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古代エジプト人は犬も愛していた。紀元前14世紀に象牙で作られた動く犬の彫刻

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古代エジプトの象牙彫刻の動く犬 Image credit: Metropolitan Museum of Art
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 古代エジプト人が猫を神聖視し、大切にしていたことはよく知られている。しかし、実は犬もまた愛されていた。狩猟の友として、あるいはペットとして、人々の暮らしに深く溶け込んでいたのだ。

 そんな古代エジプト人の犬への愛情が感じられる発見がある。

 ニューヨークのメトロポリタン美術館には、「機械仕掛けの犬」と呼ばれる象牙の彫刻が所蔵されている。

 紀元前14世紀に作られたとされるこの彫刻は、レバーを動かすと口を開閉し、歯と舌を見せる仕組みだ。また首輪が彫られており、当時の人が飼っていたペットの犬だと考えられている。

 古代エジプトの人々と犬の関わりについて詳しく見ていこう。

精巧な象牙細工でできた、動く犬の彫刻

 「機械仕掛けの犬」は、全長18.2cmの象牙製の彫刻で、前足と後足を伸ばしたまま飛び跳ねるような姿勢をしている。

 最大の特徴は、レバーを押すと口が開閉し、歯と赤い舌が見える仕組みになっていることだ。もともとは革ひもで固定されていたが、後に金属製のピンに交換されたという。

 この彫刻の正確な発見場所は不明だが、エジプト学者のハワード・カーターの個人コレクションに含まれていた。

 カーターは1922年にツタンカーメン王の墓を発見したことで有名な考古学者だ。メトロポリタン美術館の専門家によると、この犬の彫刻はツタンカーメンの祖父であるアメンホテプ3世の治世(紀元前1390~1352年)に作られた可能性が高いとされている。

 この彫刻が何のために作られたものなのかは、まだよくわかっていない。

 玩具だったのか、それとも宗教的な儀式のために作られたのか、専門家の間でも意見が分かれている。

 ただ、犬の首周りに線彫りが施されており、これが首輪を表していることから、この犬がペットとして飼われていたことは確かだと、メトロポリタン美術館の名誉学芸員キャサリン・ローリッグ氏は語っている。

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Image credit: Metropolitan Museum of Art

古代エジプトにおける犬の役割

 古代エジプトでは犬はさまざまな役割を担っていた。狩猟犬、牧羊犬、番犬として活躍する犬もいれば、家庭で飼われるペットとしての犬も存在した。

 新王国時代(紀元前1550~1070年)には、犬の首輪が豪華になり、名前が刻まれることも増えた。実際に「マイヘルプリの墓」からは、犬の名前が刻まれた首輪が発見されている。

 マイヘルプリは第18王朝のファラオ、アメンホテプ2世に仕えた高官だ。彼の墓は1899年に発見され、多くの副葬品とともに犬の首輪が出土している。これにより、貴族が犬を愛玩動物として大切にしていたことが分かる。

 メトロポリタン美術館によると、当時の犬の名前には「ブラック(Blackie)」「月の子(Son of the Moon)」「甘えん坊の役立たず(Good-for-Nothing)」などがあったという。この犬の彫刻には名前は記されていないが、エジプト人がペットに親しみを込めて名前をつけていたことがうかがえる。

 また、古代エジプトでは特定の犬種が好まれていた。バセンジーイビザン・ハウンドファラオ・ハウンドなどがエジプトの美術品によく描かれており、これらの犬は俊敏で狩猟にも適していた。

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エジプト原産の超古代犬種、チズムを先祖にもつファラオ・ハウンド Photo by:iStock

犬と冥界の神アヌビス、死後の世界とのつながり

 古代エジプトでは、犬は神話的な存在としても重要な役割を果たしていた。

 特に、冥界の神「アヌビス」との関係が深い。

 アヌビスは死者を冥界へ導く神であり、犬やジャッカルの姿で描かれることが多かった。そのため、犬は単なるペットではなく、「死後の世界の案内役」としての意味も持っていた。

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古代エジプト第19王朝の第2代ファラオ、セティ1世の神殿にあるアヌビス神の壁像 Photo by:iStock

 エジプト人が犬をどれほど大切にしていたかは、喪の習慣にも表れている。

 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの著書によると、犬が死んだとき、家族は眉毛を剃って喪に服したという。これは猫も同様だ。

 また、犬のミイラも作られ、特別な墓地に埋葬されることがあった

 犬の死を深く悼み、ミイラにして死後の世界での再会を願う文化は、古代エジプト人の犬への深い愛情を示している。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

古代エジプトの人々と聞くと、パステドで猫!と瞬間に思い浮かぶけど、犬に対しても深い愛情を持ち、ペットとして大切に暮らしを共にしていたんだね。犬も猫もどっちもそれぞれに良さがあって、大昔から共に暮らしてきたことを思うと感慨深いなー。と同時に、紀元前から象牙を彫刻に利用する文化があったことも興味深いね。

References: Mechanical Dog: A 'good boy' from ancient Egypt that has a red tongue and 'barks' | Live Science / The Past / Metmuseum

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この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. とてもそんな大昔に作られたとは思えないくらい上手

    • +30
  2. なんかジャギュアのボンネットマスコットみたいだな

    • +2
    1. ジャギュアっていわれると車のほうじゃなくてSEPECATのほうを思い出してしまう(英国面おじさん

      • +1
  3. 紀元前14世紀でこの精巧さと保存の良さってありえるのか?

    • +7
    1. ツタンカーメンが紀元前13世紀の人。そう考えたら保存状態とか彫刻技術もこんなものでは?(100年なんて誤差範囲でしょ)

      • +5
    2. 保存状態はともかく、精巧さは古代人をバカにしすぎ
      アルタミラの洞窟壁画なんか紀元前150世紀だぞ

      • +3
  4. かわいい〜
    普通に現代で売り出されたら欲しいレベル!

    • +10
  5. 口をカタカタさせて「我こそはアヌビスの飼い犬なりー」とか腹話術にしたとかあるかも知れない

    • +12
  6. そんなところに生えているわけないのはわかっているんだけどさ、その、
    色味と太さで長い息子スティックに見えてさ
    2枚目の写真なんか先端が少し赤くてさ

    • +1
  7. 「Good for Nothing」ちゃんの「お前はここにいてくれるだけでいい」感

    わかります

    • +11
  8. 姿勢は、象牙の細長さからきているんだろうね
    筋肉の表現とかを見ると
    実際の犬をモデルにしているんだと思うな

    • +8
  9. いくらゾウがまだ沢山いたとはいえ玩具に高っかい象牙使わないだろうし儀式道具じゃない?歯のとこ危ないし
    大方アヌビスは絡むだろうしミイラ作る時のエンバーミングツールとか?ちょっと形洒落てるけどSkyrimに似たような引っ掛け棒あったはず

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