
通常は誰かが亡くなると、その親族に一報が入る。遺体となってどこかで発見された場合でも、所持している持ち物から、遺族を探し出し、連絡を取る。だが、スマートフォンもクレジットカードもなかった1900年代、遺族を探し出すのは極めて困難だった。
1911年、遺体となって発見された「オールド・マイク」というこの男性はまさにそういった、年齢不詳、身元不明で、遺族の見つからない遺体の一人だった。 オールド・マイクは町を転々とするセールスマンだった。彼は1911年に米アーカンソー州のプレスコットという町で遺体となって発見された。

プレスコットの町で彼を知らない人はいない。面白い話をしながら文具を売り歩くマイクは誰にでも気さくに声をかけていたのだ。人々はマイクを想い哀悼した。
残念な事にマイクのスーツケースから彼の身分や親族の有無を証明するようなものは一切発見できなかった。コーニッシュ死体安置所は、最後まであきらめきれず、遺族がマイクを発見するきっかけになるようにと、その遺体をエンバーミング(防腐処理)し、ミイラ化された状態で長い間展示していたという。

しかし何年たっても彼の遺族を名乗る者はいなかった。1975年、もうこれ以上待っても、オールド・マイクの遺体を引き取る者はいないだろうと判断され、ついにマイクは埋葬された。遺体が発見されてから64年後のことである。

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コメント
1. 匿名処理班
なんか、切ない話だな。
2. 匿名処理班
事件や犯罪起こしていたらDNA鑑定容易になるけど
普通の人じゃ残ってないし絶対に不可能
でもここまで愛されてる人は死後も大事にされてるのを
見るとこういう不思議な話も悪くない感じる
3. 匿名処理班
写真とかじゃダメだったのかーと思ったけど海外は土葬が基本だったね
4. 匿名処理班
瞼どうなってるんすか
5. 匿名処理班
ペンギンのピングーの夢にでてきたアザラシに似ているかも
6. 匿名処理班
引き取り手のない死体というのはそんなに不幸なものなのだろうか。俺だったら死んだあとにミイラになって、半世紀以上も見世物になるのは嫌だな。無縁仏でいい。
7. 匿名処理班
ぼっちでも愛されていたのね(>Д<。)
オイラはぼっちで手を握る人もいない
いつだったっけ人肌に触ったのは
8. 匿名処理班
保存するのはわかるが、なぜ、展示したw
9. 匿名処理班
寝顔の瞼にマジックで落書きされたみたいな目になっとる…
10. 匿名処理班
適当なつくりの目玉のせいで身元判明しなかったんじゃ・・・
11. 匿名処理班
この目って、眼球が乾ききって萎んでるとかなの?
最初は上から書いたのかと思ったけど上下の瞼は開いてるし…
12. 匿名処理班
John Doeってやつね
13. 匿名処理班
そんだけ有名だったなら、おれおれ!おれ親戚!みたいなうそつきは現れなかったんだろうか?
14. 匿名処理班
コメントに困る話だな…
15. 匿名処理班
ミイラにした→まだわかる
展示→え?
16. 匿名処理班
そう考えると、身分を証明するって行為自体がここ100年くらいの新しい概念ってことだよなあ
東アジアだと戸籍制度が昔からあるから、また別なんだろうけど
17. 匿名処理班
天涯孤独だから、寂しくて色んな人に話しかけてた訳だ。
で、それがちゃんと実って、皆に愛されてたんだから
個人的にはハッピーエンドだと思う。
18. 匿名処理班
今じゃ訪問販売なんて煩い邪魔って言われちゃうしな
19. 匿名処理班
ミイラにするのも長期間保管・展示するのも、単なる思い付きじゃできないだろうし費用もかかったと思う。
それを赤の他人がここまでしてくれたというのが、この人の人生の結果なんだろうな。
20. 匿名処理班
親族が居なかったのかも知れませんね。
少々愛され方が違う気もするけど、最後が幸せで良かった。
21. 匿名処理班
街の住民の良好な感情
モルグ職員の熱意
杳として知れない死者の素性・・・
俺が脚本家なら一本書いてますわ
22. 匿名処理班
お目目はマジックペンで書いてあげたのかな?
23. 匿名処理班
※17
まぁ、展示することで家族に知らせるって寸法だったんだろう。
結局家族は見つからなかったようだけど。
でも確かに、見物に来る連中の気がしれん。
24. 匿名処理班
商品を売り歩いていたって事は、仕入先があるって事なんだからそっちの業界を当たれば知り合いの一人や二人見つかりそうだがなぁ。
25. 匿名処理班
悲しいな。でも街の人に好かれてたからこそ防腐処理までされたんだしさして悲しむ必要もないのかな…
26. 匿名処理班
閲覧注意か…でもミイラなら見慣れてるから大丈夫よ〜
→目ぇ怖ぁぁぁぁぁ!
27. 匿名処理班
日本でもあったが行方不明→もう数年もたったからどこかでなくなってるのかもな→葬式→探すのをやめる
とかかもね…
28. 匿名処理班
オチはないのか…
29. 匿名処理班
現代人の感覚からすると異様だけど、
この人は本当に町の人から愛されてたんだろう。ふつうなら身元不明人で
さっさと共同墓地に埋葬されるから。
30. 匿名処理班
そう言えば以前紹介されてたどっかの国で展示されてる即身仏は「眼球がグロい」って理由でサングラスかけてやたらファンキーな感じになってたっけか…。
31. 匿名処理班
みんなが大好きな気さくなセールスマンの名前をなぜ誰もしらない?
きっとそこには大きな秘密が隠されていて・・・
32. 匿名処理班
いい話じゃないか、
彼が誰なのか、過去に何があったかは知らないが、
町の人々に好かれていたんだから。
幸せな人生だったろう。
町の人々によって埋葬されたのだから、一番本意にかなってる気もする。
33. 匿名処理班
手がかりが無いのだから出来るだけ多くの人に見せるしかない。
日本なら焼却して無縁仏として処理でしょう。
34. 匿名処理班
※6
専門家とかじゃないから正しいかはわからないけど、おそらく眼球の水分が抜けて広がってるか、もしくはエンバーミングの際に別のものに変えているか(多分まぶたに合わせて布みたいなもので目を模して貼り付けてる)と思う。
35. 匿名処理班
※1
切ないけどなんかいい話に見える
仕事がらみのお得意さんが埋葬までしてくれるなんて
家族や親族と縁が薄いせいで子供の頃から「かわいそうにね」って言われ、
自分は「みんなより気の毒なやつ」だという意識が抜けないせいで
他人でも親身になってくれる人の話を聞くと希望がもてる
36. 匿名処理班
今となっては調べようもないが訪問販売だったら近くに車が止めてあるはずだから、死後すぐに駐車違反の記録を調べるべきだったし近くの銀行で取引があったかも調べるべきだった
37. 匿名処理班
悲しい話だ
38. 匿名処理班
セールスマンの死
39. 匿名処理班
素性を知られなくとも愛されていた、という部分に色々考えるものがあります。
40. 匿名処理班
人徳である。
41. 匿名処理班
防腐処理した後に埋葬しても土に還れないんじゃないのか?
42. 匿名処理班
※10
ほかの方も書いてるけど
遺族の方がうわさ聞いて見に来るかもしれないと思ったからでは?
当時人探しの手段など限られてるから
切ない話だけど町の人に愛されてたんだなあと思う
43. 匿名処理班
天涯孤独だったのかな・・・でも街の人にそれだけ好かれていたのなら街の人が家族みたいなもんだったかも知れんな
44. 匿名処理班
天涯孤独の人だったのかな?何かほかにも手がなかったのかな?
45. 匿名処理班
半端な親族よりよっぽど、街そのものが彼の家族だったんだね。
46. 匿名処理班
扱っていた商品のメーカーから問屋をローラー作戦して・・・
でも、アメリカって広すぎるし、当時はセールスマン全盛期。
彼の名前はオールド・マイク。話上手の聞き上手。親切者で、皆から愛されていました。がハッピーエンドなのかもね。
47. 匿名処理班
元々身寄りがいなかった人なのかねえ。
町の人たちに愛されていたのなら幸せな人生だったのかな。
48. 匿名処理班
死後64年で訪れたエンド。
まわりの皆さま、乙です。
って、亡くなったのは今から104年前ですか?!
49. 匿名処理班
オチがひどい
50. 匿名処理班
見知らぬ土地で、よそ者扱いされずに自由に活動していた人物の、身分どころか本名すら誰も知らなかった。
SFかスパイ小説みたいだね。
51. 匿名処理班
天涯孤独だったのかもな
52. 匿名処理班
さすがアメリカ、情に厚い話だな
53. 匿名処理班
のちの喪黒福造である
54. 匿名処理班
でも本人に了承なく勝手にミイラにされるのもなあ…と思った自分は異端なのか
55. 匿名処理班
ミイラ化処理までして遺族を探すなんてどんだけ愛されてたんだろう。
並大抵の愛情じゃこんなことはできんな。
56. 匿名処理班
アメリカの個を尊重する大陸気質はものすごく良い物に思えてくる。
57. 匿名処理班
今逝く
58. 匿名処理班
※18
まるで欧米に戸籍がなかったような言い方だなあ
たしか、教会で戸籍みたいなものが管理されてたでしょ
今回は、身元を証明するものを彼が持ってなかっただけで、アメリカあるいは移民する前の国のどっかには記録が残ってると思うよ
それはそれでロマンだね
59. 匿名処理班
※38
丁寧なレスありがとう
なるほどなあ…
60. 匿名処理班
実は、いまだどこかでエンバーミング保存されていたりして。
61. 匿名処理班
オチはないのか 死亡したのは明治44年、明治天皇崩御の前年だね。
死亡時年齢50代中盤くらいかね 生まれは江戸時代末期くらいか
62. 従事
自分には話の内容より、
画像が怖いという衝撃の方が大きかった。
63. 匿名処理班
身元も本名も解らないままだったのは悲しい事かもしれないけど、
寂しくはなかったと思いたい。町の人たちにこんなに愛されたんだもの
64. 匿名処理班
あ。結局、遺族は見つからなかったのか。
65. 匿名処理班
世間話でもどこ出身かとかどこに住んでるのとか聞いただろうが…
66. 匿名処理班
彼が住んでいた家はどうなったのだろう?生活の痕跡があったであろうが消えてしまうものなのだろうか?
67. 匿名処理班
「一回ミイラ化させたけど、目がくぼむから描いてみたって」感じで失敗してるなw
目はつぶらせとけよw
68. 匿名処理班
街に来るまでの記録は残ってないんじゃなくて
もしかしたら自分の手で捨ててきたのかもね全部
沢山の人々に生きてる時も亡くなってからも愛され続けるって
素晴らしいことだと思うよ
69. 匿名処理班
自動車を調べろって意見もあるけど
アメリカとはいえ1911年じゃ一般人は車持ってないだろうな
70. 匿名処理班
この当時の時代背景では、ミイラの作成やエデバーミング処理が
かなり流行して、商売としてかなり儲けがあったはず。
愛されているから、エンバーミング(防腐処理)されたりので
なくて、身寄りがなく苦情を言う人がなかったら、見世物や
サンプル、あるいは練習などの目的で処理されてしまったように
も思えますね。
71. 匿名処理班
この話をネタにしたような、ネット小説(英文)を見たことがあるよ。もちろんその話ではセールスマンは酷い目に遭うけど、最後はハッピーエンドなんだが。
72. 匿名処理班
レーニンのミイラみたいに、眠らせた顔でいいじゃないか。
なんでお目目開かせたんだよ。
73. 匿名処理班
今はやりの「孤独氏」に近いけど
街の人に愛されていたならずっと幸せだよな
74. 匿名処理班
※30※65
「オチはないのか」って・・・?ちゃんとあるだろ
彼は家族には会えなかった、でも町の人には愛されていたのさ。
彼の名前はオールド・マイク。
75. 匿名処理班
町を転々とする人だったなら、もしかすると家族とは没交渉だったのかもしれん…
76. 匿名処理班
なんか胸にくる。
77. 匿名処理班
※7
そんなアナタに猫肌を・・ (=^・^=)
この先、肌より温かい人情にも きっと会えるよ。
78. 匿名処理班
米国版
男はつらいよ
最後かな
79. 匿名処理班
隣の家に住んでたじいちゃんに似てる