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大学の博士課程に通う初のヒューマノイドロボット学生

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(著) (編集)

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image credit: scmp
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 人型AIロボットが学歴社会にデビュー?中国初の博士課程に通う「学覇01」がSNSで話題だ。

 上海科技大学とロボティクス企業 DroidUp が共同開発したヒューマノイドロボット「学覇01」は、身長175cm、体重約30kgの男性型。

 先日上海で開催された「2025世界人工知能大会」の会期中の2025年7月27日、国立芸術大学のバーチャル学生証を受け取り、正式に学生デビューしたばかりだ。

 ”AIアーティスト”として今後4年間、人間の学生と一緒に演劇などを学ぶという優等生ロボット「学覇01」にせまってみよう。

中国で初!博士課程に通うAI搭載ヒューマノイドロボット

 2025年7月27日、中国で初となる博士課程に通うヒューマノイドロボット「学覇01」が、上海で正式に公開・認定された。

 謝巍(シエ・ウェイ)党委書記から、中国の国立芸術大学である上海戯劇学院が交付した合格通知書を受け取り、2025年度の新入生に認定されたのだ。

 今後「学覇01」は、人間の学生とともに同学院で演劇などを専攻する。

 2025年26日から28日にかけ開催された、世界人工知能大会の会期中に行われたこのユニークな試みは、舞台芸術と人工知能(AI)を融合する取り組みの一環だという。

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image credit:Handout

実は体力がある”優等生”ロボット「学覇01」

 ”AIアーティスト”を自称する「学覇01」の中身は、上海科技大学とロボティクス企業 DroidUp が共同開発したAI搭載の人型ロボット。

 身長175cm、体重約30kgの男性型で、顔にシリコン製の皮膚をつけ、シャツ、ズボンを着用。ときに眼鏡をかけたりするもよう。このロボットは人と物理的な交流もできるという。

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image credit:Handout

 ついでにいうと名前の「学覇01」(別名:学者01)は「優等生」を意味する。

 一見インドア派な印象だが、性能的には2025年4月に北京で開催された、世界初のロボットハーフマラソンで3位になった DroidUp のロボット、「行者2号」の改良版とのことなので、体力はあるのだろう。

 一方、繊細そうな「学覇01」のメイクを担当したのは、彼の指導教員である楊青青教授が率いるチームだ。

 同学院の有名アーティストである楊教授が、舞台衣装やメイクを専攻する教員や学生たちをおおぜい引き連れ、最高のメイクを施したもよう。

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image credit:人民網日本

伝統的な芸術を分析、人間の感情の芸術的価値も議論

 柔らかく弾力があるシリコン製の皮膚により、細かい表情も示せる「学覇01」は、2025年9月14日からキャンパスに姿を現す予定。

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image credit:mikekalilmfg//X

 大学当局への報告を済ませた後、全日制の授業に出席し、他の学生と一緒に、博士課程の修了年限である4年にわたり、中国の古典的な演劇のリハーサルを行うなどし、最終論文を仕上げるという。

 ただより厳密にいえば、学ぶのは演劇だけではなく、舞台パフォーマンス、脚本執筆、セットデザインなどの芸術科目、動作制御、言語生成などの技術的科目も学ぶそう。

 つまりこの人型AIロボットは、これから数年もかけ、人間の学生と同じように中国の伝統的芸術を分析し、人間の感情の芸術的価値などについても議論することになる。

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image credit:mikekalilmfg//X

実際の場面の学習や社会的な双方向のやりとりも

 同学院は、これから共同育成指導教員チームを立ち上げ、芸術科目の共同育成にまつわる全プロセス評価システムを構築し、ロボットである「学覇01」が、実際の場面で創造的な学習と社会的な双方向のやりとりが行えるように指導する意向だ。

 中国工程院の外国籍院士(中国以外の外国人研究者の中で最高の称号)である張建偉教授はこのように語っている。

ロボット博士は画期的な教育実験であり、ただの話題作りが目的であってはならない。具体的な育成計画を立て、きちんと実行すべきだ

高速学習能力をもつロボットは、今後の学科教育に大きな影響を与えるだろう。「学覇01」が人間や状況、そして芸術分野を理解できるような力を育む必要がある

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image credit:Handout

「ロボットに代わられる」「人間の学生のリソース奪いすぎ」の声

 この試みは人間型のロボットが、完全な博士候補の身分を与えられた初のケースになるが、SNSユーザーの間では、懐疑的な声も上がっている。

  • 今はロボットが学生に取って代わってるの?
  • 芸術には人生経験が必要。ロボットのアルゴリズム主導の創作では、真に人を感動させることはできない
  • 中国の芸術系の博士課程の学生の中には、月収3000元(約6万円)に満たない学生もいる。このロボットは、人間の学生のリソースを奪いすぎているのでは?

 AIを搭載した人がロボットが人間と一緒に博士課程を目指すだなんてびっくりだ。でもって学費は国がもつのか。

 わざわざ通う必要あるのかな?と思ったけど、人間の学生と同じように伝統芸術とかをみっちり学んだAIロボットが最後にどんな論文を書くのかは気になるわ。

References: Hindustantimes / SCMP / Radii / NDTV / People.com.cn

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この記事へのコメント 12件

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  1. どんどん人間の仕事を奪って、労働なんて苦痛が無くなる世の中を一秒でも早く実現してくれ

    • +8
  2. 精巧な人型ロボット作るよりも、サイボーグ化を確立してほしい。

    • +7
  3. 卒業後はどんな仕事に就くんだろう?
    大学生と言えばコンパとサークルと麻雀だけど、その辺も「学習」するのかな?
    人型ロボットが実は監視ロボットだった…って事がよぎるのはきっと私だけだろうな。

    • +3
    1. べつに大学行くのは就職するためではないからね

      • +1
  4. >芸術には人生経験が必要。ロボットのアルゴリズム主導の創作では、真に人を感動させることはできない

    どうかな…。
    人間なんて、人生経験が豊富で情緒に富んでいても、訥々として多くを語らない人より
    全然そんな経験なくても 台本どおりに泣いて笑っての演技をする役者のほうに、アッサリ落ちるもんだよ。

    • +7
  5. 目かっぴらきすぎで怖いよーもうちょっと瞼とじてくれ

    • +5
  6. 昭和のマネキンというか不気味の谷底顔というか…
    夜の廊下で出会したくないなあ(ロボ差別)

    • +6
  7. 美少女型のロボットが多いけど、これは男性アイドル風だね

    • +2
  8. しっかり学んで見聞を広めた結果、卒論が『文化大革命と一党独裁、漢民族優先政策による少数民族弾圧と文化消失』だったせいで当局に追われる事に…

    • +9
  9. この手のヒューマノイドって売り込みのロボットはまだペッパー君みたいなロボットにオリエント工業製みたいな皮被せただけに見えるな
    何パターンか、あるいは何十パターンかの表情はセットされてるんだろうけど、
    講義を聴いたり他の学生の演技を見ることで適切な表情を学習する機能とかはついてるんだろうか?

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