アメリカ、ノースカロライナに住むメアリーさんは元医師。両側視神経炎という病にかかり、失明してしまう。医師として活躍していたメアリーさんは絶望し、その後長い時間を孤独の淵で暮らした。そんなメアリーさんを助けるべく現れたのが補助犬のゴールデン・レトリバー、ルーシーだ。
ルーシーとメアリーさんはあっという間に意気投合した。ルーシーはメアリーさんを突然襲った暗闇の世界に光る一筋の灯だった。どこへ行くにも1匹と1人は一緒。そのうち、メアリーさんはひとつの望みを持つようになる。「私をいつも助けてくれるルーシーはどんな顔をしているのだろう。どんな毛の色をしているのだろう。」
Legally Blind Woman Sees Guide Dog For First Time
そこでメアリーさんは障がい者用のハイテク特殊眼鏡を使って、長年の相棒であり友人のルーシーの顔を見ることを決意する。
眼鏡に内蔵されたカメラが映像を録画して、特別なソフトでその映像を微弱な視力でも認識できる映像に変換することで見えるようにしてくれる眼鏡なんだそうだ。
助手のひとの手助けを受け、眼鏡を装着するメアリーさん
微調整が行われ、ついにご対面の時だ
やっとルーシーの顔を見ることができたメアリーさん、思わず声を詰まらせてしまう
全身を確かめるかのように撫で、抱きしめるよ
ある日突然「目に映るものがのろく、そして薄くかすれていくようになった」というメアリーさんは激しく落ち込んだそうだ。そんなメアリーさんにとって、ルーシーは両目であり、心の支えであり、恩犬であり、親友であり続けた。毎日この特殊な高性能眼鏡をかけることは難しいのだろう。だけれども、ルーシーの顔を見て抱きしめあったという事実がメアリーさんの心にいまだかつてない生きる希望と力を生み出したことは間違いない。1匹と1人、これからも仲良くやっていけるといいね。
written by kokarimushi
※この記事はカラパイアの姉妹サイトマランダーから転送したものです。マランダーで前日一番人気の高かった記事を、後日カラパイアの紙面上で紹介しています。
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コメント
1. 匿名処理班
泣いた。
2. 匿名処理班
素晴らしいね。
このメガネもすごい。映像をカメラから認識できる信号に変えるって、つまり人間の視覚が伝わるのを再現してるみたい。
3. 匿名処理班
いい話や
4. 匿名処理班
感動的だけど、一体どういうマシンで一体どういう目に効くものなのかが気になってしょうがないw
5. 匿名処理班
そして目には見えない強い絆が生まれた
6. 匿名処理班
あんなこといいな、できたらいいな
7. 匿名処理班
動物系に弱いのよ( ;∀;)
8. 匿名処理班
あかん涙が止まらん
よかったねよかったね
9. 匿名処理班
視神経炎は大抵片目だけがなる事が多いけど両索性視神経炎は珍しい
突発性の場合は原因不明な事が多いが、1週間程度で目が突然見えなくなるが(中心暗点、画面の中心に黒い○状の物が表れて視界が閉ざされる)ステロイド治療でほぼ治る。
ただ、視神経炎はALSとか自己免疫性疾患だったり重大な病気の前兆だったりする事があり、ステロイド治療をしても治らない事が多い。
40〜50代の女性が発症率が高いんだよな
失明まで行っているけど、他に体が動かないみたいな事は無いようだから、多分自己免疫性疾患なんだろうな。一生病気と付き合って行かないといけない。
大変なんだよ、この病気
10. 匿名処理班
医学の進歩ってすげー
11. 匿名処理班
こういうところで技術の進歩を感じられるのは嬉しいね!
12. 匿名処理班
※5
そのひらめきに感動した!
この技術が発展したら、そのうち本当に「俺の目を盗みやがったな!」と叫ぶ日が来るのかもしれんなぁ(´・ω・`)
13. 匿名処理班
盲導犬って業務的な視点で飼い主と接しているのか気になる。
14. 匿名処理班
カメラを人間の目の代わりにという発想は昔からあってすでに1980年代には臨床的にカメラにより視力の再獲得を行えていた
現在では当時と比べ物にならないくらいに小型化、鮮明化(高解像度化)が進んでいる
15. 匿名処理班
こういう医療の分野がもっと発達することを願ってます。
多くの人に光を届けられるって本当に素晴らしいと思う。
16. 匿名処理班
これは感動。
賢くて可愛い犬だね。
17.
18. 匿名処理班
新スタートレックのジョーディ・ラ=フォージ機関長思い出した。
人を幸せにするのが科学だよ。
19. 匿名処理班
今更だけど目が見えるって、当たり前の事じゃないんだな。もっと丁寧に物や相手の顔見るように心掛けようと思う。
20. 匿名処理班
視力、聴力に自信が無い自分にとっては特に身に染みるなあ〜。
視力だけでなく、聴力だけでもなく、愛しいあのこの姿が、顔が見れてたら!
胸がきゅんきゅんするぜ…
21. 匿名処理班
リアルタイムで画像補正かけた動画再生を見られるVRメガネかあ。老眼すすんできたから試してみたい。でも180万円くらいするのね…VRがどんどん広まってお手頃になれー。
22. 匿名処理班
ルーシーの姿は永遠に脳裏に刻まれただろうね。
23.
24. 匿名処理班
VR技術が進んでいつか目の見えない人もデバイスの力で見える日が来るらしい。
アメリカの技術者はそういうのを開発してる人達もいる。
手を失った人のロボット義手はもうほぼ完成してるとのこと。
日本の経営者にもそういう部分見習ってほしいな。
25. 匿名処理班
凄いな。全米が感動した
26. 匿名処理班
初期のこの手の実験だと大掛かりな装置を装着しても見える映像は
■
■■■ ←眼の前に居る人の姿
■
みたいな極大雑把なブロックだけで、
これで孫の顔が見られると期待した全盲の被験者さんががっかりしたって話もあったけど
メアリーさんの装置はちゃんと相棒の姿を映してくれたんだな
27. 匿名処理班
そんな凄いメガネがあるんかい
うちの母ちゃん緑内障白内障のダブルパンチなんだよなあ
このメガネの存在覚えとこ
10年後くらいには安く手に入るだろ
28. 匿名処理班
大型犬って、なんか見てるだけで泣きそうになる。
29. 匿名処理班
いい話だな、ってのは解る。
ただ、感情を露わにすると犬は不安になるから成るべくなら抑えた方がいい、とも思う。
周囲の人間が喜んでくれるようにと若干演出してるのかな?
犬が見えたら周囲の景色も見たくはならないのかな?どういう仕組みなんだろか。
30. 匿名処理班
ゴールデンて言う犬種が反則的にかわいいんだな、これが。
31. 匿名処理班
後天的な盲目は適応するまで大変そうだなあ
今まで見えていたものが見えなくなるっていう深い絶望だけで心が病みそうだ
32. 匿名処理班
見えるということが如何に素晴らしいことか…相手を見て、相手に見てもらえる、これだけで種を超えてコミュニケーションが成立するんだから。
33. 匿名処理班
※13
業務的視点というのは正しいと思います。正確には犬に生まれてきた使命が「人に奉仕する事」ですので使命を果たす歓びですね。盲導犬、聴導犬、警察犬、麻薬犬、牧羊犬、猟犬、などなど歓びいっぱい。愛玩専用犬は飼い主の自我を満足させるのには役に立っているけど本来の使命とは隔たりがある。犬に仕事を与えましょう。
34. 匿名処理班
こんなメガネがあるのに、何故販売しないの?
35. 匿名処理班
泣いたって書こうとしたら既に書いてあった
36. 匿名処理班
なお日本では盲導犬を蹴り飛ばしていた
37. 匿名処理班
※26 初期の眼鏡って見え方が只の点滅するブロックの上、人間側にも確かこめかみ辺りに電極見たいなのを埋め込む手術も必要だった気がする。それに比べると眼鏡を装着するだけで見えるようになるまで進歩したんだね。きっとまだハッキリとした像では無いような気がするけど、これからもっと技術が進歩して生まれつき全盲の人にも映像が見えるようになって欲しいね。
38. 匿名処理班
赤く光る人工目ン玉が実用化される日も近いのかな
39. 匿名処理班
年取ってから涙もろくなっていかんね
40. 匿名処理班
やめてくれないかこういう話に弱いんだ俺は
41. 匿名処理班
素敵な絆…たとえこの眼鏡がずっと安く性能が良くなって、この女性がこれをいつもつけて暮らすようになったとしても、ルーシーさんを手放すようなことはないんじゃないかって気がするなぁ