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アメリカの秘密結社「KKK」が観覧車にで遊んでいる写真についての真実

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(著) (編集)

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 1926年4月27日、キャノンシティ・デイリーレコード紙の一面に驚くべき記事が掲載された。地元の中学校で出し物を催すという通知の下に、「メリー・ゴー・ラウンドでポーズを決めるKKK団」という見出しが躍った。

 そこには、メインストリートのKKK本部から数ブロック先の遊園地までやってきたフードを被る構成員について簡潔な説明記事が添えられていた。

 カメラマンが新聞に公開しなかったため、記事に写真は印刷されていなかった。写真が公の目に触れたのはそれから65年後のことである。それはネット上で一気に拡散された。

 これは歴史の影の中に消えた記憶を明かすものでもある。かつてアメリカはKKKが遊園地で楽しむくらいには人権問題に無頓着で、州知事すらKKKだったのだ。

 KKK(クー・クラックス・クラン)はアメリカの秘密結社、白人至上主義団体である。現在もなお存続し、主に黒人、アジア人、近年においてはヒスパニックなどの他の人種の市民権に対し異を唱え、同様に、カトリックや、同性愛者の権利運動やフェミニズムなどに対しても反対の立場を取っている

1920年代、政治家と聖職者がKKKと蜜月だった時代

 1920年代のコロラド州におけるKKKの影響は誇張してもしきれるものではない。何しろ州知事だったクラレンス・モーリーがKKKだったのだから。

 またライス・ミーンズ上院議員も公然とKKKの後ろ盾を受けていたし、州都デンバーの市長ベンジャミン・ステープルトンもKKKとつながりがあった。

 しかし当時、KKKの本拠地だったのは州都デンバーではなく、もともとは鉱山の街であり、付近の州刑務所からの仕事に依存していたキャノンシティだった。

 コロラドのグランドドラゴン(KKKの役職名)だったのはフレッド・アーノルド——キャノンシティのファースト・バプテスト教会(キリスト教プロテスタントの一教派)の聖職者であり、州刑務所付き牧師でもあった人物だ。

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1920年代、アンチ黒人というよりはアンチカトリック

 KKK構成員の外見はコロラド州だろうがアラバマ州だろうが、あるいは1926年だろうが1968年だろうが同じであるが、その頑迷な教義イデオロギーは異なる現れ方をしている。

 1920年代のKKKは、1960年代における南部KKKのそれとは違う目標を有していた。すなわち彼らの憎悪は黒人よりもカトリックに対して向けられていた。

 さらにコロラドにおいてのKKKのやり方は暴力ではなく脅迫であり、彼らが関与した暴行事件は数件のみで、死亡事件となれば皆無のようである。そしてフード姿でありながら、彼らの活動は政府の認可を受けた上で公然と行われていた。

プロテスタントの大多数がKKKに

 それは1920年代初頭におけるキャノンシティ付近の大修道院建築に関連した行動についても同様であった。

 第一次世界大戦後、ヨーロッパ南部から大量の移民が押し寄せたことで、教会は聖十字架大聖堂の建設に出資することを決定した。

 しかし地元側は鉱山の仕事が奪われることや、街ののどかな雰囲気が損なわれることを懸念。結果として、アーノルド牧師はプロテスタントの大多数をKKKに勧誘することに成功し、やがて地元の交番にもKKK構成員が配置されるようになった。そのときのスローガンは、「アメリカ主義100パーセント」である。

 ロイヤル・ジョージ博物館&歴史センターの研究者によれば、KKKは大きな支持を集めており、構成員の子供たちは聖書に”KKK”と記し、自らを”クー・クラックス・キッズ”と呼んでいたらしい。

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KKK全盛期だった時代

 写真が撮影された1926年頃、KKKの力は最高潮にあった。デイリーレコード紙によれば、遊園地の経営者がKKKであり、やはりKKKであったウィリアム・フォーサイスによって写真撮影に招待されたという。

  フォーサイスは1924年に”アンデスの階段”と呼ばれる”娯楽構造”(ケーブルと滑車を利用して、ひし形のトンネルの中、台車を牽引するもの)の特許を出願し、そこにも構成員を招待している。

 カメラマンのクリントン・ロルフェもまたKKKと関係があったとしても驚くには当たらない。彼がキャノンシティに店を開くと、デイリー・アメリカン紙というKKK系の新聞で特集された。

 紹介記事の中でロルフェは子供の写真が得意だと自己紹介した後、顔をしかめ「今まで訪れた他の街と同様、キャノンシティも大好きだが、進歩に対してオープンであるところを見るのは、この上ない喜びだ」と述べている。

 ロルフェが撮影した写真はどの地元紙にも掲載されなかったようだ。また、どこかで出版されることもなかったのかもしれない。代わりにKKK構成員にただ配布された。

 1991年、その1枚が地元市民によってロイヤル・ジョージ博物館&歴史センターに寄付され、2003年になって当時の博物館館長が「コロラド州キャノンシティのプロテスタント派”クラックス行動”」と題した写真に関連する小論を発表する。

 そこからネット上に流出したため、博物館がオリジナルのスキャン画像を公開した。

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メリー・ゴー・ラウンドではなく観覧車だった

 新聞で報じられていたのとは違い、その写真の中でキャノンシティ第21支部のKKK構成員はアンデスの階段はおろか、メリー・ゴー・ラウンドにすら乗っていない。

 乗っていたのは1892年にエッフェル塔に対抗してシカゴで開発され、最新の発明品の象徴となった観覧車だ。

 20年代半ば、アメリカにおいて観覧車は人気の絶頂にあった。ゴンドラが12基備わったその観覧車にKKK構成員が横3列に座って、フードで覆われた顔をカメラへ向けている。またその下には5名の構成員が立つ。全員が悪意のようなものを放ち、進歩と後退が並ぶシュールさが醸し出されている。

そして衰退へ

 KKKはそれから間もなく街やコロラド州の勢力を失う。市役所や州議会のKKK議員は落選し、1928年には不意にアーノルド牧師が亡くなった。

 彼の後継者となる者はなく、KKK支部は閉鎖された。州を支配したフードの男たちは闇へ消えたが、その力の証拠は写真の中に厳然として残っている。

via:The Story Behind This Mystifying Photo of KKK Members at a Colorado Fair/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. 20年代に何求めてるんだよ
    70年代まで堂々と黒人お断りの看板出してる店がある州さえのこってたのに

    • +27
    1. ※2
      図書館でアポロ11号の記事読んでたら、黒人たちはそんなものより俺たちを何とかしろってデモやってるって記事が載ってた

      • +10
  2. 活動内容はともかく、一枚目の写真だけ見るとカワイイ(笑)

    • +21
    1. ※4
      KKKに一方的に憎悪されてる他人種も人の子やで……

      • +40
  3. ヒェッ
    怖い怖い
    しかし子供までいたとはね

    • +11
    1. ※6
      コメントするなら記事の内容は読みなよ

      • -3
  4. 枝葉末節な話で申し訳ないが……
    メリーゴーラウンドではなくて、観覧車-フェリスウィールでは……?

    • -2
  5. 普通楽しんでいたら、それはそれでホラーだね

    • +2
  6. アメリカ主導で国連を作って、その中で日本を始めアジア人を、露骨に国連の舞台で差別してたからな
    日本が黒人とアジア人に対する差別禁止法を国連に提出したらアメリカがその場で却下した話は有名だし
    結局、日本が戦争をし日本が悪でアメリカが正義でアジア人を日本から助けたというのが太平洋戦争で日本の願う通りになったのは皮肉だけどな

    • +8
  7. KKKなど、倒すに造作ない。
    頭巾をくるっとまわしてやれば、やつら何にも見えなくなるぞ

    • +29
  8. KKKが観覧車乗ってる写真、笑いたいけど笑えない

    • +6
  9. 人が集まると金が集まり
    金が集まると屑が集まる

    • +7
  10. 醜悪な顔を見ないで済むなら被ってて貰った方が良いね
    判別もし易いし 互いに近寄らなくて済む

    • +14
  11. これをシュールじゃなくてクールと言うんだろ。

    • -16
  12. 前KKK団の人間の顔を見てはっはーんて思った
    差別する側に立つことによって自分が差別されない側に立ちたかったのねーって

    • +13
  13. 頭巾のビジュアルはひたすらシュールでホラーなんだが、中身がただの白人至上主義者ならそうでも。

    • +3
  14. なんだかやってることが日本会議に似てる

    • -4
  15. カトリックに比べると、プロテスタントにはローマ教皇・枢機卿団のような中央集権組織がないから、奇天烈な主義主張する分派が結構あるのよね。

    • +5
  16. 日本会議云々はフェイクだって論破されてんのを知らんのか?

    • -7
  17. ウルトラマンにこんな怪獣いなかったっけ?

    • 評価
  18. 現存しているという事実には恥を知れとしか思えぬ

    • +5
  19. 浦沢直樹のビリーバット読んでから殺人集団という認識しかないのよ

    • 評価
  20. KKK団は、今は黒人でも入団できるらしいね。

    • +2
    1. ※30
      マジかよ
      そりゃネオナチ所属のユダヤ人って言ってるのと同じだぞw

      • +1
      1. ※37
        マジだぞ
        入団してる黒人は国の差別撤廃が逆に黒人に優遇しすぎの逆差別と訴えてた
        国の役人採用試験が点数では無く人種比にしているため低得点でも有色人種だと合格でき
        その辺りが逆差別であり社会に損害をーってな演説ぶってた

        • 評価
  21. 観覧車に乗るKKK団
    ジェットコースターに乗る黒の組織

    • +2
  22. アメリカって国の成り立ちを思えばな

    • +2
  23. 空中に浮かんでるの、なんですかね?

    • 評価
  24. シーソーの両端のように保守とリベラルが交互に台頭する国、アメリカ。

    • +1
  25. へえ、さすがプロテスタント頭がいやなんでもない
    絵面だけ見るとワラ
    KKキッズwアニメでありそう

    • -1
  26. アメリカ独立戦争に実は黒人も参加しているんだよね
    それなのに黒人の子孫は奴隷になった
    アメリカの白人は自分勝手すぎる

    • 評価
  27. トランプの主義主張に似てるなー>白人至上主義その他

    • +2
    1. ※41
      トランプ陣営にスティーブン・バノンって超白人至上主義な人いるし

      • +2
  28. 吉田戦車の伝染るんですの1コマでありそうだ。(KKKの格好で町内会やってたのがあった)

    • 評価
  29. 悪意なんて思ってもいなかったんじゃないかな
    自分達は正義だと考えていたはずだし

    愛とか正義って時代で変わるよね
    これからも変わっていくんだろし、どう変わっていくんだろうか。

    • 評価
  30. それより、両目のところだけをくり抜いたフードを被って観覧車に乗るのって、足元、危なくない?ついでに言えば、メリーゴーランドに乗ったKKKも見てみていけど。(不謹慎でした。すみません)っl

    • 評価
  31. 素朴な疑問なんだけど、これKKKの人達もどうやって相手を見分けるの??

    • 評価
  32. 日本でも少し前までKKKと書かれたバスが街中走り回ってたのに
    めっきり見たくなって秘密にされたのかもな
    社長がKKKなのか路線バスや観光とか手広くやってたみたい

    • +1
  33. 偉そうにいってるけど 後ろめたいと思っているから覆面してるんでしょ

    • +1
  34. 服は真っ白でも心は真っ黒なんだよなぁ…

    • 評価

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