
ポーランドの昆虫学者、ピョートル・ナスクレクキーもその一人だろう。2014年に中南米のベリーズを旅したナスクレクキーは、自分の皮膚の下に寄生虫が何匹かいるのを発見した。
1匹目を取り除いた時、その神秘の姿に心を奪われ、残りの2匹の幼虫は体内に入れたまま、そのライフサイクルのプロセスを記録しようと決めたのだ。
以下は彼が記録した映像と解説である。故に幼虫と成虫が出てくる。故にヒトフフバエに免疫のない人は閲覧注意だ。どんなもんなの?と「ヒトフフバエ」で画像検索とかすると痛い目にあうからやめておいたほうがいい。
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蚊を利用して人の体に卵を入れるヒトヒフバエ
ヒトヒフバエ (Dermatobia hominis)は、蚊が人間を刺すのを利用して、自分の小さな幼虫を人間の皮膚下に送り込み寄生させる。このハエはとても小さな卵を蚊の体に産みつける。その蚊が人を刺している間に人間の体温で温められると、その卵が刺し傷の中、つまり人間の体の中にぽろりと落ちる。
いったん人の体内に這い込むと、このハエの幼虫は新たな宿主の柔らかく温かなゆりかごの中でぬくぬくと太っていく。
体内に寄生したヒトフフバエのライフプロセスを観察

image credit:vimeo
ナスクレクキーは、自分の体内でなにが起こっているか気がついたとき、当然のことながら、毒素抽出器を使って、注意深く幼虫を吸い出した。そのとき初めて彼は、たくさんの突起の列がついた小さな幼虫が、自分の体の中にしがみついて成長している姿を見た。
さらに2匹の幼虫が自分の体内に寄生しているのを見つけたナスクレクキーは勇気あることに、そのまま幼虫を放置して、そのライフサイクルのプロセスを記録しようと決めた。

image credit:vimeo
幼虫が皮膚から顔を出すまで2ヶ月、その40分後に這い出した
幼虫が成長して皮膚から顔を出し始めたのは観察から2ヶ月後、外に這い出てくるのに40分かかったそうだ。かなり長いこと寄生されてたようだ。「とくに痛みはなかった。実際、意識的に待っていなかったら、出てくるのに気がつかなかったかもしれない。ヒトヒフバエの幼虫は、その存在をできるだけ気づかれないようにするため、鎮痛剤のようなものを出しているようだ」とナスクレクキーは語った。
黄色の幼虫が、人の皮膚から出てくる様子は、なかなか正視できるものではないが、神秘的といえば神秘的ではある。

References:The Human Bot Fly on Vimeo / scientificamerican/ translated by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
科学者ってほんとに凄すぎる
2. 匿名処理班
このネタを見るのはザイーガ以来ですね(゚∀゚)
3. 匿名処理班
でけぇ…
4. 匿名処理班
ひえっ
5. 匿名処理班
逆に無理に取ったりすると痛いのかな?
6. 匿名処理班
寄生獣に出てくる寄生生物の幼体みたいだ(小並)
7. 匿名処理班
これグロ耐性中級位ではトラウマになるキツイ奴だよ
自分に寄生されているのに気付いていながら取り除かなかったとか正気の沙汰じゃない!
8. 匿名処理班
デカッ!
9. 匿名処理班
蓮の実みたく取り出す感触を味わいたいからちょっと羨ましい。
10. 匿名処理班
そういえば幼虫を除去している作業の映像なら沢山見た事があるが、自然に出てくる瞬間の映像は見た事がなかった。
おお…こうやって身体を動かして、膨らみながら…なるほど…
11. 匿名処理班
(アカン)
12. 匿名処理班
似たような話他にも数件聞いた覚えがあるあたり
昆虫学者的には普通の行為なのかもしれない
13. 匿名処理班
これこそ科学的精神と言えよう
14. 匿名処理班
使用人に天然痘ブチ込んだジェンナーを思い出した
15. 匿名処理班
こう言う人には頭が下がる…
16. 匿名処理班
結構でかいしふとした拍子に潰れそうで嫌だな
17. 匿名処理班
なんかナスDが凄そう なんか...体内に...oe
18. 匿名処理班
これは凄い。たしかに、生物の神秘みたいなものも、ほっんのちょっとだけ感じる。
19. 匿名処理班
そういや、死神博士も自らをイカの怪人に改造してたっけな…
20. 匿名処理班
穴自体は、塞がるのかなあ。
21. 匿名処理班
今までパルモに見せられてきたボットフライ系でダントツの美麗動画
研究者の本気撮影と編集すごい
ありがとうを言いたい
22. 匿名処理班
成虫がなかなか美しい
23. 匿名処理班
辺獄のシュヴェスタでも主人公が自分で実験していたな。
24. 匿名処理班
出て来るだけニートより偉い
25. 匿名処理班
角栓絞り動画愛好者が大興奮しそう
26. 匿名処理班
ヒトフフバエという新種が何箇所かに発見されましたよ(小声)
27. 匿名処理班
母性が芽生えたりするのかな
28. 匿名処理班
そういや何話かは忘れたけど、ボーンズって洋ドラにも似た話があったなぁ。
そのシーン見た時、
「虫が好きになり過ぎると、そうなっちゃうのかな…」
って思ったよ。
29. 匿名処理班
幼虫結構デカイんすね(白目)
30. 匿名処理班
ホッジンスかな
31. 匿名処理班
その内、進化した虫が快楽物質を人間に注入して寄生してきたりしそうだな…
32. 匿名処理班
えっ、でかくない?
痛くないんだスゲー
動画は見なかった
頭に焼き付きそうで
33. 匿名処理班
人にくっついて広い範囲の地域に広がりそうだけど生息地の広がりはないのかね
寄生された時に痒い、痛いの自覚症状があるのかとか、興味あるけど怖くて検索できないよ(T_T
34. 匿名処理班
「あ!今 蹴ったよ!」とか
35. 匿名処理班
むにむにと出て来るシーンは思わず押し出したくなった
ニキビから脂肪のかたまりをプルって押し出す来る感覚
でかいのが採れると気持ちいいwww
そういえば「ボーンズ」の昆虫フリーク学者ホッジンズが背中でハエ育ててたな
36. 匿名処理班
見れない
見る勇気がない
37. 匿名処理班
正直いっぺんくらいなら自分でもやってみたいと思ってる
38. 匿名処理班
日本人で全く同じ事やってた人がいたな、その人の場合はさなぎの状態で死んで羽化しなかったから凹んでたらしいけど
39. 匿名処理班
科学者にはSとM両方必要なんだなぁ
40. 匿名処理班
顔にも寄生虫いるらしいし
ハエ2匹くらいなら養ってもいいのかもしれない
41. 匿名処理班
マッドな科学者ならぬマッゾな科学者ですな
42. 匿名処理班
※12
文学者が研究対象に男色の気があると知って研究の為にソッチに手を出したって話を大学の先生から聞いた事あるし学者にとって好奇心は自分の研究に向かっているのでしょう
(男色云々はヴェルレーヌの事と思われ)
43. 匿名処理班
1994年のイグ・ノーベル昆虫学賞受賞者のロバート・ロペス氏思い出したわ
44. 匿名処理班
期せずして母の気持ちになったりしてそう
45. 匿名処理班
男の子かしら、女の子かしら、フフフ・・・
46. 匿名処理班
鎮痛剤のようなものを出しているようだ、とあるが、もしかしたらその分泌物が将来の医学に役立つ薬になる可能性もあるかもしれないね。
47. 匿名処理班
「笑うカイチュウ」の藤田氏が体内で育てようとした寄生虫が流れてしまったのを「流産してしまった」と言っていたのを思い出した。
成虫になったヒトフフバエは動きもユーモラスで結構かわいいね。
宿主はきっと、こんな立派な子に育って…って感無量なのかもしれない。
48. 匿名処理班
好奇心というのは人と時と場合によっては全てに優先するんだよな
49. 匿名処理班
成虫になったハエが交尾して、さらに別の種類の吸血性の昆虫の背中に産卵できて、それが首尾よく哺乳動物の血を吸って、その傷に入り込める確率はものすごく低いね。
50. 匿名処理班
刑事っ! あ、 デカっ!
51. 匿名処理班
あれヒトヒフバエだったのか…
俺は気がつかないうちにヒトヒフバエの父親になっていた…?
52. 匿名処理班
背中がゾワゾワする。
53. 匿名処理班
マジキチにも程がある。
悪名高い寄生虫のヒトヒフバエを体内で飼うとか正気の沙汰とはとても思えない。
54. 匿名処理班
南米帰りの人から摘出されたヒトヒフバエの生きたウジを見たことがある。
成人男性の小指の第一関節位の大きさのものを両肘に入れてて違和感無いのかと思ったけど、本人はちょっと痒いくらいで特に気にしてなかったとか。
55. 匿名処理班
お腹にサナダムシ飼う人もいるし、
痛みがないなら感情移入しちゃうかもなぁ。
脳を全占領されて完全に操られるのは勘弁して欲しいけど。
56. 匿名処理班
幼虫は皮膚の中に大きな穴を穿って棲みつき、血を吸って成長し、じゅうぶん太ると身体の外へ這い出てくる…
その後は地面に落ちて、土中に潜ってサナギになり、成虫になる…
だったら最初っから土の中で育ちなさいよ!
と思わんでもないが…いろいろ進化してこうなったんだ。
57. 匿名処理班
皮膚から抜け出すのを見てゴミ箱に尻がハマって一人で抜け出そうともがいた記憶が甦った
58. 匿名処理班
※20
動画では2日ほどでふさがったみたいですよ
59. 匿名処理班
こんなハエが居たんだ・・・
これは撲滅しにくそうだね