
タリーモンスターはおよそ3億700万年前に、アメリカ、イリノイ州グランディ郡沿岸の泥だらけの浅瀬を徘徊していたものと考えられている。
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ターリーが発見したことから、トゥリモンストゥルム(Tullimonstrum gregarium)と名付けられた。これは「ターリーの怪物」を意味する。発音は英語式に読めば「タリモンストラム」、「タリモンストルム」で、英語流に言えば「タリーモンスター」である。ここではタリーモンスターとして統一した。

タリーモンスターは脊椎動物だった
軟体動物であれば無脊椎動物だが、最新の研究によって、タリーモンスターには体とエラを支えるしっかりとした軟骨があったことが判明した。つまり原始的な魚類と同じような脊椎動物だったのだ。
研究を行ったのは、イギリス、レスター大学の古生物学者ビクトリア・マッコイ博士(研究当時はアメリカ、イェール大学)で、そのミステリアスなところに惹きつけられたのだそうだ。
「風変わりな化石から、その姿についてははっきり分かっていましたが、正体はわかりませんでした。現生する近縁種とはあまりにも異なっているため、生態についてはほとんど不明です。大きな目があり、歯がずらりと並んでいることから、おそらくは肉食ではないかと思います」とマッコイ博士。

また、タリーモンスターの歯が、ヤツメウナギの歯やヒトの爪と同じようにケラチンでできていた可能性が高いことも分かった。胴体部分に並んだ三日月型の穴は、現代のヤツメウナギの鼻孔にあたるもので、匂いをかげたと考えられる。いくつかの化石では脳の輪郭がうっすら見えていることも分かった。

まだまだ謎は残されたまま
研究に携わったイェール大学ピーボディ自然史博物館の無脊椎古生物学者デリク・ブリッグズ教授によれば、現段階ではまだその全貌はつかめていないという。化石の解釈は容易ではなく、中には泳ぐ軟体動物という説もあるらしい。
今回、脊椎動物であることが判明したが、謎は数多く残されている。トゥリモンストゥルムの化石は他の場所からは一切発見されておらず、いつ地球に出現したのかも明らかではない。泥だらけの浅瀬に生息していたと考えられており、死骸に堆積物が積もり、やがて硬い岩の中に閉じ込められたものが化石となった。
via:Theguardian・dailymail・theatlanticなど・translated hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
イタズラしそうなディテール
きっと嘘もつくタイプ
2. 匿名処理班
こいつとかバージェス動物群とか、ダーウィンが生きてれば見せてやりたかったなぁ。
3. 匿名処理班
つぶらなお目々がヤツメウナギと共通しているな。ついている位置はさておき
4. 匿名処理班
ウェッツリコーラから節をなくして眼をつけた感じ…だが細い方が口なのか。
しかしそもそもどの時代の生き物なのかな。300万年前じゃこれに近いのが今でもいくらでもいそうだけれども
5. 匿名処理班
これが巨大化して生き残ってるのがネッシーの正体、なんだとか。
6. パルモおじさん
ネッシーの正体では無いな。ヤツメウナギは原始的⁉︎
7. 匿名処理班
星野之宣のブルーワールドで知った
人間襲って喰っとった
8. 匿名処理班
天日干ししてストーブの上で炙りたいボデー
9. 匿名処理班
神(あのころは手探りで生命つくってたっけな〜)
10. 匿名処理班
脊椎動物とするならば眼の位置が斬新すぎる・・・と思ったんだけど、もしかすると口吻部が以上に長いだけなのかな。きっと食性と深くかかわるんだろうね。
長い眼柄はも興味深い。
ミツマタヤリウオ(現生種)の幼魚を連想した。
11. 匿名処理班
ソースで「chordate」と書かれているので、「脊椎動物(Vertebrate)」ではなく「脊索動物(Chordate)」と訳すべきではなかろうか。
「脊椎動物」だと範囲が絞られてしまうので、ホヤやナメクジウオ等も包括できる大きい分類の「脊索動物」としたんだと思う。
某超常現象ライターの先生が、これをネッシーの正体だと力強く挙げていたな。
約3億7000万年前の全長30cmほどのナマモノと、約2億年前の首長竜。
どっちがUMAとしての浪漫があるか……?
12. 匿名処理班
ピクミンに出てきそう。
13. 匿名処理班
神さんまだまだ試行錯誤段階って感じの攻めのデザインっすね
イカさんとナツメさんとシュモクザメ成分ちょこっとのキメラみたい
14. 匿名処理班
こいつが生きていたのはカンブリア期すぎて魚が両生類に変わり始めた中生代だからな、
何を思ってこんな進化をしたのか、こいつだけ遅れてきたカンブリア病だったのかもしれない
15. 匿名処理班
※9
あれは今となっては黒歴史なんだろうか・・・。のちに眼だと判明するまで特記は「ヒレ」と思われていたころの産物。
たがみよしひさの「化石の記憶」もそうだけど恐竜漫画は定説が覆るたびに切なくなるな。
16. 匿名処理班
さすが神様、見事にダイソン形状先取りしてたな。
17. 匿名処理班
こういう形が分かる状態の化石って腐らなかったってことだよね?
18. ・・・
あすかあきおスレだと思ったら、あすかあきおスレだったw
オレみたいに、あの作品でこの生き物を初めて知った人も多いんだろうなぁ…
19. 匿名処理班
※19
砂泥に素早く埋まってしまい、しかもそこが海底などの低酸素で低温な環境のため死骸が腐るまでに時間がかかり、加えて他の生物に死骸が分解されることもなく、更に埋まった砂泥が動かされることもなく、その後に積もった砂泥が固まるまでそのままの状態が保たれ、そのうえ死骸がなくなった空洞を別の砂泥や鉱物質が静かに埋めていった場合には、骨や殻のない柔らかい生物でも埋まった時の形が化石として残ることがあります。
歯医者さんが入れ歯の型取りをするようなもので、本体がなくなっても周りの型と、その中に入った詰め物が残るんです。ものすごく沢山の条件が揃わないとこんな化石はできませんから貴重ですね。
20. 匿名処理班
なんか右手に寄生されそうだな
21. 匿名処理班
長い口は収納式で捕食の時だけ伸ばすタイプかもしれない
想像図でも途中で曲がってるし折りたためそう
目の方は…カタツムリみたいなものか?
22. 匿名処理班
ハルキゲニアもそうだけど、10年後には全く違う想像図が出来上がってる方に1000ペリカ
23. 匿名処理班
餌も泥の中だろうから、口が長い方が獲物を探り易かったんじゃないかね
象の鼻の様な感じで
24. 匿名処理班
※13さんのコメントを読んで
「ホヤの一味なのか?我々の身内なのか?」
と疑問がわいたのでソースのソースらしきNature誌までたどってみたら、論文の題で「あれ、脊椎動物な!」と言い切られてました。身内か…。
The ‘Tully monster’ is a vertebrate
www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature16992.html
25. 匿名処理班
結論が出るまでご飯を詰めてだし汁で炊き上げるのは待つべきか
26. 匿名処理班
ヤツメウナギが寄生獣に寄生されたら、きっとこんな風
ってな外観をしているな
でも数年もすると…「やっぱり間違えていました」の例も
結構と有るから、この手の発表は気が抜けない
27. 匿名処理班
配管工のタリーさんのことが気になる
28. 匿名処理班
ベーシックなフォルムの生物ではなく、特定の環境に適応してたんだろうなあ。 泥中のエサ取り用?
29. みあきち
※21
ドラえもんの映画の「 のび太と竜の騎士」にもあった、ステノニコサウルス、とやらの
鉱物置換の「置換化石」が(映画をみてれば、だが)いい例だろうかな。
あれは黄鉄鉱かで、ぱっと見光り輝く化石だったっけ。
30. 匿名処理班
※12
あるいは実際に何かの幼生だったのかもしれん
成長すると目が引っ込んで吻部が縮んで寸胴のヤツメウナギか鎧のない甲冑魚みたいな特にどうという事もない姿になり、しかも既知の化石種だったりするという。
31. 匿名処理班
想像図がウチにあるコードレスの掃除機みたい
変な生き物だなあ
32. 匿名処理班
SANチェック不可避
こういう生き物をキテレツだと思うのは
今の生き物が随分整理された姿形してるってことだよなぁ
進化不思議
数億年後には一体どんな生態系が生まれてるんだろう
イカ支配以外の可能性も見てみたいw
33. 匿名処理班
飛鳥昭雄に拠れば軟体動物だそうだが。確かにダイオウイカは十数メートルに達するからな。
34. 匿名処理班
驚愕!
死んでから3億年以上経過している生物の化石から、歯の構成タンパク質が推測できるとは!
技術の進歩すごすぎる!そりゃケラチンは丈夫だけど、3億年って、1億年を3回、繰り返すんだよ。すっげーすっげー長いよ。どんなタンパク質でも痕跡すらまったく残ってないって思うよ普通は。
35. 匿名処理班
昔ムーでこれがネッシーの正体だって言ってた
36. 匿名処理班
ちなみに脊索は今回初めて発見されたわけではなくて、発見されていたけど食道だと思われていたというのが正しい。
自分も食道だと思ってました!!!まさか脊索動物だったなんて考えもしてませんでした!!!!!!!
だってさ、口の先から肛門っぽとこまで続いてる線状の痕なんて食道だと思うじゃん!?まさか脊索だなんて思わないじゃん!!?あああああああ
現状の生物でコイツに一番似ているのはゾウクラゲだし軟体動物に近いと思うじゃん。でも節足動物っぽい節構造もあってマジで謎の生物だと思うじゃん?
まさか脊索動物だなんて…。脊索だったなんて……。
これだから古生物ファンは止められないぜ。
37. 匿名処理班
泥に潜って目と口だけ出して餌を狙ってたとしか思えないフォルムですね。
38. 匿名処理班
円口類に近縁だって!?あの吻の形状、あご、顎あるんじゃないのか?違う?一体どうなっているんだ〜
39. 匿名処理班
ハルキゲニアが有爪動物だったり意外と太古の動物も今と地続きなんだな
鳥も恐竜の生き残りだったり
それはそれで感慨深いな
40. 匿名処理班
これ、しばらくすると「やっぱり前後逆でした・・」
的なことになったりして。ハルキさんみたいにw
41. 匿名処理班
※43
食道の痕跡が無いのでアレは触腕らしい。
口は、前方下側に着いてるんだと。
オパビニアと似た構造だな。
42. 匿名処理班
ヤツメウナギはまさに古代魚類の生き残りってわけか。。
43. 匿名処理班
※37
現生種でも奇天烈な姿のものはいるから、多分われわれが日常あまり目にしていない形状というだけだと思う。例えばヒトデやフジツボだって、海岸によくいる生物でなければかなり奇想天外な姿じゃない?
44. 匿名処理班
脊索動物のメクラウナギには脳が無かったと思うが、円口類のヤツメウナギにはあった気がするから、こいつは脊椎動物よりなんだろう。脳の有無までわかるなんて最近は凄いな。
45. 匿名処理班
あのハサミ、口だったのかよ
46. 匿名処理班
※7を低評価した奴は何か不満なんだ?
47. 匿名処理班
※51
もともと小さいターリーモンスターは、無脊椎動物ではないのでデカくならない。
よってネッシーにしては小さい。
ネッシー=クリプトクレイドゥスが有力。
48. 匿名処理班
※47を低評価した奴は何が不満なんだ?
ターリ〜モンスターの親戚ってかなり原始的で古生代チックだろ。。
49. 匿名処理班
※50
その口をネッシーの顔と見間違えたやつがいる、って言ってるやつがいたことに驚いてるよ。
50. 匿名処理班
※17
星野先生も たがみ先生も わかっててやったんだと思うよ。
あの でっぱりが目ではないかというのは、あすかあきお氏がネッシーの正体説を日本で紹介した時に同時に紹介していた。
ティラノサウルスが前傾姿勢だというのも、当時すでに言われていた。
(「だから腕が小さい」とも)
でもゴジラが好きな たがみ先生は あえて直立姿勢にしたんだろう。
51. 匿名処理班
化石の写真がツチノコに見えるんだが。
ハルキゲニア→絶滅・・・ハルキマニア→石黒の登場で・・・
タリモンが、もし陸棲に進化したら、シュテュンプケの鼻行類っぽくなりそうだな?
想像図に違和感があるが、今はいない古代生物の復元の正解はどの変にあるんだろ?