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剥がれないし劣化もしない!超音波撥水コーティングがガラスの常識をくつがえす

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(著) (編集)

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 オーストラリアの研究者が考案した超音波コーティングが、強力に水を弾く力で、ガラスの常識をくつがえすかもしれない。

 従来の撥水コーティングとは違い、超音波コーティングは劣化することも、剥がれてしまうこともない。その撥水性能は永久に発揮され、それでいて環境にも優しいからだ。

 このガラスなら大雨の運転で視界が保てたり、掃除しなくても汚れない窓ガラスが実現したり、さまざまな活用方法があげられる。廃水を浄化したり、醸造用の酵母を集めたり、という意外な用途も考えられるそうだ。

超音波が作り出す泡の爆発でガラスをコート

 超音波コーティングといっても、ガラスを超音波で直接おおうわけではない。超音波にはレーザーすら曲げてしまう魔法のようなパワーが秘められているが、それを利用してガラスの表面に水を弾く層を作るのだ。

 コーティングのベースにはジアゾニウム塩溶液が使われる。ここに超音波を当てると微細な泡が発生し、さっとはじけて崩壊する。

 カーティン大学のナディム・ダーウィッシュ准教授は、このプロセスについて「熱と圧力の小さな爆発」と、ニュースリリースで説明する。

 その結果ガラス表面に形成される層が、水を強力に弾いてくれるのだ。それは分子レベルで化学的に結合しているため、よくある撥水コーティング剤のようにだんだんと落ちてしまうことはない。

 ガラスの撥水効果はずっと続くため、信頼性と耐久性が求められるところにピッタリであるという。

 たとえば、豪雨の中、車を運転する際も視界が確保しやすくなるだろうし、汚れがつきにくいので掃除が大変な超高層ビルの窓などにも適している。

 汚れにくいという性質は、太陽光パネルにも便利なものだろう。

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酒造から浄水フィルターまで、用途はもりだくさん

 この超音波コーティングは、ただ水を弾くだけでなく、意外な性質がある。それは細菌や藻類などを引き寄せてくれることだ。

 これを応用すれば、たとえばお酒の醸造に使われる酵母を集めるなんてことができるかもしれない。あるいは汚れた排水を濾過するフィルターとしての応用も考えられている。

 研究チームは現在、自動車・建設・環境といった分野を中心に、この技術の試験を行うパートナーを探しているそうだ。

 この研究は『Advanced Functional Materials』(2025年2月24日付)に掲載された。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

このコーティングを使えば窓ガラスの拭き掃除が超簡単とかなら、でもってお値段お手頃ならかなり魅力的だな。家事の中で断トツ嫌いなのが窓掃除なんだもん。猫パトロール部隊が、ベランダの外の定期点検を怠らないから肉球マークがつきまくりなんだもん。

References: A clear game-changer: Curtin’s water-repellent glass breaks new ground - News at Curtin | Curtin University, Perth, Australia

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この記事へのコメント 15件

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  1. ジアゾニウム塩は、
    熱や光、衝撃によって爆発する危険性や眼刺激性等があります。
    熱に不安定で、5℃を超えると窒素を発生してフェノール(有毒)を
    生じる。固体のジアゾニウム塩は光によって分解しやすく、
    熱、打撃によって激しく爆発する。眼刺激性がある。
    生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑いがある。
    空気に触れることで分解して褐色になる。

    …マジで大丈夫な技術なの?

    • +8
    1. ジアゾニウム塩を使ってガラスの表面を撥水性に変質させる技術であって、ジアゾニウム塩がコーティング剤のようにガラスの表面に塗られた状態で消費者のところに届くわけではない と自分は理解した

      • +14
    2. 身近な製品の多くもその製造過程においては有害、有毒、危険な物質を使用している例は少なくない
      大事なのは安全に管理・処理・廃棄するシステムが確立されていることと、確実に運用できているかどうか監視されていること
      ぶっちゃけ、猛毒物質を使わなければただの金メッキもできないぞ

      • +7
    3. ウィキペディアによるとジアゾニウム化合物は「窒素2つが結びついたジアゾ基」に「何らかの別の化合物」が結びついたものだそうです
      それで、ジアゾニウム化合物を中和したものがジアゾニウム塩です
      この件ではジアゾニウム塩としてファストブルーBソルトが使われているみたいです
      ガラス表面の酸素と何らかの別の化合物が結びつけるためにジアゾ基が活躍します
      その際に超音波を使うってのがポイントなんですね
      ジアゾ基は仕事をしたら窒素ガスとなって残りません
      つまり、最終的には何らかの別の化合物が重要ってことになります

      • +3
  2. パルモは窓なんか拭かない仲間かと思っていた…

    • +13
  3. 要約しすぎて本文がおかしいけど早い話が
    1ジアゾニウム塩溶液ベースのフィルムを作り撥水させたい物に貼る
    2超音波を流す
    3撥水する
    こういうこと
    超音波で直接撥水する物じゃない

    • +5
  4. 超細かい梨地にするって話に思えるのだが。
    その梨地を作るのがジアゾニウム塩と超音波の作用。

    • +3
    1. ガラス撥水って基本的に、表面にミクロの凸凹作って表面張力をバグらせる技術なんよ
      超強力な用材もあるんだけど、ワイパーかけただけで剥がれるってシロモノだから微妙だった
      コレは高耐久で便利かなーって感じ

      • +3
  5. 超音波はどう発生させるの?
    車に使う時その装置が必要ってこと?

    • -2
    1. 実用化すれば、撥水加工されたガラスとして入手できるようになるってことでしょう
      ガラス表面が化学反応で変化しているからガラスを削るようなことをしなければ
      撥水コーティング剤と違って永久的な効果が期待できそうだということですね
      でも、化学反応ですから別の化学反応で無効化される可能性があるかもw

      • +3
  6. 特定の種に限って細菌や藻類を集められるとしたら培養の手間が大幅に省けるし、食品や医薬品の汚染も減らせるな。何気にすごい技術だ。

    • +3
  7. セミの翅はナノ凹凸構造でゴミが付きにくく細菌なんか引き裂いちゃうらしいけど、ガラス撥水技術も微小な凹凸構造がキモっぽいのに細菌や酵母を集めるのに使えるとは不思議な感じだ
    サイズや形の差異によるものなんだろうなあ

    • +2
  8. 窓に使ったら藻類集めて緑化に貢献できそうね

    • +1

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