メインコンテンツにスキップ

世界最古の3D地図をフランスの洞窟で発見!旧石器時代の人々が刻んだ風景

記事の本文にスキップ

10件のコメントを見る

(著)

公開:

フランスの洞窟の床の3D地図の眺めこの画像を大きなサイズで見る
Credit: Dr Médard Thiry
Advertisement

 1万3000年前、旧石器時代の人々は洞窟の床に自らの世界を彫り込み地図を作っていた。それは単なる平面的な地図ではない。川や谷、湖沼など周囲の地形を立体的に再現したものだ。

 フランスの遺跡内で発見されたこの地図は、人類が洞窟の床に刻んだ「世界最古の3D地図」の証拠となるもので、当時の人々が自然をどう理解し、記録していたかを教えてくれる貴重な手がかりとなる。

世界最古となる旧石器時代の立体的な地図を発見

 フランス・イル=ド=フランス地域圏エソンヌ県にある「セゴニョール3洞窟遺跡」内で、巨大岩塊の床に刻まれた、約1万3000年前の後期旧石器時代の立体的な「世界最古の3D地図」が発見された。

 フランスのパリ鉱業学院とオーストラリアのアデレード大学の研究チームは、洞窟の床に刻まれた溝や突起が人為的に作られたものであり、周辺の地形を意図的に表現したものであることをつきとめた。

旧石器時代の地図はどのようなものだったのか?

 「地図」と聞くと、現代の地図のように正確な縮尺や方角を示すものを想像するかもしれないが、旧石器時代の人々が作ったのはそういったものではない。

 この立体的な3D地図は、エコール川の流れや低地の湿地、谷の傾斜など、地形の特徴を的確に表現している。

 エコール川は、セーヌ川の支流の一つで、フランスのイル=ド=フランス地方を流れる小さな川だ。当時、この地域の地形や生態系に重要な役割を果たしていたと考えられており、この川の周辺には、旧石器時代から人々が暮らしていた痕跡が多く見つかっている。

 今回の研究によると、これらの彫刻は当時の人々にとって極めて重要だった「水の流れ」を理解しやすくするためのものだった可能性が高いという。

  • 深いくぼみはエコール川が作り出した大きな平地(平野)を表している。
  • はっきりとした線は、谷の斜面が始まる位置を示している。
  • 中心部に刻まれた細かい溝は、エコール川の流れやその氾濫(はんらん)した際の水路を再現している。

これにより、当時の人々が地域の地形や自然環境をどれほど正確に把握していたかがわかる。

この画像を大きなサイズで見る
エコール川渓谷の洞窟底の地図。Credit: Dr Médard Thiry

石器時代の人々が水と自然に込めた深い意味

 この地図は、単に地形を把握するためだけに作られたわけではない。

 セゴニョール3の洞窟には、もうひとつ興味深い発見がある。

 それは、馬の彫刻と女性器を模した彫刻だ。この彫刻の構造には、雨水が流れ込むような設計が施されている。

 このように水と地形が結びつけられた仕組みは、当時の人々が水に対して深い意味を見出していたことを示している。

 洞窟内で彫刻が配置されている場所と3D地図の場所は、わずか2~3mしか離れておらず、これらの二つが何らかの形でつながっている可能性も指摘されている。

 雨水が馬の彫刻を通じて床の溝を流れる仕組みは、生命の誕生や自然の循環といった象徴的な意味を持っているのかもしれない。

 研究を主導したメダール・ティリー博士は、「この洞窟の地図や彫刻には、単なる実用性を超えた自然観や生命観が込められている可能性が高い」と語る。

この画像を大きなサイズで見る
セゴニョール3洞窟の床の3次元地図の眺め Credit: Dr Médard Thiry

 今回の発見は、約3000年前の青銅器時代に作られた岩板地図が「最古」とされていた記録を大きく更新するものだ。

 新たに発見された3D地図は、さらに1万年前の旧石器時代にさかのぼったもので、人類が驚くべき技術と知恵を持っていたことを証明している。

 今回の発見には、考古学だけでなく、地質学や地形学といった学問分野の専門家が協力した。研究チームは2017年から現地調査を重ね、洞窟の床に刻まれた地形が人為的に作られたものであることを証明した。

 ティリー博士は、「異なる分野が協力することで、このような洞窟の地図が古代人の手によるものであると分かった。発見は一瞬ではなく、地道な調査と観察によって得られるものだ」と語る。

 セゴニョール3洞窟での発見は、私たちに多くのことを教えてくれる。古代人が持っていた自然環境に対する深い洞察力と、それを形にする技術。そして何より、自然との共存を大切にしていた価値観だ。

 アデレード大学のアンソニー・ミルンズ博士は、「この地図は、単なる地形の表現を超え、石器時代の人々が自然や水の流れにどれだけ注意を払い、それを象徴的に理解していたかを示している。」と述べている。

 この研究は『Oxford Journal of Archaeology』誌(2024年12月24日付)に掲載された。

References: World’s oldest 3D map discovered | Newsroom | University of Adelaide / Onlinelibrary.wiley.com

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 13000年前は細流の多い湿地帯で色々な動物が集まってくる良い猟場だったんだろうな 太古の地形を人の手で刻んだ、先史時代の地誌的記録なのか

    • +6
  2. 何どか見てもただの侵食にしか見えない

    • +1
    1. それほど水の流れを表現してるってことや

      • +1
    2. 川を表す溝だけだったらそう思うのも無理もないが、馬と女性()の絵もあって溝と水の流れが連動するように彫られてる書いてるあるから、ただの侵食では無いでしょ。

      • +3
  3. 集団で狩りをする際など、その土地の地形図があるとやりやすかったかもしれないね
    太古に知恵者がいたとしてもおかしくはないだろうと思う

    • +3
  4. まぁでもこれは、なんとなくわかる。
    今から35年以上前になるかな?小学生の時自転車で隣の市とか言ってたし、たまに砂場で山とか道描いて友達とどこの川が鮒つれるか語り合った事あるしね。山もちゃんと盛ったぞ。

    • +2
  5. これは調べてみるとアレな仕掛けが用意してあり
    ジオラマを流れる壮大な計画があると思われる
    間違いなくとしあき少年の仕事だね

    • -2
  6. この頃にはもう言葉もあったんだろうね

    • +1
  7. 持ち歩けない地図だな
    記憶力が必要だ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。