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カンブリア紀を生きたタコスみたいな節足動物「オダライア」に大顎があることが判明

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(著) (編集)

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 カンブリア紀に生息していたタコスのような形をした海洋節足生物「オダライア」の進化と生態が明らかになりつつある。

 カナダのロイヤルオンタリオ博物館(ROM)に所蔵されている化石を分析したところ、オダライアには下顎があったことがわかったのだ。

 100年以上前にバージェス頁岩で初めて発見されて以来、ずっと謎だった節足動物の分類に決着がついた。この生き物は大顎類(だいがくるい)に分類することができ、初期生物の進化と多様性について新たな事実が明らかになることが期待されている。

カンブリア紀の節足動物「オダライア」に驚くべき発見

 オダライア(Odaraia)の化石の口周辺にはギザギザした大きな付属肢のようなものが特定でき、明らかに下顎があったことを示している。

 これは節足動物のうち六脚類・甲殻類・多足類をまとめた分類群「大顎類」の重要な特徴のひとつで、オダライアがこのグループのもっとも初期のメンバーだったことを示している。

 もうひとつの驚くべき発見は、脚についている大小さまざまな棘が複雑に機能していたことがわかったことだ。

 これらの棘は絡み合っていて、まるで漁網のように小さな獲物を捕らえることができたという。

 この事実は、初期の大顎動物の一部が海底を離れて水中を探索し、未来の生態系の成功の種をまいたことを示している。

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オダライアの化石、ROMIP 60746 / image credit:Jean-Bernard Caron, Royal Ontario Museum.

オダライアの分類は未解決だった

 まるでアルマジロのようなオダライアの甲冑は、脚を含めた体の半分を覆っていて、まさにタコスの皮に包まれているような格好だ。

 だが、彼らの捕獲メカニズムはこれまでわかっていなかった。

 トロント大学のアレハンドロ・イスキエルド・ロペス氏によると、1980年代時点では、オダライアの化石の数が限られていて、その奇妙な形状から、本当に大顎類の仲間なのか、エサはなにを食べていたのかという疑問が未解決のままだったという。

 だが今回の分析により、大顎類の仲間であることが明らかとなった

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オダライアの化石、OMIP 952413_1. / image credit:Jean-Bernard Caron, Royal Ontario Museum

 体長およそ20cmのオダライアのような初期の大顎生物は、カンブリア紀に海底に生息していたが、もっと海面近くへと移動することができた大型生物の仲間の一部だったという。

 このタイプの仲間はその水域を豊かにし、より複雑な生態系への進化移行を促した可能性がある。

 カンブリア紀の化石は、5億年以上前に始まった生物グループの大きな分岐を記録していることが多い。

 この時代には、目、脚、殻など無数の進化が起こり、関節のある四肢をもつ節足動物の一種である大顎類など、多くの動物グループの最初の多様化が見られ
た。

 大顎類は進化の成功の例といっていい。今日、地球上に現存する種の半分以上を占めている。

 大顎類は至るところに生息していて、海に棲むカニから下草に潜むムカデ類、草原を飛び回るハチまで、あらゆるところで見ることができるが、その始まりは地味なものだった。

 カンブリア紀の最初の大顎類は海洋生物で、ほとんどが特徴的な頭部シールドや甲羅を持っていた。

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仰向けに遊泳するオダライアの復元図 / image credit:Qohelet12 / WIKI commons

古生物の宝庫、バージェス頁岩

 カナダ、ロッキー山脈周辺の「バージェス頁岩(けつがん)」は古生物学情報の宝庫だ。5億500万年以上前の地層からは、これまでも様々な海棲動物の化石が発見されている。

 カナダのロイヤルオンタリオ博物館(ROM)にはこのバージェス頁岩から採取された、カンブリア紀化石の最大コレクションがある。

 ここで化石になったものは、通常なら腐ってしまい化石として残らない構造、生き物、生態系が保存されていて、かなり例外的だ。

 大顎類が化石の記録に残るのは通常はまれなことで、ほとんどの化石には、生物の硬い部分、骨格やよく知られている三葉虫の鉱物化した表皮などしか保存されない。

 オダライアは、タコスの皮のような甲皮、大きな頭と目、潜水艦の竜骨のような尾を持ち、バージェス頁岩層から採取された象徴的な生き物のひとつだ。ROMのウィルナー・マッジ・ギャラリーでその標本を見ることができる。

 本研究は『Proceedings B』(2024年7月1日付)誌に掲載された。

追記:(2024/08/03)本文を一部訂正して再送します。

References:Taco-shaped arthropod from Royal Ontario Muse | EurekAlert! / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 17件

コメントを書く

  1. ホウネンエビのでかいやつやん、って思った。背泳ぎする再現図もその意図でやってるのかな。

    • +8
    1. 背泳ぎが本来だったんだろうね
      水面に逆さに張り付くんだろうと思う

      • 評価
    1. >>3
      カブトエビ飼育セットで子どもと育てたことあって、毎日別の生き物に思えるくらいの超スピードで成長してビックリした
      殻が薄くて柔らかいのですごく捕食されやすいかもしれない
      カンブリア紀とかの古代生物の絶滅理由ってそれかな

      • +1
  2. そう言えばカブトエビも2億年くらい前から同じ姿で生き残ってる
    凄いやつなんだよね。

    • +4
  3. 体長20cmは盛りすぎやろー。せいぜい10cm前後。
    釣り人か!

    • -1
    1. >>7
      化石があるのに「せいぜい10cm前後」とあなたの感想を言われましても…

      • +2
  4. 細かいことで申し訳ないですが、節足動物にはいわゆる骨はないので、「mandible」の訳語は「下顎骨」ではなく「大顎」もしくは「大腮(たいさい)」が良いと思います。
    ちなみに節足動物の大顎は、触角同様に付属肢が変化したものです。

    • +1
  5. タコスの開口部が上の背泳ぎでほんとに正しい?
    また後年訂正されたりしない?

    • +2
  6. 毎回思うが、よくあんな化石から複雑な復元CGつくれるよな
    学者さん、すごい

    • +1
    1. >>12
      圧し潰された化石の2次元から、3次元に想像できるのはやっぱり才能だよな。
      何故か、こういう研究に向く人は子供の頃からジグソーパズルが得意だったそうだ。しかも白一色みたいなやつ。

      • +2
  7. 田んぼのアレやんって名前っ出てこなかったけど、
    コメントおかげですぐわかった。ありがとう!

    • 評価
  8. タコスというよりメンズ向けの大人の玩具に見える

    • 評価

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