
image credit:Czech Institute of Egyptology, Faculty of Arts, Charles University
チェコのプラハ・カレル大学のエジプト学研究所が、アブシールのピラミッド平原で、ファラオの腹心の部下であり親友でもある、聖職者カイレスの珍しい墓室を発見した。その墓は、紀元前2500〜2400年(古代エジプト第5王朝期)ごろのピラミッド平原の中心にある。
このエリアは、王室のメンバーや高官たちの墓として割り当てられる場所で、身分違いの聖職者の墓がここにあることは通常ならばありえない。
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カイレスの功績をたたえた例外的な措置
カイレスの墓は、500メートル以上の範囲に広がっていて、墓内には、埋葬前の葬儀の祭礼や清めの儀式を執り行う部屋がいくつもあった。祭礼の礼拝堂は、玄武岩のブロックを敷き詰めてあり、紀元前3000年特有の建築偉業が完璧に見られる。
玄武岩の使用は王だけに限られた特権で、それがこの墓に見られるということは、この墓の主は例外的な身分だったという証拠のひとつだ。
残念なことに、主の肩書を記した石碑はほんのわずかしかないが、侵入者を欺くいわゆる偽の扉は、今日まで保存されている。

image credit:Czech Institute of Egyptology, Faculty of Arts, Charles University
カイレスの玄室は、大昔に盗掘されていたが、石灰岩の石棺の隣には、花崗岩でできた彼の像がもともとの場所にそのままあった。墓は露天掘りの穴の中に作られ、石棺は上から中に下ろされたようだ。
それから石灰岩のブロックを並べて壁が作られ、それぞれの重さが少なくとも8〜9トンもある巨大な石灰岩のブロックで天井が塞がれて、玄室は封印された。

花崗岩でできたカイレスの完全像
image credit:Czech Institute of Egyptology, Faculty of Arts, Charles University
カイレスの任務
カイレスは、王の国政の監督官で、独特な経歴をもっており、次のようなことを任されていた。・「朝の家」の秘儀を守る。朝の家は、王が朝やってきて朝食を召し上がり、着替えをする特別な場所。命の家は、エジプト人たちが、知識や宗教哲学の論文を記録したパピルスの巻物を保管しておいた施設のことだ。
・王宮の執事
・「命の家」の執事
・ファラオのサフラー、ネフェリルカラーのピラミッド建築に従事した聖職者たちのとりまとめ役
・女神ハトルの祭司
・ふたつの王座(すなわち南北エジプト)の守り人
エジプト考古省とサッカラの考古学視察団が緊密に協力して、発掘が進められている。
References:heritagedaily / cegu.ff/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ピラミッドは後100基は公式的に言われてるが、今回みたいに
墓に至ってはいくつあるのか想像すらできない
考古学が進むと未盗掘な墓がさらに進むのだろうな
でも死者にとっては発見されてたまるかという気持ちなので
ちょっとジレンマ有りそう
2. 匿名処理班
聖職者カイレスの・・・ですか
”聖なる山カイラス”を連想してしまった、、、
3. 匿名処理班
カイレスの像を見た印象
スペインで、おばあちゃんか修復したキリストの絵
4. 匿名処理班
碑銘にはただ一言「我が友」と・・・。
5. 秘義「朝の家」!
記事の見出しといいますか、冒頭の部分途切れてません?
「親友に敬意を表してピラミッド付近」という文。
この記事開かんでも違和感感じる筈やのに半月経ってて誰も指摘してないのは些か寂寥感を覚えますな・・・コメントも4しかないし。でもこういう記事とても興味深くて面白いです
身分を度外視する程の篤い信頼ですよ胸が熱くなりませんか!?
6.