この画像を大きなサイズで見るもはや人間の生活圏での暮らしにすっかり適応し、原産国のアメリカではどこにでも出没するアライグマだが、時にうっかりやらかしてしまうことがある。
マサチューセッツ州で若いアライグマが、雨水排水溝の格子に頭を挟まれ、抜けなくなっているのを通行人が目撃した。
アライグマがいつからこの状態になっていたかはわからない。だがかなり苦しそうなのは確かだ。うるんだ瞳で「助けて…」と言わんばかりに人間を見つめていたという。
目撃者はすぐに野生動物センターに通報したが、あいにく多数の緊急救助に対応していたため、すぐに行くことができなかった。
すると、地元の警察や消防などの救急隊員たちが駆け付け、地域総出の救出作戦が開始された。
排水溝の格子に頭が挟まったアライグマ
マサチューセッツ州ボーンで、通行人が目撃したのは、雨水排水溝の鉄格子に頭が挟まり、身動きが取れなくなったアライグマだ。
その若いアライグマは苦しそうな表情を浮かべ、格子の棒を爪で強く握りしめていた。
目撃者はすぐにニューイングランド野生動物センター(NEWC)に通報したが、不運なことに、その時は別の3件の緊急対応が重なっており、すぐに駆けつけることができなかった。
地元の警察、消防隊らが結集し救出作戦を決行
この事態を知った、ボーン天然資源局、ボーン消防署、ボーン警察署、ボーン公共事業局の救急隊員や警察官たちは、現場に集結して状況を確認し、救出作戦を決行する。
アライグマが挟まった状態のまま、地面から排水溝の鉄格子を取り外す作戦だ。
隊員たちは協力して重い鉄格子を持ち上げ、排水溝から取り外すことに成功。鉄格子ごとアライグマを野生動物病院へと急いで搬送した。
この画像を大きなサイズで見る病院の駐車場での緊急救出作戦。油とゴミ袋で無事に解放
首に鉄格子をつけたアライグマが病院に到着したとき、スタッフは、この小さな子がすでにどれほどの恐怖と苦痛に耐えてきたのかを思い心を痛めた。
獣医チームは病院の駐車場ですぐさまアライグマに鎮静剤を投与し、できるだけ優しく頭を格子から外す作業に取り掛かった。
この画像を大きなサイズで見る食用油(キャノーラ油)とプラスチックのゴミ袋を使って摩擦を極限まで減らし、小さな格子の穴から頭をすり抜けさせる作戦だ。
数回の試みの後、10分以内にはアライグマを鉄格子から解放することに成功した。
この画像を大きなサイズで見るその後、眠っているアライグマの徹底的な健康診断が行われ、脱水症状を防ぐための水分補給と炎症を抑える薬が投与された。
やがて意識が戻ると、アライグマは四肢と首をしっかりと動かし始めた。
完全に目が覚めた頃には、元気に遊びまわるほど活発になり、今回の試練などすっかり忘れているようだったという。
現在は屋外の囲いの中に移され、野生に戻る日に向けて毎日健康状態を確認している。
この画像を大きなサイズで見るアライグマに差し伸べられた温かい手
アライグマはアメリカを原産とする野生動物だ。非常に適応能力が高く、人間の居住区に住み着いて、ゴミをあさったり家屋に侵入したりと、厄介な問題を引き起こすことも多い。
日本においても、持ち込まれた個体が野生化して農作物などに被害を与えるため、特定外来生物として害獣に指定されている。
だが、目の前で命の危機に瀕し、助けを求めている姿を見たら放っておけないのが人間だ。
そもそもアメリカの場合は原産国であり、アライグマの生息域に人間が奪っていったという経緯もある。
人間に危害を加える危険性があれば処分対象にはなるが、窮地に瀕していれば全力で救う。そんな共存の方法なのかもしれない。
アライグマが鉄格子に挟まる事案は2019年に紹介しているが、そちらもマサチューセッツ州だったね。 その時も消防隊員たちと野生動物センターにより無事救助された。
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