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超高速回転によりほぼ消えるドローンを開発

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(著)

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Image credit:Northwestern University
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 飛んでいる姿がほぼ見えなくなるドローンが開発された。

 アメリカのノースウェスタン大学の研究チームは、回っている扇風機の羽根が透けて見える仕組みを利用し、機体そのものを高速で回転させることで、人の目にはうすい小さな雲のようにしか映らないドローンを作り上げた。

 ただしプロペラが立てる甲高い音は残っているため、音で気づかれてしまうという弱点を解消するのが今後の課題となっている。

 この研究成果は『Robotics: Science and Systems 2026』で発表された。

参考文献:

回っている扇風機の羽根が透けて見える理由

 回転している扇風機の羽根の向こう側は、なぜか透けて見える。

 人間の目には、入ってきた光を50mm秒から150mm秒ほどかけてためこんでから、ひとつの映像としてまとめる性質がある。

カメラのシャッターを開けている時間と同じようなもので、その間に動いたものはすべて重なり合って記録される。

 羽根が1秒間に何十回も通り過ぎると、目は羽根1枚ずつの形を捉えきれず、通った跡をぐるりと平均した薄い膜として認識する。

羽根の色と背景の色が混ざり合った結果、羽根は半透明の輪になり、向こう側が見えるようになる。

 ノースウェスタン大学のエマ・アレクサンダー助教は、物体が速く回転すると、人はその物体がぼやけて細かい特徴を失っていくように感じると説明している。

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Image by Istock / CentralITAlliance

扇風機をヒントに機体がほぼ見えなくなるドローンを開発

 これまでドローンを見えにくくする研究は、機体の見た目を周囲に似せる方向で進められてきた。周りの景色に合わせて色を変える迷彩や、透明な素材を使う方法がその代表となる。

 研究を率いたマイケル・ルーベンスタイン准教授は、扇風機が透けて見える現象をヒントに、人間が見えにくくなるドローンを設計できないかと考えた。

 ただし、扇風機と同じ状態をドローンで作るには壁がある。

 一般的なドローンは、4つのプロペラが回転しても、それを支えている本体は空中で静止したままだ。

 透けて見えるのは回っているプロペラだけで、止まっている本体はそのまま目に映ってしまう。

 そこで開発されのが「ファントム・ツイスト(Phantom Twist)」だ。

 このドローンは、モーターとプロペラをそれぞれ1つしか持たない。プロペラが一方向に回ると、その反動で機体の残り全部が反対方向に回転する。

 飛行中は1秒間に15回から25回のペースで機体全体が回り続け、静止している部分がどこにも存在しなくなる。

 扇風機の羽根に起きていた現象が、機体全体に起きるのだ。 

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Image credit:Northwestern University

回転しても重ならない部品配置

 機体を回しさえすれば消えるわけではない。

 バッテリーやモーターといった光を通さない部品は、回転中に互いに重なると濃い影となって残り、輪や帯の形をはっきりと浮かび上がらせてしまう。

 そこで研究チームは、部品をどこに取り付けるかをコンピューターに探させた。

 まず安定して飛べる配置を約2万通り作り出し、それぞれについて機体が回転し

 ながら飛ぶ様子を計算で再現した。再現した映像を100種類の実際の風景写真に重ね、人間の見え方に近い形で目立ちやすさを点数にする仕組みで採点していった。

 点数の低かった500通りをさらに細かく調整した結果、部品を高さも角度も変えて広く離して置き、回転しても互いに重ならない配置にたどり着いた。

 設計の過程はすべて自動で進められ、条件を満たす形が決まってから実際に組み立てられた。

 完成した機体は、飛ぶとはっきりした輪郭を失い、うっすらとした半透明の雲のような姿になる。

 同じ採点方法で比べると、従来型のドローンよりおよそ10分の1しか目立たなくなっていた。

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Image credit:Northwestern University

課題は甲高い音と光、野外を飛ぶための仕組み

 ただし姿は消せても、音はまだ消せていない。ドローンはプロペラが回る甲高い音は、たとえ姿がぼやけていても場所を特定されてしまう。

 さらに、部品同士をつなぐ細い棒や配線もわずかにまだ見えており、強い光の下では、回転にともなうちらつきが見えることもある。

 現在のファントム・ツイストは屋内でしか飛べない。機体の位置は外部に設置した装置が測っており、そのデータを受け取ることで飛行が成り立っている。

 研究チームは、より透明な素材を使い、より静かに飛ぶ仕組みを組み込んだ改良型の設計を進めている。

 研究チームが想定しているのは、野生動物の観察、環境調査、インフラ点検での使用だ。

 ドローンが目に入るだけで、人も動物も普段どおりにふるまわなくなってしまうため、気づかれないようにすることが重要だという。

 とはいえ動物は音や気配に敏感なので、近づくことは難しいかもしれない。

 となると軍事用途が思い浮かんでしまうが、資金提供は米国立科学財団(NSF)であり、国防系は関与していない。

 全く無音で風もなく姿も見えないドローンを作るのは相当難しいだろうが、もしできたらそれはそれで恐ろしくもある。

References: doi.org/10.48550/arXiv.2605.11296

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. つまりドロンと消え…すいません反省します

    • +28
  2. カートゥーンの世界じゃん
    なんとかデビルってやつそっくり

    • 評価
  3. おお、本当に透けて見える
    これは面白い
    音を消すには・・・逆位相の音をぶつけてやるとか?

    • +8
  4. 閃いたからちょっと俺の足にモーター付けてくれ

    • +3
    1. いいけど君ローターと逆方向に回転しないといけないよ?

      • +3
  5. これを猫の前に飛ばすと面白いぞ
    多分大喜びだ

    • -2
  6. 音が消えたとしても何かと衝突したら墜落する
    ドローンが飛んでることに気がつかず人間がぶつかったらその場で落ちるだろうな

    • -3
  7. 見えないドローンとか
    ろくでもないことにしか使えない気がするけどな

    • +18
  8. 砲撃やら銃声やら爆発音、その爆雲の中を飛べばかなり見つからないだろう
    兵士達はすぐに耳を悪くするので、さらにだ
    ただ何が出来るかは???
    爆薬仕込んで、士官を退場させるしか思いつかない

    • +6
    1. 本体というか固定される部分が大きいと見えちゃうもんねえ
      パイプに沿わせて火薬貼り付けて超速ねずみ花火にする?

      • +2
  9. 何事もトライアンドエラーだと思うから否定的には捉えないが、大間違いのトライをよく恥ずかしげもなく自慢できるな

    • -19
  10. 逆に考えてうっすら見えるのをモザイク、飛行中の爆音をP音代りにすればリアルを編集済みにできるな

    • -4
  11. つまり超速回転すれば消える魔球が実現できると

    • +2
  12. 音まで消したら軍事用途しか思い浮かばないんだが
    他に使う方法って何があるんだろう

    • +5
  13. ウルトラマンでジャミラが乗ってきた円盤がこんなんだったな

    • +5
  14. 軍用は無理だろうな。音を消した所で熱探知はされるだろうし、攻撃用途ならミサイルや機銃まで四六時中ぶん回してなきゃいけない。本当に、動物の観察実験で使うぐらいしか用途がなさそう。面白いけどね。

    • +2
  15. ステルス自爆ドローンとかもう非人道的すぎるな

    • +2

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