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バッハ、コペルニクスから青銅器時代の少女まで。肖像画や遺骨から復元された10人の顔

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(著) (編集)

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 まだ写真のない時代、その時代に生きる人々が実際にどんな顔をしていたかを探るとき、わたしたちに残された選択肢は、遺骨、もしくは芸術家が描いた真贋不明の肖像画を参照するしかない。

 女王や中世の小作人がどんな顔をしていたか、かなり想像を働かせて描こうとした芸術家もいたが、その見方や創作力は彼らが生きていた時代に限定されてしまう。

 しかし、技術が進んだ現代では、科学を駆使して過去の人々が実際にどのような顔をしていたかをほぼ正確に表現できるようになった。

 ここでかつての時代を生きた10人の復元された顔を見ていこう。

1. フランス王アンリ四世

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References:CGI 3D “King Henri IV Forensic Facial Reconstruction”

 在位1589年から1610年のフランス王。1610年に狂信的なカトリックによって暗殺された。国民の幸せに配慮する政策をとったため、「良王アンリ」としても知られる。フィリッペ・フロッシュが、王の頭蓋骨をもとに、CGI 3Dで法医学的に顔を再現した。

・ものすごい完成度!フランスの良王「アンリ4世」の顔を3Dで完全復元 : カラパイア

2. 青銅器時代の少女エヴァ

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References:Reconstructing Ava: a step-by-step guide

 エヴァは3700年前に死んだ青銅器時代の女性。当時としては、変わった墓から発見された。ほかの人のように土に埋葬されていたのではなく、固い岩をくりぬいた中に彼女は眠っていた。このことから、彼女が特別な存在であったことがうかがえる。

 スコットランドの考古学者マヤ・フールと法医学アーティストのヒュー・モリソンがチームを組み、精密ソフトと組織深度チャートを使ってエヴァの顔を復元した。

3. メリトアモン

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References:Egyptian Mummy time lapse

 最新の技術によって、2000年前のミイラ、メリトアモンの顔がよみがえった。

 メルボルン大学の研究者たちが彼女の頭蓋骨を使って、推定年齢18~25歳、身長162センチ、貧

血症だったことを突き止めた。

 ほかの体の部位が復元できなかったので、死因はわかっていない。彼女の顔を復元するために、医学研究、科学捜査、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、3Dプリンティング、エジプト学や芸術を活用した。

4. 500歳のダブリン人

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References:3-D Reconstruction Reveals Face of 500-Year-Old Irishman

 2014年、考古学者が500年前に死んだ男性の遺体を発見した。彼は見つかった4体の遺体のうちのひとりだが、全員、幼児期の栄養不良、厳しい肉体労働の痕跡が見られ、ここから全員が貧しかったことがうかがえる。

 頭蓋骨のひとつは保存状態が良かったので、そこから彼が500年前にどんな顔をしていたのかを復元した。

5. ニコラウス・コペルニクス

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References:Copernicus unearthed? : Nature News

 ルネッサンス時代最高の数学者で天文学者。宇宙の中心は地球ではなく太陽だとする宇宙モデルを系統だて、70歳で亡くなった。ポーランドの法医学チームが遺骨から顔を復元した。

6. ヨハン・セバスティアン・バッハ

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References:JS Bach ‘Facial reconstruction (Caroline Wilkinson)

 バッハ(1685~1750)は、バロック時代の作曲家で音楽家。あらゆる時代における偉大な作曲家のひとりとされる。

 スコットランドの人類学者キャロライン・ウィルキンソンは、バッハの顔の骨のサイズを測り、実際にどんな顔をしていたのかを3D映像で復元した。

7. 新石器時代のストーンヘンジ人

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References: A silicon-enhanced Neolithic man, toolkits and cow jawbones

 新石器時代初期の男性の顔を復元するのに、1863年にウイルトシア州ウィンターボーン・ストークで発掘された成人男性の遺骨をベースにした。

 骨格分析をして、およそ5500年前の細身の40代男性の顔を復元した。この時代は最初のストーンヘンジが建造される500年前だ。

8. 人間に食べられたジェイムズタウンのジェーン

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References:Starving Settlers in Jamestown Colony Resorted to Cannibalism

 ジェームズタウンは、17世紀にイングランド人がアメリカに初めて定住した場所。ジェーンは、ここで移民仲間に食べられてしまった14歳の少女だ。

 2012年にジェームズタウンの地下の穴倉で、彼女の切断された頭部や足の骨が発見されたが、その他の動物の骨や食べ物の残骸と一緒にされていた。

 スミソニアン研究所国立自然史博物館の法医人類学者ダグラス・オーズリー博士は、骨を調べ、切り口の跡は骨から肉や脳を切り離そうとしたものだと断定した。

 ほかの食人のケースと傷の形状などが一致していることからジェームズタウンの人々は、1609~1610年の冬期、飢えて人間を食べていたことがわかると結論づけた。

9. ネフェルティティ

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 DNA検査によって、「Younger Lady」として知られるミイラが、アクエンアテン(ツタンカーメンの父)のきょうだいで、ツタンカーメンの母でもあるらしいことも判明した。

 完全に確認されたわけではないが、このミイラはアクエンアテンの正妃の女王ネフェルティティではないかと信じる者も多い。古代人アーティストのエリザベス・ダイネスは、ミイラをスキャンしてこのエジプト女王の半身像を再現した。

・これが絶世の美女と噂された古代エジプト王妃「ネフェルティティ」のご尊顔か?3Dスキャンで再現された3400年前のミイラの姿 : カラパイア

10. マクシミリアン・ド・ロベスピエール

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References:Robespierre: the oldest case of sarcoidosis?

 フランスの政治家で法律家。フランス革命(1789~1799)と恐怖政治での役割はよく知られている。

 彼もまた、1794年7月28日、ギロチンで処刑された。享年36歳。

ロベスピエールのデスマスクと医療記録の詳細から、彼の顔を復元し、かかっていた病気を特定した。

 当時の目撃者による証言からもいくつかの病気の兆候が見てとれる。視覚障害、鼻血(”毎晩、枕を鮮血で汚していた”)、黄疸(”皮膚や目が黄色かった”)、無力症(”しょっちゅう疲れていた”)、足の潰瘍の再発、以前の天然痘感染の傷に伴う頻繁な顔の皮膚病などだ。

 歴史家たちは、ロベスピエールは類肉腫症だったのではないかと推測している。また、ずっと目や口がピクピク引きつっていて、1790年から1794年の間にその症状が悪化している。

 死刑の前日も、顎に受けた銃創に苦しんでいたというが疑わしい。

written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. ネフェルティティはうちの総務課にいます。

    • +37
  2. 肖像画というのは、美化する方向で修正が入ってるものなのだなあ。
    と、まあ、あらためて思ったわけですw

    • +18
  3. コペルニクスは変わった顔だと思っていたが
    再現しても肖像画と似てるなぁ。

    • +13
  4. 俺の横顔バッハにそっくりで笑った
    ちょっと交響曲作ってくる

    • +45
  5. 肖像画はみんな若い頃のなのに、再現像は年寄りになっちゃってるのはなんでかな(;´д`)あと、ネフェルティティはどうしてこんなに鼻の下が伸びてしまったのか(笑)

    • +7
    1. ※5
      そら肖像画なんて大抵金や地位が絶頂の時期につくるもんですし、復元は亡くなった遺骨から作ってるんだから、復元と一致するような最晩年の肖像画なんてそうそうないでしょうよ

      ※7
      いや、そもそも全部遺骨(&ミイラ&死に顔の石膏像)からの復元で、彫像とか肖像画から復元なんてされてないんですが?

      • +9
  6. ネフェルティティの生まれ変わりを俺は知ってるぞ
    和田アキ子ってんだ

    • -1
  7. 遺骨から復元……は解かるけど、肖像画や彫像から復元ってのが意味不明。
    どうしてソースの肖像画や彫刻と、全く別の顔になってんの?

    • -8
  8. バッハ氏、くるくるヘアーより角刈りとかの方が似合いそう。

    • +10
    1. ロベスピエールが存外にしっかりしたいい顔立ちで、いい意味でびっくり。政治的なこともあって悪意や批判の対象にもなった人だけど(恐怖政治とかしちゃったし)、中産インテリ階級出身らしい顔立ちだね。融通きかないかもしれないけど心底真面目そう。
      (顔にあばた(天然痘の痕?)があったのは有名だよね。キモチワルイとか言ってやるなよ…種痘が普及する前は日本人だっていっぱいそんな人いたでしょうよ。源実朝もそうだったよ)

      ※8
      あれは公の場に出るときなんかに被ったかつら(当時のそれなりの階級のマナー)だから、脱いだら意外に角刈りかもしれんよw
      骨格がしっかりしてる顔立ちだから短髪似合いそうだよね

      • +16
  9. アンリ4世善政を敷いた王様ってだけあってすげー穏やかそうなおじいちゃんだ。

    • +14
    1. ※9
      確かに今でもフランスじゃ人気なくらい、王様としてはグンバツな有能だけど、
      あり得んくらいの女好きでもあるのよね…
      何せ死因が孫みたいな年の女の子のケツ追っかけてる最中に暗殺やからな…(半ば伝説だけど)
      愛人の数だけでもフランス一番。ルイ14世や15世も愛人多いけど、そんなの可愛いくなるレベル

      • +12
  10. 5000年くらいでは人間の顔ってあんまり変わらないんだね。
    中身も似たようなモノなんだろうな。

    • +23
    1. ※11
      岩波文庫とか講談社学術分でも何でもいいから古典読んでみろ。
      ビックリするくらい古代人と現代人って中身全然変わってないぞ。
      科学技術や文化による価値観はそりゃ違うけど、根っこの部分ではやはり同じ人間なんだなぁ…って感じる。

      • +6
  11. 500歳のダブリン人は栄養不足じゃないような復元のされ方だね

    • +7
  12. ストーンヘンジ人かっこいい!
    アベンジャーズにいそう

    • +7
  13. 良王アンリはすごい良い人そう。
    バッハは気難しいめんどくさい人そう。
    ネフェルティティは普通にその辺に居そうなおばちゃん。
    最後のフランス人は高学歴のインテリクズっぽい。

    • +14
  14. 日本でも近代になって頭蓋骨が発見された伊達政宗や徳川将軍の似顔絵は伝承の肖像画に似ていた。
    最近ではインカ帝国の女王のミイラの復元が印象的だった(なぜかハイヒール・リンゴに似ていた)

    • +8
  15. 人を食うなよ、人を食った奴だなぁ。

    • 評価
    1. ※21
      >あのカツラ
      実際かぶってると蒸れるから、五分刈りにしてた人が多いようで。

      • +5
  16. ネフェルティティさん、人中伸びちゃってるのは骨格や加齢のせいかもしれないけど、口角あんなに下げることないじゃん。
    表情で印象違うのに同情するわ

    • +20
    1. ※23
      だよなぁ。
      復顔だと中立性のためあまり極端な表情はつけられない
      って面はあるにせよ、ボーっとして覇気がなさすぎ。

      これだったら、写実主義が一世を風靡していた当時の彫像のほうが、いくらかの理想化(写真映りのいい一瞬を選び出す的な)はあったにせよ、まだ実物に近そうな気がする。
      頬骨の下の凹みとか、目元・口元の小皺、アゴ周りの肉の盛り方や首の筋など、かなり精緻だもん。

      • +12
  17. ダブリン人、ジェダイにいそう。

    クワイ=ガン・ジン役のリーアム・ニーソンがアイリッシュだから、もっともといえばもっともだけど。

    • +3
  18. コペルニクスがジェームズクロムウェル(ベイブの農場主)そっくりw

    • +1
  19. 大昔なのに身長162センチは凄いなあ
    ハトシェプストといいエジプトの人は長身だったんだろうか

    • +7
    1. ※26
      エジプトに限らず、近代以前の王族や領主は
      栄養不足ぎみな庶民に比べて現代人的に体格が良かったり、
      乱世から一代目が支配者の地位を獲得するとき
      合戦での優位性や、そういう威厳ある立派な姿が
      領民の支持を集めやすい資質の一つだったと言われたりする。

      • +11
  20. ジェーンさんは変な感心の仕方だけど
    確かに食べるにしてもこういう若くて肉質が良さそうなほうがいいやな

    アンリ四世は本当に人の良さそうなおじいちゃんだね
    愛人になるにしても脂ぎったおっさんよりはまぁ……うん

    • +2
  21. 漫画、第3のデギオンに出てくるロベスピエールの描写は結構、史実に忠実なんだな
    ナポレオン獅子の時代に出てくるロベスはかっこよすぎw

    • +2
  22. ネフェルティティさんの
    復元じゃない方
    カラテカの矢部太郎でしょ

    • 評価
  23. こういう技術が確立されてるなら、
    美しい魔闘家・鈴木の妄執はとても
    叶いそうにないですね。
    (ばーさんがツラ壊せば…でもダメか)

    • 評価
  24. ネフェルティティさんがうちのお婆ちゃんそっくりなんだが・・・

    • +1
  25. 遺骨から顔の復元作業をされた方々を尊敬します。
    特に、事件や事故で亡くなられた方の復元は想像を絶する作業だろう。

    • +3
  26. コペルニクス、絵画とずいぶん年齢違うけど
    この絵は資料となった絵画ではないってことかな

    こういう復元って年齢設定で復元後が変わるのかな?
    筋肉や筋が年齢でたるむことはあっても骨格はどうなんだろ

    • +1
  27. ロベスピエールはアサクリユニティのイメージでいたからビビった
    でもあれも美化されたやつか。本当はこんな顔だったんだろうなー

    • 評価
  28. ネフェルティティはちょっと違うような気がするなあ・・・・・
    いや、違っていてほしい

    • +2
    1. ※45
      これが確かに気になるね
      モデルの像はなんとなくアジア人ぽいカンジかな

      • 評価
  29. もっと肌とか髪とか汚いと思うわ。当時の人間でまったくシミが無いとかおかしい。

    • +1
  30. ネフェルティティは「やってきた美しい人」という意味。

    • 評価

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