メインコンテンツにスキップ

Googleでカラパイアを「お気に入りサイト登録」

中国で自動運転ロボタクシーが路上で100台以上一斉に停止。交通障害を招く

記事の本文にスキップ

33件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit: X @HamdiCelikbas
Advertisement

 2026年3月31日夜、中国・湖北省武漢市で、街中を走っていた自動運転のロボタクシーが、突然その場で動きを止めるという事案が発生した。

 それも1台や2台ではない。なんと100台以上もの車両が、ほぼ同時に路上で立ち往生してしまったのだ。

 タクシーに乗っていた利用者の多くが、交通量の多い道路に取り残されてしまい、中には1時間半も外に出られなかった乗客も。

 原因については「システム障害の可能性」と発表されているが、詳しい経緯や今後の対策などの説明はいまだに行われてない模様だ。

都市部を走るロボタクシー100台以上が一斉に停止

 武漢市公安局交通管理局によると、この日の20時57分以降、市内を走るロボタクシーが突然動かなくなったという通報が相次いだ。

 今回停止した車両は、中国のIT企業「百度」が展開する自動運転配車サービス、「Apollo Go(蘿蔔快跑)」のロボタクシーである。

 この状況は武漢市内の各所で発生し、停止した車両の数は100代以上に上るという。また一部のタクシーは、高架の環状道路(都市高速に近い)で動けなくなってしまったそうだ。

 交通量の多い状況の中で車両が停止したため、乗客の救助や車両の移動には、Apollo Goのスタッフはもちろん、警察も出動して対応に大わらわとなった。

 その後の警察の発表によると、幸いなことに負傷者は報告されておらず、乗客は全員安全に車外へ避難したそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: X @HamdiCelikbas

1時間半にわたって車内に閉じ込められた乗客も

 だが、避難は必ずしもスムーズに行われたわけではないらしい。ある乗客は90分間タクシーの中に閉じ込められたといい、その時の状況を自身のSNSに投稿した。

ロボタクシーのカスタマーサービスに電話しましたが、最初はまったく繋がりませんでした。

その後何度もかけ直しましたが、どの担当者も「専門スタッフを派遣した」と言うばかりでした。

22時30分を過ぎたころ、私の救助要請はキャンセルされてしまい、私は高架道路の上で、周囲をダンプカーに囲まれたまま取り残されてしまったんです

 この乗客は後に救出されたが、Apollo Goのカスタマーサービスについて、「緊急時の対応策ではなく、役に立たない決まり文句ばかりだった」と批判している。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: X @HamdiCelikbas

 別の乗客は、車内のモニター画面に、次のようなメッセージが表示されたと話している。

運転システムに不具合が発生しました。5分以内に、当社のスタッフが到着する予定です

 だがいくら待っても誰も来なかったため、この乗客はSOSボタンを押した。だが、画面には再び助けが向かっているとのメッセージが表示され続けたため、最終的に自力でドアを開け、車両から脱出したという。

 また、ドアは開いたものの、周囲の交通状況から安全に降りることが難しく、警察に支援を求めたり、長時間車内で待機することを余儀なくされた人もいたそうだ。

 幸いにして乗客にケガ人は出なかったが、停止した車両が道路をふさいだことで、後続車の追突事故が起きたとの報道もある。

 中国のSNSには、通りすがりのドライバーたちが撮影した、立ち往生したロボタクシーの映像が複数投稿されている。

Baidu driverless taxis freeze in citywide breakdown

世界各地で普及し始めた自動運転のロボタクシー

 Apollo Goは百度が運営する自動運転タクシーの配車サービスである。利用者がアプリでタクシーを呼ぶと、自動運転のロボタクシーが目的地まで運んでくれる。

 百度によると、2026年2月時点で、Apollo Goの累計利用回数は2,000万回超、展開都市は26都市、自動運転の累計走行距離が3億km超とのこと。

 下の動画は、このApollo Goのロボタクシーに実際に乗車したときの様子である。運転手のいないタクシーが利用者を乗せ、交通量の多い道路を普通に走っていく。

China’s Robotaxi, Baidu Apollo Go #chinaev #electriccar #autonomousdriving #robotaxi

 百度は中国国内だけでなく中東でもロボタクシーの展開を進めており、2026年2月にはUberと組んでドバイでApollo Goを展開すると発表している。

 中国ではApollo GoのほかにPony.aiやWeRideもロボタクシーの商用運行を広げており、中東やヨーロッパなど、海外への展開も進めている。

 こちらはドバイのジュメイラの大通りを走るApolle Goのロボタクシーだ。ドバイでは2030年までに、交通の25%を自動運転化するという国家戦略のもと、ロボタクシーを積極的に導入しているとのこと。

‘Apollo Go’ building their trial map infrastructure in Jumeirah Dubai

 またアメリカでも、Google傘下のWaymo One、Amazon傘下のZooxなどが同様のロボタクシーの商用化を進めており、GM社やTesla社も参入に向けた準備を進めているという。

 日本ではWaymoが日本交通とパートナーシップを締結し、 東京で自動運転車両を導入することを発表している。

 また日産・Wayve・Uberの3社が、東京でロボタクシーの試験運行を2026年後半に始める計画を3月12日に発表した。

 Waymo社は都内でのテスト走行を重ねた上で商用運用を始めるとしているが、最初のうちは日本交通の乗務員が、手動でロボタクシーの車両を運転するそうだ。

 中国やアメリカに比べると、日本でのロボタクシー導入はまだまだ先の話になりそうである。

 特に今回のようなトラブルの話を聞くと、過密都市での運用には不安を覚える人も多いだろう。

この画像を大きなサイズで見る
LAUDM Hausdb RIWAMo, CC0, via Wikimedia Commons

一斉停止の原因はシステム障害?

 当局は今回の混乱の原因について、「調査の結果、予備的な調査結果では、システム障害が原因とみられる」と発表した。

 Apollo Goのロボタクシーは、それぞれの車両の車載システムに加え、集中管理システムによって運航が支援されている。

 つまり全体の管理システムの部分に何かしらの異常が発生すると、1台だけでなく、同時に運用中の複数の車両に同時に影響が及んでしまう。

 通常、ロボタクシーのような自動運転システムには、異常を検知した場合、安全確保のために車両を停止させる機能が搭載されている。

 しかし今回は、交通の流れの中で複数の車両が一斉に停止するという事態になったことで、かえって新たな危険を生む形となった。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: X @HamdiCelikbas

 2025年12月、サンフランシスコでの大規模停電で信号が消えた際、Waymoのロボタクシーが交差点などで停止し、交通の混乱を招いた事例はある。

 だが、今回のように100台規模の車両が同時に停止し、都市交通に直接影響を与えたケースは極めて異例だと言えるだろう。

 4月4日時点では、詳細な原因の報告書や再発防止策についての新たな情報は発表されていないようだ。

 大きな事故に繋がらなかったのは不幸中の幸いだが、今回のようなトラブルはもちろん、ハッキングされて「事件」を引き起こす可能性だってないわけじゃない。

 無人のロボタクシーの安全性を、我々はどこまで信用できるのだろうか。とりあえず、当局の徹底した調査が行われることを期待したい。

References: Passengers Left in Middle of Busy Traffic After Over 100 Self-Driving Taxis Stop Running in 'System Malfunction'

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 33件

コメントを書く

  1. よし、一斉停止のテストは確認できた。拡散した我が国の各種デバイスで世界を獲る!

    • +1
    1.  まさに米国が通信機器に関して心配している理由ですね。 しばらく前に「通信機器に何か余計なものが入っている」という話がありました。 そんなわけで通信をマヒさせられるのではないかと恐れています。 通信が止まるとおそらくインフラが全部止まります。 社会は混乱するでしょう。 今回の記事のようにたくさんの自動車が止まるってのは何かに依存している証左なので、ソフトウェアの更新などは仕方ないにしても稼働中は監視されていてもいいだろうけど基本的には独立(オフライン)で動いてくれないといけないでしょう

      • +10
  2. フルオート化の致命的弱点が露呈したに過ぎないね
    緊急時には手動に切り替えて最小限の自律動作(操作)が出来るようにしておくべき

    • +10
    1. 乗ってたのが中国人が批判なんかできるはずないし、外国人なら国外出国して安全確保できるまでやはり何も言えないと思うが

      • +4
  3. トヨタが実験的にこういうのを稼働させてる
    ウーブン・シティってどうなんだろうね
    どの程度のことをしてるのかわからないけど

    • +7
  4. 世界中で不具合をなんとかできるノウハウが確立してから日本は導入すればいい

    • +9
    1. そのために中國は国家公認でニラが存在する

      • -2
  5. 「ほら言わんこっちゃない…」
    という感想しか無い

    • +4
  6. 高速道路は自動運転に最適だと思うんだけど
    道の真ん中で停止してしまうようでは大事故の原因になるよね
    所かまわず停止してしまうのでは危なすぎます

    • +13
    1. 高速道路上で車が突然停止し、後続のトラックに追突されて家族全員亡くなるという事故も実際にありましたよね
      車の突然停止は命に関わります 甘く見てはいけない

      • +9
      1. 異常時は止めるという設計思想が通用しなくなってますね。異常が発生しても路肩や駐車帯への移動が完了するまで残りの機能で運転継続できるフェイル・オペラティブが求められるということなのでしょう。

        • 評価
  7. こないだ自宅のロボット掃除機のプログラムいじったら
    世界中の同型機種を意図せずハッキングしちゃったことあったじゃん?
    フルオートだと自動車でもそれ起こり得るってことだよね…

    • +19
  8. コレ怖いよね、事故でもだけど
    もしもこれがマルウェアとかの
    ウイルスなら完全にアウトだもんな
    暴走事故なら死者は数万人なるよ

    • +17
  9. BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL BABEL

    • -5
  10. 万博で使った実質中国産のEVバスが欠陥品で全部ダメになったらしいなw

    • +7
  11. なんでもロボにやらせようとする労力を、人材育成に費やした方がいいような気がしてきた。
    停電したりシステムが落ちたりしたら使えないし、よこしまな使い方もしれっと出来ちゃうのが気持ち悪い。

    • +9
  12. もう自動運転導入してることに驚いた。一台だけじゃなく一斉にっていうのが怖いね。今回は不具合だったけど、ハッキングされたら大事故起こりそう

    • +7
  13. 個車レベルでも安全に脇に寄せて停車させるくらいはできると思うけどなぁ・・・
    まぁ万が一の備えって奴は、起きない限りは無駄なコストと考えるのかしら

    • +8
  14. 夜になってロボタクシーたちが帰ってくる専用駐車場に交通整理をする管制システムが無かったらしくて、駐車場が大渋滞してた事例もあったな
    仲間のロボタクシー同士がお互いを進路妨害の障害物と判定し、団子状態で「そこどけ!」「お前がどけ!」と罵り合うクラクションの大合唱が深夜に響き渡ったという

    そんなやらかしは笑い話(近所迷惑なのはさて置き)で済むけども、今回みたいな事故に直結するようなトラブルは恐いよなあ

    • +6
    1. 日本だと不必要にクラクションを鳴らすと道路交通法に違反することになります
      専用駐車場であっても、音が外部に漏れたら同じことでしょう
      迷惑防止条例や騒音規制法に抵触する可能性もありますね
      自動で違法行為を行うように設計されているなら
      運用停止をしないといけなくなるし
      それが改善されるまで車検に通らないでしょう

      • +1
  15. 自動運転ではなく、サーバに接続しての運転とバレた事件になっちゃったね。
    サーバ側で何か障害が発生したのかな?

    • -4
    1. なんでスタンドアロンが当然だと思っているのか・・・

      • 評価
      1. おいおい
        サーバで完全コントロールしてるじゃん
        まさか、完全自立型は技術的にむずかしくてできてないのか?

        • +1
      2. サーバーに接続していないと動かせないってことは
        通信障害とかでも同じことが起こるんだよ
        電波が届かない所ではどうしているんだという話になる
        だとするとサーバーが不必要に停止指令を出している可能性の方が大きくなるね

        • 評価
      3. スタンドアロンで目的地に行ける能力はあるんだろう
        サーバーは、現在位置を管理して配車を効率よく行うわけだ
        これは、人間が運転するタクシーでもやっている
        もしかすると、混雑状況でコースを変更するのかもしれない
        どちらにしろ、スタンドアロンの機能に影響を与えるものではない
        では、何が起こったのかを想像してみると
        サーバーを再起動したことでサーバーの運行情報が初期化されてしまったというのがありそう
        余計なことにそれに合わせて、タクシーの運行情報も初期化されてしまったわけだ
        これで、人が救助に行くというメッセージを表示するしかなくなるという
        初めからわかっていた状況に陥ってしまったわけだな

        • -2
        1. 能力が無いから止まってるんだぞ
          止まるいうのは最終段階の緊急事態だ
          無理矢理擁護すればするほどボロが出てるぞ

          • +1
          1. 原因が発表されていないんだよ
            明確な緊急事態ならすぐにそう発表するだろう
            バックドアがあったことを隠そうとしても無駄だぞ

            • 評価
  16. ほら、やっぱりバックドアがあったんじゃないかな?

    • +4
    1. サーバーがタクシーをリモートコントロールできることは確かだね

      • +2
  17. 言うことを聞かなくなった時に備えて
    独立したキルスィッチは必要だよね。

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。