この画像を大きなサイズで見る6500万年前、地球に衝突した巨大な小惑星により恐竜をはじめとする多くの生き物が絶滅した。同じようなことが再び起きるのではと不安を抱いたことのある人は少なくないはずだ。実際、科学者たちはその可能性を否定していない。
では、私たち一人ひとりが、生きているうちに小惑星の衝突で命を落とす確率は、どれくらいあるのだろうか?
アメリカ・オリン工科大学の惑星科学者、キャリー・ニュージェント博士が率いる研究チームは、小惑星による死亡リスクを、他のさまざまな死因と比較し、わかりやすく統計としてまとめた。
その結果、小惑星衝突による死亡リスクは、狂犬病よりも高いという、意外な事実が明らかになった。
小惑星の衝突確率は万1000年に1回
キャリー・ニュージェント博士らの研究では、地球近傍天体(地球に接近する軌道を持つ天体)のうち、直径140m以上の小惑星500万個をコンピューターでシミュレーションし、150年間の地球衝突数を計算した。
その結果、このサイズの小惑星が地球に衝突する頻度は約1万1000年に1度と推定された。
もちろん、これはあくまで「地球に何かが衝突する確率」であり、地球上の誰かが実際に被害を受けるかどうかは別の話だ。
被害の規模は小惑星の大きさや衝突場所によって大きく変わる。140〜200メm級が海に落下した場合、死者が出ない可能性もある。一方で、180〜200m級が人口密集地に落ちれば、最大で100万人に影響が及ぶ恐れがある。
さらに10km級ともなれば、地球全体が深刻な被害を受ける。
つまり、小惑星が衝突しても必ず大災害になるわけではないが、その可能性がある以上、備えは必要ということになる。
この画像を大きなサイズで見る他の死因との比較で見える意外な順位
研究チームは、71年という人間の平均寿命を想定し、小惑星衝突による死亡リスクを、私たちが現実に直面するさまざまな「まれだが予防可能な死因」と比較した。対象となったのは以下の事例である。
・小惑星衝突
・乾いた砂穴の崩落(ビーチで掘った穴に埋まる事故)
・ゾウに襲われる事故
・落雷
・スカイダイビング中の事故
・一酸化炭素中毒
・交通事故による負傷死
・狂犬病
・インフルエンザ
「稀だが予防可能な死因」とは、事前または早期の医療的介入によって命を救える可能性がある死因という意味だ。
研究ではこの定義のもと、小惑星衝突のリスクも比較対象に含めている。
例えば狂犬病はいったん発症すると治療法がなく、致死率はほぼ100%という非常に危険な感染症である。
だが、発症する前にワクチンを接種すれば、発症を防ぐことが可能である。
感染の可能性がある動物に咬まれた直後に、傷口を洗浄し、すぐに医療機関でワクチン接種と抗体注射(免疫グロブリン)などの「暴露後予防(PEP)」を受ければ、理論上ほぼ100%の確率で助かるとされている。
この画像を大きなサイズで見る小惑星が衝突して死ぬ確率は狂犬病より高いことが判明
比較の結果、意外な事実が明らかになった。小惑星衝突で死亡する確率は狂犬病よりも高く、インフルエンザとほぼ同程度の位置にあった。
ただし、インフルエンザは非常に頻繁に発生するため、実際の死亡者数は小惑星衝突よりはるかに多い。
一方、発生頻度は低いものの、致死率が突出して高かったのは乾いた砂穴の崩落事故だった。一度起こればほぼ確実に命を落とし、しかも毎年3人以上が死亡しており、その多くが12歳以下の子どもだという。
図を見ると、スカイダイビングやゾウの襲撃、落雷といった珍しい出来事ほど致死率が高い傾向がある。
一方で、交通事故やインフルエンザのように発生率が高い出来事は、致死率が比較的低く抑えられている。小惑星衝突は頻度こそ非常に低いが、地球規模で発生した場合の被害は甚大となる。
この画像を大きなサイズで見る防げるリスクとしての小惑星衝突
研究チームが強調するのは、小惑星衝突が「防げるかもしれない死因」、つまり「まれだが予防可能な死因」であるという点だ。
2022年、NASAは宇宙船を小惑星に衝突させて軌道を変える「DARTミッション」の実験に成功し、想定以上の軌道変化を確認した。
これは衝突回避が現実的な手段であることを示した重要な成果である。
ただし、こうしたミッションには莫大な費用と長期的な計画が必要だ。
他の予防可能な死因への対策費用と比較し、投資の優先順位を検討する意義がある。
狂犬病ワクチンや交通安全対策といった日常的な施策と並べて議論することで、宇宙規模の災害予防が現実的に位置づけられる。
人類が小惑星衝突で死亡した記録は現時点ではない。しかし恐竜時代の絶滅を見れば、一度の衝突が途方もない被害をもたらすことは明らかである。
小惑星から地球を守る技術は、未来の人類を守るための重要な「保険」になり得るのだという。
この研究はまもなく『Planetary Science Journal』に掲載される予定だ。それまでの間、プレプリントサーバーarXiv(2025年8月4日付)で公開されている。
References: Biorxiv / Lifetime odds of dying from asteroid impact contextualized in study / You're More Likely to Die From an Asteroid Than Rabies, Scientists Find













えぇ〜 ゾウとコヨーテってその位置なの?
住んでいる場所によって確率が大きく変わる気がする
日本にいる限り象で死ぬ確率は相当低そう
その代わりに、交通事故での死亡する可能性が跳ね上がるので
地域によって特性があっても、全体的にはフラットになっていくと思う
そういえば、いたずらで掘った砂に埋まって死んじゃったのいたな
石川県でありましたね
2日前に偶然ユーチューブで見て、未だに語り継がれてるのかと
この事件を元にしたと思われるドラマもチラッと見ました
ウエディングドレス姿の女性が砂に埋まっていった
狂犬病の死亡者数はWHOの調べで年間の死亡者数推計が55,000なのに・・?
ビーチ怖っ!
海行かんとこ……。
言ってるのはリスクとハザードのことですかね。日本だと狂犬病にかかる心配がまず無い(リスク極低)が、かかると致死率が高く非常に危険(ハザード大)。
リスクとハザードは常にセットで考えれば、扇情的なニュースや記事に触れても余計な心配はしないで済むと思うの。
「飛行機事故よりも交通事故で死ぬ確率のほうが高い」の拡大版ってことですかね
隕石衝突は本当に恐ろしい
場合によっては現代文明が滅びる可能性も考えられるからなあ
「DARTミッション」みたいな計画には予算や人材を注力して欲しい
あの図を見る限り、狂犬病だけ記事にある
「適切な処置」をすることが前提になってるみたいだけど
それはちょっと不公平な気がする
確率も何も、毎年のように狂犬病で死んでるやつは世界にいるが。
気づかないうちに、それ以上の人々が、小惑星で亡くなってるんだろうね
こわーい
わざわざいらんこと(スカイダイビングとか危険な動物に近づくとか)して死ぬのと、
向こうから災難がやってくるのを同列に並べるのもなんだかなという感じ。
「不断の努力」ってヤツだよ……
徹底した公衆衛生活動を継続したことによって流行が抑えられてるだけであって
観測した瞬間に死因が変わる
オオアリクイに食われる
も死因に入れて欲しかった
単純に確率を一緒に比較したらだめだろう。
狂犬病は清浄国であるかどうか(数少ないけど)も大きいし、すぐに治療ができる環境にあるか、咬まれた部位が脳から近いかどうかというのも関係してくる。
そもそも狂犬病が蔓延しているような国で本当にきちんと統計が取られているかも怪しい。
知識がないからこそいつまでたっても減らないわけだし。
この死亡率ってことが起こった後の死ぬ確率ってこちなのかな
それならそりゃ小惑星ぶつかったら死ぬだろう
なぜ比較対象にサメに喰われるがはいっていないのか?