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オーストラリア奥地の平原に巨大な傷跡のような模様、google earthで発見

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(著) (編集)

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オーストラリアの奥地の乾燥地帯でgoogle earthにより偶然発見された傷跡のような模様この画像を大きなサイズで見る
image credit:Matej Lipar / Google Earth
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  今年初め、ある洞窟探検家がgoogle earthでオーストラリアの乾燥地帯を眺めていたとき、荒涼とした大地になにやら巨大な傷跡らしきものを発見した。

 まさかの地上絵か?と、興味を引かれた専門家たちが調査したところ、強力な竜巻の痕跡であることが判明したそうだ。

 その現場である「ナラボー平原」は、ほとんど竜巻が記録されたことのない地域だが、人間に気づかれないだけで、どうやら季節によっては竜巻が発生しているようだ。

ほとんど竜巻が観測されたことのない地域だった

 「竜巻」とは、激しく渦巻く空気の柱のことだ。それの風速は、時には時速200kmを超えることもある。

 その破壊力も凄まじく、樹木を引き抜き、建物を破壊するなど、甚大な被害をもたらす。大きな列車だって竜巻の飲み込まれればひどいことになる。

 竜巻は南極大陸以外の大陸で観察されているが、特によく発生する地域として、米国のグレートプレーンズや、インド・バングラデシュ北東部がよく知られている。

 オーストラリアでも竜巻は発生しており、例えば2013年にはビクトリア州北東部からニューサウスウェールズ州の州境にかけて風速250~300kmの竜巻が移動し、大きな被害をもたらした。

 とは言え、今回の舞台となった「ナラボー平原」は、ほとんど竜巻が観測されたことのない地域だった。

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西オーストラリア州および南オーストラリア州で1795~2014年にかけて発生した竜巻の位置。今回の竜巻による傷跡が発見されたのは赤点の位置だ/Source: Severe Thunderstorm Archive/Australian Bureau of Meteorology

グーグルアースで発見された謎めいた大地の傷跡

 「ナラボー平原」は、オーストラリア南部にある砂漠気候の広大な平原だ。

 今年初め、洞窟探検家とされる人物が、この平原にある洞窟やカルスト地形(石灰岩などが水に侵食されてできる地形)を調べるため、グーグルアースで上空から撮影された画像を眺めめていた。

 すると、そこになにやら巨大な傷跡のようなものが伸びていたのだ。

 竜巻の痕跡とされる傷跡の存在が知られるようになったのは、これがきっかけだ。

 西オーストラリア州から南オーストラリア州へと続くこの傷跡は、トランス・オーストラリア鉄道から北へ20km、旧鉄道集落であるフォレストから東北東へ90kmのところにある。

 カーティン大学のマテイ・リパル氏が、数年間分の衛星画像を調査してみたところ、どうやら竜巻は2022年11月16日~18日のどこかの時点で発生したらしかった。

 また傷跡の近くには、青い円形の模様が点在していたが、豪雨によってできた水たまりだと考えられた。

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「サイクロイドマーク」という特徴的なパターンから竜巻の仕業であることがわかる/Google Earth satellite imagery

 F2かF3の強力な竜巻、最高風速は200km超

 2023年5月にリパル氏が行なった現地調査では、さらに詳しい傷跡の様子が明らかになっている。

 この傷跡は長さ11km、幅160~250m。「サイクロイドマーク」という特徴的なパターンが見られることから、竜巻の吸引渦によって残されたのだろうとわかる。

 こうしたことから推測すると、竜巻は藤田スケールでF2かF3に分類される強力なもので、風速はおそらく時速200kmを超えていただろうという。

 竜巻が続いたのは7~13分程度。傷跡の特徴から、内側の風は時計回りに回転していたようだ。

 また竜巻は西から東へ移動したと推測されているが、これはこの地域における当時の寒冷前線の向きと同じであるという。

 なお竜巻が発生した2022年11月、この地域は濃い雲におおわれ、雨も降っていた。

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竜巻が発生した当時、ナラボー平原はひどい雷雨に見舞われていた/Matej Lipar

 幸いにして、この竜巻は人が暮らす地域を横断しなかったため、建物やインフラなどに被害が出ることはなかった。

 それでも土や植物は削り取られ、地表は大きく変形した。乾燥したナラボー平原は植物の成長が遅いため、竜巻発生から18か月経った今でもそうした傷跡がはっきり残っているのだそうだ。

竜巻による被害から社会を守るために

 ナラボー平原に残された竜巻の痕跡は、自然の力がいかに強力で予測不能なものなのかを示していると、リパル氏は語る。

 これまでナラボー平原で竜巻が観察されたのはたったの3件のみ。この地域には人があまり住んでおらず、建物やインフラの被害が発生しにくい。

 竜巻がほとんど観測されなかったのは、そのせいだと考えられている。

 興味深いことに、3つの竜巻はどれも11月に発生したものだという。ならば、この平原の竜巻は季節に関係しているのかもしれない。

 リパル氏は、今回の発見は、この僻地で発生する竜巻を理解する手助けをしてくれるだろうと述べている。

 それはそれがいつ、どのような状況で発生するのか予測することは、竜巻の被害から人々を守るためにも大切なことだ。

 この研究は『Southern Hemisphere Earth Systems Science』(2024年11月21日付)に掲載された。

References: A man scouring Google Earth found a mysterious scar in the Australian outback – and now scientists know what caused it

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この記事へのコメント 3件

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  1. まあ、災害は人の居ない地域で幾ら発生しても、被害額は出ないよな

    • +1
  2. 川とか渓谷やろ?ぐらいに思ってたら竜巻とは・・・!

    • +2
  3. 桜島の噴火も捉える、気象衛星ひまわりがなにか撮影してるかも。

    • +1

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