古生物学者たちは、約6億3500万年前にさかのぼって生物の足跡を見つけてきた。最初の古代生物たちは、海底に根づいて、海水から栄養分を漉して吸収している今日の海綿動物のような生き物だったかもしれない。それから、一億年以上たって新種の生物が現れた。それは、現代に生きている生物に似ていたり、まったく似ても似つかなかったりするへんてこな生き物ものもいた。
5億2000万年前頃から、生物の記録である化石が次から次へと発見されるようになった。私たち人間を含む生物のもっとも古い遠縁の多くは、このカンブリア紀に出現した。発見された化石を元に復元してみると、中にはとてつもない造形のものもあり、科学者たちが思わず吹き出してしまうほどだ。これらのイラスト図は、クエイド・ポール氏が描いた、古代生物復元予想図である。
ミロクンミンギアは最古の魚類と言われている。頭蓋は軟骨でできていて、私たちと同じ脊椎動物。
Herpetogasterは、ヒトデやキボシムシの親戚かもしれない。
バンフィアは、どの系統の生物なのかはっきりわからない不可解な生き物だ。
ディアニアはトゲのある分かれた足をもち、形状は昆虫や節足動物に似ている。
フルディアは原始的昆虫や節足動物の仲間。
アノマロカリスは体長1メートル以上にもなったカンブリア紀の巨人。
フキシャンフィアは節足動物の仲間。
オドントグリフスは丸い口に沿ってずらりと歯が並んでいた。
ウィワクシアは今日の軟体動物の仲間だったのかもしれない。
maotianoascusとctenorhabdotusは、今日のクラゲの最初の親戚だった。
orthozanclusは軟体動物の仲間。
ピカイアは脊椎動物の仲間。
オパビニアは5つの目をもち、頭から一本の外肢が伸びていた。
多くの人は、1989年に出たスティーヴン・ジェイ・グールドの『ワンダフル・ライフ』で、カンブリア紀の生き物の進化についてなじみが深くなったことだろう。出版から24年たち、科学者たちはこの時代についてさらに多くのことを知った。スミソニアン協会のダグ・アーウィンとバークリー大学のジェームズ・バレンタインが共同で書いた『カンブリア紀の爆発』は古い証拠と新しい証拠を総合して、生物の進化上、極めて珍しいこの時期について語っている。
いわばカンブリア紀の生物の爆発的な進化には、多くの引き金があったのだろう。アーウィンとバレンタインは、いかに地球がこの長い年月の中で劇的な変化をとげて、生物界を形成していったのかを説明する。氷河期があり、酸素が大量に海に溶け込んだ。そのせいで生物が活発に進化していくための舞台が整った。捕食者が現れると、その獲物は針や硬い甲羅のようなもので、より巧妙に身を守れるよう進化し、捕食者はより攻撃的になった。
動物自身が隠れるために穴を掘ったり、海底に無数のトンネルを作ったりして、自らまわりの環境を変えていく。環境が変わると、今度は新しい生き物が新たな生息地を占有するために進化していく。動物界は身体的にも生態的にも複雑になっていった。しかし、カンブリア紀の多様性には別の原因もある。それは生物自身のDNAだ。動物はたったひとつの卵子から複雑な身体を形成する遺伝子プログラムを進化させていった。このプログラムは究極の進化の形で、比較的小規模な変異で、新たな形状を生み出すことができる。
via:nationalgeographic 原文翻訳:konohazuku
カンブリア爆発
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コメント
1.
動いてるとこ見てみたい。中には想像つかないやつも居る...
2. 匿名処理班
この中で、どれが将来の支配的な生物になるか?
カンブリア紀の当時にアンケートを取ったとしたらピカイアは候補にすら
挙げられないのではなかろうか。
脊椎動物の勝利にバンザイ \(^〇^)/
3. あたい
3番目のような謎めいた生き物はなんだか惹かれるものがあるね。
それにしてもアノマロカリスはなぜ絶滅したんだろう。
生態系ピラミッドの頂天の生物が子孫すら残さず忽然と姿を消すなんて謎めいている。
4. 匿名処理班
当時の頂点にいる生物=その当時の環境に最適な生物
なのかもな。だから環境が劇的に変わると絶滅する
そう考えると、過去に繁栄期もあって、未だに種が多い虫達は超有能な生物だな
5. あ
この時代を生で見れるなら、現代に戻れなくてもいいから行ってみたいわ
6. 匿名処理班
オドントグリフスさん...
まるでモンハンのギィギみたいだ
と思ったけどヤツメウナギにも似てるね
7. 匿名処理班
バンフィアさんはシャミセンガイたんのお仲間に見える
8. q
オドントグリフスが遊泳するのは、ちょっと古い復元スタイルじゃなかったかな。
9. 匿名処理班
ハルキゲニアさんがいない
10. 匿名処理班
進化の多様性は中程度の局所的環境変化が定期的に訪れる比較的安定した時代に増大する
大量絶滅は大規模広域的な環境変化によって引き起こされる
大量絶滅の後に生き残った種は、前より環境変化に強くなっているだろう、それはある意味、進化の多様性の幅が狭まったと言える
カンブリア爆発は、原始生命を使った地球上で最初で最後の大規模進化実験だったのかもしれないね
すみませんが全部妄想です
11. 匿名処理班
※4
科とか属レベルで見た昆虫の多様性は地球上に出現してからほぼ右肩上がりで増え続けてるらしいな
脊椎動物等はバンバン絶滅してる一方で
12. 匿名処理班
これを見てピカイアが脊椎動物の先祖だと思ったあなた、それは10年くらい前の知識だから。
カンブリア紀の情報のほとんどをバージェス頁岩動物群から頼るしかなかった時代、脊椎動物に近い生物がピカイアしかいなかったから「ピカイアが脊椎動物の先祖」という説が唱えられた。
そしてテレビで大々的に取り上げられてないせいか、今でも情報がそこでストップしてる人が大勢いる。
じゃあ今は何が脊椎動物の先祖とされているかというと、ここで一番最初に紹介されてるミクロンミンギア。
ミクロンミンギアは澄江で発見された生物で、なんとピカイアよりも古い時代の生物なのだ。魚類の起源は本当に古い。
ただ、ミクロンミンギアは真の魚(顎口類)ではなくて、無顎類と言われる広義での魚。
骨は軟骨だし顎がないので物が噛めない。おそらく海底の泥から有機物を濾し取って生きていたと思われる。
あとこの復元だと表面が鱗におおわれているけど、ミクロンミンギアに鱗があった可能性は凄く低いと思う。
13. 匿名処理班
今の海洋生物だって変なものがたくさんいる
数だって今の方が多い
海中はそれほど変わらないと思うが
14. 匿名処理班
アノマロカリスはこの時代にしてはもう完成したスタイルをしている。しかしのちの哺乳類もそうだけど次世代の主役になるのはどっちかというとコソコソ生きてた地味なヤツだよね。
15. ふくーち
以前は主流派だったピカイアが脊椎動物の祖先だっていう説、ピカイアよりも古い年代からもっと脊椎動物らしい化石(ミロクンミンギアみたいの)が出てきたので、ピカイア祖先説はかなり否定されてるみたい
古生物学はここ最近発見が多くて定説がコロコロ覆されてるからおもしろいよね
16. 匿名処理班
ピカイアってのは、居酒屋でたまに見かける、のれそれかと思った・・。
17. 匿名処理班
昔、PSにあったライフスケイプってゲームに入ってたピカイア生存ゲー思い出したわ
今考えたらスコアアタックもないしつまらんゲームなんだけど当時は嵌ってた
18. 匿名処理班
オドントグリフス怖すぎ
19. 匿名処理班
古代生物はロマンがある
20. 匿名処理班
綺麗に描いてあるけど、実際は植木鉢の下や、磯のたまりの世界なんだろうな。
21. 匿名処理班
オパビニアのハサミって口じゃなくて独立した付属肢なんだよな。ヤゴのアレみたいな。
フルディアの触手って化石を見る限りアノマロカリスみたいなたくさん関節があるのじゃなくってタガメの鎌みたいなんだけど、あんまりそうやって描く人いないなあ。
22. 匿名処理班
原生デーモンさんじゃないか
23. 匿名処理班
ルイズうわああああああああああああああああああん!!
24. 匿名処理班
へー。昔見たNスペ「生命」で、ピカイアが脊椎動物の祖先と言ってたけど、その後で学説が変わってたのかー
25. 匿名処理班
海で遊んでてアノマロカリスが襲い掛かってきたら便漏らす
26. 匿名処理班
オドントグリフスさんの口が生々しすぎて……その……○○してしまいましてね
27. 匿名処理班
アコーディオンハザード!
28. 匿名処理班
なんか・・えろくかんじたのはおれだけ?
29. 匿名処理班
ミンギアさんはやはりナメクジウオみたいな姿なんだろうか?
30. 匿名処理班
ピカイアは脊椎動物と同様、脊索動物門に分類されるものの、ナメクジウオと同じ頭索動物亜門ということらしい。
そしてナメクジウオよりホヤの方が脊椎動物に近縁な可能性もあるというのが進化の不思議。
31. 匿名処理班
ピカイアやミクロミンギアが脊椎動物の祖先だと思っていた貴方
残念メタスプリッギナでした
32. 匿名処理班
オドントグリフスは現代のヒザラガイみたいな形態って最近は言われてるみたいだね
33. イクス
古代深海生物はロマンを感じます。
未だに解らないから推測や考察しか
出来ません 話題のゲーム【あつ森】
でも再現されたのは化石だったので
34. 匿名処理班
見てるとSAN値削られるような奴らばっかりだ…こいつらまさか…