう、すぐ横になっては薬浴、を何度も何度も繰り返して先週、6年で死なせてしまった
    よく6年も生きたと思ったが、この治療ならもっと長生きできたろう…
    よくやったよ、と自己満してしまった自分が悲しい

    • 評価
  40. うちも昔金魚が転覆病で沈んだまんまになってしまった子が居たけど、こんなサポート手術があるんだね!うちの子は横になってなかったから沈む餌に変えて頑張って生きてたな!

    • 評価
  41. この金魚は、オランダ獅子頭ではない。

    形からしたら、ランチュウ系だけど、
    ランチュウや、ライオンヘッドは、普通の鱗のみだから、違うね。
    レモンには、透明鱗と普通の鱗があるから、
    江戸錦である可能性がある。
    江戸錦の、黒い色素がない、あるいはほとんどないものを、桜錦、という。

    レモンは、江戸錦系の、桜錦であると思われます。

    • +1
  42. うーん…
    レモンの左側に、桜錦にしては、黒い部分が幾分多い気がしますので、やっぱり、江戸錦に変更します、すみません。

    • +1
  43. 日本の話だけど、逆に浮いちゃう病気の金魚を横っ腹に穴あけたまま沈ませて放置して水槽に抗生物質入れて自然回復するのを待つって治療法を見たことあるな

    • 評価
  44. 俺も縁日の金魚ちゃんが感染症か何か知らないが障害抱えて横向きになって沈んだときは四苦八苦したなぁ
    結局仲間たちと隔離してたら自然と治ったけど
    5-6年は生きてくれたかな、最後は父親がよかれと水槽掃除しまくった結果、水質と環境激変のストレスでぽっくり・・・

    • 評価

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