
遺物・遺品の意味を持つ英語「Relic」はラテン語の「残された物(remains)」から来ている。また、聖骨箱を意味する英単語「Reliquary」はRelicを保管・安置する場所を指し示すのだ。歴史的に重要な役割を担った遺物は単純に「残された物」ではなく、聖遺物であり、宗教や神に通ずるものが多い。これから紹介する遺物には全て人類の歴史が刻まれていて、それを紐解く事で古代の神秘を感じる事が出来るはずだ。
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10. 運命の石(スクーンの石)

多くの伝説がこの石を取り巻いているが、その幾つかは歴史の波の中の隠されてしまった。この石が最後に戴冠式に使用されたのは1292年に即位したスコットランド王ジョン・ベイリャルの時であり、その後この石はイングランド王国へと移動させられた。スクーンの石はその後イングランド王国にあるエドワード王の椅子にはめ込まれ、この国でもまた戴冠式に必要な伝統的な石として700年に亘り使われる事となったのだ。
9. ブッダ・釈迦の歯

ブッダの火葬の後、一本の歯が見つかったと言う。このブッダの歯は多くの用途で使われ、インドの王を仏教に入信させるきっかけを作ったとも言われている。ブッダの歯には奇跡を起こす力があると言われており、実際この歯は、幾度となく破壊の危機に晒される事もあったが、その度に紙一重の所で「奇跡」とも呼ばれる方法で難を逃れている。現在ブッダの歯に触れる事は許されておらず、極めて大事な行事でしか見ることができない。
8. 石棺の形をした聖骨箱

聖骨箱にはギリシャ語で「司教ビショップの最後の願いを叶える為」と書かれている。司教「ビショップ」という名前から察するに、この聖骨箱は当時、病気の治療等に使用されていたのではないかと考えられている。ちなみにこの時代のキリスト教徒にとってこういった行いは別段珍しい事でもなかったそうだ。
7. アビラの聖テレサの手

彼女の死後、彼女の手はミイラ化され、聖遺物となされた。カトリック教会にとって彼女の存在すべてが聖なる物として崇められて然るべきものだったのだ。

6. マグダラのマリアの腕

彼女の腕は元々フランスのフェカンにある大修道院で完璧な状態で安置される予定だった。しかし1911年、聖人であるヒューが「彼女の力の一部が欲しい」と願うあまり、彼女の腕の一部を自らの物にしようと爪の先で腕の一部をそぎ落とそうとしたそうだ。それが上手くいかないと分かると次に彼は腕についていた指の内2本を噛みちぎったという。ちなみにすぐそばでその光景を見ていた修道士たちは皆愕然とし、恐怖に戦いたそうだ。
5. エボラのサンフランシスコ教会にある人骨堂

15世紀当時、サンフランシスコ教会は墓を作る為の満足なスペースがなかった。当時の修道士らは「骨を一か所に集める方法はないだろうか」と考えた結果、この人骨堂が作り出されたと言う。また修道士らは人骨を全て剝き出しにする事で「死」を日常的に対面し、その意味を問い続ける事が出来ると考えていた。
4. シエナのカタリナの頭部ミイラ

当時の人々はシエナのカタリナの身体を丸ごと聖遺物としたかったが、それが叶わないと分かると「せめて頭だけでも」と、頭だけを切り落としてミイラにしてしまった。
3. ダンビーガンのフェアリー・フラグ

この布の最も奇妙な点は、第一回十字軍以前に作られたと言われているにもかかわらず、シルクで出来ていることだ。当時まだシルク(絹)は存在していなかった。それ故に「本当に妖精(フェアリー)が作ったのではないか?」という説すらある。
2. サラゴサの聖バレリウス

彼の死後、彼の身体は聖遺物としてまつられる事となった。ポール・コードナリスによって発見された聖バレリウスの遺骨は、金銀をふんだんに使った宝石で装飾されていたものだった。
1. セドレツ納骨堂


1278年、時の大修道院長はエルサレムへ赴き「聖なる土」を持って帰ってきたと言う。その噂を聞いた人々が口々に「セドレツに骨を埋めたい」と言い始めた。人々の要望に応える為、セドレツ納骨堂は増築を繰り返して行った。
15世紀頃から遂に骨は聖堂内部に飾られるようになり、1870年代までこういった方法で人骨が増えて行った。この頃から木彫師のフランティスク・リント氏が現場の指揮を取る様になり、現在の恐ろしくも美しいセドレツ納骨堂が出来上がったのである。
via:therichest・translated riki7119 / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
大抵の聖遺物って所有している宗教施設が集客力UPのためにでっちあげたものが多いらしいね。
でっちあげてから数世紀たつ年代物とかも多くて、それで価値がでてるものもあるけど。
ところで、1は牛の臼歯に見える。
2. 匿名処理班
仏陀は巨人だった!!
3. 匿名処理班
よその国の宗教感覚はよくわからないけど、それを懸命に信じて心の支えにしてたんならいいんじゃね?って思う。本物かどうかは二の次で。
そういう人たちを金儲けや争いの口実にして先導する輩はどうかと思うけど。鰯の頭も信心からって言うしさ。
4. 匿名処理班
この記事はスプリガンに監視されています
5. 匿名処理班
歯でけーな。しかも虫歯?
6. 匿名処理班
こういうものを今の感覚で否定するのは無粋というものだね
7. 匿名処理班
しかしここまで様々な聖遺物が存在してて、それらが崇拝の対象になってるのを見ると
旧約聖書の偶像崇拝禁止とは何だったのか……という気がしてこなくもない
拝む物が実際にあった方が万人に解りやすいってのも理解出来るし、信者を増やす為にあれこれ緩和したりするのは日本仏教でもあるあるだけどさ
8. 匿名処理班
最初のスクーンの石、そんな大切なモノの割に随分ワイルドな置き方してあるなと思ったらレプリカか。
流石にあんな野ざらしはないわな。
9. 匿名処理班
エジプト時代にも偽ミイラを飾って、明日はわからん
だからこそ一日ごと飲み食いして楽しもうとしていた
みたいだ
ローマ時代にもミイラこそ置かなかったけど同じような
考えの持ち主だったし、時代は変わっても一日を大事に
する心は変わらないな
10. 匿名処理班
タイトル見た瞬間、モンサンミシェル建造に関係する修道士だかが天使によって頭に穴開けられたって話を連想した
※3
マリアの腕とかパワー秘めてそうだから、水面下でスプリガンがすでに動いてそうな
11. 匿名処理班
絹って、シルクロードを通ってローマ時代にはヨーロッパに来ていたはずだが?存在しないとは、これ如何に?
12. 匿名処理班
うう…
自分の薬指が他人の だったら嫌だ…
13. 匿名処理班
※13
ちげえよ
最後の審判では死んだ人間は全部よみがえるんだから、徳のある人間ほどきれいに残るってところからきてんだよ
だから、聖人の条件にミイラ化がある。
14. 匿名処理班
セドレツ納骨堂見にクトナー・ホラ行ったよ。
怖いとか不気味という印象は全然なかった。むしろ骨の装飾品のセンスに惚れ惚れした。
じっくりみても1時間もいらない規模だけど、燭台とか触れられるくらい間近で頭蓋骨が見れたりする。
勿論お触り厳禁だが、写真は撮りまくれるしオススメ。
15. 匿名処理班
釈迦の歯ってこれ石ころか象の歯だろw
16. 匿名処理班
※19
あえて、そこのあたりがリアリティの出しどころなのかもねw
本当にしょうもない話だが、
当時は、「ゴッドフィンガー」という言葉があったのだろうか。
17. 匿名処理班
うわぁぁぁぁミイラ怖すぎワロタ
18. 匿名処理班
世界中の仏舎利を集めたら何百キロの世界かもな。
19. 匿名処理班
※1
たしかに。牛の上顎臼歯だね。
仏陀の身長は4m以上あったとか、指に水かきがあったとか、とにかく常人とは違う!って設定後付けされたらしいし。
20. 匿名処理班
世の中には不信が蔓延している、その中で信じられる存在を求めて作り上げられたのが宗教。神様の前では子供のような安らぎを得ることができる。 宗教をしている人はやけに、時には不自然な位朗らかなのも信じるものがあるからだろう。 そういう宗教も経済利用されたり、醜い権力闘争の道具に使われたりするのは皮肉なもの。
21. 匿名処理班
ブッダが悟りを開いたのは35歳のときだったはずだが。
死ぬ寸前に悟り開いても、宗教にはできんだろう。
22. 匿名処理班
本人を拝むんだから偶像崇拝やないんちゃうけ
23. 匿名処理班
ヒューがマグダラのマリアの指を食いちぎった逸話には自分もドン引き
さすがにこれを美談にするのはキツイんじゃないかなあ
しかもこれやった人が聖人なのが・・・こんなことやらかしても聖人扱いされるのか
24. 匿名処理班
4って高須クリニックで手術後のだと思うと・・・。
25. 匿名処理班
※5
あごの骨じゃないかな?上の方に歯みたなの付いてるよ
にしてもブッダ虫歯やん
いいもん食ってたんだろうな
26. 匿名処理班
大仏は原寸大だったのか?
27. 匿名処理班
リンカーン司教ヒューはマグダラのマリア以外にもあっちこっちの聖遺物を盗んできてる
そして彼の伝記は聖遺物をいっぱいリンカーンに持ってきた手柄を賞賛してるw
28. 匿名処理班
仏陀が巨人族なら大仏の存在意義が理解できる。
29. 匿名処理班
色々ありすぎて
どれにつっこんだらいいのか…
30. 匿名処理班
> 包皮によって作られた薬指を授けられた
本当に申し訳ないですが、盛大に噴いた
31. 匿名処理班
こういうのって偶像崇拝って言わんの?w
32. 匿名処理班
※5
キリストも磔になった十字架を合算するとウルトラマンサイズだよ
仏教の聖遺物は宝石やら象牙やらを釈迦の遺骨と見立てて拝んでるのもだが
どこかで代用品って部分が抜け落ちちゃったんだろうな
33. 匿名処理班
>彼女はキリストからのお告げを受け、彼の 包皮によって作られた薬指を授けられた
現在こんなお告げ受けたと主張する人いたら普通に病院…
自分は神だ!とか天界と交信できる!いうような誇大妄想も
信じる人さえいれば尊い存在になれるのね
34. 匿名処理班
運命の石以外は全て「狂気の芸術」だな。
否定はしないが理解には程遠い価値観のモノばかりだ
35. 匿名処理班
幻影旅団に奪われそうなお宝ばかりだぜ!
クラピカ雇おうか
36. 匿名処理班
仏陀ってあくまで悟りを開いた人なのに馬鹿でかい像が多いとは思ってたけど
以外と実寸代だったのねw
今、この歯を新たな信仰の対象物にするならウルトラマンの歯だと言って
子供達の関心を集めるのが関の山かな。
37. 匿名処理班
仏陀の歯がほかの動物の歯だという説にはちょっとホッとしたー。
だってさ、、これがもし親知らずで伸びすぎていて・・・って想像したら、そうとう噛みあわせがひどくて体中痛そうだもん。。
38. 匿名処理班
ガンダーラ石仏がお釈迦様の等身大フィギュアと言われていたよ
そう思うと、あの歯は小さすぎるのかもしれないが
仏舎利における歯の数を考えると、あの小ささじゃないと口の中にはいきりらんわな
39. 匿名処理班
ヒューの行為が聖人とはとても思えない・・・
40. 匿名処理班
一部、死者への冒涜だろってレベルのもあるな
41. 匿名処理班
ヨーロッパの教会って、お堂に棺桶だらけだし、
とくにカトリックって、死体を平気で飾るんだもん。
すごく気持ち悪いし、ぎょっとするよ。
42. 匿名処理班
日本にだって三種の神器とか色々あるのに・・・見られないけど。
43. 匿名処理班
フェアリー・フラグについてはまったく知らないんだけど、中国あたりでは4000年前から絹布が作られてたらしいから、たまたまヨーロッパに渡った絹が偉い人の宝物になった、とかそんな感じなんじゃなかろうか
この中ではいちばん興味惹かれるかな
44. 護国防人
なんだよ・・・・・・聖人なのに女性聖人の腕ミイラに食らい付くって・・・・・・
聖人の遺骸を遺したいからって遺骸から首をもぎ取るって・・・・・・アカン理解出来ん!
ワシ、仏教でええわっ!
仏陀の歯ぁっ!?なんか得体の知れないモノが出てきたわっ!
45. 匿名処理班
つまりブッダはミノタウロスだった?
46. 匿名処理班
彼の陰茎包皮によって作られた薬指を授けられたという。
お告げの時にもっと違う部位寄越せよって思わなかったのかな