全ての記憶をなくした女性、同じ男性に2度を恋する（本当にあったラブ・ストーリー）

　折しも今日はバレンタインデー。いつもと変わらないゴーイング・マイライフを送っている人がいる一方、いろんな場所で恋が成就したり破たんしていることだろう。うちはうち、よそはよそなんだけども、気分だけでもバレンタインを味わってみようじゃないか。

　そこで、こんな心温まるラブストーリーをひとつ。

　この物語の主人公は、英ケント州タンブリッジ・ウェルズに住む女性、ジェシカ・シャーマンさん(20歳)である。昨年3月のある日、彼女はすべての記憶を失ってしまった。その時隣にいた、最愛の恋人のことも・・・

ある日突然、すべての記憶を失う

　その日、ジェシカさんは交際7カ月の恋人、リッチ・ビショップさん(25歳)と共に、ロンドンに向かう電車に乗っていた。ところが突然、彼女の目の周りが“ぐにゃぐにゃ”になった。14歳のころから患っている、てんかん発作に襲われたのだ。

　リッチさんにより車内から助け出されたジェシカさん。両親も駆け付けた。しかし、ジェシカさんは、すべての記憶を失ってしまっていた。

　母親がジェシカさんの携帯電話に保存されている写真を見せても、自分自身を認識することすらできない。両親はジェシカさんを自宅に連れ帰り、リッチさんに会わせた。ところが・・・

両親はリッチを呼んだけど、私は彼のことを知らなかったの。二人きりにされたとき、とても怖かった

　当時のことを彼女はこう語っている。

他人認定されても彼女を支え続けたリッチさん

　翌日、両親はロンドンの神経内科と脳神経外科がある国営病院にジェシカさんを連れて行った。1週間の入院の後、「てんかん発作により記憶を失った」と診断され、記憶が戻るまでに6カ月以上かかる可能性があると告げられた。

　自宅に戻ってから2週間も経たないうちに、ジェシカさんはリッチさんとの交際を終わらせることを決意した。赤の他人にしか思えなかったのだからしかたがない。

　でもリッチさんは、ジェシカさんのサポートに全力で協力したいと申し出た。ジェシカさんも彼の情熱と気づかいに心を動かされ、その申し出を受け入れた。彼女の記憶をなんとか取り戻そうとリッチさんはがんばった。

同じ男性に二度恋をする

　リッチさんはジェシカさんを積極的に連れ出し、以前よく歩いた散歩コースや、お気に入りだったレストランへ足を運んだ。リッチさんは、自分が知りうる二人の過去をすべて共有するように努めた。

　そんなリッチさんのひたむきで献身的な姿に、ジェシカさんは再び、恋をした。

一度目、彼に恋をしたときのことはまったく覚えていない。でも、二度目のことははっきりと覚えている。彼は忍耐強く私に付き合ってくれて、とても優しく、私は彼に恋をするのを止められなかった

いつまた記憶を失うかわからない日々、それでも彼女は前を向く

　ジェシカさんの記憶はまだ完全に戻っていない。医師によると再び記憶を失う可能性もあるという。それは、ジェシカさんにとって、とんでもないストレスだろう。

　しかし、彼女はリッチさんや家族の支えにより徐々に自信を回復しつつある。料理や服装、年齢に見合った人付き合いなどをもう一度学び、前向きに生きている。

　例え再び記憶をなくすことがあっても、彼女をずっと見守ってくれている最愛の男性がいる限り、彼女は立ち上がり続けるだろう。そして何度もリッチさんに恋をするだろう。

via:Distractify・translated by usagi / edited by parumo
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