この画像を大きなサイズで見る無実の人を罪に陥れる冤罪事件は世界的にみても後を絶たない。その間、本当の犯人がのうのうとしているのも腹が立つが、罪を着せられた人が人生を台無しにしてしまうのは、本当に憂うべきことだ。
アメリカ、ハワイ州で殺人罪によりおよそ30年間服役していた男性、ゴードン・コルデイロさんが、新たなDNAの証拠により無実を証明されようやく釈放された。
20代で服役したコルデイロさんは現在50代となっているが、釈放が決まったこの日を「フリーダム・フライデー」と宣言し、「とにかく真っ先に母親に会いたい」と語った。
事件の経緯
事件の発端は、1994年8月11日、ハワイのマウイ島で起きた。ティモシー・ブレイズデルさんが麻薬取引中に強盗に遭い、殺害されたのだ。
事件発生当初、唯一の容疑者として浮上したのはマイケル・フレイタスだった。
この日、ブレイズデルさんは1ポンド(約450g)のマリファナを購入するために800ドル(約12万円)を持っており、マイケル・フレイタスと共に車に乗って現場へ向かいるところを目撃されているのだ。
ブレイズデルさんの家族や友人の証言によれば、フレイタスが取引を手配していたという。
当初の捜査では、現場の目撃証言に加え、物的証拠もフレイタスの関与を示していた。ところが警察の取り調べが進む中で、フレイタスは突如としてゴードン・コルデイロさん(当時21歳)の名前を挙げ、「彼こそが取引相手であり、殺害を実行した犯人である」と証言した。
コルデイロさんとフレイタスは、共通の友人を通じてお互いの存在を知っていた程度で親しい関係ではなかった。フレイタスは、自身の容疑をそらすためにコルデイロさんを犯人に仕立て上げた可能性が指摘されている。
コルデイロさんは事件当初から一貫して無実を主張していた。
不公正な裁判と冤罪の経緯
コルデイロさんには事件当日のアリバイがあった。彼は自宅のガレージで棚を作り、妹の車のオーディオを取り付けていた。彼のアリバイは以下の証拠によって裏付けられていた。
- 友人や通行人が彼をガレージで作業しているのを目撃
- 購入した材料のレシートの日時
- 寝たきりの母親の世話をしていたという家族の証言
しかし、警察はこれらの証拠を十分に考慮せず、フレイタスの証言に基づいてコルデイロさんを逮捕し、強盗および殺人の罪で起訴した。
最初の裁判では、陪審員11対1で無罪寄りの評決となり、裁判は無効審理となった。
しかし、再審では状況が大きく変わった。獄中の4人が証人として出廷し、コルデイロさんに不利な証言を行い、彼がフレイタスの殺害を計画していたと主張した。
これらの証言は、証人たちが刑の軽減を求めて行った虚偽の可能性があった。にもかかわらず、検察側はそれを証拠として採用した。
さらに検察は、殺人未遂の容疑を追加し、コルデイロさんがフレイタスの殺害を企てていたと主張した。結果として、コルデイロさんは有罪判決を受け、仮釈放なしの終身刑を言い渡された。
冤罪である新たな証拠が提示される
この冤罪事件を解決へと導いたのは、この判決が明らかに不当であるとし、事件を引き継いだハワイ・イノセンス・プロジェクト(Hawaii Innocence Project、HIP)だった。
HIPはDNA鑑定などの科学的証拠を使って刑事事件における冤罪を晴らす民間団体で、事件の再調査を行い、以下の新証拠を発見した。
- DNA鑑定の結果:事件現場に残された証拠品からコルデイロ氏のDNAは検出されなかった。被害者のジーンズのポケット内側からは、別の未知の人物のDNAが発見された。
- 証言の信憑性の欠如:獄中の証人たちが刑の軽減を目的に虚偽の証言をしていた可能性。
- 本当の犯人はフレイタス:証言をたびたび変えていたフレイタスが、事件の真相を隠そうとしていた可能性を指摘。フレイタスは2020年にすでに死亡している。
法廷での逆転判決
2025年2月中旬、裁判所はこれらの新証拠を考慮し、コルデイロさんの判決を覆す決定を下した。
判事のカースティン・ハマン氏は、「これまでの判決と刑罰は無効となり、被告人の釈放を命じる」と述べた。この言葉が法廷で発せられた瞬間、傍聴席からは驚きと歓喜の声が上がった。
ハワイ・イノセンス・プロジェクトの共同代表であるケネス・ローソン氏はこう語る。
コルデイロさんは泣いていました。私たちも皆、泣きました。彼は自分の無実がいずれわかってもらえるとずっと信じていました。
2度の裁判で司法制度への信頼を失いかけていましたが、ついに有罪判決を取り消すという裁判官の言葉を聞いて、感極まったのです(ケネス・ローソン氏)
この画像を大きなサイズで見る30年ぶりの自由
無実の罪を着せられ、刑務所内で30年を過ごし、現在50代となったコルデイロさんだが、釈放後は開口一番にこう語った。
本当にありがたいことです。とにかく早く母に会いたい(コルデイロさん)
そして「フリーダム・フライデー」と名付けたその日を祝った。
一方で、マウイ郡の検察官アンドリュー・マーティンは判決に不満を示し、「新たな証拠は無罪を証明するものではない」と述べ、判決の取り消しを求める意向を示した。
誤審の原因と今後
コルデイロさんの弁護団によると、彼の有罪判決の最大の要因は、証拠不足にもかかわらず、減刑の約束と引き換えに嘘の供述を行った刑務所内の情報提供者の”証言”を、検察が鵜のみにしたせいだという。
しかし、裁判官は州が意図的に虚偽の証言を採用したことを示す証拠は不十分だとし、検察側の不正行為だったという主張は退けた。
真犯人の可能性が高いフレイタスは2020年に亡くなったが、弁護側は、彼こそが初めから強盗目的でブレイズデルさんに接近し、殺害につながる罠にはめた可能性が高いと主張している。
今回の事件は、証拠に基づかない有罪判決の危険性を浮き彫りにし、冤罪を防ぐための司法改革の必要性を改めて示した。HIPは今後も追加のDNA鑑定を進め、真犯人の特定を目指している。
イノセント・プロジェクトのローソン氏は語る。
そもそも警察や検察がこの事件をいいかげんに扱い台無しにしてしまいました。第一容疑者を主要な証人にしてしまったのです
その結果、コルデイロさんとその家族にとって30年以上の冤罪、そして悪夢につながってしまいました
実は釈放されたコルデイロさんの一番の望みだった「母親と会う」ことは、現実に会うのではなくお墓参りのことだ。悲しいことに彼の母親はすでに故人となっている。彼が無実で逮捕された年に亡くなったのだ。
なおこの冤罪事件を報じた現地ハワイメディアの2月22日時点の報道によると、証拠とされる犯人の未知の人物(男性)のDNAとフレイタスのDNAの一致が確認されたという。
日本でも事件から60年もたってから冤罪が確定した袴田事件の裁判は記憶に新しい。
今後、精密な科学技術の発達によって冤罪がはっきりする事件がまた出てくるかもしれないが、失われた時間を取り戻せるわけでもなく、難しい問題だと思わざるを得ない。
References: Cbsnews / Hawaiiinnocenceproject
















正しかるべき正義も時としてめしいることがある。
30年目にして「チャレンジ」成功か
新しい技術が公正な判断の一助となることを願ってやまない
これにかぎらずアメリカって冤罪がすげー多い
とくに陪審員制度が冤罪の温床になってるうえ、警察もとっとと事件を終わらせたくて堅いアリバイの人物の無罪証拠をわざわざ破棄して犯人にしたてあげて刑務所にブチこむケースとか本当に多い
司法が死んでるとしか言いようがない
CSI:科学捜査班なんかのドラマが人気になった時「ちゃんとした科学的証拠を元に犯人を見つけ出す」という意識をアメリカ社会に啓蒙する一助になるかと思いきや
逆に「ドラマなんかの誇張表現を本当だと思い込んで、ドラマほど確実性の高い証拠を出してないという理由で通常なら確実に犯人な容疑者すら無罪にしてしまう」という陪審員を多数生み出してしまったりと
あの国はなにかもっと根本的な部分に問題の原因があるのかもしれない…。
>陪審員制度が冤罪の温床になってるうえ
記事読んでないんですか?陪審員は最初無罪の判決を出したのに
検察があとから殺人未遂罪を追加して食い下がったとありますし、
そもそも陪審員は裁判所に抗して無罪を決定するためにいる人で、
裁判所が無罪と判断する事件は陪審員の仕事はないと言ってもいい感じだと思います。
その人は記事内に書かれてることを話してるのではありませんよ。
陪審員が無知とか思い込みとか感情優先とかで冤罪生み出したり逆に無罪にしちゃったりの人治がまかり通ってる別の問題も発生しているという話です。
9割は裁判を行わずに司法取引で終わるのも一因。
無罪でも自分に不利な証拠があって正式に裁判して有罪なら30年、
罪を認めれば7年だよって言われたら大体は司法取引するでしょ。
>アメリカって冤罪がすげー多い
「なんで」多いんだか考えたことある?
例えば日本のパソコン遠隔操作事件では全く縁もゆかりもない四人が誤認逮捕されてそのうち二人が身に覚えがかけらもあるはずもない犯罪を「自白」している
残りの一人は有罪率99.9%
難しいね
冤罪の可能性をゼロにすることは不可能だけど、警察や司法がごく僅かな冤罪の可能性を恐れすぎたら全員が無罪になってしまう
少数の犠牲はやむを得ないという言い方はしたくないけど、捜査の発達で少しでも冤罪を減らしていくしかない
やむを得ないで人生踏み躙られた方はたまったもんじゃねーわ
袴田事件も検察のせいだったな
それで賠償金はどのくらい請求できるん?
南米やアフリカなんてもっとひどい国が沢山ある
真犯人が警察に賄賂渡して無関係の人に罪なすり付けて犯人にでっちあげるなんてことが普通にある
数人の人間の個人的感情や収賄で真実や公平性を
意図的に捻じ曲げられるなら百万台のAIコンピューターの
同時誤作動という奇跡で有罪を食らう方がまだあきらめが
つくかもしれない。
失った時間は取り戻せない
歴史上無実の人がどれだけ死刑になっていったんだろうね
人が人を裁くというのは、本当に難しいことやな
神が与えた命題というかなんというか
>アメリカって冤罪がすげー多い
「なんで」多いんだか考えたことある?
例えば日本のパソコン遠隔操作事件では全く縁もゆかりもない四人が誤認逮捕されてそのうち二人が身に覚えがかけらもあるはずもない犯罪を「自白」している
残りの一人は有罪率99.9%の日本で起訴されている
この件はたまたま犯人があまりにも明らかなミスを犯したので明るみになったけれど、録画もない密室取り調べで有罪率99.9%の日本では冤罪がものすごく少なくて司法が生きていると考える人ばかりではない
マリコ 「証拠は裏切らないわ。」
「なんで」以降が全く話が繋がっていませんが?
例えばも全く例えになってない。
日本の話をしたいのかアメリカの話をしたいのか、どっちなのか趣旨すら要領を得ません。
もう少し落ち着いて整理しなおしてみたらどうでしょうか?
AI 「主旨を要約し、3行で述べよ」