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ストレスを悪いものと考えなければ、むしろストレスがある方が健康でいられる。ストレスとの正しい付き合い方とは?(米研究)

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(著)

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 わたしたちのほとんどは、ストレスは悪いものだと思っている。一週間、いや一日たりともストレスのない日などないだろう。確かに過度のストレスは高血圧、頭痛、不眠、胸の痛み、その他健康の問題を引き起こす原因となるものだ。

 現代のわたしたちが、ストレスを感じないで過ごすことはとても難しい。おそらくあなたもストレスのせいで、疲れ果て、打ちのめされ、落ち込むことが多いだろう。

 だが、ストレスは悪いことばかりではない。むしろストレスがあっても、その向き合い方を変えるだけで、死亡リスクすらも減少するという。

 健康心理学者で、スタンフォード大の講師ケリー・マクゴニガルは、長年、ストレスの圧倒的な影響について研究を進めていくうちに、ストレスレベルだけが、健康の不調と関連しているのではないことがわかったという。

 マクゴニガルは、著書『The Upside of Stress: Why Stress is Good for You, and How to Get Good At It』の中で、はっとさせられるような発見を説明している。

確かに過度のストレスは死亡リスクの確率を43%も上げてしまう。しかし、このリスク増加率は、ストレスが自分の健康に害があると信じている人だけに当てはまる数字なのだ。

ストレスがきついと言っていても、それが害になるとは思っていない人はそう簡単には死ぬことはない。むしろストレスがほとんどないと申告した人よりも死亡率は低いくらいだったのだ

 わたしたちは、自分の人生からできるだけストレスを振り払い、取り除こうとして、ストレスのない生活を夢見ている。

 しかし、マクゴニガルによれば、ストレスとのつきあい方で一番いい方法は、 『ストレスを減らそうとしたり、避けようとするのではなく、ストレスを “あるべきもの” と考え、むしろ前向きに取り込むことだ』 という。

 ストレスの対処が不十分だったり、ストレスを避けるためひとり孤立していたり、ストレスを減らそうと躍起になっている人ほど、その害が大きいという。

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 つまりは発想の転換なのだ。

ストレスの存在意義

 過度なストレスがさまざまな不幸と関連しているのは、特に驚くことではない。しかし、ストレスは幸福とも関連があると聞いたら、驚くかもしれない。マクゴニガルはこれをストレスのパラドックス(逆説)と呼んでいる。『幸せな人生はストレスフリーなことではないし、ストレスフリーな人生が幸せを保証してくれるわけでもない』 その答えはストレスの意義の中にある。

例えば、ギャラップの世論調査からは、18歳以下の子供を育てることは、日々相当なストレスを感じる一方で、毎日笑いに包まれるチャンスもかなり増すことがわかる。昨日はかなりストレスフルな一日だった企業家も、それでもとてもおもしろいことを学んだと言う傾向が強い。

ストレスは何か悪いことの表われというよりも、むしろ、ストレスを感じることは、どれほどあなたが個人的に意義のある行動や人間関係に関わっているかを示すバロメーターだと言えるだろう。

 これはよくわかる。最高に幸せな結婚生活を送っていても、いさかいのストレスがあったり、人生の大きな転換を経験することもある。理想的な職業に就いていても、プロジェクトやプレゼンにプレッシャーを感じたり、ストレスのたまるクライアントがいることもあるだろう。

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 ストレスを感じると、その意義をはっきりさせたくなる。人間は本来本能的な生き物で、自分の苦しみからなんらかの意味を引き出す能力がある。こうした本能は、生物学的ストレス反応の一部で、沈思黙考や宗教的なものへの問いかけ、自己分析のような形で現われる。

 マクゴニガルは、『自分の人生の意義はなにか?』、考えてみることを勧めている。もっとも有意義なあなたの役割、人間関係、活動や目標などをあげてみて、自分が一番楽しめて、愛せて、笑顔になれる分野は、学べることなのか、目的意識がもてるのかを考えてみる。

 もし、自分の役割や人間関係、活動や目標が意義はあっても、ストレスになるなら、どうしてそれが自分にとって重要なのか、書き出してみよう。もし、人生に意味を与えてくれるこうしたものがなくなったらどうなるか? どう感じるか? やはりそれを取り戻したいと思うか、わかるだろう。

スキルや強み、力量に注目する

 マクゴニガルによれば、手痛い経験のプラス面を見ることによって、ストレスとのつきあいを変えることができるという。耐え忍んでなにか大切なことを学んだ過去の体験を考え直してみるのも訓練のひとつ。15分タイマーをかけて、下記の問いに答えてみよう。

・その辛い体験を乗り越えるためになにをしたか?
・あなた個人のどんな才能を引き出したか?
・どんな強みを使ったか?
・情報やアドバイスなど、他からのサポートを求めたか?
・その体験から、逆境と折り合うことについてどんなことを学んだか?
・どれだけ自分が強くなれたか?

 次に、今あなたが苦労している状況について考え、次の質問を考えてみる。

・あなたの強みや才能、どちらを引き出すことができるか?
・これから伸ばしていきたい対応スキルや強みがあるか?
・もしあるなら、チャンスとしてこの苦境をどのように利用できるか?

ストレスは絶対悪ではないということを肝に銘じておこう

 ストレスは悪いことばかりではない。もちろんいいことばかりでもないことも確かだが、ストレスとは複雑なものだ。『ストレスは害悪でしかない』という既成概念的な見方を変えると、もっと効果的にストレスに対応できるかもしれない。もっとバランスのとれたアプローチができ、もっと学び、成長し、意義のある暮らしができる助けになるかもしれない。

 ストレスはいいことなのか、悪いことなのか、結論を出す前に、ストレスを何か、いいことに変える能力が自分にはあるかどうか、考えてみたほうがいいかもしれない。能力がないと思っても、ストレスはあなたにとって新たに取り組むべきものだし、きっとなんとかできるものなのだ。

via:psychcentral・原文翻訳:konohazuku

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この記事へのコメント 29件

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  1. 北国出身の母親が、初めて南国に行った時に
    最初は「冬も雪が無くて年中あったかいなんていいねぇ。天国みたい!」と言ってたのに、3日目ぐらいから「ずっとこんなんだったらボケるわ」と言いだして驚いた。
    寒いのは辛いけど、それで春が楽しめる、ってことらしい。それ聞いてなるほど、と思った。かといって過度のストレスはごめんだが。

    • 評価
  2. 乗り越えても何の得もない苦痛もある
    手がちぎれた人しかその痛みを理解することはできないが、一番いいのは手がちぎれないことだ

    • +15
  3. そうなんだよ
    最近みんなストレスに過敏過ぎて逆に心配になる
    子供時分から禿げ上がるほどのストレスを感じろと言ってる訳じゃないが、全部避けて通ってきたら大人になってから下らん事で禿げる事になる
    ストレス無しで生活するなんてまず不可能で、生きてりゃ絶対どっかでぶち当たる
    身も心も多少なりとも耐性がないと簡単に壊れてしまうぞ?
    適度なストレスと開放感の繰り返しが人を幸せにすると思うんだ

    • +1
  4. ストレスが全く無くなったら達成や解放のカタルシスも無くなるんだろうな。

    • 評価
  5. ある程度生きてきて“良いストレス”と“無理なストレス”がわかってきた
    てゆうか無理なストレスだと、もう、ダイレクトに胃とか腸とか来るわ
    そういう時は逃げるが勝ちだよね~

    • +2
    1. ※6
      1パラグラフの中で二回も禿げって言われると禿げるだろ!やめろ!ストレス!

      • +6
    2. ※6
      言いたいことは分かるが、
      ストレスって子供の頃につめば耐性ができるってものでもないからな。

      • 評価
  6. ストレスでも何でも立ち向かって克服することを良しとする風潮が強すぎると思う。でも人間のエネルギーには限りがあるから全部と戦って勝とうとしたらストレスがかかりすぎて逆に無気力状態になりかねない。だから、自分にとって大切なことは前向きに対処するにしても、あまり重要でないことはかかわらないで不戦敗にした方が精神的に健康的だ。

    • +1
  7. それでも俺はストレスを感じない生活をしたい

    • +3
  8. きつい仕事してた時、胃腸がすごい弱ったけど転職したら落ち着いた。
    もう二度と同じ仕事はしないけど、ああいう仕事もあるんだなと勉強になった

    • +23
  9. なにごとも程度問題だろうね。
    過保護に育てられたから打たれ弱くなってしまった。
    自分のストレス限界を察する機会がなかったことは痛い。そして頑張りすぎて自滅することに気づいた。最近は真っ向から立ち向かわずにうまく受け流す方法を学び中。

    • 評価
  10. ストレスを打ち消すには別のストレスをかけることだと昔聞いたことがある。
    じっとしていると肩がこる、ストレスになる→肩をもむ壺などを刺激する、イタ気持ちいいとかんじる。別のストレスを加える。
    楽しいことでもずっと続けているとそれはやがて苦痛となり、ストレスと感じるのが脳のしくみ。
    なので苦痛を感じ始めたら違う行動や思考、脳が気持ちいいと思うことをするのが良いらしい。休憩する、お風呂に入るなどもストレス。
    プレッシャーも心の持ちようで楽しく感じる切り替えのできる人がいる。先天的にプレッシャーを感じない人もいるが一般人には無理、プレッシャーに弱い人でも経験や訓練である程度は克服可能である。
    ストレスを感じないという人はおそらく、心の状態というか気分を切り替えるのが効率的で上手いんだろうと思う。

    • +26
  11. >19
    過干渉も過保護も無関心も同じく悪影響だからね。どれも子供の自尊心を無くさせる。

    • +6
  12. 通勤途中や街中で馬鹿と遭遇して不愉快に感じた場合などのストレスはどうしたらいいんでしょうか?

    • +5
  13. 呼吸が大切
    苛々したりしてると案外呼吸が浅くなりがち
    ネガティブになってもゆるやかな呼吸を意識すると何かしら変わった気になる
    ちょっぴり大人になった気分かな

    • +13
  14. 簡単だな
    この世のストレスは神の与えし試練
    ならばその試練を乗り越えて神への信仰をより強固なモノとしようではないか!
    そういう思考で前向きにストレスと正面からがっぷり四つで組み合い乗り越えていけば幸せなんだ

    • +14
  15. ストレス自体は絶対悪だと思うけどね
    やろうと思えばストレスフリーの状態で達成感や幸福感を得ることもできるし
    というかこういう論法は、
    日本人にとってはまた村社会を維持する為に都合のいい精神論にすり替えられる

    • +5
  16. 一般的な生活してる限りストレスから逃れることは出来ないから、どうやって発散するか、どうやってストレスと向き合うかを考えるべきなんだろうね

    • +9
  17. 子どもの頃の過剰なストレスは碌なことならん。
    確かに耐性はつくが、人格が歪む。(目に見えるかどうかは個体差)
    しかし歪んだ人間しか耐えられない世界が社会にはあるわけで、
    その部分が必要悪とされていることをどう考えるか、だと思うのよ。

    • +3
  18. 子供の頃に過度のストレスに晒されていた人間は
    ストレス解消の仕方が分からなくなって早死にする傾向があるらしいね

    • 評価
  19. 家庭崩壊やらパニック障害やらで子供のときからストレスが絶えなかったけど、まあ長い目で見れば良い影響もあるかな。それを乗り越えたんだぞっていう自信を持っていられるし、何より辛い経験が無かったら本当にクズみたいな人間になってたと思う。

    • +4
  20. ストレス自体はそんなに悪いことでは無いと思うけど、原因によりけりかなぁ・・・
    迫害による恐怖なんかは善く捉えるのは難しいけど、新しい挑戦へのプレッシャーや目標を成し遂げる上で発生する精神的な疲労はポジティブに転換しやすい。ストレスの処理能力を上げることが大切なのかも。

    • +5
  21. ストレスはある意味食べ物と同じ。
    栄養になるものもあれば、体の害にしかならんものもある。四十年ほど生きていれば、それなりに違いが分かってくるので、ある程度うまく取捨選択もできるようになってくる・・・かな。
    負の感情は大きなエネルギー源ではあるので、うまいことコントロールすればばね力が半端ない。でも害にしかならないものからは逃げるが勝ち。じゃないと胃に穴が開いて、体中に発疹が出て、めまいがして、吐く。
    子供のころの「も~自殺したい」ほどの人間関係のストレス、今ではエネルギーとして利用させてもらっている。経験は無駄にならないよ。

    • +7
  22. 39に共感するわ~。
    ストレスでも過度のは本当にヤバい。
    そういう時は、逃げるのが得策だと思う。真に受け止めていては死んでしまう。

    • +2

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