
とはいえ便利な加工技術の乱用は、作品を薄っぺらくしてしまうリスクもある。そのため近年はこれらの技術をうまく使い分け作品のクオリティを高める傾向にあるという。そんなこともふまえつつ、邦題と公開年、そしてVFX制作企業も併記された映画の動画クリップを眺めてみよう。
どうせ加工でしょ?というシーンがまさかの実写だった、なんてこともあったりするので慎重に見比べていくとじわじわ楽しめるぞ。
1. ジュラシック・ワールド (2015)
JURASSIC WORLD BREAKDOWN REEL
主演のクリス・プラットも確かに魅力的だが、『ジュラシック・ワールド』が大評判になったのはVXFのおかげといえそうだ。
(CG制作会社:IMAGE ENGINE)
2. ザ・ウォーク (2015)
THE WALK Visual Effects Breakdown Reel
1970年代の伝記をもとにした作品。ツインタワーなどが立ち並ぶ当時のニューヨークの街並みを再現するため、VFX制作陣はデジタル技術を駆使した。
(CG制作会社:ATOMIC FICTION)
3. チャッピー (2015)
CHAPPiE BREAKDOWN REEL
こちらの制作会社は人間の動きをデジタルデータとして取り込みCG映像にするモーションキャプチャと、見事なVFXを組み合わせ、ツボを押さえた最小限の加工で最高の映像を造り上げている。
(CG制作会社:IMAGE ENGINE)
4. キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)
Behind the Magic: The Visual Effects of "Captain America: The Winter Soldier"
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のワンシーン。巨大戦艦が空中で爆発する現実離れしたシーンのメイキング。コンピュータ映像を見れば、これが簡単な作業ではないことが分かるだろう。さらに、キャラクターの顔を入れ替えるシーンの裏では、何重もの映像を処理している。
(CG制作会社:INDUSTRIAL LIGHT & MAGIC)
5. 華麗なるギャツビー (2013)
The Great Gatsby VFX from Chris Godfrey
クリス・ゴッドフリーVFX映像監督とアニマル・ロジックスが作り上げた映画には印象的な視覚効果があふれている。その美しさに主演のレオナルド・ディカプリオの存在がかすんでしまうほどだ。
(CG制作会社:ANIMAL LOGIC)
6. ウルフ・オブ・ウォールストリート (2013)
The Wolf of Wall Street VFX Highlights
この映画の景色や建築物は大半がVFXで造られたものだが、それに気づく人はほとんどいないかもしれない。観客を違和感なく映画に没頭させる制作会社の仕事ぶりがよくわかる作品。
(CG制作会社:BRAINSTORM DIGITAL)
7. パシフィック・リム (2013)
Behind the Magic: The Visual Effects of "Pacific Rim"
日本でも多くのファンを生み出した『パシフィック・リム』は豪華で迫力のあるVFXが盛りだくさんだ。さまざまな出身国の会員で構成された、あらゆる視覚効果のプロフェッショナルが集う視覚効果協会賞の6部門にノミネートされた記録を持つ。
(CG制作会社:RODEO FX)
8. ゼロ・グラビティ (2013)
Rising Sun Pictures Gravity VFX Breakdown - re-entry sequence
オーストラリアに拠点を置くライジングサン・ピクチャーズが手掛けたこの作品は、第86回アカデミー賞、視覚効果賞を受賞した。この動画では「再突入」シーンにおけるVFXの見事な出来栄えを音声で解説している。
(CG制作会社:RISING SUN PICTURES)
9. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (2012)
Life of Pi VFX Breakdown
この作品のVFXを担当したビル・ウェステンホファー、ギョーム・ロシェロン、エリク・デ・ボーア、そしてドナルド・エイリオットの4人は2013年に第85回アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した。動画はたった2分間の映像だが、その栄誉にふさわしい作品だったことがよくわかるだろう。
(CG制作会社:RHYTHM & HUES STUDIOS)
10. アベンジャーズ (2012)
Behind the Magic: The Visual Effects of "The Avengers"
主演のハルク役のマーク・ラファロがニューヨークで大暴れしたとしてもこんなシーンにはならないだろう。VFXの存在なくして、この映画を観ることは不可能だったはずだ。
(CG制作会社:INDUSTRIAL LIGHT & MAGIC)
11.ウルヴァリン: X-MEN ZERO (2009)
Rising Sun Pictures - X-Men Origins: The Wolverine VFX Breakdown
ここにあるのはネットで流出した有名な未公開シーンで、映画の最初と最後のシーンが詰め込まれている。水しぶきを飛ばして勢いよく立ち上がるウルヴァリンの背中を見れば、ヒュー・ジャックマンの鍛え上げられた肉体にはVFXなど不要だったのがよくわかるはずだ。
(CG制作会社:RISING SUN PICTURES)
via:See What 11 Popular Films Look Like With and Without Their Visual Effects・translated by はっち / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
今だにCGでさえ出来ない映像表現ってあるんですかね?
2. 匿名処理班
「パシフィック・リム」はいいぞお。
「マッドマックス 怒りのデスロード」と同じくらいいいぞ。
姐さん、いつか「ギレルモ・デル・トロ」特集お願いいたします。
まだ見てないおともだちは、「パシフィック・リム」や「パンズラビリンス」だけでなく、「クリムゾン・ピーク」も観てね!
3. 匿名処理班
何処がCGか予想したり完成後がどんな感じか予想しなが見たけどやっぱり予想の上を行く・・・こんなの見せられてUFO映像信じろって言われてもなぁ(´・ω・`)
4. 匿名処理班
こうやってまとめてみるとここ2,3年でもだいぶ進化は進んでるんだね
視聴者側の目も肥えてきてるから、ちょっと古いともうゲームみたいに見えてきちゃう
5. 匿名処理班
CGのすごさはわかるがこれってGTAをやってるのと
同じだよな。インド映画みたいなぶったまげた作品って
アメリカ作品で今じゃあ見かけないのが残念だ
6. 匿名処理班
パシフィックリムの特殊効果において忘れちゃならないのは、あの操縦場所が動くように作られてること
地震再現ルームとかの応用で技術的には楽なものだろうけど、あの斜めにかしいだり細かく揺れたりするのは、さすがに映像処理だけでは追いつけないだろうし
7. 匿名処理班
はい。私もパシフィックリム大好きです。パイロットスーツの背中側に背骨みたいな操縦系(?)がパシパシ張り付くシーンとか、2人のパイロットの意識のシンクロシーンに痺れました。細かい部分にまで、考証が行き届いているんですよね。それにしても、最近のCGってのは凄いです。20年くらい昔のCGは、気を付けて見ると見分けが付いたものですが、今は現実以上にリアルな映像美を作り出す事ができる。本当に映像のプロ達が力を合わせて一つの映画を造っているんだと感心します。
8. 匿名処理班
あー新しく買ったimacの設定面倒くさー…写真撮りに行っちゃお!
という日々を積み重ねてまいりましたがこの映像を見て改心しました
ありがとうございました
9. 匿名処理班
パシリムの撮影、ずっと宙吊りでつらかったってマコ役の菊池さんが言ってたねー。
そしてパシリム&マッドマックスを好きなおともだちはだいたいみんな似たような趣味してるので映画の趣味がだいたいみんな合うという。みんなおっさ……少年の心を持ってるもんね!
10. 匿名処理班
ライフ・オブ・パイはメイキングなのに泣けてきてしまう
11. 匿名処理班
ハリウッドではこういったCGアーティストは年収1000万クラスだぞ
日本の若者もどんどんこういう職業に挑戦してってほしいな
12. ガンコじじいの名無し
現代のアメリカ映画は人間が描けとらーんッ!(怒)
13. 匿名処理班
※13
そんなことない。
日本も海外もCGプロダクションチームの給料に大差はないよ。
技術的にも日本でも同じ手法で映像を作る会社は沢山あるけど、大きな違いは規模とコストかな。どちらも桁が2つぐらい違う。
情報量の多いCGを処理するのに必要なのは技術よりも金と人の数だからね。
少なからず海外と張り合えるCG映像が日本にもあるという意味では、一人あたりの技術力は日本の方が凄かったりする時もある。
実際ハリウッドやピクサーでデザイナーのリードやってる日本人が結構いるのを私は知っている。
14. 匿名処理班
SF的なのよりもザ・ウォークとか華麗なるギャツビーみたいなのの方が凄いと感じるな。
こういう技術で作られた昔の日本とか観てみたい。
15. 匿名処理班
動画のリンクと記事がメチャクチャになってるのはスマホだからなのかな?(汗)
16. 匿名処理班
映画、視覚効果といったらヒッチコックの裏窓だろ
17. 匿名処理班
CGの技術だけでも凄いけど、使い方の工夫が天才すぎる
18. 匿名処理班
ジュラシックワールドの後半フルCGアニメやん
19. 匿名処理班
背景もここまでCGだとは...
20. 匿名処理班
CGもすごいけどさ、やっぱりすごいのは俳優の演技力だと思うよ。
ああいうシーン全部何もない空間に向かって演じてるわけでしょ。
21. 匿名処理班
CGもすばらしいけどヒュー・ジャックマンのお尻もスバラシイ!
22. 匿名処理班
※11
いや、私は別におっさん…でも良いがねん。
日本のロボットアニメとか、怪獣映画をリスペクトする意味で作られたのがパシフィックリムだから、あの映画は十分におっさんホイホイなのよ。「ロケットパンチ!」って台詞が出ただけで、涙ウルウルなのよ。パシフィックリムは、現在は一般的に絶賛という風潮ではないけど、きっと将来的には高い評価がされる様になって行くと思うよ。
>パシリムの撮影、ずっと宙吊りでつらかったってマコ役の菊池さんが言ってたねー
強い女を演じる女優さんは、いつも大変だよね。でも、映画の中のマコは本当に魅力的だった。お疲れ様と言ってあげたい。
全然別の話だけど、初代仮面ライダー(実写版)に出ていた蜂女役の女優さんが、ライダー役に蹴られ殴られで、体中アザだらけだったとかの回想を読んで、なんと役者さんの鑑な事か!と思った事を思い出した。強い女を演じるのは、昔も今も大変だという事だ。
23. 匿名処理班
※9
あのアルミのケース開けて取りだしいの、「ガシガシガシ」を装着の、データ転送ジェル、頭部操縦席に搭乗、パイルダーオン!で、もうこれは一生トロちゃんについて行くしかないと決めたのは、私です……
24. 匿名処理班
ライフ・オブ・パイでトラが人間と一緒に映るシーン・・・つまり劇中のほとんどのシーンになると思うが
そのトラは全部CG?
それはそれですごい、金かかってんなー
25. 匿名処理班
ウルヴァリンの壁Xに切るの見て真ん中のひし形の所落ちるよなぁとか思った
26. 匿名処理班
CGも良いけど、ミニチュア模型や小道具でかもし出す雰囲気も好き
ターミネーター、エイリアン、スターウォーズなどなど
あの時代の特撮が好きすぎる
CGはキレイすぎるのと、ゴチャゴチャしてるのがちょっとな
書き込みしすぎて読みにくいマンガ見てるときと同じで疲れちゃうんだよ。
イキモノのヌメッとした動きももう少し改善して欲しい!
でもホラーはヌメッとした動きあってると思う。
27. 匿名処理班
もうCGそのもののクオリティで見破ることって不可能だよね。
「これは現実に存在しない生き物だからCGだ」とか「CGで作った方が安く済むものだからCGだ」とか
そういう状況の判断から見破る事しか出来なくなってる。
仮に町を散歩しているシーンで通行人の一人だけ、犬の一匹だけをCGで作ったら(意味無い事だけど)絶対に見破れないだろうね。
28. 匿名処理班
※15
日本のCGデザイナーの給料はめっちゃ安いぞ
それこそ個人でやってけるレベルの有名人じゃない限りサラリーマン以下の給料
あと日本のCG会社は大体パチ,ンコの映像とかがメインだったりするところが多い
29. 匿名処理班
もはやロケもしない時代だからな。
俳優の顔や体までCG使うなら、もう役者も要らん所まで突き詰めればいいのにね。
30. 匿名処理班
何もない所で、いない恐竜相手に演技する役者さんってホントすごいよな。