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どっちが現実でどっちが虚構?フェイク映像を作り出すAIのリアリティに脳内大混乱

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(著) (編集)

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 上の画像は道路上を走る車載カメラから撮影された映像のスクリーンショットである。冬と夏の景色となっているが、どちらかがどちらかをもとにして作られたフェイクである。さあ、どっちが本物かわかるかな?

 この映像はNVIDIA社が開発した動画を生成する最新のAI(人工知能)によりつくられたものだ。

 最近、驚くべき成果を見せているAI(人工知能)だが、現実を模倣する能力もかなり高まってきている。

 昼と夜を逆転させたり、季節を変えたり、猫をチーターにするといった作業を実に巧みにやってのける。

 恐ろしいことに今回開発されたAIは実に簡単に巧妙なフェイク映像を作り出す。既存のシステムに比べて学習量がかなり少なく済むのだそうだ。

季節を変更した映像

Snow2SummerImageTranslation-06

 ちなみ左の冬景色がリアルで、右の夏景色はAIが作り上げたフェイクである。

データ学習しなくても想像してイメージを作り上げるAI

 このイメージ変換AIは「敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network/GAN)」というアルゴリズムを利用する。

 GANでは2つのニューラルネットワークを敵対的に機能させる。一方のネットワークが画像や動画を生成し、もう一方はそれを批判するのだ。

 一般的にGANは、自己生成データの作り方を学習するために、かなりの量の標識付きデータを必要とする。例えば、冬や夏の通りの風景を生成するために、雪の積もった通りと積もっていない通りの2種の画像や動画を見る必要がある。

 しかし今回のイメージ変換AIは、雪が積もった通りの画像から、雪がない通りの様子を想像できるのである。

 他の映像も見ていこう。

昼の映像を夜に変更

Day2NightImageTranslation-06

季節や風景を変更することで、様々な予測が行える

 開発者のミン・ユウ・リュウ(Ming-Yu Liu)氏は、生成速度や適用範囲について明言を避けているが、いくつか面白い応用法を提案している。

 「例えば、滅多に雨が降らないカリフォルニアで、自動運転車の雨天走行を訓練したいとします。そこで今回のAIを利用して、カリフォルニアの晴れ渡った道路状況データを雨に変えてしまうのです」

 こうした実用的な応用以外にも、変わった使い方もある。

 あなたが夏に北国で家を買おうと物件を探しているとしよう。そんな時、このAIを使えば、雪が降り積もった真冬の様子を再現することができる。あるいは、秋に行う予定の屋外ウェディング計画を練っている時、紅葉で彩られた会場の様子を確認するなんてことも可能だ。

悪用には注意が必要。画像や動画の信頼性が大きく損なわれる

 一方で悪用にも気をつけねばならない。

 こんな技術が普及してしまえば、画像や動画の信頼性は大きく損なわれることだろう。裁判での証拠能力も失われてしまうに違いない。

 既にフェイク映像や画像の拡散により、すべてがフェイクにしか見えないという人も多い。

 現時点でそのAIの機能は限定的であり誰もが利用できるわけではない。だが、それが一般的に普及したり、ハッキングされるようなことがあれば、社会全体に大きな影響を与えるであろう。

猫をチーターにしたり、チーターを猫にしたりするネコ科変換画像

Unsupervised Cat Species Image Translation

via:thenextwebなど/ written by hiroching / edited by parumo

 本物と偽物の区別がつかなくなったらもう、今見ている現実さえも疑わしくなってくる。数あるUFO映像も、実は本物が紛れ込んでいたとしても「どうせフェイク」と見逃してしまうかもしれない。

 私はだれ?ここはどこ?の世界がすぐそこにあるってことだ。

 で、私って誰だっけ?

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この記事へのコメント 45件

コメントを書く

  1. 俺、こういう加工が好きで勉強したのに意味が無くなるじゃないか。

    • +11
  2. 当たってたw
    元に無い 家やサイロを突拍子も無く加え かつ自然に書き込むのより
    (こういった仕事は創造の域だと思う)
    枯れ木にパターンの葉を茂らし隠す方が楽でありAIの仕事っぽいといった理由w
    しかしフェイクであると言われなければ判らないレベルであると思う。

    動画の方をよく見ると電柱に突然葉が茂ったりしてるねw
    瞬間瞬間で処理してるのかな 流れで見ると辻褄が合わないとかありそうw
    しかしたいしたもんだw

    • -5
  3. まだかろうじて分かるな、左側には空気を感じる。

    • +2
    1. ※8
      映画のCGでも思うけど、街の爆発・炎上とか
      昔の特撮の安っぽい模型と比べても
      迫力やリアリティーに劣る時がしばしばある。
      重量感がなく発泡スチロールみたいに軽そうというか。

      たぶん、絶妙の「ぼやけ」感の表現が苦手で
      妙にシャープな輪郭やテラッとした表面の質感のせいかな?
      (例えばこの映像だと、アスファルトの路面汚れがなく
      妙にキレイだったり、遠景の木の葉が
      この距離とは不釣合いに大きめで角ばって見える。)

      とはいえ、これは良く出来ていると思う。
      「フェイク映像かも知れない」と思って注視すれば気付いても、
      単に「ドラレコの再生です」と言われて見ればたぶん違和感ない。

      • +3
  4. NVIDIAか。グラボやらゲームでお世話になってるとこだな。
    この会社のことだから、「映像からAIが3DCG製作」→「ライティング変更、オブジェクトの分析と変更、ライトオブジェクト発光」っていう仕組みかな、たぶん

    • 評価
  5. 仮に雪が加工後だとしたら、木の葉っぱの裏にある情報が解らないので、葉の付いてない木に緑を足しただろうなという判断で何とか当たった。
    つまり、こういう比較動画だから分かったけど、加工後の動画だけ見せられても
    ただ解像度の悪いドラレコにしか見えなかったと思う。

    • +3
  6. こういう画像は情報量が減っている方が加工後
    電線や雲が消えているだろ

    • +3
  7. 怖い。誰も見抜ないほど巧妙なフェイク画像が作られたら世論誘導も冤罪でっち上げも紛争さえ起こし放題になりかねないわ。
    ただでさえ地上波がネットの真偽不明の情報を裏付けもとらずに垂れ流すのを見かけるのに。

    • +8
  8. 建物に葉っぱが生えてる・・・、デストピアの風景も簡単につくれちゃうね!

    • +1
  9. 左の色彩が嘘っぽいので、あ、こっちを嘘だと思ってほしいんだなと感じましたです、はい。

    • +1
  10. さらにここから精度を上げて行くのがAI。君らが人間の判断との違いを言及しちゃうとまたAIは学習しちゃうよ!気を付けて!

    • +4
  11. AIの使い道、なんかヤバイ方向へ進化してない?

    • +3
  12. ぱっと流されただけじゃ全然わかんなかったけど
    確かに言われたあとに右の方をコマ送りでみるとところどころ切り貼りしたように不自然な箇所が結構ある
    すげー

    • +2
  13. NVIDIA社がこういう事をやり出したと言う事は、スパコンで相当なノウハウの蓄積を得たんだろうなぁ
    NVIDIA社は、今やスパコンメーカーの一つになってるもんな

    • +1
  14. 動画の最後の方は雪が消しきれずに残っているね

    • +2
    1. ※24
      逆に、家の壁とか看板とかタンク塔?の
      本当に白色だった可能性が高い建造物は
      ことごとく茶色に変えられてるなw

      • 評価
  15. AIは引き算の申し子と言っていい程に容赦なく現実からリアルを削っていく事を得意とする
    逆に言うと足し算が不可欠な事にはボロを出す
    完璧は人間と同じように、実は苦手なんすよ

    • -1
  16. コマ単位で見てたらいきなり電柱にモッサリ葉っぱが生えてて笑った

    • +2
  17. 不気味の谷に近いものを感じる。
    そして猫を虎に変えられるってことは俺の来世の猫ver.も作れるってことだよな??

    • 評価
  18. 映像の時点でどっちも現実ではないのでは?

    • -2
  19. ここ数年でCG技術はかなり向上しているんだな。
    プロならCGだとか合成だとか解るんだろうが、素人の俺には判別できないや。
    将来的に、冤罪でっち上げとか…いろいろ悪用されそう(特に権力者側が怖いな
    “コレが証拠写真だ” なんて迂闊にいえなくなるかもな、体は少年、心は…の名探偵君

    • 評価
  20. 街灯が半分消えてる時点で気付けよ・・とw

    • 評価
  21. 猫科変換も、よくみるとたまに口元あたりが崩壊してたりするけど
    かなりの精度だ…あと5年もすれば完璧になりそう

    • 評価
  22. 最後の右の電柱は色付けしていないのかな。フェイク画像ではガラスの映り込みまで被せてあるね

    • 評価
  23. フェイクの方は性能の悪いカメラで撮影したときこんな感じになるから本物ですと言われたらだまる

    • +2
  24. Photoshopのマニュアルと悪戦苦闘した日々が・・・

    • +1
  25. モニタに映し出された時点でピクセルはRGB各値のデータでしかないから最終的にはドット画的にピクセルを描いて行けばどうにもなるよなあ、と、photoshopでレタッチの仕事してる時に感じる
    AIさんはそれを地でいってるんだな

    • 評価
  26. Zガンダムの世界になりかけてるんだよな

    Zガンダムのコクピット画像は、コンピュータで画像処理して補完されたものg標示されているという設定
    コンピュータのデータベースに無い新型機はちゃんと補完されずに標示されたりするらしい

    つまり、今回の記事は、現実では存在しないものをコンピュータが補完して標示しているという事が、Zガンダムの世界に通じる

    • 評価
  27. 電柱と電線が不自然だったから、なんとかわかった。

    • 評価
  28. さらに進化して全く見分けがつかなくなるのは、そう遠くないだろう
    そして写真、動画はアナログのマスターじゃないと信用されなくなる

    • 評価

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