アメリカ、ミズーリ州に住むボッグス夫妻(妻ケーシーと夫のブレイクの家には、4本足、2本足の動物計7匹が家族同然に暮らしている。その仲睦まじいほのぼの写真がインスタグラムでちょっとしたブームを引き起こしている。
その構成はピットブルの2匹、テリア2匹、猫1匹、アヒル2羽だ。種は違えども仲が良い彼らには共通点がある。みんな辛い思いを経験した保護動物なのだ。 それにしてもよくカメラを前にかわいいポーズをとってくれるものだ。
プールにつかり、アヒルのきょうだいたちが戯れ、ネコのミアが犬のきょうだちたちと連れ立って散歩している。彼らの背景には、それぞれ思わずほろりとするストーリーがある。みんな辛い思いを経験した保護動物たちなのだ。
保護活動のきっかけはペットショップにいた1匹の犬
ケーシーと夫のブレイクは、ずっと動物たちを保護し続けている。ケーシーが初めて動物を保護したのは19歳のとき。きっかけは、ペットショップのウィンドウで孤独な3ヵ月のトイ・フォックステリアのロキシーを見つけたことだった。
その日はロキシーと戯れただけで家に帰ったが、結局戻ってロキシーを引き取った。ところが、後からロキシーには股関節がないことがわかったのだ。劣悪な環境のブリーディング施設で生まれた子犬に多い奇形障害だった。
ケーシーたちは、ロキシーに栄養をとらせて元気を回復させたが、かなりの費用がかかった。手術をしてくれた獣医の後押しもあって、偽の血統書をつけて障害のある動物を売っているペットショップに苦情を申し立て、閉鎖に追い込んだ。数年後、ロキシーは正式なセラピー犬になって、現在も病院や学校、老人ホームなどを訪ねている。
2匹目はピットブル
ロキシーを引き取って一週間後、ケーシーたちは、ピットブルのナラを引き取った。そして念願の家族生活を始めた。グレート・スモーキー山脈に一緒にハイキングに行ったりした。ところが残念なことに、ナラは心臓の障害のため急死してしまった。
「まったく突然のことで、寝耳に水だった。家族として第一歩を踏み出したと思ったら、翌日にはナラが死んでしまったのだから。彼女がいたから、ピットブルが好きになったのに」
ナラが来る前は、ふたりはピットブルが怖かったのだと言う。でも、一緒にいた短い間に人生が変わった。夫婦は続いて、二匹のピットブル、ジェイクとロージーを引き取った。
ピットブルゆえの辛い境遇にあった2匹
ジェイクは生まれてから数ヶ月、ろくに世話もしない最初の飼い主に檻の中に閉じ込められていた。最初にボッグス家に連れてこられたとき、ジェイクはすべてものを怖がり、ネコにさえビクビクしていた。でも、一週間もたたないうちに慣れて、ボッグス家のほかの動物たちと仲良く過ごすようになった。
ロージーは、セントルイス北部の治安の悪い地域からやってきた。ここでは、闘犬ショーをやっていて、ピットブルと見ると、警官がすぐに射殺してしまうような界隈だった。
ロージーを保護したいけれど自分では世話ができないという人からの要望で、ボックス夫妻が引き取ることになった。ロージーはひどくを足を痛めつけられていたが、ボッグス家の前に着くと、すぐにここが我が家だとわかったようだったという。
ロージーはめざましく回復し、今では骨折していたことなど誰も気がつかないくらいだ。フリスビー大会の花形で、よく走り、2メートル近くもジャンプすることができるという。
更に2匹の犬が加わる
家族はこれだけではない。ラット・テリアとイタリアン・グレイハウンドのミックスのエディスは、悲惨な人生から這い出して家族の一員になった。
彼女は、寒くて暗い裏路地で、死んだ母犬の傍らにほかの子犬と一緒にかたまって寄り添っていたところ、動物愛護協会によって発見された。パルボウィルス腸炎、ひどい疥癬、腸内寄生虫にやられていて、3度死線をさまよったが、今はすっかり元気になった。「あの子は、わたしたちの5エーカーの土地を20秒かそこらで一周することができるのよ」とケーシーも嬉しそうだ。
仲良しファミリーの筆頭は猫
四足メンバーの筆頭は、ネコのミアだ。尻尾がないが、とても冒険心に富んでいて、探索の機会を決して逃さない。彼女はストレイ・ヘブン・キャット・レスキューから引き取った。ドライブが好きで、ピットブルと一緒になって眠り、森の中をひたすら歩く。
ボッグス家の日常は、まったく飽きることがない。毎週末、アウトドアの活動で充実している。「6マイル(10キロ近く)ハイキングするんだ。ロキシーは13マイル(20キロ)も歩けるよ」
さらにアヒルが加わった
これではメンバーが足りないかのように、ボッグス家は最近、アヒルを飼うことに決めた。「もともと鶏が欲しかったんだ。ずっと養鶏場をもちたくてね。でも、鶏に縁がなかった。アヒルだと抱きしめられるし、表情が豊かだし、個性がある」
ケーシーがアヒルのヒナを家に連れてきたとき、犬たちはそれほど興味を示さなかった。ピットブルのジェイクだけは、この家なら必要な愛情が受けられると確信しているのか、アヒルたちの親代わりになった。アヒルたちが自由に歩き回っている間、ジェイクは腹這いになって心遣いを見せた。そのほうがか弱い鳥たちにとって、都合がいいことを知っていたのだ。
アヒルのガートルードとドナルドも、ちゃんと心得ている。家の中で一番甘えられるのはジェイクであることをちゃっかり知っていて、なんとかして彼に近づこうとする。温かくて、元気をもらえるジェイクの愛に包まれて、生まれて初めて知った母親のような愛を享受することができている。
ジェイクは頭蓋と下顎の骨障害(CMO)に苦しんでいて、エサを食べるのときなどに痛みが出る。こうした状況のせいで、ジェイクは障害をもつほかの生き物の気持ちに寄り添うことができるとボッグス夫妻は思っている。アヒルの子たちを親代わりにかわいがる行動も、よくわかる。
ブレイクは、アヒルたちのために外に家を作ってやった。アヒルたちはそこで過ごし、プールで犬たちと遊んでいる。
ネコのミアも、アヒルたちと一緒なのを嫌がっていないようだ。アヒルたちのほうに顔を向けて、その場で悠然としている。だから、全員を自由に歩き回らせているのだという。
全員集合写真の撮り方のコツは?
全員にカメラ目線のポーズをとらせるのに、なにかコツはあるのだろうか? それはもちろん彼らの好物のエサだ。それでも、自由にさせておいたら、まとめて全員一緒に写真を撮るのはほとんど不可能だという。
「2、3匹の単位で写真を撮ろうとするときはいつも、別の場所にほかの子を置いてみる。それを彼らの前でやろうとすると、集まってくるんだ。一緒にいることに慣れているからね」
ボッグス夫妻は、これからも動物たちを引き取っていくつもりだが、今は、ケーシーは初めて人間のママになる喜びをかみしめている。このおめでたのニュースと共に、またみんなの新たなほのぼの写真が期待できそうだ。
仲良し家族の素晴らしい写真はインスタグラムで日々更新中なので要チェックだ。
via:barkpost/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ロバがいないのか……
ブレーメンの音楽隊になれたのにw
2. 匿名処理班
みんな良い表情してるなあ。
アヒルに口をムニッとされてる
ピットブルの写真凄く好き。
3. 匿名処理班
なかこしこよし(´ω`*)みんな楽しく暮らしてる感がでてるね
4. 匿名処理班
PCからだと画面が変だよ
5. 匿名処理班
コスチュームとか着せてるけど、
皆表情に無理矢理感が見えないから
安心して生活しているのだと思う。
6. 匿名処理班
幸せを煮詰めて結晶化させたみたいな光景だ…みんなが健やかに楽しく生活しているのが画面から伝わってきたよ!
私も二足歩行動物の一員としてここに加えてもらうわけにはいかないだろうか
7. 匿名処理班
素敵な家族だね
愛が溢れてる
8. 匿名処理班
ファンキーな写真が多いなww
9. 匿名処理班
みんな、良かったね、良かったね。
10. 匿名処理班
笑いと涙が止まらない
11. 匿名処理班
管理人様
この記事PCからだとコメントしたり点数つけたりできないみたいですよ
12. 匿名処理班
ピットブルの表情が特に素晴らしい!
13. 匿名処理班
ピットブルの笑顔がいい!!
皆が幸せに生きられるようにすべきだね
14. 匿名処理班
誰も欠けてほしくない。寿命って残酷だ。
15. 匿名処理班
パライソってこんな所かな
16. 匿名処理班
愛情、信頼関係のすごさを見ました。
素晴らしいですね。
我が家の犬2匹、鳥たちは仲が悪く
近づけられず困ってます。うらやましい。
17. 匿名処理班
こういう記事を見ると、自分にもお金と土地があれば…と思うわ。保護施設は何もない大赤字のところから始まって寄付などで運営を続けていけるようになったり、でもそれはあくまで非営利の施設だから許されることで、個人が保護したから寄付頼むってのは他力本願で都合良すぎだからなぁ。特にこういう障害や持病がある動物の場合はお金に余裕がないと保護できない。一時的な保護ならともかく家族として迎え入れるにはホントに覚悟がいるし。こんな風に色々と余裕のある人に引き取られるのが一番だなと思う。