この画像を大きなサイズで見る2026年7月。イギリス・スコットランドの朝の空を、悠々と飛ぶ巨大なドラゴンの姿が目撃された。
なんとも非現実的なその光景は、空を見上げた人たちを、突然異世界に迷い込んでしまったような気分にさせるものだった。
誰もがスマホを持っている時代、この光景を撮影した動画が次々とSNSに投稿され、ネットでは「あれはいったい何だ?」と大騒ぎに。
実はこのドラゴンは、人気テレビシリーズの『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』にインスパイアされた、実物大の空飛ぶドラゴンの模型だったのだ。
早朝のグラスゴーの空を悠々と舞う「ドラゴン」
2026年7月21日の早朝、スコットランド・グラスゴーを流れるクライド川の上空に、翼を羽ばたかせながら飛ぶ巨大なドラゴンが出現した。
地元の放送局STVでラジオ部門のDJを務めるユアン・キャメロンさんは、職場に向かう途中でこの奇妙な光景を目撃し、その様子を撮影して自身のXに投稿した。
すると「自分も見た!」という目撃情報が相次いだ。STVのプレゼンター、ハンナ・カーマイケルさんも、職場の窓からこのドラゴンを目撃したそうだ。
ニュースルームの窓からこれを見つけたんです。目の錯覚かと思いました。誰も私の話を信じてくれなかったんです
翌22日にもドラゴンは再び姿を現した。この日は、クライド川沿いにある大型イベント施設「スコティッシュ・イベント・キャンパス(SEC)」周辺を飛行。
大型アリーナ「OVOハイドロ」や、特徴的な外観で知られる「SECアーマジロ」ホールの上空にも姿を現したという。
この時点ではドラゴンの正体が明らかにされていなかったこともあり、SNSではさまざまな憶測が飛び交った。
- ドラゴンだって? そんなバカな! この辺りじゃ、もう1000年もドラゴンなんて見かけてないぞ…
- ドラゴンって1500年代くらいまではいたんじゃないかな。その後、人間が殺しまくったせいで、ほとんど絶滅しちゃったんだと思う
- ドラゴンだって? バカバカしい。この辺りではここ千年くらい、ドラゴンなんて見かけないぞ
- クソ、タイムマシンがあったら、中世の人たちのところに行ってこれでいたずらしてみたい。
- 神話に出てくる出来事って、実は全部、超高度な文明を持った種族が人間をからかってただけだったりして
- 『スカイリム』を始めたばかりの頃は、現実で歩いたり車を運転したりしてても、頭上を鳥の影が横切るとビクッとしてたな
- 尻尾を撃ち落とせ! そうすれば序盤を楽に進められる、かっこいい剣がアイテム欄に追加されるはずだ
- これはドラゴンじゃなくて、間違いなくワイバーンだ。ドラゴンには足が4本あるけど、ワイバーンには2本しかないんだよ
サッカーファンの間では、グラスゴーを本拠地とするレンジャーズFCが、新しい選手との契約を発表するための演出ではないかという説まで登場した。
スポーツ大会と人気ドラマのプロモーションだった
実はこのドラゴンの飛行は、翌23日から開幕した「コモンウェルスゲームズ」を盛り上げるために行われた、一種のプロモーションだったのである。
コモンウェルスゲームズとは、イギリス連邦に属する国や地域が参加して4年ごとに開催される総合競技大会のことだ。
いわば「イギリス連邦のオリンピック」とでも言うべきもので、2026年は7月23日から8月2日までの予定で、グラスゴーで開催されている。
そして大空を飛ぶドラゴンの正体は、HBOの人気ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場する「シアラックス」を模したものだったのだ。
この 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、世界的な人気を博したファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚にあたる作品だ。
ジョージ・R・R・マーティンの著書『炎と血』を原作とし、『ゲーム・オブ・スローンズ』で描かれた時代のおよそ200年前を舞台に、ドラゴンを操るターガリエン家をめぐる物語が描かれている。
今回空を飛んだ「シアラックス」は、エマ・ダーシー演じるドラマの主人公「レイニラ・ターガリエン」が騎乗するドラゴンである。
ドラマで使われた3Dデータを使用して、画面の中の「シアラックス」を可能な限りそのままの姿で、現実の空へはばたかせようと試みられた。
この「シアラックス」は、ドラマのシーズン3の開始に合わせて製作されたものであり、実は現実世界の空を飛んだのは、今回のグラスゴーが初めてではない。
6月21日にはロンドンのテムズ川上空を飛行。ロンドン塔やタワーブリッジを背景に翼を広げる姿が、一足早く披露されていたそうだ。
3か月・約3000時間かけて作られた空飛ぶドラゴン
この「シアラックス」を製作して命を吹き込み、実際に空へ飛ばしたのは、ドイツ南部を拠点とするAirstage社である。
同社はイベントやショー向けの遠隔操作式飛行模型を専門とする会社で、空飛ぶ自動車やイルカ、クラゲなど、さまざまな形状の物体を飛行させてきた。
今回飛行した「シアラックス」は、翼の幅が約8mもあるにもかかわらず、重量はわずか13kg程度しかない。
電動モーターとプロペラによって飛行し、炭素繊維を使った軽量な仕掛けで巨大な翼を羽ばたかせているんだそうだ。
さらに機体各部は小型の高精度モーターで動かしており、首や頭、尾などを含む23カ所を、地上からそれぞれ遠隔操作することが可能である。
ただ単に空を飛ぶだけでなく、首を動かし、頭の向きを変え、尾を振り、翼を羽ばたかせるという、まるで生きたドラゴンのような動きを作り出せるのだ。
製作には14人からなる専門のチームが携わり、完成まで約3か月、作業時間は約3000時間に及んだという。
操縦を担当したAirstage社のデニス・グトウスキーさんは、「シアラックス」を飛ばすには、かなりの練習が必要だと語っている。
彼は普段からラジコン飛行機を飛ばしているが、このドラゴンを操縦するのは全く異なる経験だったそうだ。
Airstage社によれば、ロンドンでの飛行を成功させるまでに、7回以上のテスト飛行が行われたんだとか。
レオナルド・ダ・ヴィンチの飛行機械から着想
また、同社の説明によると、「シアラックス」開発の中心となった人物は、レオナルド・ダ・ヴィンチが残した飛行機械の構想から着想を得たという。
ルネサンスの天才ダ・ヴィンチは、「空を飛ぶ」ことに強い関心を持ち、鳥の飛び方を詳しく研究していた。
そして、翼を羽ばたかせて飛ぶ「オーニソプター」と呼ばれる飛行機械を構想し、そのスケッチも残している。
ダ・ヴィンチの時代から500年以上の時を経て、炭素繊維やモーター、遠隔操作技術などを組み合わせ、巨大な翼を羽ばたかせながら飛ぶドラゴンが実現したのだ。
この画像を大きなサイズで見るグトウスキーさんは、このプロジェクトで特に気に入っていることを聞かれると、次のように答えていた。
私が一番好きなのは、若い人たちに刺激を与えることです。誰もがエンジニアになって、このような大きなプロジェクトに取り組むことができるんです。
そして(完成した)ドラゴンを見た人たちが、「わあ、なんて美しいんだ!」と感動してくれるんですよ
CGやAIでどんな映像でも作れるようになった今、あえて巨大な機械仕掛けのドラゴンを作り、本当に空へ飛ばしてしまう。
500年以上前にダ・ヴィンチが空を飛ぶ機械を夢見たように、この「シアラックス」にはエンジニアたちの夢が詰まっていたのかもしれない。
















これはあれだな、燃えよ、ドラゴンズ
を歌ってた、板東英二の魂が昇天してる
所やな、、
膝に矢を受けてさえいなければ、俺が倒しに行ったのだが
3ヶ月で3000時間も費やすなんてまさに異世界