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開花すると強烈な腐敗臭を放つショクダイオオコンニャク、その臭いの秘密が解明される

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(著) (編集)

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開花したショクダイオオコンニャクの画像この画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock
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 インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生する高さ3.5mにも達する巨大な花、ショクダイオオコンニャクは5年から7年に一度しか咲かない。最短でも2年に1度、2日程度だ。

 だが開花すると強烈な動物の死体が腐ったかのような腐敗臭を放つ。そのため「死臭花」という異名を持っている。

 この臭いが科学的にどのように生み出されるのかは、長年の謎だったが、最新の研究でその臭いの成分が特定されたようだ。

 驚いたことに、ショクダイオオコンニャクは、まるで動物のように”体温”を上げて、悪臭をいっそう強烈に漂わせるという。

ショクダイオオコンニャクの腐敗臭

 インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生する「ショクダイオオコンニャク(学名 Amorphophallus titanum)」は、高さ3.5mにまで成長する世界最長の花として知られており、スマトラオオコンニャクとも呼ばれている。

 その名が示す通り巨大なコンニャク属の仲間なのだが、巨大さよりも、むしろ開花すると放つ動物の死体が腐ったような強烈な悪臭で有名だ。

 このような腐敗臭を放つのは、それによって腐った肉や糞にたかるハエのような昆虫を誘き寄せ、受粉の手伝いをさせるためだ。

 その悪臭はとにかく強烈で、誰の”鼻”にも明らか。ところが、そんな動物的な腐臭を植物であるショクダイオオコンニャクがどうやってこの臭いを作り上げているのか、これまで謎に包まれていた。

 だが米国ダートマス大学の研究チームがついにその臭いの成分を解明した。

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ショクダイオオコンニャクの花 Photo by:iStock

植物だというのに体温が上がる謎

 悪臭は強烈ながら、もしも嗅ぐことができたらかなりレアな体験をしたことになる。実際、植物園で咲いたらニュースになるくらいレアだ。

 ショクダイオオコンニャクの花は、5年から7年に一度程度しか咲かない。しかも咲いても2日くらいしかもたない。そのことが、悪臭の謎の解明が難しい理由の1つだ。

 世界最大の花と言われることもあるが実際にはその花は単一の花ではなく、いくつもの小さな花が集まったものだ。直径や単一の花の大きさでは、ラフレシアの方が大きい。

 特にショクダイオオコンニャクのものは、その軸が肉厚であることから「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれる。

 この花が非常にユニークなのは、花が咲くと、肉穂花序の温度が周囲の気温よりも10度以上も高くなることだ。

 これは腐敗臭がいっそう漂いやすくするための工夫なのだが、問題はそれが植物で起きていることだ。

 こうした熱発生は動物ならば普通にみられるが、植物では非常に珍しく、その詳しい仕組みもまた謎だった。

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植物だというのに、その花は気温より10度も温度が高くなる/Credit: Eric Schaller / Dartmouth

腐敗臭や発熱を引き起こす化学物質を特定

 ダートマス大学のG・エリック・シャラー教授らはこうした謎を解明するために、大学で栽培されている今年21年目になる、「モーフィー」との愛称で呼ばれているショクダイオオコンニャクを分析した。

ショクダイオオコンニャクの寿命は、20~40年程度と考えられている。これは植物としては比較的長寿の部類に入る。

 モーフィーが開花したのは、直近では2016年と2022年のこと。この貴重なタイミングにショクダイオオコンニャクの組織を採取し、RNA解析やアミノ酸含有量の測定を行った。

 そして明らかになったのが、ショクダイオオコンニャクが発熱や腐敗臭を作り出す際にスイッチが入る遺伝子や、それらの素となる化学物質だ。

 例えば、開花時に「代替酸化酵素」が増大することや、硫黄の代謝や輸送に必要となる遺伝子が突き止められた。

 さらに腐敗臭の素となっているのが、「メチオニン」と「プトレシン」という化合物であることもわかった。

 前者は、人間の必須アミノ酸でもあり、硫黄を含んでいる。また後者は、腐った肉の悪臭の成分である。

 こうして無事、ショクダイオオコンニャクのひどい腐臭の秘密が解明された

 今後シャラー教授らは、この「死体花」が何をきっかけに花を咲かせるのか、そうした開花のタイミングは周囲の仲間で一致しているものなのか解明したいとのことだ。

 この研究は『PNAS Nexus』(2024年11月4日付)に掲載された。

 ということで動画なら悪臭は漂ってこないので、ショクダイオオコンニャクの開花の様子を早回しで見てみよう。

References: Scientists crack the mystery of why the corpse flower smells like death | Popular Science

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1. 知りたいか?臭いにおいの秘密を・・(´∀`*)ウフフ

    • +1
  2.  花弁?ガク?花びら見たいな部分って一回しか開かないみたいに見えます。 できればしおれるところまで見たかったです。 ショクダイオオコンニャクって、漢字にすると燭台大蒟蒻なのかな。 コンニャクのほうを読めないw

     臭いってなかなか成分がわからないのですね。 あたりをつけて、それが含まれているかとかはガスクロマトグラフィーなんかでわかると思いますが、そもそも何の成分ってところのあたりをつけるところが難しいのでしょう。 でもニオイでということは虫媒花ってことでタネとか興味がありますが、画像検索したらトライポフォビアな人には勧められない結果がでました。 見た感じ、風に吹かれてじゃなくて、動物に食べられて広がりそうな感じです。 勉強になりました。

    • +5
  3. ドレープが綺麗な花やね
    好奇心で嗅いだら後悔するやろか

    • +11
  4. 熱を発するのか本当に燭台みたい
    臭いだけでなくて熱に反応する虫もいるのかな
    あとショクダイオオコンニャクって和名がなんとなくきれいで好き
    英名訳すると巨大イモでそのまんまやんと思った

    • +11
    1. 記事では発熱するのは臭いの拡散を促すためとされてるけど
      蚊みたいに動物の体温を感知して寄ってくる虫もいるから
      発熱自体による誘因効果もあるかもね。

      • +11
  5. 臭いとわかっていて臭いを嗅いで倒れてのたうちまわりたいw

    • +7
  6. 動物が動いて暖かくなることへは違和感がなくても、
    植物が温かくなるのは不思議に感じるけど、化学薬品が熱持つことと同じよね

    • +11
  7. 後方より高熱源体接近! くくっさっさーーー😱

    • 評価
  8. 発熱するのか
    どれぐらい温かいのかさわってみたいな

    • +10
    1. インドネシアの平均気温は約28℃らしいのでそれより10℃高いなら湯上がりの人肌くらいかな
      結構ホカホカだね

      • +11
  9. 植物なのに擬音のムッワァァァ…を再現して
    生存戦略にしてるのすごい

    • +8
  10. こういう花が咲く間隔が長い植物は一度花が咲いたら全部枯れてしまうイメージだったけど何回も咲いてくれるんだね。

    • +4

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