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花の蜜が好きなエチオピアのオオカミは、受粉を媒介し生態系に貢献していた!

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(著)

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オレンジ色の花の蜜を舐めているエチオピアオオカミの姿この画像を大きなサイズで見る
image credit:Adrien Lesaffre
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肉食獣が花の蜜を味わっているなんて、ファンタジーの世界の出来事かと思ったら本当だった。

 東アフリカ、エチオピア高地に生息する絶滅危惧種「エチオピアオオカミ」が、「シャグマユリ」のオレンジ色の花の蜜を舐めている姿が初めて記録された。

 この行動は、肉食哺乳類による初の蜜摂取行動であり、植物の受粉媒介者となり生態系に貢献している可能性が高いという。。

 エチオピアオオカミは花を次々に訪れ、1回の移動で30もの花々を訪れる個体も観察された。

甘党のオオカミの仲間。花の蜜を群れで楽しむ

 「エチオピアオオカミ(Canis simensis)」は、イヌ科イヌ属に分類される食肉類でエチオピアの高地だけに生息する絶滅危惧種のオオカミの仲間だ。

 当初は外見や生態がジャッカルに似ていることから「アビシニアジャッカル」と呼ばれていたが、最新のDNA検査によりオオカミに近いことが確認された。

 そのためアビシニアジャッカルの呼び名は、誤解を生むものとして現在はあまり使われなくなっている。

 体長は約90~100cm、尾の長さは30~40cm、体重はオスが約14~20kgで、メスが約11~15kgと、一般的なオオカミより少し小柄である。

 細身で長い脚を持ち、俊敏な動きに適した体つきをしており、全体的に赤茶色で、腹部や脚の内側は白色、尻尾の先は黒色をしている。

 耳が大きくとがっており、鼻先が細いのも特徴だ。肉食性で、小型哺乳類(主にモグラネズミやジリス)を主食とするが、今回の研究で新事実が判明した。

 今回「エチオピアオオカミ保全プログラム(EWCP)」の研究チームが目撃したのは、エチオピアオオカミが「シャグマユリ(Kniphofia foliosa)」の花の蜜を舐めて味わっている姿だ。

 個体によっては一度の移動で、30もの花々を楽しんでいたという。特定の個体の特殊な行動ではなく、複数の群れがこの花の甘さを堪能していたそうだ。

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群れ全体で花の蜜を楽しむ甘党のエチオピアオオカミ image credit:Adrien Lesaffre

観察史上初、大型肉食動物が植物の受粉を媒介

 それはただ微笑ましいだけでなく、学術的にも興味深いものだ。

 たとえば、それはエチオピアオオカミが社会的学習を行っている証拠である。なんと大人がまだ幼い子供を花畑に連れて行く様子が観察されているのだ。

 また花の蜜を舐めるエチオピアオオカミの口の周りには、花粉がたくさんくっつくこともわかった。このアオオカミがほかの花の蜜を舐めれば、口周りの花粉がその花にも付着するだろう。

 つまり彼らは、植物の受粉を助けていると考えられるのだ。

 大型肉食動物が花粉媒介者の役割を果たしているのが確認されたのは、初めてのことであるそうだ。

Ethiopian wolf feeding on nectar

絶滅の危機に瀕した大型肉食動物を守るために

 本研究の中心人物であるサンドラ・ライ博士は、「この発見は、世界でとりわけ絶滅の危機が差し迫った肉食動物について、私たちが学ぶべきことがどれほど多いかを示しています」と、プレスリリースで述べている。

 たとえば今回観察されたエチオピアオオカミの行動は、アフリカの屋根と呼ばれるこの地域の生態系において、異なる種同士が複雑な関係を織りなしていることを示しているという。

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Ethiopian wolf feeding on nectar Oxford Biology

 ちなみに、エチオピアオオカミが大好きなシャグマユリの蜜は「さわやかな甘さ」で、人間の羊飼いの子供たちからも人気なのだとか。

 残念ながら、アビシニアジャッカルはアフリカでも特に絶滅の瀕している肉食動物で、現存する個体数は500頭未満にまで減っているのだそう。

 エチオピアオオカミ保全プログラムの目的は、この希少な動物を守ることだ。

 この研究は『Ecology』(2024年11月19日付)に掲載された。

References: Sweet tooth: Ethiopian wolves seen feeding on nectar | Department of Biology / Sweet tooth- Ethiopian wolves seen feeding on | EurekAlert!

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この記事へのコメント 13件

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  1. 花の蜜を吸うのは知らなかったけど、狼って甘いもの好きだよね
    キイチゴとかも食べてるし

    • +24
  2.  色があまり派手ではないので、もともと鳥が相手ではなくて虫媒花なのかな。 だとするといい匂いがするかも~ うちにいたワンコもはちみつとかアンコとか好きだったから甘いことを知っていればなめ回すことはわからんでもないなという感想。 偶然受粉にも影響しているのか、哺乳類になめまわされることを前提の進化なのか興味深いです。

    • +13
  3. ウチの2代目🐕はシンビジュームの蕾が付くと垂れる蜜に惹かれて全部食べしまった
    それも大きくなったものから順にという感じ
    犬はかなり家畜化されてるから甘いものも食べたいのだろう
    だから花芽が上がると高いところに鉢を上げて守ってた
    あれもいい思い出、多いときは10鉢くらい移動させてたかな

    • +5
  4. 花粉が鼻にくっついて、他の花を舐めたときに媒介…ってパターンはありそうだね

    • +3
  5. 小学生の頃サルビアの蜜を吸ってたのはいい思い出。

    • +1
  6. 花にチューするジリスさんみたい かばええ

    • 評価

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