メインコンテンツにスキップ

謎につつまれた遊牧国家の遺物。カザフスタンで2000年前の古墳から金の宝飾品が発見される

記事の本文にスキップ

20件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 カザフスタン南部トルキスタン地方にある約2000年前の古墳から、精巧な金の宝飾品、矢尻、大きな青銅の鏡などが発掘された。

 これら遺物は、紀元前5世紀から紀元4世紀にかけてこの地を治めていた康居(こうこ)という遊牧国家の時代に作られたものと考えられているが、この国の文化についてはほとんど知られていない。

カザフスタンで発見された約2000年前の見事な宝飾品

 今回の発見現場は、トルキスタンのオルダバシンスキー地区にある3つの古墳だ。

 カザフスタンのオズベカリ・ジャニベコフ大学と考古学者らの研究チームが発掘調査を行ったところ、古墳のうち2つは盗掘されていたが、3つ目には貴重な遺物が残されていたという。

 見つかったのは、青銅の鏡ほか、フィブラと呼ばれるローマ風ブローチ、大小のビーズ、陶器の水差し、靴、ベルトのバックル、鳥を獲るための矢尻、紀元前1世紀ごろの金のイヤリング2個だ。

 これらの発見物には、康居国が古代ローマや古代中国、中央アジアから北インドのクシャーナ王朝と交易していた当時の高度なスキルをもつ職人技が見られるという。

 康居は、かつて中央アジアにあったとされる遊牧国家で、大宛の西北から、シルダリヤ川の中・下流からシベリア南部を領していたとされる。その拠点は現在のカザフスタン南部にあたるそうだ。

 三日月の形をしたこのイヤリングはとくに装飾がすばらしい。

 多色金として知られる色鮮やかな合金で作られていて、トルコ石とルビーがはめこまれている。下部の装飾はブドウの房を表し、太陽の光を反射してキラキラ輝くようになっている。非常に手が込んでいて見事だ。

この画像を大きなサイズで見る
発見された珍しい形をしたふたつの金のイヤリング。 / image credit:Turkistan regional administration of Republic of Kazakhstan

 青銅の鏡は、円形で背面に八角形のアーチ状の意匠が施され、中央に糸を通す穴があいている。このスタイルから推測すると、紀元前206年から紀元220年までの漢王朝時代に中国で生まれたもののようだ。

 こうした品々はユーラシア全土で高く評価され、同じような鏡はアフガニスタンや南ウラルでも見つかっている。鏡と共に埋葬されていた女性は、裕福で影響力のある人物だった証だという。

この画像を大きなサイズで見る
発見された青銅の鏡 / image credit:Turkistan regional administration of Republic of Kazakhstan

強大な古代国家との幅広いつながりがあった可能性

 発掘調査リーダーである考古学者のアレクサンダー・ポドゥシュキン氏によると、康居は、サルマティア人、匈奴、サキ人(スキタイ人か?)などの遊牧民やさまざまな民族の集合体だった可能性があるという。

 康居国は中国と地中海を結ぶ大シルクロードの一部に位置していたとされ、つまり古代世界全体と外交、交易でつながっていたと考えられる。

 出土品はアスタナにあるカザフスタン国立博物館で展示される予定だ。

References:НАЙДЕНО ЗЕРКАЛО ХАНЬСКОЙ ИМПЕРИИ, ПРИНАДЛЕЖАЩЕЕ К ЭПОХЕ КАНГЮЙ / 2,000-year-old gold jewelry from mysterious culture discovered in Kazakhstan | Live Science / written by konohazuku / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 20件

コメントを書く

    1. >>1
      おもしろい視点だと思う。

      粒金細工のつぶつぶと太めの本体はそういう意匠の伝播があったのかもしれない。
      時代的にはズレがあるんで人がデザインをするときに思いつきやすい形状の可能性が高いけど。粒金なんか作りやすいしなあ。

      それよりも、青銅鏡の意匠は明らかに漢王朝から伝わっているよね。
      こちらの意匠は日本にも伝わってきている(三角縁神獣鏡、他)

      • +6
    2. >>1
      牛角もしくは三日月に果実と穀物の付いた意匠だと思う。聖牛の角から果実が湧き出すデザインは洋の東西で広く見られる。

      • +2
    3. >>1
      自分も見た時、遮光器土偶の「Aパーツ(上半身)」が無いやん!と思ってしまったw

      • +5
  1. イヤリングなのか、どういう風につけるんだろう
    それにしても合金とはいえ金って本当に錆びないんだな

    • +3
    1. >>2
      私も解釈に苦しんだのですが、写真は上下方向が反対に写されているのではないかと。
      つまり、U字型のピアスじゃないかなと思いました。Uの下の方にブドウがぶら下がってるイメージで、Uの間にみみたぶを入れて、棒を通すと耳に下げられそうじゃない?

      • 評価
    2. >>2
      足みたいなところに穴が開いてるから、U字状の別の金具を耳に着けて差し込むんじゃないかなぁと。

      • +3
  2. 2000年間~5000年間の人類史のストックを、ここ100年間の間に地中から掘り返しているが、そろそろ掘り出せる遺物も枯渇してきたのではないだろうか❓

    • -3
  3. きれいだな
    現代でもエキゾチックアクセサリーとして十分通用するレベル
    昔の人の技術とセンスは流石だわ

    • +5
  4. 金ってすごいねえ
    汚れ落とせば2千年前の品でも
    当時どんな感じだったかわかるもの
    青銅は見た目全然変わっちゃってるからなー

    • +6
  5. 粒金細工のつぶつぶをこのような感じにロウ付けする技術は、2000年前には技術的に不可能。そもそも道具が無い。
    もし本当なら歴史が変わる。道具も発掘されないと証明されない。

    • -3
      1. >>12
        ロウ付け以外の方法で作られているなら良し。

        • -3
    1. 記事中にはロウ付けで製作されているという記述はないな。
      どの部分からロウ付けで作られていると判断したのだろう?

      • 評価
  6. こんな美しいイヤリングがあるなら当時の染め物のドレスと口に紅をつける程度で、現代から見ても充分に『着飾る』感じになりそう

    • +3
  7. 自分が連想したのは宗像大社に収蔵されてる金製指輪だった。

    • +1
  8. アレクサンダー大王は中国の喀什(現中華人民共和国のカシュガル)に至ったとみられ、中国漢王朝の歴史記録に確認される「偉大なイオニア人」(大宛)と呼ばれた人々の末裔が、フェルガナ盆地のギリシア人である可能性もある。
    多分にオリエント文化の息吹を感じるよな

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。