この画像を大きなサイズで見るそれは、ある真っ暗な夜に起こった。
あなたが、1942年夏、ソ連に深く侵攻しているドイツ軍兵士だとしよう。そこは前線ではなく、比較的安全で、寝ずの番をすることもなく、警戒を緩めて一晩中ゆっくりと眠れる場所だ。ソ連軍は早々と退却していて、モスクワまではあとわずか30キロだ。
だが、まだ完全には気を抜けない。暗くなると、夜の魔女が音もなく飛んできて、これまで安全だと言われていた地域に爆弾を落としていき、軍事目標を破壊していく、という噂がささやかれていたのだ。半信半疑だが、噂はひとつやふたつではなく、もしかしたら本当のことなのかもしれないと不安になり神経は休まらない。
ある日、見張りの任務にあたった夜、あなたは上空でかすかな音がするのを聞きつける。それはまるで空飛ぶ箒が風を切る音のようだ。なんなのか調べようと思った矢先、暗い空が眩いばかりの閃光で明るく輝き、一瞬目が眩み、耳をつんざく爆発音がする。噂の夜の魔女たちが、襲ってきたのだ!
この画像を大きなサイズで見る女性だけの部隊、第588夜間戦闘爆撃部隊の誕生
1942年、ソ連軍は浮足立っていた。国を守っている男たちが、旧式の機関銃とお粗末な防戦力で多数戦死し、300万人以上が敵の捕虜になっていた。なにか対策はないか?
そこで女性たちの出番だ。彼女たちはすでに戦地や軍需工場で働いていたが、そんな女性たちの中から、戦闘機のパイロット、整備工、航空士が採用され、女性だけの部隊、第588夜間戦闘爆撃部隊ができた。彼女たちの任務は、ドイツの軍事標的を不意打ち攻撃し、恐怖を与えることだった。
この画像を大きなサイズで見るソ連の空軍内部では、このアイデアに難色を示す者もいた。女性たちが乗る”爆撃機”は、あまりにも戦闘に不向きだと思われたのだ。
木材とキャンバス地でできた、1928年製の時代遅れの複葉機で、農薬散布用または訓練用に設計されたものだったのだ。100kgの爆弾2発しか搭載することができず、最高速度も時速155㎞と遅く、燃えやすい素材のため、照明弾や曳光弾が命中すればすぐに炎上してしまう。小さなエンジンは音がうるさく、失速しやすいため、パイロットは飛行機から降りて、手動でプロペラを回してまたスタートさせなくてはならない。
この画像を大きなサイズで見るおもに低空飛行なので、女性たちはパラシュートも支給されていなかった。そのパラシュートも、機体がよけいに重くなるだけで、肝心なときに開かないことが多かった。無線など言語道断。女性たちは、夜陰の中、地図やペンライト、コンパス、ストップウォッチを使って、方向を定めて操縦していたのだ。
まさに魔女のような女性たち
17歳から26歳の空飛ぶ女たちは、こうした絶望的な障害のほとんどを長所に変えた。最高速度が、ドイツの戦闘機の失速速度よりも遅いという短所を逆手にとり、女性パイロットたちは急降下や、急旋回という作戦をとった。その結果、小型戦闘機なので、敵にとってはなかなか撃ち落としにくいという長所になった。低空飛行と、木とキャンバス地の機体はレーダーにもひっかかりにくい。再発進させるときに音がうるさいという欠点が、ドイツの対空防衛に対して使える最高の戦術アイデアとなった。
この画像を大きなサイズで見る女性たちは高度を上げてしっかり防衛された標的に近づき、エンジンを切って、軽い音をさせながら機体を滑空させ、爆弾を投下できる地点まで飛ぶ。爆弾の炸裂と共にエンジンを再びかけ、ドイツ軍に地上から攻撃されないうちに急いで飛び去るという作戦だ。このため、見事に第588部隊は敵から”夜の魔女たち”と呼ばれるようになった。
魔女を火あぶりに!
ドイツの戦闘機パイロットは、夜の魔女を捕まえるのはほとんど諦めていたが、地上部隊はなんとかしようとしていた。粗末なロシアの飛行機は、よくハチの巣状態で基地に戻ってきた。特に激しい戦闘の後、自分の機体に42の弾痕を数えた女性パイロットもいた。
この画像を大きなサイズで見るドイツ側もまた新たな戦略を編み出していた。隠した高射砲とスポットライトで円陣をつくり、いかにも標的のように見せかける。魔女たちが2機編隊でやってくることがわかっていたため、スポットライトを操作する者が上空を横切る彼女たちを追跡し、高射砲が柔な飛行機を粉々にするというわけだ。
この画像を大きなサイズで見るこれに対応して、588部隊は三機目の飛行機を背後に投入した。最初の飛行機がスポットライトに発見されると、標的を爆撃をするのをやめるふりをして、スポットライトの追撃をかわして、二機が正反対の方向へ分かれてに飛ぶ。その間、爆弾を搭載した三機目が静かに滑空してくる。位置を入れ替えながら、三機とも爆弾を投下できるまで、次のターゲット攻撃を繰り返す。
この画像を大きなサイズで見る1942年から、戦争終結の1945年まで、40機のペアパイロットたちが、3万回以上も飛んだ。ひと晩で18回になることもあったという。戦争が終わるまでに、彼女たちは2万3000トンの爆弾を投下した。23人の魔女たちは、ソ連の英雄としてメダルを受けた。約30人が戦死したという。
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怖すぎやろ
すげえ体力だ…
ソ連の女性パイロットだとスターリングラードの白百合くらいしか知らなかったけど
どうみても旧式の複葉機でよく爆撃したな
凄い度胸だ
>>3で言ってる某サーニャのモデルになったリディア・リトヴァク女史は居るかな、
って思って少し探しちゃったけど、リディア女史が居た部隊は第586戦闘機航空連隊だったか・・・
ソビエトの女性達は良くやったと思うよ。彼女らは戦車ですら操縦&操作して最前線に出た。本当に凄い国民だと思う。
何これ!
松本零士の漫画みたい。
※5
新谷かおるの戦場ロマンシリーズには、
夫の搭乗機の帰りを待ちわびて、
来る日も来る日も空を眺めていた結果、
異様に夜目の利く脅威の視力を身に着けた女性パイロットの話がありましたね
もっとも英国空軍の話でしたが…
※39
オレも気になる。
雑想ノートみたく、その後のこともちょっとだけのってたらもっとよかった。
ロシアのママは怖いからな~。ラピュタのドーラおばさんがデフォ
※6
>ラピュタのドーラ…
「女は度胸だ!」の台詞が忘れられない。
この人が言うと、ああそうだよねと思えてしまう。
リアル砂の薔薇
確かフランスのナポレオンと戦争やっていた時代
イギリス海軍で男性の中、女性も多く活躍しその功績を
申請した記録がある
もし当時に男女平等という考えがあったら女性の提督も
誕生していただろうな
これが本当のストライク・ウィッチーズ(魔女の攻撃隊)か
小さなエンジンが「失速しやすい」の』箇所は「エンストを起しやすい」ですね。
ポリカルポフPo-2夜間襲撃機ですか・・。
朝鮮戦争でも使われました。最新鋭のF-86セイバージェット戦闘機では落とせなかった。
セイバーは夜間には不向きだったし、あまりにも遅かったから。
Po-2対策のためにT-6テキサン練習機をわざわざ用意する必要があったとか・・。
夜寝られないようにするだけでも効果的だったそうです。
にも関わらず世間からは白い目で見られたというのをなにかで読んだような
実のところ、安眠妨害以外の損害は軽微でドイツ軍からは「嫌がらせ爆撃」て言われてたとか
ソビエトの女性の中にはヤク3やラグ3、ミグなどの本格的戦闘機に搭乗しナチスドイツのメッサーシュミットやフォッケウルフ戦闘機と交戦したパイロットも多数居ます。
※13
多分負け惜しみでそう言ってたんだろうと推測
当時男性が女性に負ける事は屈辱以外の何物でもないだろうから、特にドイツのマッチョにとっては
「歴史群像」で連載してる漫画がこんな感じだったが。
対独爆撃隊 ナイトウィッチーズって映画があったけど それの元ネタ?
15>リトヴァクか。
なんてワクワクする話。ハリウッドが知ったらほっとかないな。
こんな戦士まで美人とはさすがロシア
戦前のソ連は本当の意味での男女平等だよね。
しかもこの女性パイロット達は皆志願だったはず。リディア・リトヴァクもそう(徴兵ではない)
しかもリディアのいた部隊は男女混成。訓練中に恋人を失ったりしている。
ソ連は夫婦で自走砲に乗ってたとか
母ちゃんが車長
ロシアの強い女性というとあの丸太を担いだ写真が思い浮かぶが
戦時中も半端ないたくましさを見せていたんだね
女性は強い。
妄想だけど未亡人部隊かな?と考えてしまった
※25
最強のキャンピングカーだな
※25
職場までついてこないで欲しい
覚悟を決めた女ほど怖いものはいないな
※28
ブラックウィドウ部隊とか?
ら・グラン・デュークだったか?何かの本で見たな
全部で何人いたんだろう?
むちゃくちゃ死んでるんだよね
ウィッチーズは実在したのか…!
大昔に北欧を鉄道旅行したときにソ連のお婆ちゃんの話を聞いたけど、
まだ差別が強烈だったあの頃、軍に志願した女兵士は男の上官や仲間たちからとにかくあらゆるいじめを受け、
それでもめげず自走砲?部隊で必死に戦って敵戦車を倒しても褒賞どころか勲章ひとつも貰えず、
終戦を迎えても称えられるのは男兵士だけで、従軍した女兵士とみるや
上官に身体を売ったんだろうとか、性暴行されまくってるんだろうとか、性病もってるとか悪口を言われ
しかも従軍後の給与も待遇もなにもなくってとても苦労したとか。
この空挺部隊の人たちは女だけの部隊で戦後もしっかり英雄扱いしてもらえたみたいで良かった。
残ったのは-7人?
これは知らなかったな
複葉機でエンジン切って夜間爆撃って凄いってレベルじゃない
えーと、スタートに「飛行機から降りて手動でプロペラを回さないとならなかった」のにどうやって空中で「爆弾の炸裂と共にエンジンを再びかけ」てたの?!
暗闇の中でエンジン切って滑空しながら敵陣地につっこむとかすごい神経だよ。
でまた蜂の巣つついてからエンジンかけて逃げるとかおそろしや。
しかも歳は特攻隊と同じぐらいの年齢なのね。
※44
滑空時には空気がプロペラまわしとるじゃろ?
なんだか勘違いしてる人もいるけど、男女平等じゃなくて、兵員が足りないから女性も有無をいわさずに戦場に投入してるんだよ。
戦争勃発前にすでに、赤軍(この当時は、まだソビエト軍という国軍ではなく、ソビエト共産党の武力組織としての扱い、当然政治将校も配置されてた、当時の政治将校は政治思想の徹底以外にも、実は文字の読み書きができない兵士の教育等も担っていた、理由は単純にソビエト共産党の指示やスローガンを読めない・理解できない兵士を少なくするという実利的な意味も大きかった)内部には、まともな軍事教育を受けた士官が粛清されてほとんどいない状況だったんだよ。そこへドイツ及び同盟国の軍隊が攻めてきたわけだから、戦略もなく殆ど突撃しか命令できない士官がどんどん兵士を消耗した結果、女性やロシア語すら話せない・読めない中央アジアからの徴兵等で軍を組織しなければいけなくなった結果だよ、また男の中に女性兵士を混ぜるよりは、女性だけの部隊を創設したほうが士気も保てるだろうという実利的な理由で設立されているのだけどね。ソビエト兵のモラルの低さは現にドイツのベルリンを占領したソビエト軍兵士は、ドイツ女性を見つけるとビルの影に無理やり連れ込んで・・・は、別の話だな。
それを「ソビエト共産党は、男女平等を軍隊でも貫いている」というプロパガンダをすっかり信じちゃってる人もいるんだなぁと思ったね。
ちなみに女性だけの部隊ならアメリカ軍にも戦時中(WWI及びWWII)作られてるよ。
ドイツにも女性だけの部隊はあったし、イギリスにもあったし、珍しいのは、赤軍は女性兵士を最前線に投げ込むように投入してるところかな。
※45
「手動でプロペラを回」とあるから
滑空中の件は、分かりにくい説明ではあるよな。
どうせならそこも含めて記事には書くべきだよな。
※43
※5が言ってるのは松本零士の「スタンレーの魔女」じゃないかな。
カメラを向けられたら笑顔をする訓練でもしたんだろうか。たくましいな。
優秀な将校や将軍を粛清したスターリンのせいで
女性まで兵士や将校として戦場に駆り出されてしまったのね
細かいことだが、タイトルの「ロシア軍」は「ソ連軍」に直すべき。
昔のソ連は、ロシアとかウクライナとかウズベキスタンとか、いろんな国の連邦だった。
だからこの記事で登場した兵士も、ウクライナ人やカザフスタン人などがいるかもしれない。
彼等はあくまで「ソ連軍」として戦ったのであって、それを「ロシア軍」と言ってしまうと、まるで埼玉人や千葉人がいるにもかかわらず「東京軍」としてくくってしまうような話になる。
※49
「戦争は女の顔をしていない」を読みなされ。
因みに、ドイツの女性だけの部隊って、親衛隊女性補助員?親衛隊戦時女性補助員?私は浅学で、女性のみで構成された部隊(前者はタイピストや秘書、事務員、通信手などとして勤務。後者は強制収容所の女看守。これらを「部隊」と呼べるのなら)を、他には知らない。
武装親衛隊にはムスリムで構成された第13SS山岳師団「ハントシャール」なるものまで存在したが、女性が前線に出て戦闘行為に従事した例を、繰り返すが私は浅学故に知らない。小説や劇画以外のソースがあれば、明示して欲しい。
※49
まあ、一部判る部分も有るけど、全体としては余り同意したくない考え方だ。当時のソ連赤軍内部は、戦前からのスターリンの粛清の度が過ぎて、軍内部の弱体化が進んでいたのは確かだと思う。それに軍の方針に個人が逆らうなんて事も難しい状況下だったとは思う。でもそういう状況の中で、1人1人のロシア女性達が自分に何ができるかを考えて、戦いの中に身を投じて行ったのは事実だと思う。スターリングラード等の攻防戦でも感じる事だが、こういう極限の状況下ではロシアの民達は実に粘り強く、強固な精神を持って迎え撃つと言えると思う(死傷者数的にはソ連側の方が多いが最終的には赤軍が勝利している)。女性についても男性と同様か、いやそれ以上に女性だからこそ称賛されるべき事というのも多いと、私は思うんだけどな。
※55
スタンレーの魔女って日本の一式陸攻の話だぞ
※52
うーん、国家社会主義ドイツ労働者党親衛隊のことが大好きなのは、コメントからわかったけどさ
国防軍のことは、知らないんだろうなぁということもよくわかったよ。
もう少し、当時のドイツの国家運営組織を勉強したり、国防軍と親衛隊の違いを勉強したりすべきだね
赤軍の最低な一面を知りたい向きには「ベルリン終戦日記」、党首脳の腐敗を知りたいなら、スターリンやラブレンチー・ベリヤについて調べるのもおすすめ。
ただし、現実のソビエト共産党や共産主義がどれだけ最低であろうとも、ロシア女の心意気と勇気は、ライプシュタンダルテやダス・ライヒ、グロース・ドイチュラントの将兵のそれに劣ってはいない。
彼女らは、徴兵され応召したのではなく、志願兵であると付け加えておく。
映画化してるよね、これ
※53
ソビエト軍という呼称になったのは、戦後だよ。
当時は、赤軍や労農赤軍という名称を正式名称として使っていたからね。
当時も、今も「赤軍」という単純な名称の正式軍は、1つしかないけどね。
戦後になってから、この赤軍にあやかって各国で○○赤軍と自称してる組織ができたけどね。
最新鋭機ならまだしもこれじゃまさに空飛ぶ棺桶・・
それを逆手にとって戦術にしてしまうとは恐るべし
ものすごい勇気と行動力だ
この女性たちに正規の爆撃機と戦闘機与えてたらかなり戦力になっただろうな
※62
同意という言葉が気に入らなかったみたいだね。この言葉はカットして読んでくれても良い。それに安心して欲しい。私も別に自分の意見に同意して欲しくて書いている訳ではないから。私は人が違えば、異なった考え方が出て来るのは当然という考え方をしている。だので、あなたの考え方も尊重しているので安心して欲しい。なんとなくだが、あなたは当時のソ連兵士の置かれている悲惨な状況をクローズアップして考えている様に受け取れた。そういう面は確かに有ったと思う。私はどちらかというと、ヒトラーが掲げていたロシア文化の破壊思想を当時のソ連の民衆がどう受け止め、どう対処して行ったら良いと考え実行して行ったか?を主に考えていると思う。どちらが正しい意見とかいう事はないと思うので、これからもよろしく当サイトへの意見投稿をお願いしたい。
※59
いや、このコメント欄って同意を求めるコメント欄じゃないのは理解できてる?
個人の感想を書いてるだけだから、同意が~とかは、だれも求めてないよ?
当時は、国の存亡がかかっていたから、家族のためと自己犠牲的精神になるのは
理解できるけどさ、そういう雰囲気をつくり、自分から志願しなかった場合の
結果を明確に示して、その上で「志願兵」を募集したら、さて、どうなるかな。
強制労働or兵役志願、どっちがいい?好きな方を選べる自由が君には与えられている
さあ、どっちだ?おおっ!兵役を志願するかね!素晴らしい!彼女は国家ために
兵役を志願すると宣言したぞ!ってね。
戦争勃発前も、労働力が足りないからお前は強制労働所に送られるんだ!と反革命罪やサボタージュ容疑で強制労働所へ無実の人を送り込んだのと同じ感覚で行ってるのだよ。
当時の感覚を今の基準で語るのは無理があるんだよなぁ。
スウェーデンのパワーメタルバンドが8年くらい前にこの部隊をモチーフにした曲を出してた。曲名はそのままズバリ『Night Witches(夜の魔女達)』。