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タクシーと救急車運転手はアルツハイマー病死亡率が低いことが判明

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(著) (編集)

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 タクシーや救急車を運転する仕事が、アルツハイマー病による死亡リスクを下げる可能性があるという。アルツハイマー病は認知症の中で最も一般的なもので、脳の神経細胞が徐々に死滅していく進行性の疾患だ。

 400種以上の職業人を調べた新たな研究によると、タクシーや救急車の運転手はアルツハイマー病による死亡率が低いことが判明したという。

 こうした職業の人は、どうすれば目的地までスムーズに移動できるかいつも考えている。どうやら、脳内でそのような空間処理を繰り返すことが、アルツハイマー病の予防につながっているようだ。

職業とアルツハイマー病の関係

 今回の研究では、政府が管理する人口統計データ(National Vital Statistics System)の分析を通じて、さまざまな職業に従事する人たちのアルツハイマー病で亡くなる確率が調べられている。

 米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のヴィシャル・パテル医学博士は、研究の狙いについて、ニュースリリースで次のように説明する。

私たちが周囲の世界を移動する際、脳内で認知的空間マップが作られますが、それを担う領域はアルツハイマー病の発症にも関与しています

ならばリアルタイムで空間処理やナビゲーション処理を行わねばならないタクシーや救急車の運転手は、ほかの職業よりアルツハイマー病でかかりにくく、死亡率も低いのかもしれません(パテル医学博士)

タクシーと救急車の運転手の死亡率が顕著に低いことが判明

 データは2020年1月1日~2022年12月31日のもので、対象となった職業443種は、各個人が生涯の大部分で従事してきたとされるものだ。

 これとあわせて、その人の年齢・性別・人種・民族・学歴といったものも分析された。

 その結果、調査対象となった約900万人のうち、アルツハイマー病で亡くなったのは3.88%(348,328人)だった。

 だが、これをタクシーと救急車の運転手だけで見てみると、前者は1.03%(16,658人中171人)、後者は0.74%(1,348人中10人)で、全体に比べてかなり少ないことがわかった。

 職業以外の要因が関係している可能性もあるため、それを加味して調整もされた。

 それでもタクシー運転手(1.03%)と救急車運転手(0.91%)は、全職業中もっとも死亡率が低いという結果だった。

 ちなみに、乗り物の運転手ならアルツハイマー病で死ににくいわけではなく、バス運転手(3.11%)や飛行機操縦士(4.57%)などは、全体と比べて大きな違いがないこともわかった。

 同じ運転系の仕事だが、こちらは予め定められたルートを移動するという点で、タクシーや救急車の運転手とは違う。

 そのため、脳内でのリアルタイム空間・ナビゲーション処理は、タクシー・救急車の運転手ほどには行われないと考えられる。

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ただしこの研究には限界がある点に留意

 研究に携わった米国マサチューセッツ総合病院のアヌパム・B・ジェナ医学博士は、次のように説明している。

この結果は、タクシーや救急車の運転手では、海馬などの領域で神経学的変化が起きており、それがアルツハイマー病の死亡率を低下させている可能性を伝えています(ジェナ医学博士)

 ただしこの研究は、因果関係までをも証明したものではない。そのためタクシードライバーになることで本当にアルツハイマー病を予防できるかどうかについて、最終的な答えが出されたわけではない。

 たとえば、アルツハイマー病の発症リスクが高い人は、タクシーの運転のようなある程度の記憶力を必要とする仕事を長く続けられないだろうとも考えられる。

 これについては、アルツハイマー病の発症が一般に労働年齢を過ぎてからであるため、それほど重視すべき問題ではないようだ。が、いずれにせよ研究チームは、今回の分析結果は結論ではなく、むしろ仮説を立て、今後の研究に役立てるためのものだと考えている。

 この研究は『BMJ』(2024年12月17日付)に掲載された。

References: Mass General Brigham Study Finds Lower Rates of Death from Alzheimer’s Disease Among Taxi and Ambulance Drivers | Mass General Brigham

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この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. 人手不足の業界の中で、求人広告のキャッチコピーにどうぞ

    • +10
  2. 神経細胞も日常的に活性化することで老廃物の代謝プロセスが進むんだろうか。治療薬や外科的療法のヒントにならないかな。

    • +3
  3.  最初は疑って読んでいましたが、母数も大きいし、運転という職業での比較もあるし、リスクの高い人は続けられないかもという生存者バイアスも考えられていて、自分で思いつく中では最も疑いにくい条件が提示されてて、こりゃもう信じるきゃないでしょうって感じですわ。 アルツハイマー型認知症についての科学的解明やできれば治療方面への応用など今後の研究にとっても期待してしまいます。

    • +10
      1. 当てにならないなら統計学自体が廃れてるはずなんですが。
        でも現実はそうじゃない訳で。
        もう少し視野を広めてみるのがよろしいかと。

        • +6
        1. 言いたいことはわかるけど君の言う視野を広めて語るのであれば
          反ワク含め陰謀論だったり占いだが居場所を持ち続けてたり当てにならないものなんて社会に蔓延りまくってるんだから当てにならない=廃れるって前提が間違ってると思うぞw
          ネットで出回ってるアンケート結果然り今の世の中言ったもんがちでそれが当てになるならない関係ない情報過多の時代だからな

          • -7
          1. 統計学を占いや陰謀論などを同列に語るのは流石に無理があるとしか。
            こちらが言いたい事も全然理解していないと思います。
            単芝生やして他人を煽ってる暇があったら、もう少し勉強なさった方が良いかと。

            • +8
  4. ロンドンのブラックキャブの運転手は尊敬されているらしい

    • +3
    1. シャーロックでも、タクシードライバーには全幅の信頼を置いていたよね

      • +2
  5. 方向音痴の人のアルツハイマー病死亡率が高くなければ理屈にあわない説だと思う。

    • -8
  6. >たとえば、アルツハイマー病の発症リスクが高い人は、タクシーの運転のようなある程度の記憶力を必要とする仕事を長く続けられないだろうとも考えられる。
    >これについては、アルツハイマー病の発症が一般に労働年齢を過ぎてからであるため、それほど重視すべき問題ではないようだ。

    ということは、一部の人は生まれつきタクシー運転手も向かずアルツのリスクも高いってことになるよね
    職業が病気のリスクを左右するというより、そもそもある種の人々がタクシー運転手もできてアルツで死亡することも少ないて話になってこない?

    • -6
  7. バスは遅れて当然で
    タクシーや救急車は
    急がなアカンからか❓

    • -2
  8. これって実は運転関係なくて運転という外仕事で窓から日光に当たり続けてるっていう日照時間の可能性もあるよなって思っちゃったわ
    大きな窓ガラスの日照時間が多い職場の管制官もランクインしたってことで更にね

    • -1
  9. >これについては、アルツハイマー病の発症が一般に労働年齢を過ぎてからであるため、それほど重視すべき問題ではないようだ。

    そうなのか。日本だと、
    タクシー運転手って定年後のお爺ちゃんの再就職割合高め
    ってイメージあるが(実際、平均年齢57.6歳らしい)。

    とはいえ、昭和の頃だとそうでもなかったから、
    賃金水準とか他業種失業組からの転職のしやすさとか
    諸々の要因での現状なんだろうな。

    • 評価
    1. そもそも運転っていう高度な認知処理が必要で
      ミスした時のリスクも甚大な業務を
      高齢者に担わせている日本が異常なんだよね。

      高齢ドライバーの事故が社会問題化しているのにそれ
      ってのが尚更異常。

      • +1
  10. 以前、何かで都市部の職業運転手(バスやタクシー運転手)は急ブレーキや急ハンドル、乗客対応や不規則勤務等で、心疾患で亡くなる方が多いと読んだことがある。アルツハイマー病が発症する前に心疾患で亡くなる等は統計上処理されているのだろうか。

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