
科学が発達した今の時代になっても、信仰と占いは人類のDNAに組み込まれた欠かすことのできないものとなっている。日本では血液型占いがある種の信仰であるとして海外に伝えられているが、これまでの歴史の中で、運勢を告げる占いに使われた奇妙なものの数々をあげてみよう。
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10. 鳥占い(古代ローマ)

特にニワトリは、戦いの結果を予測するのに使われた。僧侶は特別に育てたニワトリの前に穀物をばらまき、鳥がどの穀物を熱心に食べるかで、ローマ軍の戦果を予言した。そして少なくともあるケースの場合はその予言は当たったという。
カルタゴとの第一次ポエニ戦争のとき、ローマ海軍を率いる執政官プブリウス・クラウディウス・プルケルは、自分が決めたカルタゴ艦隊襲撃の日に、この鳥占いを行った。
しかしこの日、ニワトリはあまり乗り気でなく、穀物をあまり食べようとしなかった。プルケルは「食べないのなら、水を飲ませよ」と言って、ニワトリを船から海に放り投げた。そのまま彼は戦いに臨み、結果的に負けた。
プルケルはローマに呼び戻され、敗戦ではなく、聖なるニワトリを殺した冒涜の罪で裁判にかけられて、追放の判決を受け、その後、まもなく死んだ。
9. 骨占い(アフリカ・古代中国・スコットランド)

スコットランドの先住民は、さばいた動物の肩の骨を使って占った。しかし、占ってもらう人には、まずナイフなどの鉄の道具が骨に触れないようにしながら、肉をはがさなくてはならないという試練が待っていた。
8. 大麦占い

またパンやケーキがまずいと思う者も有罪とみなされる。パンにはもともと毒が盛ってあって、裁く側が有罪にしたい者が具合が悪くなるように仕向けられていたこともあったらしい。
7. 腹の音占い(イタリア)

ルネッサンス時代の作家で医者のフランソワ・ラブレーは、「この方法は長いこと、イタリア北部のフェラーラで、女占い師レディ・ジアコーマ・ロドギーナによって行われていた」と記録している。のちにこの方法は、水のゴブレットや水晶玉のような丸く膨れた形のものを使う占いになっていき、今日でもこれは一般的に行われている。
6. 真珠占い

もっとも一般的なやり方は、ひとつの真珠を鋳鉄の鍋に入れて火にかける。その間に占い師が盗みの容疑者の名前を順に読み上げ、真珠が動き始めたときに名前を読まれた者が犯人だという。また、有罪の者が近づいたときだけ、熱した真珠が動き出すというバージョンもある。
5. 人柱占い(内臓占い)

内臓占いはもっと死に際の様子を注視する。断末魔の叫び声の回数、その声の大きさ、血の流れの方向、死にゆく者の体が床に崩れ落ちる方向など、死の苦しみの様子が占いの解釈の対象となる。
西洋史の中でもっとも有名な予言のひとつは、このおぞましい占いによって行われた。ローマの作家スエトニウスによると、占い師スプリナが内臓占いを行い、カエサルに3月15日を警戒せよと警告したという。
4. ネズミ占い(ローマなど)

この占いは、特定の範囲内でのネズミの動きや甲高い鳴き声を解釈して行う。ネズミが甲高い声で鳴いて運命を告げれば、かわいらしい感じがするが、古代の人たちはもっと深刻にとらえた。ローマの寺院でネズミが宝物をかじったことは、最初のローマの内戦を予言していたと考えられているし、独裁者ファビウス・マクシムスが失脚引退したのは、ネズミが鳴いて彼の悲運を予言したすぐ後だという。
3. 指輪占い(中世ヨーロッパ)

指輪占いにはさまざまなバージョンがあるが、中世ヨーロッパのやり方が一般的だ。一週間の曜日に相当する、それぞれ違う素材できている7つのリングを用意する。これらのリングを実際どのように使うかははっきりしていないが、ふさわしいリングをアルファベットを記したテーブルの上を転がすか、上から吊るして、動きが止まったところの文字をつなげた言葉がメッセージになるらしい。
今日では、占い師はシンプルな指輪か小さなものを紐に吊るしてダウジングして予言を行う。指輪が揺れ始めた方向によって、さまざまな答えがわかる。
2. 溶融金属占い(ヨーロッパ各地)

この方法は、現在でもフィンランドでは新年の伝統として行われている。家族それぞれが蹄鉄の形をした小さなスズを溶かし、冷やして固まったものをキャンドルの炎にかざす。映った影が示すものが、来たる新しい年にその人に起こることを予言しているという。
1. フン占い(エジプト)

隠された知識を得るために排泄物を見るなど、古代の未開人のやることのように思えるかもしれないが、現代の医者も患者の検便など、いまだに糞便による診断を行って、健康について学んでいる。思わず顔をそむけたくなるが、効果的なことは確かだ。
via:10 Weird Fortune-Telling Methods From History/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
封神演義を思い出した
太公望「いわし〜!!!」
2. 匿名処理班
内蔵占いって言ったら普通はヤギ、羊、馬なんかの生贄の腹を
開けて内臓の色や状態で吉兆を占う方だと思います。
状況によっては人間が使われた事例もあるみたいですが、
動物のほうが一般的だったようです。
古代の中東、ヨーロッパでは割とよく見られる占いですが、
生贄になる動物が必要なので、権力者が重要な案件を
占うときに使われたそうです。
3. 匿名処理班
占いの道具、売ってくれる?
4. 匿名処理班
占いによると私のコメントは5番目
5. 匿名処理班
そういや「卜占」の「卜」は骨なんだっけ?
日本だと鳴釜辺りがここに入りそう
大陸伝来か日本発かは知らないけど
6. 匿名処理班
日本だと鉄火起請があるよね
7. 匿名処理班
最後のフン占い、健康面ではある程度当りそうだな
8. 匿名処理班
9の骨占いは日本にもあったような?
シカの骨とか亀の甲羅で占ったとか何とかどっかで読んだ
9. 匿名処理班
※3
売らな…その手に乗るか!
10. 匿名処理班
小学校3年生以下だったと思う。
いいことがあった日の服。悪いことがあった日の服
っていうのを自分で覚えていて、出来るだけ縁起のいい服を着るようにしていた。
最終的に、親父に馬鹿にされて辞めた。
11. みあきち
ネズミ占い・・・記事とは関係ないが農業者が畑などで、マムシは確かに毒蛇だが・・・ネズミという農業害獣(マムシが農作物を食うはずがない)を食ってくれるはずなのに、毒があるからという理由だけだろうで追い払うでもない「駆除」するという「そこまでする必要があるのか」と思った話を思い出した。
12. 匿名処理班
日本だと古事記に真牡鹿の骨で占うってのがあったはず
今でも群馬の神社でやってる
13. 匿名処理班
ビスマス鉱石の結晶占いとかないですかね
14. 匿名処理班
今でも亀の甲占いは宮内庁でやってるらしい。
毎年天皇陛下が新嘗祭に使う苗の産地を決めるのに使うとか。
15. 匿名処理班
人相占いとかもヨーロッパを恐怖のどん底に陥れたよな
16. 匿名処理班
5は帝都大戦であったね
17. 匿名処理班
《所長占い》
…某所長が乗り気になる案件は失敗し、乗り気じゃない案件は大いに成功して利益も出る
という過去の事例から生み出された案件の成否占い
実によく的中するんだ困った事に
『大変だ!所長が乗り気だ!』
『えええ?!ガッカリだよ!いい話だと思ったのに!』
『何か落とし穴があるかも知れない、もう一度よく調査するんだ!急げ!』
18. 匿名処理班
2016年の記事なのに粥占いの話が一つも出てないのは寂しい。年末に上がった記事だから過去の事よりクリスマスとか正月とか目の前の事が意識されてたのかな。
鳥占いはオーストロネシア等の原住民のに多い占いだと思ってたけどローマにもあったとは。鳥の鳴き声の高低や鳥が飛んでいく方向などで占うのが各地にある。プルケルが追放されたのは結局は権力争いのライバルに敗戦の事がつけこまれてで、鶏どうこうはただの口実じゃないのかな。