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新種のウミウシが2種、インドネシアで発見される

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(著)

公開: (更新: )

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Credit: Heike Wägele
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 ウミウシ好きな仲間に朗報だ。ウミウシはみんな個性的でユニークだが、インドネシア・北スラウェシ沖の海でこれまたユニークな新種が2種発見され、正式に記載された。

 これらの発見は、専門の研究者だけでなく、市民による観察や記録が大きく役立った成果であり、海洋生物多様性への理解を深める重要な一歩となった。

 ではその2種を見ていこう。

市民と研究者の協力で明らかになった2種の新ウミウシ

 インドネシア・北スラウェシ沖で発見された2種のウミウシが、ドイツ、インドネシア、イギリスの女性研究者5名によって、2025年7月14日付で動物分類学専門誌『ZooKeys』に新種として正式に記載された。

 どちらもイボウミウシ科(Phyllidiidae)に属するフィリディア属(Phyllidia)の一種である。

 イボウミウシ科のウミウシは、インド・太平洋地域に広く分布し、スポンジ(海綿類)を食べてその毒素を体内に取り込み、捕食者から身を守る特性を持つ。

 色鮮やかで独特の姿は、海洋研究者やダイバーたちに人気が高い。

 今回の記載にあたっては、ウミウシ好きな一般市民によって投稿された写真や観察記録も重要な手がかりとなっており、研究者と市民が協力して種の同定が行われた。

 北スラウェシ近海ではこれまでに約350種のウミウシが記録されており、そのうち100種ほどは未記載の新種と考えられている。

 今回の2種の記載は、こうした隠れた生物多様性の一端を明らかにする重要な成果となった。

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本論文で記載された2種の新種ウミウシの分布図
星印は両種に共通する模式産地(インドネシア・北スラウェシのブナケン島)を示す
ピンクの丸はPhyllidia fontjei(フィリディア・フォンチェイ)の未確認記録(同様に画像のみに基づく推定)
濃い青はPhyllidia ovata(フィリディア・オヴァータ)の確認済み記録(遺伝子解析および腹面の写真1点に基づく)
水色はPhyllidia ovataの未確認記録(インターネット上の画像のみに基づく推定)Image credit:ZooKeys

卵を背中に乗せたような「フィリディア・オヴァータ」

 そのうちの1種、「フィリディア・オヴァータ(Phyllidia ovata)」は、黒地の背面、白と黄色の卵のような丸みを帯びた突起物が特徴だ。

 最大で約5cmに達する中型の種で、インドネシア、日本、台湾、フィリピン、オーストラリアなどで、過去23年にわたりダイバーによって撮影されていた。

 しかし、これまでは未記載の種として扱われており、今回ようやく北スラウェシで採集された標本を基に新種として正式に記録された。

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フィリディア・オヴァータ(Phyllidia ovata) / Image credit:ZooKeys

オレンジ色の触覚を持つ「フィリディア・フォンチェイ」

 もう一種の「フィリディア・フォンチェイ(Phyllidia fontjei)」は、インドネシアの生物学者、故フォンチェ・カリギス博士(Dr. Fontje Kaligis)にちなんで名付けられた。

 博士は、北スラウェシ地域の生物多様性研究を国際的に推進した人物であり、その功績を称える命名である。

 このウミウシは非常に小さく、最大でも約16mm程度。

 楕円形の白っぽい体にオレンジ色の縁取り、背には黒い縦帯の模様を持つ。オレンジ色の触覚(リノフォア)が2本突き出ている。

背面は滑らかで、オヴァータのような突起はなく、岩肌や藻類の色に溶け込んでしまうことが多い。

 過去15年間にインドネシアやマレーシアで撮影記録があり、とくにインド洋のアンダマン海で比較的多く見られる。今回の新種記載は、採集された1体の基準標本(ホロタイプ)の詳細な組織学的分析に基づいて行われた。

 過去15年間にインドネシアやマレーシアで撮影記録があり、特にインド洋のアンダマン海では比較的多く見られる。

 記載は、採集された1体の基準標本(ホロタイプ)を用い、詳細な組織学的分析をもとに行われた。

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フィリディア・フォンチェイ(Phyllidia fontjei)/ Image credit:ZooKeys 

 今回の発見には、科学者だけでなく、市民科学者の貢献が大きく関わっている。

 iNaturalistのような市民科学プラットフォームSNS、NudiPixelや現在は閉鎖されたSea Slug Forumといったウミウシ専門コミュニティに投稿された写真や観察情報が、研究者たちにとって重要な手がかりとなった。

 イギリス・ウェールズのスウォンジー大学のナタリー・ヨノウ博士は、「こうしたオンラインの記録は、特徴的な種の同定に非常に役立っており、分類学の現場で20年以上活用されてきた」と述べている。 

追記(2025/11/16)画像の種の名称が間違っていたため訂正して再送します。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

普段は見過ごされがちな海の小さな生き物たちも、市民と研究者が協力することで、新たな発見へとつながる。

 見たことない、知らない生物を見かけたら、SNSなどに投稿することで、研究者の目に留まることもあるのだ。さあ、未知の生物探しの冒険に出発だ!

References: Pensoft.net / Scientists Discover Unusual New Species of Sea Slug That Looks Like an Egg

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この記事へのコメント 17件

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  1. ホント海の宝石。 で、ふと思ったのが、ナメクジがこんな風にいろんな色や形で分化していたら、あれほど嫌われないだろうにとも思いましたことよ

    • +15
    1. ナメクジもね サイケデリックな仲間が結構いるのよ
      そのうえでの、あの嫌われっぷりなのよ…

      • +10
      1. バナナナメクジとかいますねえ……
        深刻な農業被害と危険な寄生虫持ちでは拒否せざるを得ない

        • +5
    2. ウミウシの派手な色は毒を持つことを知らせる警戒色と言われてるけど
      ナメクジは警戒色を持つほどの毒は手に入れられなかったのかもね
      ウミウシは餌に含まれている毒を濃縮して保持してるそうだけど
      ナメクジの餌だとそれが難しかったのかも知れない

      • +8
      1. いやー結構、アレが保護色だったり毒の強いやつの擬態だったりするんだよね
        珊瑚礁ではねー

        • +1
    3. 正直海の中にいるから許されている感はある。陸にいたらカラフルなイモムシくらいの扱いになるのでは。

      • +1
  2. ウニクリームパスタみたいなウミウシだな オシャレだ

    • +11
  3. 帰ったらさっそく写真集繰ってみよう
    海牛はいくつかの動物の集まりで、かつ活動範囲が狭くて偏食だから
    未記載→新種だったという話をたまに聞くね

    • +5
  4. なぜかホイップクリーム入りのアンパンが食べたくなってきた

    • +3
  5. チョコ、カスター、ホイップクリームの三層

    • +4
  6. 人間と違ってこの手の生物は世代交代も早いので状況に合わせた進化も早い
    そうしないと生き残れないしな

    • +2
  7. 神の存在はあまり信じていないけどもこういう造形物を見るたびに誰の趣味なんだろうとは思う。
    たまたま、なのか意味や理由やメリットがあっての進化なのか。
    個人的には異星人とかのキテレツ生物大会とかでDNAいじりまわしたやつを地球に廃棄した説を推したい。
    きっとウミウシの部と昆虫の部があるに違いない。

    • +4
    1. 誰かの趣味でこういう造形になっていると考えるより、
      そもそもこういう造形に魅力とか意味とかを感じる「人間の趣味」が
      これらの生物進化を下敷きにしているからなんだと思う。

      • +3
  8. カリフォルニアロールに見える
    ディープステートの陰謀だ

    • 評価
  9. 名前と写真が合ってなくない?
    分布図を見る限り、卵のような色合いのは「フィリディア・フォンチェイ」で
    小さなトゲトゲのが「フィリディア・オヴァータ」じゃないかと思うんだが。

    • 評価

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