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うれしいニュース。400年ぶりにイギリス北部に再導入されたビーバーのカップルに赤ちゃんが誕生

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(著) (編集)

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 2023年、イギリス北部ノーサンバーランド州にある自然豊かなウォリントン地区に、400年以上ぶりにヨーロッパビーバーが4匹が再導入された。そして今年、その家族から赤ちゃんが野生下で誕生したという。

 そしてそれだけではない。わずか1年で驚異的な自然の変化が観察された。

 ダムづくりに精を出すビーバーたちにより、豊かな湿地が出現するなど、周辺の環境にさまざまな恩恵がもたらされているという。

イギリス全土で野生のビーバーの生息数が激減、一部絶滅

 ヨーロッパビーバーはかつてユーラシア大陸に広範に分布していたが、大半の地域では20世紀までに絶滅してしまった。

 イギリスにも数多く生息していたが、毛皮や肉、海狸香(肛門腺の分泌物から作られる香料)目当てに乱獲され個体数が激減し、ノーサンバーランド州では400年前に絶滅した。

 そこで、 2021年より英国各地でビーバーの再導入計画が開始された。ドーセット州から始まり、ノーサンバーランド州でも2023年にウォリントン地区に4匹のビーバーを再導入した。

 再導入されたビーバーはウォリントン地区に定住し、たった1年で自然に驚くべき良い変化をもたらした。

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photo by iStock

ビーバーを再導入して1年で湿地帯が出現、生態系にうれしい変化

 ウォリントン地区に再導入されたのは、大人2匹と子供2匹のヨーロッパビーバーで、ダム作りを行っているのは大人2匹だけだ。

 それでも森の建築家と呼ばれる彼らの優れた才能のおかげで、たった1年でサッカー場ほどの湿地帯が出現した。

 ナショナル・トラストの管理者であるポール・ヒューイット氏は、ビーバーの働きは「まるで魔法のよう」と驚きを隠さない。

 「昨年の今頃、私はビーバーの影響を完全には理解していなかったようです。今ではさまざまなことを理解しました。これはまさに大発見です」

 その影響はどれも嬉しいもの。カワセミ・アオサギ・ドーベントンコウモリなど、エサが豊富な湿地にさまざまな野生動物が次々と集まってきている。

 「彼らがいない400年の間、私たちが何を失っていたのか一目瞭然です」とヒューイット氏は話す。

 ウォリントンのような再導入プロジェクトの成功は希望の光だ。こうした成果があれば、もっと大きな再導入計画の実施を当局に認めてもらいやすくなる。

 ビーバー再導入プロジェクトの支援者たちは、ビーバーが地域に大きな変化をもたらし、それによって野生動物が増え、さらには地球温暖化への適応力を高めることにもつながることを期待している。

 実際その効果は人工衛星からも確認されている

 非営利団体「Wildlife Intrigue」の共同創設者であるヘザー・デビー氏はこう語る。

だからこそ、ビーバーは素晴らしいのです。温暖化や生物多様性の危機など、悲観的なニュースばかりですが、ビーバーは未来の見通しを明るくしてくれます。私たちの味方になってくれるんです

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photo by iStock

さらにうれしいニュース、ビーバーに赤ちゃんが誕生

 昨年放たれたビーバーは、大人2匹と子供2匹だった。

 だがそこに新たな仲間が加わった。ここに再導入されたビーバーのカップルから、400年ぶりとなるビーバーの子が誕生したのだ。

 男の子か、女の子かはまだわからない。ビーバーに外性器がなく見分けるのが難しいからだ。

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新たに誕生した子ビーバーが草を食べているところをカメラが捉えた / image credit:National Trust UK

 とは言え、今も全員がこの地域にいるかどうかはわからないそうだ。

 全員がそろっている姿は撮影されておらず、若いオスが引越した可能性もあるようだ。

 実際、ヒューイット氏は、100km近く離れた川や運河でビーバーを目撃したという噂を耳にしたという。

それが私たちのビーバーかどうかはわかりません。ビーバーにはタグとチップが付けられていますが、確かなことはわかりません(ヒューイット氏)

 いずれにせよ、ヒューイット氏ら関係者は、ビーバーの再導入が成功したことに胸を張る。そして、この建築家たちが人々から愛されることを願っている。

References:National Trust celebrates birth of baby beaver one year after reintroduction | Conservation | The Guardian / First Beaver in 400 Years Born in English Countryside as Reintroduced Pair Gives Birth–and Spurs Return of Nature / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 8件

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  1. 世界が戦争に使ってる金をすべて自然環境回復のために使ったら破壊された地球も劇的に変わるのではないか?

    • +14
  2. ビーバーすごい
    ビーバー1家族でこんなに環境が変わるなら、人間の作ったものもきっと色んな影響あるんだろうな

    • +10
  3. お子が出来たのね、おめでとう!(´・ω・`)ますますの繁栄を願います

    • +8
  4. イエローストーンにオオカミを導入したら生態系が回復したという話もあるし、生態系の維持には本来そこに居るべき生物が大事だという事がよくわかる。
    まあオオカミの件はオオカミを過大評価しているだけという話もあるけれど。

    • 評価
  5. ビーバーの雑学。
    シルクハットの正式名称はトップハットであるが初期はビーバーの毛皮で作られていた。
    記事中の理由によりビーバーの毛皮が手に入らなくなりシルクを使うようになった。
    今でもハットの最高級品はビーバー(アメリカ産)の毛を使用している。
    一般的なハットやちょっとした高級品はほぼすべて羊毛に置き換わっているけどね。

    • +4
  6. 奥様は魔女で、サマンサがビーバー2頭の高級毛皮を出したのを思いだした。
    あれ見てビーバーは高級毛皮なんだと知ったわ。

    • +3

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