
海外サイトにてそんな10人の女性スパイたちが特集されていた。
1. ノル・イナーヤト・ハーン

学を、パリ国立高等音楽院で音楽を学んだ。戦争前は詩や児童向けのお話を書いていた。
しかし、戦争が勃発すると、ハーンと兄のヴィラーヤトは連合軍側に協力することを決めた。ハーンは女子補助空軍に入隊して無線通信士としての訓練を受け、やがてF(フランス)特殊作戦部に採用された。スパイとして働くには優しすぎると判断されたが、ハーンはナチ占領下のパリに派遣された。ほかの通信士が逮捕されてしまった後は、パリで働く唯一の通信士となり、ロンドンへ通信文を伝送していた。
ハーンは悲劇的な最期を遂げた。裏切られ、ドイツ軍に逮捕されたが、尋問にも口を割らなかった。しかし、伝聞をコピーしてそれを自分のノートに残すという間違いを犯したため、それがドイツ軍に見つかり、ハーンの名でロンドンに偽の伝聞が送られてしまった。その結果、ロンドンの工作員が3人逮捕された。ハーンは牢獄で激しく抵抗したため、極めて危険な人物とされ、拘束されて暴力をふるわれた。そして、ほかの特殊作戦部の仲間と共にダッハウの強制収容所に送られ、そこで処刑された。テレビドラマ『イントレピッドと呼ばれた男』の中では、ハーンのことが描かれている。バーバラ・ハーシーがハーンを演じた。
2. ナンシー・ウェイク

ウィーンでナチがユダヤ人に暴力をふるうのを、ジャーナリストとして目の当たりにし、フランスのレジスタンス活動に参加した。色仕掛けでナチのメンバーに近づいてスパイ行為を行い、連合軍の軍人がマルセイユから脱出するのに協力した。捕虜を逃がすその抜群の能力で“白ネズミ”として知られていたウェイクは、ナチ最大のおたずね者になり、その首には500万フランの懸賞金がかけられた。自身もフランスを脱出し、スペインを経由してイギリスに逃げた。
ウェイクは今度は、特殊作戦部で訓練を受けて射撃の名手になり、オーヴェルニュに派遣された。パラシュートで武器と補給品を提供する任務をとりしきり、戦闘にも加わってゲリラ戦や妨害行為を先導した。あるとき、SSの歩哨に見つかったが、習熟していた柔道の技をかけて素手で相手を殺してしまうという武勇伝もある。戦争末期には、もっとも勲章を授けられた女性軍人のひとりとなったが、戦争による個人的な代償は大きかった。最初の夫ヘンリー・エドモンド・フィオッカはウェイクと共にフランスを去らず、ゲシュタポに捕まって拷問されて処刑された。
3.メアリー・バウザー

メアリー・バウザーはヴァージニア州リッチモンドにあったヴァン・ルー屋敷の奴隷として生まれた。女主人はメアリーを北部へ送って教育を受けさせ、リベリアの伝道師の団体に参加させようとはからったが、メアリーはリベリアを嫌い、すぐにリッチモンドに戻ってきてしまい、そこで結婚した。1843年、主人のジョン・ヴァン・ルーの死後、その妻と子供たちはメアリーたち奴隷を全員自由の身にした。
娘のエリザベス・ヴァン・ルーは奴隷制度廃止論者で、南北戦争中、北部連合のためにスパイ組織を率いて有名になった。その最大の情報源がメアリー・バウザーだった。メアリーは南部連合の最高司令部で働いていて、写真なみの優れた記憶力をもつ聡明な女性だったのだ。人前ではわざと鈍いようなふりをしていたが、ジェファーソン・デイヴィスの屋敷に潜入するための優秀な従者だった。メアリーは読み書きができないことになっていたため、屋敷内では重要書類が放置されていた。メアリーはそれを一読して記憶し、ヴァン・ルーのスパイ網に内容をもらしていた。
南北戦争末期、屋敷の者がメアリーを疑い始めたため、1865年にデイヴィスの屋敷を逃げ出した。戦争を生き延びたメアリーは、のちに自分の戦時中の活動を本にし、講義も行った。
4. シュヴァリエ・デオン


5. 川島芳子

日本が支配する満州国で、日本のために働き、1930年代にはラジオに登場し、関東軍の行為について遠慮なく批判するようになったため、上層部との間に摩擦が生じた。川島は表舞台からは姿を消したが、スパイ活動はやめなかった。1945年、中国の防諜報要員によって北京で逮捕され、国民党政府に裏切り者として処刑された。90年の映画『川島芳子(The Last Princess of Manchuria)』の中でその生涯が描かれている。
Kawashima Yoshiko, Anita Mui & Andy Lau Full Movie
6. カトリーヌ・メディシの遊撃隊

男たちから秘密事項を聞きだした女性たちが、その情報をカトリーヌにもらしたのだ。このスパイメンバーの中にシャルロット・デ・ソーベ、イザベラ・ド・リムイユという女性がいて、後者はのちに息子を産み、父親はコンデ親王ルイだと主張した。カトリーヌは、その節操のなさを理由にイザベラを宮中から追放したという。
7. マヌエラ・サエンス

1819年、サエンスとイギリス人商人の夫ジェームズ・ソーンは、ペルーの副王ホセ・デ・ラ・セルナを排斥する陰謀に巻き込まれる。1828年、解放者として知られるボリバルが暗殺されそうになると、サエンスはボリバルのボゴタへの彼の逃亡を助けた。それを機にふたりは同士の関係になる。
1830年のボリバルの死後、サエンスはコロンビアを追放され、貧困の中、誰にも知られることなく亡くなるが、南米の多くの政治変化の中で、その生涯を精力的に過ごした人物として注目された。
8. メリタ・ノーウッド

イギリス諜報局は、KGBの文書係ヴァシリ・ミトロキンの背信後、1992年の冷戦におけるメリタの役割について気がつくようになったが、1999年までは公にならなかった。メリタはロシアからその功績に対する年金を受け取ったが、自国をスパイしようとしたわけではなかった。晩年、悪名高いおばあちゃんスパイとして、大衆の憧れの対象になった。
9. サラ・エマ・エドモンズ

ときには黒人の男や女に変装して、たびたび南軍に潜入し、情報を盗んだ。しかし、マラリアに罹ってしまい、女性であることがわかってしまうのを恐れて、軍を脱走した。戦争が終わるまで再び看護師として勤めたが、そのときは女性の格好をしていたという。
10. マルタ・ノッカート

ドイツ軍の弾薬庫の下に爆発物を仕掛けようと、使われていない下水道をうろつき回っているときに、腕時計を失くしてしまったのだ。その時計に彼女のイニシャルが刻まれていたため逮捕され、2年間ゲントの刑務所で暮らすはめになったが、戦争終結と同時に解放された。イギリス人の陸軍将校と結婚し、夫が彼女の回顧録『
I Was a Spy!』を代作した。これは1933年に映画になった。その後、たくさんのスパイ小説を出版し続けた。
via:io9・原文翻訳:konohazuku
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コメント
1. 匿名処理班
ミッサーシュミット
2. 匿名処理班
試験が終わったらパーティがあってそこで酔っ払うと落とされるって見たことがあるよ
きっとこの中の誰かのドキュメンタリーだったに違いない
3. 匿名処理班
写真が残ってる人は全員美人だ……
やっぱり美人の方が何かとスパイ活動に便利なんだろうか?
4. 匿名処理班
シャパクリャクは入ってないのか
5. 匿名処理班
愛国心や信念があるからこそスパイをこなせるんだろうけど、敵陣ど真ん中で活動できるなんてすごい胆力だよなあ
もしばれたらとか裏切られたらとか考えて疑心暗鬼に陥ったり、ちょっとしたミスでも生死に関わるから自分ならびびって絶対無理だ
エドモンズの変装って実際どんなもんだったんだろ
今みたいに整形できるわけでもないだろうし、声や服装だけで結構ばれないもんなんだろうか
6. 匿名処理班
オードリーヘップバーンもスパイにさせられてたんだっけ?
7. 匿名処理班
今でも、大使館という所はスパイの巣窟です。
8. 匿名処理班
スパイってこんな感じかしらっていうイメージのまんまの活躍をしててかっこいい!
メアリー・バウザーさんとか、スパイのお仕事の見本みたいじゃん!
9. 匿名処理班
川島芳子てこう、峰不二子的なイメージもってたが実物は割と普通の女性て感じなんだなあ。
10. 匿名処理班
ナンシー・ウェイクって人喧嘩強そうなオーラが出てる・・・
11. 匿名処理班
ヴィオレット・サボーが居ない…
12. 諒
Wikipediaでは坂西志保が日本海軍のスパイであったかのように書かれているけど、事実ではないと思う。事実なら第二次大戦後GHQの顧問に迎えられたりするわけがない。
13. 匿名処理班
※15
川島芳子は当時から創作物のキャラクターみたいに報じられてたらしいからね
峰不二子も含めて後年いろいろな方面に影響与えた人だと思う
14. 匿名処理班
「イントレピッド」は暗号名。本名ウィリアム・スチーブンソン。実業家。大戦中に連合国を陰で支えた最大の功労者とされている。「暗号名イントレピッド」(早川文庫)の著者も偶然ウィリアム・スチーブンソン。
15. 匿名処理班
どの人の人生も映画や小説の話みたいなのに本当にあったなんてすごい。
まさに事実は小説より奇なり。
16. 匿名処理班
ヤンジャンのイノサンに出てくるオカマ、実在した人だったのね。
17. 匿名処理班
※11
パルチザンの抵抗活動に従事してたんじゃないかな、スパイと言うのとは違うと思う
18. 匿名処理班α
メアリー・バウザーすごいなぁ
一読して暗記するのは映像記憶というらしい
黒柳徹子さんもその能力を持っているとかいないとか
シュヴァリエ・デオンは男だけど
幼い頃から女装を謳歌していたみたいだし
もしかしたら性自認は『女性』のトランスセクシャルだったのかもしれない
19. 匿名処理班
まぁ黒柳徹子の本当の能力のすごさはあの頭のお団子の中にある・・
おっと誰か来たようだ
20. 匿名処理班
シュヴァリエ・デオンが後半生で女装してたのは、高貴な女性との関係がばれたのが原因て話もあるね
体面上男女の仲であると認めるとまずいので「同性なんで疾しいことないです」で通したとか何とか
21. 匿名処理班
マタ・ハリがリストから漏れているのは何故?
川島芳子が「東洋のマタ・ハリ」と称されたぐらい有名な女スパイなのに。
22. 匿名処狸班
読みやすい画像サイズでした
23. 匿名処理班
川島芳子は愛新覚羅家のお嬢様
24. 匿名処理班
マタ・ハリはスパイ活動の成果自体は大したことはなかったからではなかろうか。
25. 匿名処理班
2のナンシー・ウェイクの写真を見て、こういう顔を最近どこかで見たと思った。
フィギュアスケートのエリザヴェータ・トゥクタミシェワだった
26. 匿名処理班
※9
シャパクリャクの若い頃の顔を見てみたいですよね
27. 匿名処理班
女性のスパイは出てきませんが、「ジョーカー・ゲーム」というスパイアニメをおすすめします。ちょうど川島芳子と同じ時代が舞台となっていて、この記事を読んだ方はぜひ見るべきだと思います。
28. 匿名処理班
探してるがやっと見つかった!よかったありがとう!