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鳥の衝突を防ぐため、風力発電機を黒く塗る試みがイギリスで開始される

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(著)

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風力タービンと鳥の画像この画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock
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イギリス政府は、海上に設置された風力発電所の風車を黒く塗装する試験を開始した。

 これは鳥類との衝突事故を減らすための政府の新たな試みだ。環境・食糧・農村地域省(Defra)がこの実験を主導し、北海での風車の増設に伴う鳥類への影響を調査する。

 ノルウェーの研究では、風車のブレードを黒くすることで鳥の衝突が約70%減少したという結果が出ており、英国も同様の手法を取り入れることにした。

 この取り組みは2027年から本格導入する予定で、風力発電の未来に大きな影響を与えるかもしれない。

風力発電所が鳥にとって危険な理由

 海上に立てる洋上風力発電所は、風の力を使って電気を作る環境にやさしい発電方法として注目されている。

 でも、実はこの風力タービン(風車)が鳥たちにとって危険な存在になっている。風車の羽根が高速で回転するため、飛んでいる鳥が気づかずに衝突してしまうのだ。

 研究によると、イギリスの洋上風車1基あたり、年間4羽から18羽の鳥が衝突していると推定されている。

 更にイギリス政府は、北海に風車をさらに増やす計画だが、風車の増加は鳥の暮らす環境、特にエサを探して食べる場所に影響を及ぼす可能性があると指摘されている。

この問題に対処するため、環境・食糧・農村地域省(Defra)は4年間にわたる実験を開始することを決定した。風車の羽根を黒色に塗装することで鳥にとっての視認性を高め、衝突を防ぐのが狙いだ。

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Pixabay

黒色の風車は本当に効果があるのか?

 黒く塗られた風車が鳥の衝突を減らすという考えは、2020年にノルウェーで行われた研究に基づいている。この研究では、風車の羽根の一部を黒く塗ることで、鳥の衝突が約70%も減少したことが確認された。

 この結果を受け、Defraはイギリス国内の洋上風力発電所で同様の試験を行うことにしたのだ。

 今回の実験では、黒色の他に縞模様のデザインも試される。また、風車に紫外線(UV)コーティングを施す方法も検討されている。紫外線は鳥に見えやすいため、衝突を防ぐ効果が期待されている。

今回行われる試験により、どの色やコーティングが最も効果的なのかが検証され、2027年から実際の風車に塗装を施す予定だ。

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image credit:unsplash/Anthony Aird

人口構造物が鳥類に及ぼす影響

 風車に限らず、鳥が人工物に衝突する問題は世界的に注目されている。

 2021年にはアメリカ・ニューヨークで高層ビルのガラスに大量の鳥が衝突し、大量死する事件が起きた。この問題を受け、2022年には建築業界の専門家たちが「鳥の衝突を防ぐ法律が必要だ」と提言している。

 しかし、イギリスの主要都市には、鳥の衝突を防ぐための明確な政策がないことも指摘されている。今回の風車の塗装実験が成功すれば、いずれは建築分野にも応用される可能性があるかもしれない。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

風力発電はクリーンなイメージがあるけれど、鳥たちにとっては空中に仕掛けられたギロチンのようなもの。人口構造物が動物たちを苦しめているのは毎度のことだが、政府が手動し、動物たちと共存しながらエネルギーを生み出すという試みが成功するといいね。結局地球は人間だけでは生きていけないわけで、多種多様な生物たちの上に成り立っているわけだしね。

References: Theguardian / Dezeen

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この記事へのコメント 21件

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  1. いくら高速で回転しているとは言え、あんな巨大な物を見落とすのか?
    逆に巨大過ぎて動いてる事が理解出来ないのだろうか
    鳥がぶつかるメカニズムが知りたいところ

    • -8
    1.  おそらくだけど横から打たれる感じじゃないかと想像します。
       例えば風車の羽根の長さが 50m で一分間に 20 回転するとすれば→端っこはだいたい秒速 100m で動いてます。 つまり通り抜けられると思っても横から時速 360㎞ で鳥からすれば巨大な棒が来るわけですよ。 もう自動車にはねられるとかじゃなくて、踏切で行けると思って通ると新幹線か TGV よりもっと早い列車がきて跳ねられる感じ?になるんじゃないかと。
       だから対策は近寄らせないが一番かなぁと愚考します。 果たして人間にそんな権利があるのか、そんな技術があるのかなどいろいろあるかなってところでしょうか。

      • +7
    2. ガラス張りの建物とかガンガンぶつかるよ。特に田舎だとね。
      人間とはモノの見え方だいぶ違うんだろうと思う。
      建物の反対側ブラインドで閉じててもぶつかる。

      それと朝建物まで来たらすでにお亡くなりになって落ちてるから、
      結構早朝とか夜ににぶつかってんじゃないかなと思ったので、この記事黒く塗って大丈夫なの?とか思っちゃった。

      • +4
    3. まあ人間もしょっちゅう車とぶつかったりしてるから
      あんまし鳥のこと言えないかも

      • +9
  2. ノルウェーでは黒く塗る前が年間3羽、黒く塗ったら年間2羽と一応70%に減ったものの、何故か衝突が夏場に集中するようになったらしいね。
    日本の環境省も長年研究していて、赤や黒で塗って視認性を高めると一定の効果があると言う。
    ただ塗料の重みで重量バランスが崩れると回転に支障が出るので、デザイン等はそこまで考慮する必要があると。
    また火薬の炸裂音などによる威嚇も多少の効果が期待できるとの事。
    根本的な解決には程遠いのだろうね。

    • +11
  3. 音、はダメかな 風車のブレードの先に高い周波数の笛をつけたら鳥にもかなり正確に位置を特定してもらえるかも

    • +5
  4. 飛行機を黒く塗ったらバードストライクが減ったりはしないのかな

    • +4
  5. ビルの窓へ鳥が衝突するのも結構あるみたいだから紫外線コーティングでどうにかならないかな

    • +6
  6. 洋上風力発電は魚の育つ場所を奪ってしまうデメリットもあるらしいね
    漁師さんも、魚を食べたい人も困る
    でも地震国で原発もコワイし・・・むずかしい

    • +3
    1. それ、逆なんじゃないの
      風力発電が海を占有する面積なんてたかが知れているよ
      漁師が入れない場所を作れば、魚が増えるってのは
      関西国際空港という実例がある

      • +4
      1. 新聞記事の情報だけど、識者の名前は失念
        だとしたら、一時的に(数年?)漁獲量が減るってことなのかな?

        • +2
  7. 物凄く素人考えなんだけど、
    巨大な立方体の網を張るのはダメなんだろうか?

    風も通るし鳥は通さないし・・・

    • -2
    1. 鳥 「それは刺し網猟といって禁止されているのよ」

      • +7
  8. 回転すると、渦巻がグルグルして、鳥を怯えさせるようにしたらどうやろか?

    • +2
  9. 黒く塗ると太陽熱で風力発電機が熱くなって故障の原因になったりしないだろうか

    • +3
  10. カラスは黒いテグスやワイヤーが見えないから
    一度引っ掛かると、次から寄り付かなくなるね

    • 評価
  11. 風力発電は鳥よりもコウモリが巻き込まれて死ぬ被害が大きい。
    鳥の約6倍もの数が巻き込まれて死んでいる。中には絶滅危惧種もいる。
    先端のブレードは時速300キロになるらしい。体の小さい動物には危険極まりないマシン。
    黒く塗った程度で殺傷を防げるとは思えないけどな。

    • +2
  12. 鳥 「たまに夜も飛ぶけど、これじゃ見えねぇじゃねぇか。」

    • +1
  13. 海上風力発電 再生エネルギーは大事なことと思うものの。。
    でも潮風をまともに受けながら半世紀以上海を見ながら暮らしている者としては、
    これが微妙です。海上に何基も大きいタイプであれ、浮かばせる小型タイプであれ、海鳥への影響は人間が思っているほど少ないものではないと思います。それに海上に何か立てるということは波の方向を見事に変えてしまうんです。漁村に小さな港(本当に小さい)が出来ても15キロ先の砂が減ったりするんです。住んでいても自然の繊細さにはいつも驚かされてばかりです。ビルの中で考える人たちへのお願いは現地に来て時間をかけて考えてってこと。

    • +3
  14. 風が渦を作ったりして、変な空気の流れを作っちゃうのかな?

    ガラス張りのビルも、昭和時代のアールデコ調のおしゃれ装飾で追突するのを避けられるんだよね

    • +1

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