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太らせて食べる?コトドリは森を耕し、獲物となる虫たちを育てる農耕鳥だった!

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(著) (編集)

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優れた音マネ能力を持つコトドリ Photo by:iStock
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 驚異的な音まね能力と、ゴージャスな飾りのついた尾羽(オスのみ)を持つオーストラリアの固有種「コトドリ」の新たなる能力が発見された。なんと農耕鳥だったのだ!

 新たな研究によると、この鳥は意図的に森林の落ち葉や土を耕し、獲物となるミミズやムカデ、クモといった無脊椎動物を育てているのだという。たっぷりと太らせておいしく食べるのだ。

 この習性は、コトドリのお腹を満たしてくれるだけでなく、オーストラリアの森を育む上で大切な役割を果たしているという。

オーストラリアを象徴するコトドリとは?

 オーストラリア南東部の森林に生息するスズメ目コトドリ科のコトドリは、オーストラリアの自然を象徴するかのような鳥だ。

 最大の特徴はオスにある60cmもの長い尾だ。それはレースで飾られた豪奢な竪琴を連想させるもので、コトドリの名はこれにちなんでつけられた。

 また美しい姿だけでなく、モノマネの才能でも知られている。そのレパートリーは豊富で、赤ちゃんの鳴き声からチェーンソーの音までなんでもござれ。人間の生活音まで正確に再現できるのだ。

 そんな才能あふれるコトドリだから、もちろんオーストラリアの人々にも愛されており、同国の10セント硬貨のモチーフになっている。

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コトドリが刻印されているオーストラリアの10セント硬貨 Photo by:iStock

土地を耕し餌を育てる

 今回の研究では、このコトドリの新たな才能が発見されている。それは虫などの無脊椎動物の飼育だ。

 オーストラリア、ラ・トローブ大学の研究チームがその生態を観察したところ、コトドリは森の落ち葉や土を集めて、ミミズ・ムカデ・クモといった餌となる獲物が育ちやすい環境を作り出すことがわかったのだ。

 目的はもちろん、餌をまるまると太らせて美味しくいただくことだ。

 だが、本当にコトドリが耕した土地(厳密には地面を掘り返して落ち葉をかきまぜた土地)では餌が育ちやすいのだろうか?

 これを確かめるために、研究チームは森の一画をフェンスで囲み、コトドリがいない環境を用意したうえで、この鳥がやっていたように落ち葉や土を集めてみた。

 するとそれをしなかった場所に比べて、確かに生物はより大きく育ち、種類も豊富になることがわかったという。

 研究チームのアレックス・メイジー氏は、このような農耕をする動物は非常に珍しいとニュースリリースで説明している。

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コトドリには優れた農業の才能があり、獲物をおいしく育てていた CREDIT: LA TROBE UNIVERSITY

森の生態系を育む大切な役割も担っている

 このコトドリの農耕は、オーストラリアの森にとって重要な役割を果たしていると考えられている。

 研究チームの推定によれば、コトドリが動かす落ち葉や土は、1ヘクタールあたり平均155トンにもなる。

 土に埋められた落ち葉や小枝には、山火事を抑制する効果もあり、農耕と相まって森の生態系を形作っているのだという。

 「コトドリは数百万ヘクタールという森の広い範囲を活動しています。その養殖は、森林の生物多様性を維持する上で重要な役割を担っています」

 この研究は『Journal of Animal Ecology』(2025年3月4日付)に掲載された。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

ビーバーさんたちは、森の建築家として生態系に貢献していることが知られているけど、コトドリさんたちもそうだったとは!自分で食べるものは自分でおいしく育てるとか、自給自足もしてるし、森も豊かにしてくれるし、素敵すぎる鳥だな。

しかもコトドリさんたちは、天才的な音まねの才能で知られているけど、一度習得した音マネは子孫代々まで受け継がれるんだぜ。オーストラリアでもう使われていない斧やボックスカメラの音まねをするコトドリが発見されたんだ。てかめっちゃ賢いやん。鳥類ってのポテンシャルが高すぎるぜ。

References: Iconic Australian bird reveals hidden farming | EurekAlert! / Onlinelibrary.wiley.com

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. そういえば、数年前に起きた豪州の大森林火災のダメージはどうなってるんだろう?

    • +9
  2. 音マネが子孫に伝わってしまうのか…
    うっかりコトドリの前で汚い言葉言わないように気をつける

    • +13
    1. コイツら電子音まで出せる舌持ってるからな。テクノポップやメタル聞かせてどこまで真似れるか試してみたい。

      • +6
  3. 餌探しの動画を見てみたら足の爪使ってけっこうな勢いで落ち葉の絨毯ごと土をえぐりこむのね…猫爪とぎのごとく激しいな
    両足の備中鍬で表層を露出させたりかんまわしてふかふか化&すき込みがハンティングのついでに成されるかんじ?
    そらみみずさんたちもやってきてそれぞれなりの土づくりしながらでっかくなりますね
    原生林を紹介するTV番組で手付かずの木の葉絨毯がいかに重要かって話を見たことあるけれど、生き物たちの活動(介入?)もまた大切なのね

    • +5
  4. 👨 「食べて食べて、もっと食べて!」
    👧 「私を太らせてどうするつもり!」

    • 評価
  5. ハキリアリも畑作って主食作るもんな。
    面白いよねぇ、どうやってそこに辿り着いた?
    人間みたいに脳が大きくないものがさ。

    • +4
  6. ミミズを探すためにあちこち爪で土掘り返す

    ミミズいないとこでは耕されるので土が肥える

    ミミズが増えて肥える

    肥えたミミズを食べられる

    って事で結果的にそうなってるだけでは?

    • -4
    1. まずコトドリが土を掘り返す理由が他になさそう、という点と
      コトドリが自分で掘り返したエリアで集中的にミミズを採取しているという事実がある
      従って現状で考えられるのは、土を掘り返すとミミズが増えて食べられるようになる、という一連の流れをコトドリが経験的に知っているという事になる
      「偶然、結果的にそうなってる」とは言えないという研究結果なんですよ

      • +2
  7. なんかモンハンにいそうな生態してるな

    • 評価

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