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「死んじゃった?」 一人暮らしの若者を中心に生存確認アプリが人気

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(著) (編集)

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 2026年の年明け早々、中国発の「生存確認アプリ」の一種が海外のインターネットを席捲した。

 このアプリは1日1回、緑色のボタンをタップするようユーザーに促す仕組みで、2日以上連続してタップされなかった場合、事前に登録された緊急連絡先に自動的にメールを送るシステムだ。

 アプリ名はもともと「死了麽(死んじゃった?)」という少々不穏な名前だったが、1月13日、「Demumu」と改名した結果、一気に世界中で話題になったのだ。

「生存確認アプリ」が中国の若者の間で大人気

 このアプリが最初に公開されたのは、2025年6月10日のことだ。開発したのは、1995年以降生まれの若者3人のグループだという。

 開発費は1,500元(約34,000円)未満で、制作期間はおよそ1か月。開発規模としては極めて小さいと言えるだろう。

 公開当初、このアプリが大きな注目を浴びることはなかったが、状況が一変したのは2026年1月に入ってからである。

 1月10日、「死了麽」は中国のApple有料アプリランキングで1位に浮上した。価格は8元(約180円)に設定されていた。

 派手な機能があるわけでもなく、画面構成も極めて簡素だったが、その名前が都市部で一人暮らしをする若者の感情に強く刺さったのだ。

 現在、中国の単身世帯は最大で2億世帯に上り、独居率は30%を超えるという。Demumuの主な利用者層は、中国の都市部に住む若い女性たちだそうだ。

 1人暮らしの不安を、あえて「死んじゃった?」という露骨な名前で可視化したことが、このアプリを一気に表舞台へ押し上げたと言えるだろう。

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image credit: App Store

高齢者ではなく若者が対象となる中国の事情

 こういった生存確認系の機能は、通常なら一人暮らしの高齢者を対象にしたものだと思いがちだ。

 現に海外での反応も、当初はそれを前提としたものが多かった。

  • 私は父の家の冷蔵庫のドアにスマートセンサーをつけている。唯一、毎日必ず使う場所だから
  • スマートウォッチの多くには転倒センサーもある。私は手術の後で長年身体が不自由だったから、転んだら誰かにメッセージが行くと思うだけで、ずいぶん安心できた
  • イギリスの私の村では、小学生が通学途中にカードを確認して、異常があればノックして、反応がなければ報告する。寒い季節に登校前に見回りをすると、お礼のお菓子や小さな贈り物をよくもらったよ
  • 先日、近所の高齢者が私道で亡くなっているのを見つけた。もし家の中で亡くなっていたら、今も誰も気づいていなかったと思う
  • 父が突然亡くなる前、冗談で「ツイートしなくなったらわかるかな」と言っていた。父の友人から心配する連絡が来たので父のTwitterを見たら、2日近く投稿されていなくて…倒れて亡くなっていたんだよね
  • 1人暮らしの年配者だけど、こちらから電話しなければ誰も連絡してこない。だから、このアプリが人気になる理由はよくわかる
  • 似たものを何人かの高齢者に勧めたけど、みんなスマホの使い方がわからないし覚えたくない、持っていても使わずに置きっぱなしって言うんだ
    • 高齢世代(うちの父は83歳)にスマホを使わせるのは本当に大変だよね
    • うちの祖母は70代だけど、ワイドモニター付きのPCを使ってるし、何十年もFacebookをやっていて、iPadも持ってる。結局は人によると思う

 だが、実際のDemumuのターゲットは前述の通り、1人暮らしをしている若者たち、特に20~30代の女性たちだ。

 若者ならSNSでつながっているのでは?と思いがちだが、SNSでは自分から投稿したり「いいね!」をつけたりしなければ、基本的に放置されてしまう。

 数日間投稿や反応がなかったとしても、すぐに誰かが心配して様子を見に来てくれるわけではない。

 SNSはあくまでもコミュニケーションのためのツールであり、生存確認のための仕組みではない。一方このアプリなら、ただ画面をタップするだけで済む。

 誰かとわざわざコミュニケーションをとったり、自分から通知を送ったりしなくても「セーフティネット」として機能するからだ。

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image credit:photoAC

直球だった名称を可愛くしたら海外でも人気に

 実はアプリの名称をめぐっては、リリース当初から議論が続いていたらしい。中国で「死」を直接的に表す言葉は、しばしば不吉だと受け取られ、審査や世論の反発を招きやすい。

 実際、類似アプリの開発者が「死了嗎(死んだ?)」「活着呢(生きてるよ)」といった名前で登録しようとした際、届出や審査の段階で通らなかったという。

 今回話題の「死了麽」も、App Storeに登録されているサービス名は、最初から「Demumu」となっていた。

 つまり改名というよりも、国内向けに「死了麽」というインパクトのある表示名を使っていたのが、海外展開を考えて登録上の名称に統一したということのようだ。

 ちなみに「Demumu」とは、「Death(死)」の「De」と可愛いイメージの「mumu」を組み合わせた造語だそうだ。

 また、現時点で対応している通知手段はメールのみで、SMSには対応していない。これは中国国内ではSMSによる通知には審査が必要なためだという。

 改名後、このアプリは香港やシンガポール、米国などでも有料アプリのトップ2にランクインし、一人暮らしへの懸念が国境を越えて広がっていることを示した。 

  • 想像してみて。お風呂場で滑って頭を打ったら、ほぼ確実に「1人で死ぬ」よ。誰も助けに来てくれないもの
  • だから私は今も親と一緒に住んでいるよ。数年前、家で突然亡くなった人のニュースを見て心配になったの。その人には小さい子供もいたのに、どちらも助けられなかったんだって
  • 私は健康上の問題をいろいろ抱えていて、何度か本当に危ない場面があった。遠くの実家にいる家族は緊急時には助けにならないからね
  • いずれAndroidやiOSが、この仕組みをOSに直接組み込むと思う。一定の時間スマホに触らなかったら、指定した連絡先に通知するんだ。多くの人にとって役立つんじゃないかな
  • 正直、友人や家族がたくさんいても、数日間は気づかれないことが多い。具合でも悪いのかな?って思われるだけで、数日連絡がないくらいで心配する人はほとんどいないよ
  • 歩数を追跡すればいいじゃん。2日間スマホを持っていて一歩も歩かない確率はかなり低いでしょ
    • テーブルや引き出しに置いたままだと歩数ゼロだよ。誰もがスマホを体の一部みたいに扱っているわけじゃない
  • 利用者の多くは高齢者じゃなくて、大都市で1人暮らしをする若者なんだよね。中国での生活は強いプレッシャーと感情の抑圧があって、春節が近づくと孤独感はさらに強まるから、このアプリは「自分の存在に誰かが気づいてくれるのかな」という、シンプルな感情のはけ口になってるんだよ
    • 名前が物議を醸したのもそこが理由だよね。「死んじゃった?」っていう問いかけはブラックユーモアと静かな反抗心を含んでいて、普段は押し殺されている感情をそのまま口にしているみたいだ
  • ちょっと待って、中国ではルームメイトなしでの1人暮らしが普通なの?
    • 住宅バブルで部屋は余っているし、文化の違いもあるよね
  • 結局のところ中国でも他の国でも、問題は技術不足じゃなくて、愛情や気遣いが足りていないんだよ。このアプリが突いたのは、まさにそこ
  • 全体としてとても良いアイデアだと思う。誰かに様子を見に来てもらうきっかけになるし。死んでいなくても、転んでケガをして電話に手が届かないことだってあるし
  • ボタンを押さなかったら、自動でブラウザの履歴を消してくれる機能のついたプレミアム版を待っている

今後は高齢者向けアプリの開発も

 日本でも1人暮らしをしている身内の安否確認は、別れて住んでいる家族や親族にとって切実な問題だ。高齢者だとスマホ自体が使えない場合も多いしね。

 コメントにもあった転倒を検知するスマートウォッチや、トイレや冷蔵庫のドアの開閉や湯沸かし器の電源、人の動きなどを感知するセンサーや見守りカメラなど、いろいろなサービスも登場してはいる。

 携帯電話や宅配便、新聞販売店などによる見守りサービスなどもいろいろ考えられてきてはいるものの、なかなか行き届いていないのが実情だと思う。

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image credit:photoAC

 このアプリ、1月に入ってからの急成長は資金の面でも思わぬ効果を生んだという。1月10日の時点で、開発側は会社の株式の持分10%を100万元(約2270万円)で投資家に譲渡し、資金調達を行うつもりだったそうだ。

 ところが改名を発表し、海外でも注目を集めるようになると状況は一変する。わずか3日間で60人以上の投資家が接触し、会社の評価額は約1000万元(2億2700万円)規模にまで跳ね上がったそうだ。

 このヒットを受けて、開発チームは今後のターゲット層の拡大を目指し、高齢者向けの新製品のアイデアを模索しているとのこと。確かに世界を視野に入れると、高齢者向けの方が需要ははるかに大きそうだ。

 同様のアプリは他にもあるが、今のところ頭一つ抜けた感じの「Demumu」。今後はどう成長していくのだろうか。

 とはいえ今やスマートウォッチがあれば、心拍数を自動計測してくれるし、緊急時には通報もしてくれるけどね。

 自分でボタンを押して毎日自分の生存確認をするっていうのが、生きているって実感を得られていいのかもしれないね。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

私はapple watchを使っているのだが、猫棚を掃除しようとして、横着して車輪付きの椅子に立ってやってたら背中から転倒。途中で猫用トイレ(アイリスオーヤマの上から入るタイプ)に一度ぶつかったので、多少衝撃は和らいだものの立ち上がることができずしばらく横になってたら、apple watchが「強い衝撃を感知しました。緊急通報しますか?」といってきた。何とか起き上がってNOを選択し、事なきを得たんだけど、スマートウォッチもなかなか便利だよね。次の日病院にいったら肋骨にヒビが入っていたけどもだ。

References: “死了么”App爆火背后:流量来了,困境未解 / Viral app bares 'safety anxiety' among solo dwellers

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この記事へのコメント 23件

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  1. メールを送る相手もSNSで繋がっている相手も居ない私はどうすればいいのだろうか

    • +22
    1. 自分もだ
      こういうツールの前にまず緊急連絡先が必要
      本当どうすればいいんだろうか状態

      • +16
    2. 賃貸なら不動産屋、持ち家なら互助会と契約したらいいよ。不動産屋に断られたら互助会。
      孤独死、互助会。とか高齢者、互助会で検索してみて。いろいろあるよ

      • +7
  2. 一日一回でもこんなことをするのはめんどくさくなってやらなくなるのが目に見える

    • +17
  3. 一人暮らしの若者だけど、自宅で泥酔して寝てる間に誤嚥性肺炎で亡くなった大学生のニュースを知ってから震えてる。孤独死で不登校になっても、数日程度じゃ気にならないし、気づいたら腐乱してるだろうから、こういうアプリはいいよね

    • +6
  4. こんなことするぐらいなら、毎日親に電話してやれ

    それが何よりの親孝行だ

    • -13
    1. 世の中には天涯孤独の人間も結構いるんですよ。
      沢山の人間が見る投稿でこんな事を平気で言える神経が理解できない。

      • +4
    2. 逆だよ、親が子のために使うんだよ。
      毎日こっちから電話したってフォローしきれないときがある。

      • -1
  5. ネットのコメントとして紹介されてるこれ

    >>結局のところ中国でも他の国でも、問題は技術不足じゃなくて、愛情や気遣いが足りていないんだよ。このアプリが突いたのは、まさにそこ

    ほんとにそうだなって感じですき
    気遣いの気持ちをいつも心に持って生きていきたい

    それはそうとパルモたんは横着はやっぱよくないという教訓をありがとう
    最近のことでなかったとしてもお大事にしてね

    • +18
    1.  ほんと、状況読むと現場猫案件、気を付けてほしいですわ。 肋骨折れると、痛いですよね。 咳できない、しゃっくり・大笑い・深呼吸できない。 いろんなことが悶絶級。 ご自愛くださいまし

      • +6
  6. 何年か前に日本で似たようなサービスがあるのをニュースで見たけど、開発者さんがタップの無かった人にいちいち電話してた。
    規模が大きくなったら無理だから、登録しておいた緊急連絡先に連絡が行くのは良いですね

    • +6
    1. お前はもう死んでいる?
      はどうでしょう?

      • -4
    2. 寂しがり屋な人がわざと放置して死んだかもと思わせて確かめに来た人に何度も同じ事し続けたら本当にポックリ逝った時に誰も確認しに行かなくなりそう

      • 評価
  7. マメな人はいいんだろうけど怠惰な私はきっとタップを怠って知り合い全員に「死んじゃった」って通知が行く

    • +12
  8. 一日一回起動は地味に面倒だなースマホの画面解除したらOKとかだと楽でいいな。システム的に無理なのかな?

    • +6
  9. しばらく前にパルモさんが肋骨にヒビが、っていうのはそういうことだったのね。
    日常生活でも怪我に気をつけないといけないですね。
     
    緊急連絡先になってくれる人が居ない自分としては、入院なんてことになったら保証人にも困るから、くれぐれも気をつけようと自戒しました・・・

    • +4

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