メインコンテンツにスキップ

ギリシャ政府、中東からペットと飼い主を避難させるため「動物空輸作戦」を実施

記事の本文にスキップ

20件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Youtube
Advertisement

 2026年2月、アメリカとイスラエルによるイランへの空爆から始まった今回の紛争は、いまだ終息の気配が見えず、泥沼化の様相を呈している。

 事態の悪化を受け、各国ともに中東方面からの自国民の避難を急いでいるが、家族の一員であるペットも一緒に…となると、難しい状況が続いている。

 そんな中、ギリシャ政府はペットを飼っているギリシャ人の避難のために、チャーター便を運航。多くのペットたちが飼い主と共に、アテネ空港に到着した。

ペットと飼い主が一緒に避難できるチャーター便を手配

 今回のイランへの攻撃は、中東全域の航空交通に大混乱をもたらした。ミサイルが上空を飛び交う中、各国は領空を繰り返し閉鎖。

 ドバイやカタールといった主要航空拠点では、数千便のフライトを欠航せざるを得なくなり、数十万人の旅客が足止めを食らうこととなった。

 各国政府はペルシャ湾岸諸国から自国民を保護し、安全に避難させるため、アラブ首長国連邦やオマーンなどを経由地として自国民の帰還支援を進めていた。

 そんな中、ギリシャ政府は、民間航空会社の座席を確保できなかったペットとその飼い主のために、アラブ首長国連邦からのチャーター便を手配した。

 3月18日、アラブ首長国連邦のアブダビからアテネへ向かったギリシャ政府手配のエーゲ航空便には、101人の乗客と45匹のペットたちが搭乗した。

 このフライトは、ギリシャ内務省と外務省が連携して実現したものだという。

 内務省でペットの保護を担当するニコス・クリサキス氏は、人と動物がともに安全に帰国できるよう、数日間にわたって調整を続けたと説明している。

ペットは荷物ではなく、家族の一員です。そして今日、ギリシャ政府はそれを実際の行動で示しました

この画像を大きなサイズで見る

アテネ空港では飼い主たちの喜びの声が

 ペットたちを乗せたエーゲ航空の特別便がアテネに着陸すると、空港では喜びの光景が広がった。

 キャリーケースの中でストレスを感じていたであろうペットたちも、元気に飛び出して飼い主の腕の中に飛び込む姿が見られたそうだ。

Greece launches airlift for pets and owners trapped in Middle East

私にとって、この子は家族なんです。置いていくなんて、ありえません

 愛猫の「ムエタイ」と一緒に帰国したダナエ・コウコウロマティさんは、無事にアテネ空港に到着した喜びをかみしめながらも、現地の状況についてこう語る。

現在、アラブ首長国連邦に就航している航空会社は、この状況のせいでペットを受け入れていないんです。

機内はもちろん、貨物扱いでも受け入れてもらえませんでした。貨物としての枠も数が限られていて、その枠が開放されたのも先週になってからです。

ペットを連れて国外へ出るのは、今は本当にとても難しい状況なんです

 ダナエさんはドバイの自宅で、爆発音を聞いたという。その瞬間、ムエタイのほうが彼女自身よりもずっと落ち着いていたのだそうだ。

爆発音が響くと、この子はバスルームに隠れるだけで、それ以上は何もしませんでした。とても冷静な猫なんです。

私のほうがこの子ほど落ち着いていませんでした。むしろ、この子から学ば ないといけませんね

この画像を大きなサイズで見る
ダナイさんに抱かれるムエタイ

 また、ドバイで5年間暮らしていたアレクサンドラ・パパヤニスさんは、愛犬「シルタキ」とともに母国に到着した。

 彼女は友人の愛犬も、シルタキといっしょに連れてきたそうだ。アレクサンドラさんもまた、動物を受け入れてくれる避難便を見つけるのに苦労したと語っていた。

私にとってはとても大切なことなんです。だって、ペットは家族の一員なんですから。

このように非常に厳しい状況の中で、私たちが直面している課題は、犬や猫をどうやって一緒に連れ帰るかということです。

シルタキとともにギリシャへ戻れたのは、本当に素晴らしいことでした

 マリア・テオハリさんにとっても、愛犬マティスを置いてドバイを離れることは考えられなかったという。

マティスは子供たちと同じように、とても大切な存在なんです。動物と子供を切り離して考えることはありません。私にとっては同じなんです

この画像を大きなサイズで見る

人間が優先では?との声も

 このニュースを知った人たちからは、それぞれの立場からさまざまな意見が寄せられていた。

  • 基本的は反対じゃないけど、まず人間が全員避難してからにすべきだろ。それ以外は正直どうかと思う
    • ペットは家族と一緒に避難用の乗り物に乗ってるだけで、ペット専用の避難作戦じゃないよ。この便は「ギリシャ人+ペット」用に用意されたもので、飼い主は人間だけの便じゃなくてこっちに乗ったってだけ
    • まあ人間のスペースを奪ってないなら、反対する理由はないな
  • 犬は大好きだし、その無垢さには癒される。でも犬は犬であって、人間と同等ではない。愛情と価値は別の話だ。知らない人より自分の犬を愛してるのは当然だけど、それでも人間のほうが本質的な価値は上だと思う
    • 私にとって猫は家族であり、人間と同じ価値がある存在だと思っている。あなたがそう思わないのは自由だけど、だからってあなたの考えのほうが道徳的に優れているとは限らない
  • 戦争の見えない犠牲者だな。本当に、こういう動物の空輸があることに感謝したい
  • 自分が戦争状態の国に住んでいなくてよかった。避難することになったら、猫たちを置いていくなんて無理だと思う
  • 置き去りにされた何千もの野良動物はどうなるんだ? 首輪がないからどうでもいいってことか?
    • この便はドバイに住んでいたギリシャ人を避難させるために、ギリシャ政府が用意したものだよ。ペットを置いていくのを拒否した人たちのためのものなんだって
  • 動物のことまで考えてくれたギリシャ政府に感謝するよ
  • 正直、ペットを単なる「おまけの荷物」じゃないと認めた作戦を見るのは、ちょっと嬉しいね
  • ギリシャは本当にいいことをしたと思う。すべてのペットが無事に避難できていたらいいな。動物は飼い主を選べないことがほとんどだからね

 フランスでは中東からペット連れで帰国しやすくなるよう、ペットの犬や猫のフランス帰国時の検疫を4月30日まで例外的に緩和する措置をとっているそうだ。

 なお、アメリカの場合は原則として緊急時のペットの輸送は行っておらず、預け先を現地で手配するか、民間の輸送サービスを検討するよう案内している。

 日本政府もチャーター便で帰国支援を実施していて、既に退避を希望した邦人の帰国は完了しているが、今のところペットに関する特別な対応はないようである。

 ウクライナでもそうだったが、戦争など緊急事態が起こったとき、国境を越えてペット連れで避難するのは難しいケースも多いだろう。

 今回のギリシャ政府の措置は、家族の一員であるペットを置いての避難を良しとしない飼い主たちにとって、英断とも呼べるものだったはずだ。

 おそらく現地には、飼い主から離れて取り残されているペットたちも少なくないだろう。彼らのためにも、事態が早く収束することを祈るしかない。

‘My cat is my family’: Greece launches animal airlift to evacuate pets from Middle East

References: 'My cat is my family': Greece launches animal airlift to evacuate pets from Middle East

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. 日本はペットの検疫も厳しいから
    ペットのために避難をあきらめて
    現地に残るという選択をした日本人がいるという記事があった
    日本でも例外的に緩和するという措置がとられていればよかったのにな

    • +17
    1. ウクライナからの避難民の時は緩和したけどね。 

      たださ難民じゃないんだし、飼い主が病気になったとかで日本に連れ帰る事になる可能性が常にあった訳なんだから、そこを見据えて日本の狂犬病予防法に則って飼って居たらそこまで困らない話なんだけどね。

      • 評価
      1. その日本人も同様に避難民だよ
        どうして日本人の避難民に対して厳しいの?

        • 評価
        1. 「難民」ではないでしょ。

          現地に永住する気が無いのならペットを飼うに辺り「日本に連れて帰る」という事を念頭に飼わないといけなかった。安易な気持ちで飼ったツケなだけ。

          • +1
    2. 私は反対かなぁ
      人が乗るスペースを減らして迄する事ではないと思う
      仮に連れてくるとしても、一匹一匹全部隔離した個別の貨物として運び、日本に着いても隔離施設で長期間の検疫を受けるなら賛成
      どれか一匹でも病気だったり、虫や植物の種が付着していたら生態系や農業に壊滅的ダメージが入る危険があるからね

      • -13
      1. 別に政府の輸入条件を満たすダケで良いと思うけど?

        • +1
    3. 検疫緩和して狂犬病が入ってきたらどうすんだよ。発症すると犬猫も人間もほぼ100%死ぬやつ。
      野犬狩りとかで物凄い数の犬の犠牲の上でようやっと日本では終息したのに

      • +2
  2. ニュースにならないだけで戦争で死んでるペットも多数いるんだろうな

    • +27
  3. 災害時なんかも
    避難所はペット禁止なので
    置き去りには出来ないって
    逃げ遅れる人多いからね

    • +10
  4. いくつか批判意見が出てるけどこれは
    「人間よりペットを優遇している」わけじゃなく
    「ペットを残しては避難できない人間を避難させる」ための対策だと思う

    • +40
    1. 飼い主の膝の上にペットを載せて座席が減っていないのならその意見は正しい

      だが現実はペットが座席を奪っている

      非難されるのは当然だよ

      • -11
  5. 強いネコキックを繰り出しそうな名前ですな

    • +6
  6. まあ、ペットを置き去りに自分だけ避難して一生苦しみ続けるぐらいなら、そのまま寄り添って一緒に生涯を終えた方がマシって考えちゃうよね
    そういう人を「自己責任」と切り捨てない、優しい政策だと思うよ

    • +24
  7. 中東は大半の国が高リスク地域で、ヒト狂犬病の流行地域。
    日本とアメリカの一部の州は「狂犬病清浄地域」でギリシャは中リスク地域で、フランスも低リスク地域。まずこの大きな違いがある。

     で、アメリカも日本も「帰国時に当日中に自宅に連れて帰れる」条件を解りやすく提示している。
     日本の場合、指定された国際基準のマイクロチップを埋める事。2年に1回国際基準のワクチンを毎年ちゃんと打って政府指定の施設(日本以外もある)で血清検査を受けること。この2点を守って飼育していたらペットを連れての帰国にそこまで困らない。海外赴任する可能性のある方々はコレ頭にいれといて。

    • +2
  8. 不謹慎かもしれないけど戦争の話になると人間より動物たちの方が心配になってしまう。

    • +5
  9. 何処かのお偉い人間さん!
    勝手に派手な戦争おっ始めるのやめてネ
    ナントカの神だの予言だの資源だの
    欲まみれのクズ-地球の疫病神でしかない
    選ばれた民とか聖戦とかナントカ言ってるけど迷惑なだけだってば😾
    サイテーだよ💢

    • +1
  10. イチゼロではなく複合的に対策していくしかないでしょう
    人間を優先すべきだから動物は一切助けません、なんてそれこそ現実的ではない
    倫理的に問うならそれこそ、そもそも論になっちゃうし

    • 評価
  11. 難しい問題だな。
    日本で猫と暮らす自分は「なんて素晴らしい措置なんだ」と思うけれど、現地に家族や友人が居たら「ペットより人間を1人でも多く乗せてくれ」って思いそうだ。
    正解は無い気がするけど、ギリシャ政府は英断だったなあ。

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。