
image credit:douglasthron/Instagram
ハリケーンや山火事、洪水など自然災害が引き起こす被害は甚大だ。多くの人命が失われるだけでなく、ペットや野生生物も命の危機に晒される。航空撮影家として活躍しているダグラス・スロンさんは、特殊な赤外線カメラ付きドローンを使用して、世界各地の被災地で取り残されてしまった動物たちを救うため、日々救助活動に奔走中だ。
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赤外線カメラ付きドローンを使用し被災地の動物を救助
航空撮影家でドローンパイロットのダグラス・スロンさんは、様々なTV番組に使用されるドローン映像を撮影する写真家だ。これまで、スロンさんは火事で壊滅したカリフォルニア州サンタローザ地区で、郵便物を配達する郵便局員の姿を撮影したり、瓦礫の中に閉じ込められた猫を救助する男性の姿を記録したりしており、いずれもその撮影には高い評価を得ている。
そんなスロンさんは、あるTV番組の撮影中、ズームレンズと赤外線スポットライトを備えた赤外線カメラ付きドローンを使うアイデアを思い付いた。
以降、スロンさんはその特殊機能を備えたドローンを使用して、世界各地で起こった自然災害に巻き込まれた動物たちの位置を特定し、救助に奔走する日々を過ごしている。
バハマのハリケーン襲来後の被災地での救助活動
スロンさんは、2019年バハマのアバコ島を直撃した大型ハリケーン・ドリアンが、地域に甚大な被害をもたらした時、動物たちを救助するためすぐに現地へと飛んだ。40時間以上続いたハリケーンの襲来によって多くの死者と行方不明者を出した被災地には、取り残された動物たちが行き場を失くしていた。
スロンさんは、そんな動物たちを赤外線カメラ付きドローンで特定し、救出。瓦礫の山に埋もれている動物でさえ、赤外線によって発見することが可能になるため、生死の境にいる動物たちにとってはまさにスロンさんのドローンは救世主となる。
Dog spotted by drone and rescued in Bahamas after Hurricane Dorian - By Douglas Thron Infrared
スロンさんに救出された犬は、現在カリフォルニア州リッチモンドで幸せに暮らしているという。
世界中の被災地を飛びまわり活動を続ける
どんな被災地にもドローンと共に駆け付け、動物たちを救助するという熱い使命を持っているスロンさんは、オーストラリアで発生した山火事でも活躍した。これまでの動物救助活動を、『Doug to The Rescue』と題してウェブサイトにてストリーム映像を公開しているスロンさんは、このように語っている。
過去10年間、私は世界をリードする航空撮影写真家の1人として活躍してきました。世界中の動物たちを救うとなると多額の資金が必要となる。スロンさんは今後の救助活動の資金を補うため、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』を立ち上げた。
これまでのクライアントは、ナショナルジオグラフィックやディスカバリーチャンネル、CBSなどです。
これら番組の仕事中、ドローン技術と赤外線カメラを組み合わせて、被災地で立ち往生している動物を見つけ救助するという新たなアイデアを思いつきました。私の赤外線スコープは、あらゆる量の破片、森林被覆、またはその他の視界の危険性を通して動物の熱の兆候を拾うことができ、ドローンに接続することで、徒歩でカバーするのに数日かかる広大なエリアを数分で検索することが可能になります。過去2年間の大部分は、私は世界中を旅し、この新しい技術を使用して多くの動物を救出しました。
それらは、オーストラリアの山火事で避難した数百頭のコアラ、バハマのハリケーン・ドリアンやカリフォルニアの山火事、更には米国内で起こったあらゆる自然災害の影響を受けた多くの犬や猫、野生動物です。
災害が発生すると、人々はできるだけ早く避難することを余儀なくされるため、時にはペットが置き去りされてしまいます。私の使命は、これらの被災地で失われたり捨てられたりした動物を見つけて、安全な場所に移動させることです。
火事、洪水、ハリケーンのいずれであっても、動物が危険にさらされている場所ならどこでも、私は直ちに駆け付けます。
私の情熱は、常に動物と環境を助けることであり、今後も使命と目的をもって、私の全時間と努力を捧げたいと思っています。
集まった資金は、ドローン機材にかかる費用、各地の被災地へのフライト代や車のガソリン代、メンテナンス代に使用される他、救出した全ての動物が治療を確実に受けられるだけの獣医費用、リハビリ代や餌などのケア代に使われることになるという。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
スケールが大きいね、お金がかかるだろうに。
自身のドローン撮影の延長だから出来るのかな。
社会奉仕とか環境改善とかは、やっぱりできることから広げて行くしかないのかなー。
3. 匿名処理班
行動で示すのは格好良い
4. 匿名処理班
ドローンは捜索に有用だな〜
5. 匿名処理班
こういう活動には国家が予算付けるべき
6. 匿名処理班
ドローンとラジコンヘリの違いは?
7. 匿名処理班
捜査活動に無駄な時間と人を使わなくて済むよね。
8. 匿名処理班
赤外線ドローンが最も威力を発揮するのは山林で
行方不明者の捜索とか、山火事の飛び火や残火の発見の効率がダントツに上がる。
日本では特に有効なので、全自治体に配備しといてもいいくらいだと思う。
9. 匿名処理班
いろんな金儲けを考え付くなあ
10. 匿名処理班
スロンさん、ありがとう