この画像を大きなサイズで見る魚醤のニオイを嗅いだことはあるだろうか。魚醤とは、ナムプラーやニョクマムなど、魚介類と塩を主な原料にして発酵・熟成させた液体調味料のことで、生臭さや独特の発酵臭がある。
カナダ東部の小さな町で、魚醤を作る工場が閉鎖され、タンクに放置された100万リットルもの魚醤が腐敗し、強烈な悪臭が、周辺の住民を悩ませてきた。
そして2026年7月28日、町が長年求め続けてきたこの魚醤の撤去作業が、ようやく開始された。
だが、すべてを運び出すには約200台分のトラックが必要で、作業は同年10月まで続く可能性があるという。
参考文献:
- 1ROLLO — Autonomous Robot Security Guard
町に繁栄をもたらすはずだった魚醤工場
問題の工場があるのは、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州にある人口約300人の町、セント・メアリーズである。
この街で1990年に操業を開始したのが、魚醤を製造するアトランティック・シーフード・ソース社の工場だった。
当初この工場は地域に雇用を生み、経済的な繁栄をもたらすと期待されていた。しかし、法的問題や規制を巡る争いが続き、10年後には所有者が現場を離れ、工場は事実上放棄された。
この画像を大きなサイズで見る廃工場となった建物の中には、カラフトシシャモと塩を発酵させて作る魚醤の原料が、そのまま残されていた。
今回、撤去作業を担当するシャープ・マネジメント社のオーナー兼主任技術者、グレン・シャープ氏は、タンクの中身について次のように説明している。
これはカラフトシシャモと塩を発酵させたもので、20年間タンクの中に入れられたままになっていました
工場には約110基のタンクがあり、各タンクにはそれぞれ約3,000ガロン、つまり約1万1,400リットルの発酵液が入っていたとされる。
この魚醤は工場の閉鎖後も、タンクの中にそのまま残され、細菌の働きによる発酵が続いていたのである。
この画像を大きなサイズで見る風が吹くたび町を襲う強烈な悪臭
放棄された工場は、年月が経つうちに老朽化も進み、荒廃していった。窓ガラスが割れ、屋根が吹き飛ばされ、2026年1月には強風によって壁の一部が崩壊した。
この時、タンクや建物の内部が外気にさらされたことで、周辺に猛烈な悪臭が広がってしまったのだ。
もともとセント・メアリーズでは、以前からこの悪臭による健康や環境への影響が懸念されていた。町長のスティーブ・ライアン氏は、その臭いをこう表現している。
人生で嗅いだ中で最悪の腐った魚の臭いを、さらに100倍にしたようなもの
どんな臭いか、みんなは想像できるだろうか。シュールストレミング的な感じなのか?
ライアン氏は1990年に高校を卒業した後、この工場で短期間働いた経験を持つという。町長に就任してからは、この廃工場の撤去を求め続けてきた。
今では「魚醤工場の町長」という二つ名をいただくほど、この問題に熱心に取り組んできたライアン氏だが、ようやくこの名前を返上する時が来たようだ。
町は州政府に処理費用を負担するよう何年も働きかけてきた。ライアン氏は、その道のりを長い「闘い」だったと振り返っている。
本当に肩の荷が下りました。どこへ行っても門前払いでした。私たちは忘れ去られていたんです
この画像を大きなサイズで見る撤去費用は約1億9,000万円、町も借金で一部を負担
撤去事業にかかる費用は、170万カナダドル(約1億8,900万円)と見積もられており、その大半をニューファンドランド・ラブラドール州政府が負担する。
セント・メアリーズの町も、このうちの19万8,000カナダドル(約2,200万円)を一時的に拠出することとなり、そのための借り入れを行った。この町負担分は、後日返還される予定だそうだ。
ライアン氏は、行政の支援を得られないまま長年取り残されてきた町の状況について、次のように話した。
私たちは本当に小さな町で、ずっと自分たちだけで何とかするしかありませんでした。何年もの間、誰一人、私たちを支えてくれる人はいませんでした
それでも町が訴えをやめなかった理由については、こう続けている。
それでも私たちは何度でも声を上げ続けました。自分たちが求めていることは正しいと分かっていたからです
だが、カナダの連邦政府は今回の費用を一切負担していないという。ライアン氏はその点について、「正直、そのことには少し腹が立っています」とも述べている。
この画像を大きなサイズで見る魚醤に泥炭を混ぜ、約200台のトラックで搬出
悪臭を放つ魚醤の撤去作業は、まずタンク内の液体を吸い出して、泥炭を混ぜることからスタートする。
この泥炭に液体を吸収させ、運搬しやすい状態まで固形化した後、大型ホースを備えたトラックで搬出する計画だ。
処理される液体は約100万リットルに上る。やむを得ないこととは言え、腐敗が進んだ中身を吸い出す際は、一時的に悪臭がさらに強まる可能性もあるそうだ。
シャープ氏は今回の廃棄物について、通常の処理現場では見られないものだと説明する。
これは非常に特殊な仕事あり、特殊な廃棄物なんです。通常の標準的な分類には当てはまりません
固形化された廃棄物は近隣の町にある処分場に運ばれ、容量2,000立方mの専用区画に埋設される予定とのこと。
この区画には、埋立地で使用される高密度ポリエチレン製のシートを敷かれ、搬入完了後には密閉され、その上を表土で覆う予定だ。
シャープ氏によると、搬入先は州内で有機系廃棄物を受け入れるよう指定された唯一の埋立地であるという。
確かに非常に強い臭いですが、最終的には完全に密閉されます。ジップロックの袋を閉じるように密封します。すべて埋設し終えれば、臭いが漏れることはありません
すべてを運び出すには約200台分のトラックが必要で、作業は2026年10月まで続く可能性があるそうだ。
この画像を大きなサイズで見る州政府は最後まで撤去事業を続けると表明
撤去開始に合わせてセント・メアリーズで開かれた集会には、住民や行政関係者が集まり、魚醤を積んだ最初のトラックが町を離れる様子を見守った。
ニューファンドランド・ラブラドール州の環境・気候変動担当大臣、クリス・ティブス氏は、長年にわたり撤去を求めてきたライアン氏に感謝を述べ、州政府が事業を最後まで進めると約束した。
州政府として、この事業に関われることを大変うれしく思っています。そして最後まで責任を持ってやり遂げます。
この問題が終結し、セント・メアリーズの人々が、魚醤から自分たちの町を取り戻せる日を楽しみにしています
地元を代表する州議会議員、シェリー・ギャンビン=ウォルシュ氏も、撤去開始を地域にとって重要な一日だったと評価した。
だが一方で、作業が始まっただけで問題が完全に解決したわけではないとして、今後も住民への情報提供を続けるよう求めている。
今日は前進を祝う日ではありますが、私たちの仕事はまだ終わっていません。事業が進む間も、セント・メアリーズの住民には、政府から継続的でわかりやすい情報提供が行われるべきです
そもそも「魚醤」ってどんなニオイ?
今回、悪臭のもととなった「魚醤」とは、魚介類を大量の塩とともに長期間発酵・熟成させて作る液体調味料である。
発酵の過程で魚のたんぱく質が分解され、うま味成分となるアミノ酸が生まれる。タイのナンプラーやベトナムのニョクマムがよく知られているが、日本にも秋田県のしょっつるや石川県のいしるなどがある。
この画像を大きなサイズで見るではなぜカナダのこんな小さな町で、魚醤が作られていたのだろうか。
この工場主のサーン・ゴー氏は、1975年にベトナムからカナダへ渡った人物で、ベトナムの魚醤の産地フーコック島を訪ねるなどして、その製法を学んでいた。
当時、このセント・メアリーズにある水産加工場では、メスのカラフトシシャモから採取した卵をマサゴとして日本へ輸出していた。一方で、商品価値の低いオスは、廃棄されることも多かったという。
ゴー氏は、このオスのシシャモを塩とともに発酵させ、ベトナム式の魚醤、ニョクマムとして商品化することを思いついたのだそうだ。
この画像を大きなサイズで見る魚醤のニオイを嗅いだことのある人にはわかると思うが、けっこうな魚臭さがあって、苦手な人、魚のニオイに慣れていない人にはきついかもしれない。
この工場で作られた魚醤は、おもにベトナム系のコミュニティや国外向けの市場を想定していたとされている。
製造中も独特の発酵臭を伴う魚醤だが、セント・メアリーズの住民にとっては、もともとあまり馴染みのないニオイだったのかもしれない。
このようにかなり強烈なニオイをもつ魚醤の原料が、20年も放置されて発酵・腐敗していたわけだから、その悪臭は想像を絶するものだったはず。
さらに撤去作業時にはその強烈さが増す可能性があるというから、周辺住人のはもちろんだが、実際に撤去を行う作業員たちも、バイオテロのような悪臭にさらされながらの作業になるわけだ。
下手をすると10月までかかるかもしれないという、この過酷極まりない撤去作業。あとしばらくの辛抱とはいえ、健康に気をつけて頑張っていただきたいものである。
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References: Rotten fish sauce that has stunk up a small Canadian town is finally being removed / Decades in the making, work begins to remove rotten fish sauce from St. Mary's plant | CBC News

















シュールストレミングも魚を発酵させたもんだもんな。
やばすぎ
ガチで魚の生臭さは昏倒するからな
覚悟決めて一定期間曝気でもしたほうがマシだったかも
魚醤に罪はない。
人って臭いと音は我慢できないのによく我慢できたと思う とにかく無くなる方向で良かった
においは慣れる
日本でも製紙会社の地域は特殊なにおいが充満していて新参者はとても住めないが、住民はさほど気にしない
魚礁だとしたら、たぶんシュールストレミングよりくさや原液の方が近いんじゃないかな。まあ嗅いでないからわかんないけど。
20年間って笑 引っ越そうよそれは
しかも固形化して埋設って本当に核廃棄物みたいな扱い笑
でもよかったね汗
カンボジアの魚醤を作ってる村へ行ったことがあるが 滞在時間5分で退散したよ
くさやの匂いをイメージしたけど、
あっちは定期的に新しい魚を漬け込んだりして手が加えられているのに対して、
今回のは完全に放置か・・・
もっと強烈な臭いがしそう
規制を緩和して新しいビジネスを促すのも考え物
メガソーラーで森林破壊、土石流を起こしては
トータルでマイナスかもしれない
>魚醤から自分たちの町を取り戻せる日
なんか一昔前の短編SF小説に出て来そうなセリフ
二十一世紀のインスマス。
ご飯前に見るんじゃなかった、
画面越しに臭い
まあ、日本でも漁港周辺は加工場も多く鼻が曲がりそうになるよな
地域住民の勘定もあるから、地名を出すのは控えておく
ぼっとん便所同様にポンプ車で汲み取って
陸地が見えないくらいの沖合まで運んで海洋放出
これがベターだったんじゃなかろうか…(´・ω・`)
100万lだからなぁ出来るならそうだけど途方も無い
埋めた後もガスが出そうだがある日ドカンとはいわんのだろうか
もちろん何か策はあるんだろうけど
石油タンカー1隻で3億リットルだってさ。よゆーよゆーw
さんまを数年以上も熟成という名の放置プレイされたものを
掃除した時は本当に臭くて冷蔵庫ごと廃棄した
置いたのは外注の奴なのに俺が掃除ってひどいぜ
🐟 「そんなことあらへ・・、ほんまやぁ~!」
ラヴクラフトが漁村や港町に感じた名状しがたき嫌悪感の正体は、案外こういったものだったのかもしれない
美人なんだけど…ベッドに入ってから後悔することって、たまにあるよね
で『2回目はお風呂でしよう』て言うんだ
それ自分だと気が付かない奴な。
上手に寝かせた魚醤ならめっちゃおいしくなってたのに・・・
>ベッドに入ってから後悔
逆に臭いのが好きな人もいるからねぇ。
匂いフェチというのかな。
日本人は無臭が好きな人が多いけど。
冬に処理した方が良かったかも知らん、気温が低い方が臭いが広まらないから。
それともここは、冬になってもあまり気温が下がらないんだろうか。
醤油とかの製造を巡る食品衛生の基準で揉めたのかな
そのとき安全を確認し許可してればこのような出費は無かったのに
地元がまだ街だった頃廃墟になったたくあん工場が十数年間臭ってた。
魚の無駄死にだよなぁ
ホント人間てやつは……
>水産加工場では、メスのカラフトシシャモから採取した卵をマサゴとして日本へ輸出していた。
日本も関係してたのか
臭気対策に成功して、産業廃棄物を有効利用し、雇用も生みだせたらどんなに良かったろう
小さな町の人達が気の毒でならない
古代ローマでも「ガルムの製造所は町の近くに建てないこと」てルールがあったくらい魚醤製造は臭かったらしいね。
発酵モノだから仕方ないけど。