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イタリア・ナポリの人々は素手でパスタを食べていた!1903年の記録映像と写真

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(著) (編集)

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 パスタといえばフォークやスプーンを使って食べるのが一般的だが、20世紀初頭のイタリア、ナポリでは、素手で豪快に食べる文化があった。

 この奇妙ともいえる食習慣が記録された1903年の映像が、当時のナポリの庶民の暮らしを今に伝えている。

 なぜ彼らは手づかみでパスタを食べていたのか? そこには、ナポリ独特の食文化や経済状況が大きく関わっていたようだ。

ナポリの「マンジャマッケローニ」 パスタを愛する人々

 イタリア語の「マンジャマッケローニ(mangiamaccheroni)」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 「マッケローニ」は、英語でいう「マカロニ」を指すように思われがちだが、20世紀初頭のナポリでは、パスタ全般を意味する言葉だった。

 この「マンジャマッケローニ」とは、直訳すれば「マッケローニを食べる人々」。つまり、パスタを愛してやまないナポリの人々を指す言葉だった。

 ナポリの人々のパスタ好きは、18世紀にはすでに有名だった。

 ドイツの詩人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ氏も1787年のナポリ訪問時に、「ナポリではどこでも安くパスタを買える」と記しているほどだ。

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ストリートパフォーマンスとしての「早食い」

 当時、ラッツァローニ(lazzaroni)と呼ばれる定職を持たず、貴族からの施しを受けていた貧しい人々がいた。

 彼らの中には、パスタやお金を手に入れるために「見せ物」として手を使って早食いする者もいた。

 観光客からただでもらったパスタを早食いする。その姿を見た観光客らは歓声を上げながら彼らに投げ銭をする。

 ラッツァローニにとって、こうした見世物は生活の糧を得るための手段でもあった。

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エジソンが記録した1903年のナポリ人の映像

 1903年に撮影されたトーマス・エジソンの映像では、彼らがフォークやスプーンを使わず、長いパスタを手で掴み、そのまま口に運ぶ姿が映し出されている。

 現在のパスタとは異なり、当時の「マッケローニ」はスパゲッティのように長かったため、ダイナミックな食べ方が生まれたのだ。

 この時代にはまだトマトソースが広く普及していなかったため、パスタはシンプルな味付けで食べられていた。

 もしトマトソースが使われていたら、手づかみでの食事は大変なことになっていただろう。

 1929年にナポリを訪れたアメリカのジャーナリスト、ウェーヴァリー・ルート(Waverley Root)氏は、著書『イタリアの食べ物(The Food of Italy)』の中で当時のパスタ文化について触れている。

「ナポリの裏路地では、干されたパスタが無造作に吊るされ、ホコリやハエにまみれていた」と記しており、庶民の食べるパスタの衛生状態が決して良好ではなかったことを伝えている。

初めてイタリアを訪れたとき、少なくともナポリではマカロニが嫌いになった。不衛生な中庭はまるでマカロニのジャングルのようだった。

しなびたマカロニが物干しロープにぶら下がり、空中には土埃が舞い、むき出しのパスタにはハエが群がり、さらにはハトが上空から狙いを定めていた(ルート氏)

 パスタは何世紀も前には貴族の食べ物だった。だが、1922年から1943年までイタリアを統治したムッソリーニの政権下で、生産拠点が移転され、規模が大幅に拡大した工業化によって、貧しい人々の主食となって久しかった。

 ムッソリーニは国内の食糧自給率を高めるため、「バトル・フォー・グレイン(穀物戦争)」と呼ばれる政策を推進し、その一環としてパスタの大量生産が進められたのだ。

 今でこそ、イタリアの食文化は素晴らしく、パスタやピザは世界中から食べに訪れる観光客がいるほどだが、かつてはそんな時代もあったんだね。とりあえず日本のナポリタンがナポリと全く関係ないことも一応言及しておこうかな。大好物なんだけど。

References: When Neapolitans Used to Eat Pasta with Their Bare Hands: Watch Footage from 1903 | Open Culture

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 初期のAIの手づかみパスタはまんざらでもなかったんだな

    • +20
  2. ファッションやグルメにうるさい
    国ほど昔は酷いものなんだよ

    • +8
  3. 意外だわ・・・
    イタリアの王侯貴族がフランス方面に嫁いだ時、
    食事マナー皆無にあきれ果ててフォーク・ナイフを広めた、
    なんて話を昔どこかで読んだので

    • +6
    1. フィレンツェは都会だけどナポリは田舎だったんじゃない
      イタリアは南北で文化が違うので

      • +10
    2. 記事がわかりにくいけどこれはパスタがナポリ庶民に広まった後の話
      貴族はもちろんお上品に食ってたでしょ

      • +7
    3. ヨーロッパで食器を一般的に広く使うようになったのはそんなに昔のことではないと聞いた
      結構長い間手づかみでパンを食器代わりにしてたと

      • 評価
  4. へえー!
    ワイもやってみるわ( ・∀・)

    • +4
  5. 肉や野菜などの高騰と小麦価格の大幅下落により、貧困層は茹でたマカロニが主食となり、とにかく長~いマカロニを素手で食う謎のパフォーマンスで観光客にアピールしたらしい。

    • +2
  6. 100年後には、
    「昔の日本では寿司を手づかみで食べていた」
    なんて言われるようになるかも

    • +26
  7. 実演記念写真も人気ならば、絵葉書・おみやげ写真セットなどもまた人気だったらしいのが後代に姿を伝える結果にもつながったのでしょうね
    古い家の使っていない家具に眠っている古写真などもあるのかな

    • +2
  8. ん、当時のナポリの人々は素手で食べるのが普通だったの?
    それとも単に見せ物としてやってただけなの? よくわからない

    • 評価
  9. なんでわざわざ手で食べてたんだろうね?手も汚れるしフォークやスプーンで食べた方がよいハズなのに。何か理由があるのかな

    • +1
    1. フォークの普及が遅かったと考えるのが自然ですね。 直接の話で申し訳ないのですが、ジャガイモ関連の歴史の本を読んだ範囲ですが、アイルランドでジャガイモ飢饉( 1845-1945 ごろ)で一家にある食器は木の皿(というかスープボウル)と木のスプーンだけで金属といえば鍋が一つだけというのはそう珍しいことではなかったとのこと。 イタリアなども同じと考えると 20 世紀に入るくらいまでは庶民は手づかみで食べていてもおかしくないかなと。 Wikipedia の記述の「現代では一般的な弓なり型のフォークは、18世紀中頃にドイツで発明された。そして4本歯のフォークが一般的に使われるようになるのは、19世紀初頭」も庶民ではなくて一部の高所得者のみというようにも考えられます。 参考になれば幸いです。

      • +8
      1. すみません、ジャガイモ飢饉は 1845-1849 ごろです。 なんつう書き間違いしたんだ orz

        • +5
  10. 母が子供のころ夏休みにいちご県の親戚に呼ばれて行ったけど作り立てのお握りにハエがたかり放題で都会育ちには耐えられず食うもんも食わずに帰ったという話を聞かされた。衛生観念のターニングポイントはいつ頃なんだろう?

    • +8
  11. 王妃になった外国の女が手づかみで食べるのを嫌がったのがスパゲッティーのフォークの歴史と記憶していたが検索しても出てこないねぇ・・・

    • +2
    1. ビザンチンの王女テオドラ・アンナ・ドゥカナがベネチアに嫁入りした際に
      持参品の一つとして金のフォークを持ってきてる
      でもそのころは食事用じゃなくて取り分け用だったっぽい

      • +2
  12. トマトの普及は20世紀だったのか。ずいぶん最近なんだな。それ以前のイタリア料理って、どんなんだったんだろう?

    • 評価
  13. 神に与えられた手を使うのが至高って考えがあった
    そしてフォークを使用した人を馬鹿にする本書いた坊主が居たはず

    • +1
  14. フォークでスパゲティを食うのは大変。イタリア人ですら初デートでは食べにくいロングパスタではなく、マカロニのようなショートパスタを選ぶそうだ。

    • 評価

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