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「教科書に落書き」や「いたずら書き」に集中力と記憶力を上げる効果

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(著)

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 時間の無駄と考えられていた「落書き」や「いたずら書き」が、人に良い効果をもたらしている事が発表され、科学者等の間で注目を集めている。

 「ドゥードゥル(落書き)・レボリューション」という本の著者スニー・ブラウンさんは、落書きやいたずら書きを「思考ツール」だと位置づけた。本に落書きをする人は、集中力・記憶力・想像力の向上が見られ、緊張をほぐされ、感情が豊かになったという結果がまとめられており、その内容は、数多くの科学者の証言や実験により支持されている。

脳内ネットワークが落書きで強化

 一部の神経学者はこの説を支持している。彼らは脳の「デフォルト・ネットワーク」という根本的な部分に効果を見せているのではないかと予測している。

 デフォルト・ネットワークとは人の前頭葉と外部刺激の間に存在する脳内ネットワークの総称で、考える力を持つ前頭葉と感覚つかさどる部位を繋ぎ止める役割がある。これをサポートする説の一つとして、2009年に応用心理学という学術誌で発表された研究結果がある。

 その研究では被験者に研究員が発する幾つかの名前を覚えてもらい、それを後で思い出して貰うという実験を行った。

 被験者を二つのグループに分け、片方のグループには落書きをしながら覚えてもらった。その結果、落書きを行ったグループは、そうでないグループと比べると平均にして29%も多くの名前を思い出す事が出来たという。

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落書きは手を動かし、目で覚える記憶術

 ニューヨーク市立大学大学院センター哲学科ジェシー・プリンズ教授は自身が学生の頃を振り返り、彼が「落書きをすることで授業に集中出来た」と語ってくれた。プリンズ教授は授業中等で行う落書きを「ポストカードのようなものだ」と例えた。

 「例えば旅行に行った時に何をしたか思い出せない時がありますよね?でも、そういう時にポストカードを見ると、自然とその場で何をしたかが思い出せて来たりするはずです。落書きという絵を描くことで、授業で聞いた内容・書いた内容を思い出すのはそれに通ずるところがあるのではないでしょうか?」

 作家ミセス・ブラウンさんもこの説の支持者である。落書きが彼女の想像力を掻き立ててくれる事を主張した。彼女は落書きを行う事が脳に「予備の思考回路」を与えてくれると感じているようで、思考回路が増える事によってより情報を覚えやすく、より多くの出来事を思い出すことが出来るのだろうと考えている。

 バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学の医学生マルヤマ・ミチコさんは自身が出席した授業の内容をまとめた落書きを日々行っている。彼女は「落書きをするまでは覚えた気になれません。落書きをして初めて授業内容がまとめられる気がするんです」と語ってくれた。ちなみに彼女は落書きを止めた時期があったが、落書きを止めていた頃は成績が落ちたそうだ。

 イスラエル工科大学のガブリエル・ゴルドシュミット氏が2014年に行った研究でも上記の意見と似たような結果が見られた。ガブリエル氏は、「落書きは脳に“手を動かし、目で覚える“という新しい学習の為の方法を与える為、より多くの情報を一気に覚える事が出来るのだろう」と考えている。

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 2011年のストックホルムで行われた「人間とコンピューターの関係」というカンファレンスでは「落書きは人間が言葉で表しにくい感情を表現する為の有効な手段だ」という研究にスポットを当てた。その中で語られたケースは実に興味深い物がある。

 例えば37歳の新生児の父親の落書きにはパンク寸前の脳が描かれており、それは子供の世話に追われる彼のストレスを表現するものだった。また、27歳のエリザベス・ベールズさんが描いた落書きには論文の最終期限を恐れる女の子が描かれていた。これは彼女自身が当時論文の最終期限に追われる言葉にしにくい焦燥感と恐怖を表現している。

 絵で心を表現する手法は実に効果的で、人間が言葉で表現し難い本能的な感情を表現する素晴らしい手法だと言えるだろう。

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全てのタスクに効果的とは限らない

 ただし、落書きを行う事が全てのタスクに効果的とは限らない。

 例をあげるとすれば、2012年にブリティッシュコロンビア大学が発表した研究によるものがある。その研究結果によると落書きは「絵や映像を覚える際には効果が無く、むしろマイナス方面に効果を及ぼす」としている。

 これは「落書き」という事自体が「視覚」を主に使う作業である為、同じく「視覚」で覚える行為に対する注意力や記憶力が低下すると思われるからだ。

 何にせよ、今度何か覚えたい時は「落書き」をしてみてはどうだろうか?

 もしかしたら何時もより多くの情報を覚えられるかもしれない。

via:online.wsj・原文翻訳:riki7119

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この記事へのコメント 25件

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  1. 数独を解いていて行き詰ったときに、不思議と落書きしたくなるなあ

    • +3
  2. この絵のヒトってコレだね。www.nicovideo.jp/watch/sm888954

    • 評価
  3. 覚えようと思って意識的に落書きするのは有効だと思う。そのページが印象に残るから。ただ自分は、授業が退屈で落書きしてて成績は悪かったが・・

    • +12
  4. 知ってた世界史の教科書読むときに特徴的な線や図形を書いてなぜ書いたかを2周目以降思い出すようにして読んだ

    • +3
  5. つまんねーと思いながら機械的に黒板をノートに写しても覚えらんないよ。だいたい授業内容は教科書に全部乗ってるし。細かいテクとかも教科書に書き込んどけば済むじゃん。
    てわけで授業内容一切ノートに取らずに落書きばっかしてたけど宮廷に現役で行けるぐらいには成績良かった。自慢。
    授業で全部覚えるタイプだったけど落書きしてたからこその集中力だった気がする。
    内容は聞いてた。教師が嫌いで寝てた科目はちゃんと成績悪かった。
    勉強嫌いのお子さんには落書き進めるのもありだと思う。熱中しすぎて内容を把握してないんだとだめだろうけども。
    なお勉強できたからどうこうってほど人生甘くない模様。そんなんよりもセンスが大事だな、と思うこのごろ。

    • +3
  6. 古くから落書き多かったっけ。エジプトのピラミッドは
    有名だし、ローマでもよく落書き書いていたけど
    社会批判ではなく、酒うめーとかトイレですっきりなど
    その日の記憶に残った何気ないものが多数

    • +1
  7. 落書きに集中しまくってたから授業のことなんざ記憶にないわ。内容はもちろんアレ系ばっかだしな!

    • +3
  8. 授業をまったく聞かずに関係のない落書きをしてたらさすがに駄目だろうなあ。
    授業を聞きつつそのとき浮かんだ何気ないことを描く感じなら納得できる。

    • +1
  9. 落書きではないけど一度スケッチした物は十年以上鮮明に記憶できてるな

    • +2
  10. ほんとかなぁ?俺、落書きしまくってたけど授業のことは全く覚えてない。
    でも、落書き自体は鮮明に覚えてるw

    • +2
  11. ヴィオニッチ手稿は落書きではないかと俺はおもっている

    • +3
  12. 別クラスの友達に国語の教科書を貸して、
    翌日授業で指されて朗読してたら
    山田耕筰の丸めがねが赤と黒に塗りつぶされて
    禿げた額に「神風」と行書体で書かれていた時の衝撃。
    笑いが止まらず、皆に発狂したと思われたあの日。

    • +1
  13. 線のしっかりした絵だなあ
    自分はこんな思い切った落書きとかできない

    • +2
  14. 落書きというか、覚えやすくするために視覚化した絵だろう。
    なんの関連性もない落書きじゃ意味が無い

    • 評価
  15. 教科書、落書き派でした・・・
    物理とかも教えてもらってる最中にそれを絵に描いてました。
    おかげで、漫画家兼、イラストレータが仕事に・・・

    • +1
  16. 電話中に、無意識に落書きしてるときがあるんだけど
    ・・・必ず、矢印の絵を何本も描いてる。なぞったり。
    なんで矢印なんだろう? これって私だけ? 
    無意識下で意味の無い落書きしてる人、いる?どんな絵?

    • 評価
  17. 色んなタグが付いてる情報が検索しやすいのと同じく、
    引き出しの多い記憶は思い出す切欠が増える。
    覚える、忘れる、思い出す。でワンセットだ。

    • 評価
  18. 絶対授業なんて1ミリも聞いてない。ソースは俺。

    • 評価
  19. 落書きにそんな効果あるなんて、絵もうまくなるし 東大も夢じゃないな

    • 評価

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